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『誰もが家事や育児にとらわれずに思った通りの人生を生きることができる世界をつくる!』ブランニュウスタイル株式会社 代表取締役 和田幸子さん (インターン受入先 経営者インタビュー)

2016.09.28

「家事を助ける」という意味をこめて命名した「タスカジ」は、家事のお仕事をしたい個人と家事をお願いしたい個人とをマッチングするWEB上のサービスです。掃除、洗濯、買い物、料理からチャイルドケアまでハウスキーパー (タスカジさん)にお願いすることができます。この事業を立ち上げた和田さんに、事業に込める思いから、子ども時代のお話、新しい家族観、そして若者たちへのメッセージまでじっくり伺いました。

和田幸子さん

(写真:ブランニュウスタイル株式会社 代表取締役 和田幸子さん)

コミュニケーションを深めていく中でパートナーシップができあがっていく。 そういう世界観を家事代行サービスの中でつくりたかったんです。

―タスカジが、従来の家事代行サービスと違う点はどういったところでしょうか?

和田さんー個人間サービスである点ですね。相互にコミュニケーションをとることで完全にパーソナライズされたサービスを受けられるというのが、普通の家事代行サービスとは異なります。家事代行というと普通は毎回、型の決まった同じサービスが提供されるんです。そうではなく、利用者さんとタスカジさんとの対等なパートナーシップを築きたくて。だから、タスカジでは利用者とタスカジさんがパートナーシップを結んで、提供する家事代行サービスをカスタマイズしていける仕組みにしています。そうすると、いい関係が築ければ築けるほど、いいサービスが返ってくる。そうやって、互いにコミュニケーションを深めていく中で、パートナーシップができあがっていくような世界をつくりたかったんです。

ごみを捨てに行くのが面倒で、妹に捨ててもらう仕組みを作ったこともありましたね(笑)

―和田さんは子どものとき、どんな子どもだったんですか?

和田さんーかなり小さい頃からものづくりや仕組みづくりが好きでした。あとは、効率的に物事が進んでいくことにも興味がありました。これは、生まれ持った興味の方向なんですかね。

―ものづくりということは、理系の勉強も得意だったんですか?大学卒業後は、富士通でシステムエンジニアとしても活躍されていましたよね?

和田さんーそれが、数学や物理に興味はあったんですけど、勉強はあまりできなくて(笑)。「そういう方向に興味はあるんですけど、物理が難しすぎて理解できないんです。」という話を高校の先生にしたら、「それだったら、システムエンジニアっていう仕事があるよ。」と教えてくださったんです。システムエンジニアだと文系からもいけると知って、その道に進もうと決めました。

和田さん

―偏った見方かもしれませんが、ものづくりやシステムというと、どうしても男の子の方が関心が強いというイメージがありますが、子どもの頃、遊び相手には困りませんでしたか?

和田さんーそうなんですよね。その点では女の子とはあまり話が合わなかったし、家の中でも「変わってるねー」って言われていましたね(笑)。

―嫌ではなかったんですか?

和田さんー中学生くらいになって気にし始めて、大々的にシステムとかが好きって言えなくなりました。「変わってるね」と言われるのは嫌でした。だからかはわからないんですけど、学生時代は芽を花咲かせるというところまでいけなかったというか、そういう出会いに恵まれませんでしたね。あと、私、とても面倒くさがり屋なところがあって。

―例えば、どんなことを面倒くさいと感じますか?

和田さんー毎日面倒くさいを連呼してますね(笑)。まず、洗濯物たたむの面倒くさいとか、宅急便に出して荷物送ろうと思っていても、ラベル貼って宅急便の人に渡すのが面倒くさいとか。あと歩くのも…(笑)。

―いよいよ人間生活のベースにまで踏み込みましたね(笑)。

和田さんーごみを捨てに行くのが面倒で、妹に捨ててもらう仕組みを作ったこともありましたよ(笑)。

―ごみ箱を近くにもってくる発想はなかったんですね(笑)。

和田さんー機械がだめなら人でって(笑)。

仕組みづくりが好き × 面倒くさがり が花開いた!

