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【どすこい!起業家ぶつかり稽古#1】佐渡島庸平さんに聞いてみた「灘高→東大→講談社という経歴こそが、自分で人生を選んでこなかった証明だ」ってどういうことですか?

2016.11.29

こんにちは、大学生ライターの片山です!

今回、DRIVEインターンの新プロジェクト【どすこい!起業家ぶつかり稽古】のインタビュー版として、学生ライターの片山が起業家の方に突撃インタビューを行うことになりました!

【どすこい!起業家ぶつかり稽古】とは、「学生がかばん持ちのように起業家の1日に密着し、その仕事の様子から学び、疑問や考えをぶつけて、滝に打たれるようにフィードバックをもらう(=稽古をつけてもらう)」というものです。

このインタビューを通して、「ぶつかり稽古とは、こういうことだ!」ということをお伝えできればと思います。記念すべき第1回目のどすこいインタビューは、株式会社コルク 代表取締役・佐渡島庸平さんにお話を伺います。

佐渡島さんプロフィール.001

突然ですが、皆さん。これまでどんなふうに、進路や自分の歩む道を選んできましたか?

いわゆる受験の時、「偏差値」が大きな指標で、それが高いか低いかで自分の価値が決まってしまうと、ぼくは思っていました。偏差値が高い学校に行くと、人生は成功するとさえ思っていました。だから大学受験の時は、偏差値の高い大学に行くことが大きな目標でした。

これは、結構多くの人が思っていることだと思うんです。

しかし、とあるイベントのお手伝いをしていたとき、ぼくはこの固定観念をひっくり返される経験をしました。そのイベントに登壇されていた佐渡島庸平さんが、こんなことを言っていたんです。「灘高→東大→講談社、それこそが自分で人生を選んでこなかった証明だ」

この佐渡島さんの一言がどうしても忘れられず、今回取材に伺わせてもらったのですが……。これが、まさにぶつかり稽古でした。

片山がインタビューしているつもりが、すっかり逆インタビューと言いますか、コーチング(コーチングでいいのか?笑)を受けることに。

佐渡島さんの人生哲学に基づく実直な言葉から、自分はどんな価値観を大事にして生きていくのか、改めて非常に深く考える機会になりました。リアルなやり取りを通して、ぜひみなさんにも、なにかを考え直す機会にしてもらえると嬉しいです!佐渡島さんは、一体どんな生き方を選んでこられたのでしょうか。

 

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片山:佐渡島さん、よろしくお願いします!

佐渡島:よろしくお願いします。

作家エージェント誕生物語。「作家の自由」を支援したいと思った

片山:まずは、佐渡島さんのコルク創業時のストーリーをお伺いしてもよろしいでしょうか?

佐渡島:作家はこれまで、「出版社」という組織に頼らないと作品を世の中に広めることができませんでした。だから、「出版社」に頼ることによって自分の思いを我慢しながら、もしくは我慢していることに気づくこともないまま、作品を作っていたんです。でも今はインターネットのおかげで、組織ではなく、個人が力を持って発信できる時代に変わってきています。そのような変化の中で、創作の自由を「作家エージェント」という形で支援したいと思いました。出版社という組織の都合に、作家が合わせるのではなく、作家がそれぞれのペースで創作を続けられるような、インターネットの時代に合った新しい仕組みをつくるというのが、コルクがやりたいことです。

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片山:作家エージェント・・!出版社だと、その「自由さ」は生み出せないんですか?

佐渡島:出版社の編集は雑誌に紐付いているので、「雑誌に載せておもしろい作品」をつくるのが目的なんです。だから編集者は、その雑誌にぴったりの作品になるように仕立てます。人気作が終わったときも、出版社としては、すぐに次回作を発表してもらった方がいい。それに比べて、エージェントという仕事は、作家の人生にとって今どういう作品をつくるべきか、つくった方が良いかを考えます。でも作家の人生考えると、この1年間は全く違う畑で仕事したり、経験を積むのも良いことだと思うんですよね。つまり、出版社と作家エージェントは「戦略」が全然ちがうんですね。

片山:作家一人ひとりと向き合って、一緒に戦略を練って、SNSで発信したり、ファンのコミュニティを作ったり、丸ごとプロデュースしていく。雑誌ではなく、作家側に立つ。それが作家エージェントなんですね。

佐渡島さん:そうです。

「人ってあんまり正義とか理念のために頑張れないと思う」

片山:コルク創業に向けて、どんな思いが佐渡島さんを動かされたのですか?

佐渡島:人ってあんまり正義とか理念のために頑張れないと思うんです。

 

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片山:え?正義とか理念のために頑張れない?

佐渡島:はい。自分が楽しんでいることが重要だし、身近な疑問が大切なんです。「さあ、作家に寄り添うぞ!」と思うわけでもなくて、僕の場合は「業界が縮小してるから、作家も不安だろうなあ」と思ったんです。作家側に立って、相談できる職業が必要だと思ったんですね。

片山:目の前の問いに応える……。人生って、その作業の繰り返しですよね。

佐渡島:そうです。目の前にある問題とかトラブルに、忠実に誠実に、対応していくことです。登山に例えると、ある程度まで山を登っていくわけです。すると、あるところまで登ると、すぅーと雲が晴れて、頂が見えたりするんですよ。自分の感覚では、毎日一歩一歩進んで、日々目の前にある問題を解決しているだけです。一方で、ある人から見ると、急にドーンと山の高いところまで行って、登りだしているように感じる。でも、自分にとっては、一歩一歩登ってきたの道なんですよね。革新的なことをしているつもりもなくて、ただ目の前にある道を一歩ずつ進んでいるという感覚なんです。

「来年死ぬとしたら、あなたはどうしますか?」

片山:実は先日ご登壇されたイベントに伺ったとき、「灘高→東大→講談社という経歴こそが、自分で自分の人生を選んでこなかった証明だ」とおっしゃっていたのを聞いて、すごく心に刺さりました。それこそぼくは、偏差値至上主義の中で育ってきたし、学歴の高い人が優秀だという風潮を感じることが多かったので、すごくびっくりしたんです……。まさに佐渡島さんは、「他人の価値」ではなく、「自分の価値」で生きてますよね。学生にとっては、難しいことなんじゃないかと思っています。

佐渡島:学生だけではなくて、大人だってそうです。たとえば、お金持ちだということも、お金を持っていることを他人にアピールすることで自分の凄さをアピールしているんです。傲慢にならずに自分のものさしを持つのはすごく難しいですが、大切なことだと思っています。

片山:学生の中には「自分のものさしで生きる」といよりも、「見栄」とか「いかに楽をするか」ということに目が向いている人が多い気がします。

佐渡島:その「楽をしたい」は、本当に楽なんですかね?

片山:本当に楽かどうか……?

 

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佐渡島:ぼくは楽をしたいですけど、長期的に楽をして、楽しみたいんです。マトリックスという映画で、みんなチューブに繋がれて生きていて、あれはすごく楽ですよね。でも、チューブから外れて自分自身で歩んだ方が、確実に「楽しくて、いい人生」だと思います。そっちを選んだ方がいいんじゃないかということ。

『クレイジージャーニー』という番組に出ていた探検家の吉田勝次さんとお会いしたことがあるんですが、彼は人付き合いを大切にしていて、すごく義理堅いんですね。どの旅で死ぬかわからないから、すべての会った人と、今回が最後の出会いでもいい!と思える付き合い方をしている。やっぱり、「死が身近じゃない」という感覚が、自分の覚悟をぼんやりさせているんだろうなと思って。みんな、来年死ぬぐらいのつもりで活動してみるといいんじゃないでしょうか。

片山:きっと切羽詰まりますよね……。

佐渡島:切羽詰まるというより、何をするかが決まると思いますよ。

片山:何をするか?

佐渡島:はい。片山くん、今日はこの後どういうふうに過ごしますか?

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片山:(ん・・?なんか嫌な予感・・)

会社や他人が「良い」と思ってることを、簡単に「良い」と言わないようにする

片山:オフィスに帰って、明日開催予定の起業支援イベントの準備をします。

佐渡島:1年後に死ぬとしたらどうしますか?そのイベントを手伝いますか?

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片山:……。そうですね、手伝います!

佐渡島:なるほど、それはいいイベントですね。じゃあ1年後死ぬとわかっていたら、そのイベントをどんなものにしたいですか?

片山:うーん、そうですね……。十人十色の生き方の中で、起業はひとつの自己表現の手段だと思っていて。そうやって自己表現をしたいと思っている人々を応援できるイベントにしたいです……。

佐渡島:何でそんなことに関わるのですか?片山くんじゃない他の人がやっても、参加者にとっては同じようなイベントができるかもしれませんよ。

片山:……。

佐渡島:突然ですが、ご両親は離れて暮らされていますか?