和田さん

―仕組みづくりが本当にお好きだったんですね(笑)。社会人になってから、和田さんの性格や興味は周囲にどう受け取られたんですか?

和田さんー社会人になって、システムエンジニアとしては、面倒くさいということや仕組みを作りたいという気持ちがよい方向に進んでいったんですよ。「面倒くさいことを解決することが仕事だ!」って。面倒くさいに対する感度が高いのが良かったんですよ(笑)。変わっていると言われていたことがこんなにも競争優位になるということを感じてびっくりしています。

―コンプレックスだったことを、自分の武器にしているところがすごいですね。

和田さんーそのとき初めて、自分の中で「これでいいんだ!」と思いましたね。会社で知り合った同期の仲間たちもちょっと変わった人たちだったので、良い影響うけたんだと思います(笑)。

―タスカジの事業でも面倒くさい精神は発揮されていますか?(笑)

和田さんーすごく発揮されていると思います。人って本当は心のどこかで面倒くさいと感じているけれども、気がつかない人が多いと思うんです。でも、私はすぐに気づいてしまうので(笑)。そこをどんどん自動化したり、システム化したりしていくと喜ばれますよね。「そうそう、そういえばこれ面倒くさかったの!」みたいな(笑)。

―「面倒くさい」と「仕組みをつくるのが好き」というのを掛け合わせると、すごい発明が生まれるのかもしれないですね(笑)

和田さんー人と違う感性を持っているなと思ったら、それはそれで大事にしていったらいいですよね。

―説得力ありますね(笑)。意外なところに可能性は広がっているものですね。

「あれ、これやるの私しかいないんじゃないのかな」って思ったんですよね(笑)。 待っていても誰もやらないのかなと思ってはじめました。

―ところで、和田さんはなぜ「タスカジ」という事業を始めることになったんですか?

和田さんー子育てをしているときに、マイノリティはこんなにつらいんだって思ったんです。生活している中で、ベビーカーで移動しづらいところがたくさんあるじゃないですか。エレベーターがないところもあるし。改善しようと努力はしているけれど、どうしても後回しになって、そういう不自由が普通にあるんだってことを初めて知ったんです。等しく人間として生まれてきて、等しくサービスを受ける権利を持っているのに、優先されないということが起きちゃいけないなって。

タスカジ

(写真:タスカジのサービスが利用されている様子。利用者とタスカジさんがより良いパートナーシップを築いていく点がタスカジの特徴。)

―マイノリティであることを感じたことがきっかけだったんですね。

和田さんータスカジのような事業でいえば、誰がやるかというと、「共働きで、家事のしわ寄せがいっている女性で子どもがいる人」、「起業したいって気持ちを持っている人」、「世の中の課題を解決したいという気持ちを持っている人」という人に絞られる。あとは、ITの知識だったり、経営の知識だったり、事業を立ち上げていくという経験や知識がある人。そしたら、「あれ、これやるの私しかいないんじゃないのかな?」って思ったんですよね(笑)。待っていても誰もやらないのかなと思ってはじめました。

―気づいてしまったんですね(笑)。

和田さんーもともと起業はしたいと思っていたし、このテーマだったら自分が全力でエネルギーを注げると思って。たとえ失敗したとしても、「やってよかったな」とか「時間をかけてよかったな」と思えるだろうなって。私は本当に困っていたし、自分のためにもつくりたいと思っていたくらいです。私はすごく仕事が好きで、仕事の時間を減らしてプライベートに比重を置くということがどうしてもできなくて。どうやってバランスをとっていったらいいかずっと悩んでいたので、「このテーマだったら自分が情熱を注いで取り組める!」と思ったんです。

―もしかしたら他にもアイディア思いついた人がいるかもしれないんですけど、本当にすごいのはそれを形にするってことです。そこがやっぱりスペシャルだなって思います。

和田さんー気づいても実行するほどのエネルギーが持てないっていうのが普通だと思うんですよ。私は、本当に困っている当事者だったので。そういう意味で、女性ならではの視点でビジネスを起こすって、いろんな可能性があるんだろうなって思いましたね。大企業の中でも、当事者である女性が意思決定をしてサービスをつくるというだけで、ユーザーニーズにもマーケティングにも競争優位が出るかなと思います。

逆風に対しては「できないわけないじゃん」って思っていましたね(笑)。

会議の様子

(写真:会議の様子。チームメンバー5名のうち、4名がワーキングマザーのため、当事者の視点がサービスづくりに活かされている。)

―ところで、和田さんはこの「タスカジ」を始めるときに、「このビジネスは成り立たなくない?」という逆風はなかったんですか? 和田さんー逆風はあったとは思うんですけど、「そっか、皆はそう思うんだ。」みたいな。「でも、私できるし!」と思っていました(笑)。

―すごいですね(笑)

和田さんーでもそういう風に思うからこそできるわけで、人からそういう風に言われて「そうかな?」って思っちゃうくらいだったらやらないです。「できないわけがないじゃん、出来ない理由がよくわからない」って思っていましたよ、ずっと(笑)。

―ぶれない軸と強い気持ちが大切ですね。

和田さんー今でもよく言われますけど、「そもそも家事代行なんて必要としている人いるんですか?うちの妻なんて嫌がっているんですけど」とか「心理的なハードルを持っている日本人は使わないはずだ」とか。でも、そこは私も利用当事者として、利用した方がいいケースが多いということはわかっているし、それに対する心理的なハードルもわかっているので、徐々にそのハードルを感じなくなる人が増えていけば、みんな使い始めるだろうなと自信が持てた気がします。

家族もありつつ、外部の人たちも家族のパートナーとして呼び入れて擬似家族みたいな 感じで、家族をつくり上げていくという世界観をつくりたいです。

和田さん

―和田さんはこのタスカジを通して、どんな未来が作られていったらいいなって思っていますか?

和田さんーそうですね、誰もが家事とか育児にとらわれずに思った通りの人生を生きることができる世界をつくっていけたらいいですね。核家族で人が少ない中でやろうと思うのではなくて、その家族もありつつ、外部の人たちも家族のパートナーとして呼び入れて擬似家族みたいな感じで家族をつくり上げていくっていう世界観をつくりたいです。

―将来こんな光景が見ることができたら、うれしいというか、思わず「にやり」としてしまうようなイメージはありますか?

和田さんー「私、最近忙しいから、手伝ってくれる人いないかなー」ってつぶやいているワーキングマザーとか、介護をしていて「なんか最近しんどくなってきたな。他にもサポートしてくれる人見つけないとな」と思っている人がいて、そういう人を支えるパートナーが何人もいて、入れ替わり立ち代りいろんな人がサポートしてくれるような世の中になったらいいなと思います。たとえば、家族3人しかいないけど、気づいたらいろんな人に囲まれている。そういうイメージですね。

―懐かしいようで、新しい家族観ですね。

和田さんーはい。他人とパートナーシップを築いて、どのように自分の家族の中に取り込んでいくかが、新しい家族の形なのかなと思っています。そのためにも、どうやったらそれがみんなにとっての幸せになるのかということを明確にしていきたいですね。

―改めてお話を聞いて、家事代行の奥にいろいろな広がりがあるということを垣間見ることができて本当によかったです。

成功する確率が大きくなると思うんです、小さな失敗をたくさん積んでおくと。

―この記事を読んでいる学生に対してメッセージをいただけますか?

和田さんー私が学生のときにもし知っていたら人生が変わっていただろうなと思うようなことがあって。それは、できるだけ失敗はたくさんしてくださいということです。前倒しで、失敗をたくさんしておくほど、あとから成功する確率が大きくなると思うんです。失敗しようと思って失敗する人はいないと思うので、「チャレンジしようかな」と迷ったときには、まずチャレンジしてほしいです。失敗したら、また次の糧になるので、失敗を恐れないこと。成功したらラッキーだし、失敗するときも、大きく失敗しないような段取りで、小さく失敗して、積み上げていってほしいですね。

―今日はいいお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました。

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