片山:はい、大阪にいます。

佐渡島:たとえば、今日はそのイベントを手伝うのではなく、親と会っておいたら、親は1年後にいい日だったと思うかもしれないですよその方が、価値があるかもしれない。

片山:確かに……。

佐渡島:やっぱり、それは覚悟が足りてないんですよ。なんでそれに関わっているのか?どう良くしたいのか?それがないのは、他人が「良い」と思ったものに、時間を費やしているだけじゃないですか。

片山:他人の「良い」ではなく、彼らを応援することが「良い」と思っていて、ぼくはそれを本気でしたいと思っています。

佐渡島:なぜですか?たとえば、それとアフリカで餓死する人が減るのと、どっちが「良い」ですか?

片山:うーん、ぼくにとっては、彼らのキャリアと成功を支援するプラットフォームとなることが「良い」ことです。

佐渡島:それは、なぜですか?

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(片山の心の叫び:わぁぁぁーーー! 自分の未熟さを痛感し、逃げ出したくなりました……!)

佐渡島:考え方が未成熟だと、シンプルに「医者」になることが「良い」と思うかもしれない。人を助けることによって、自分に価値があるって簡単に思えるからね。もちろん深く考えた上で、医者になって人を助けたいって思うのはいい。でも片山くんは、なんでその人たちを助けることを「良い」と思うんでしょうね。意地悪に言うと、そこに欺瞞はないですか?ちゃんと自分と見つめ合っていますか?

片山:ぎ、ぎ、ぎまん…… 。

佐渡島:はい、偽りがあるかもしれないということです。どうして、たくさんあるNPOやベンチャーの中から、このETIC.を「良い」と思って選んで、そのコンテストを「良い」と思ってやりたいと考えているのでしょう。あなた自身、その「良い」に偽りはないでしょうか?会社や他人が「良い」と思ってることを、簡単に「良い」と言わないようにするのは、すごく重要だと思います。就活も全部そうです。世の中で「良い」と言われていることって、無限にありますよ。片山くんにとって、何が一番「良い」のでしょうか?

片山:……。(冷や汗でシャツがびっしょり)

佐渡島:たとえば、戦争をしている人は、自分たちが勝てば、世の中が良くなると思って戦争をしてるんです。世の中には、違う価値観の「良い」で溢れていて、だから自分の価値観を知らないと、どの「良い」と協力し合うかが見つからない。大人になるということは、自分を知るということであって、自分の「良い」という価値観がわかることだと思います。

片山:非常に実践的によくわかる……。ありがとうございます。確かに自分がやっていることがなぜ「良い」のか、そもそもなぜやっているか、自分のやっていることの価値は何か、向き合うことを忘れていた気がします……。出直して考えてきます。また勝手に報告させてください!

「すべては、自分の強みを知るところから始まる」

片山:ところで、佐渡島さんはどんな人と一緒に働きたいですか?

佐渡島:ぼくは何よりも、その人が大人になれているかを見ます。「他人から搾取する気がない人」が大人だと思っています。多くの学生を見ていると、会社から搾取する気満々で、「こういうことが学べそうだ」とか平気で言う。結果として学べるとは思うんですけど、それを第一にしてはいけない。大人になれていたら、自立して、自分の強みで貢献しようします。でもみんな甘えがあって、うまくいかないと「社会が悪い」と言う。社会とか会社が食わせてくれると思っていますよね。

片山:なんで誰かが他人を食わせないといけないのかということですよね……。

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佐渡島:会社に入るっていうことは、会社を大きくしたり強くすることに、貢献しようとする意思があることだと思うんです。たとえば、学生の就活を見ていると、そもそもの姿勢が「堕落しても、支えてくれる上がり場所を探している」人が多いんです。受験もそうですよね。偏差値が高ければ高いほどよくて、そこに入ればあとは上がったも同然という。

片山:……。学生は何を探すべきなんですか?

佐渡島:「自分が貢献できる場所」を探すべきじゃないでしょうか。そして、貢献するためには「自分が何者かどうか」「自分の強みは何なのか」を知らないといけない。「自分が何者でもなく、強みがない」とわかったとして、会社と対等に付き合う気があれば、強みをつくろうと思いますよね。「会社の強みはこれで、自分の強みはこれ。現状は与えられることが多いけど、将来的にはもっと強みを伸ばして価値をつくるぞ」みたいに、自分の強みと現状を把握できている人は、成長していきます。

コルクにインターンや新入社員が入ってきたとき、1番はじめにやったことは、「目標の立て方講座」なんです。たとえば、「良い人になる、強い人になる」が人生の目標だったとすると、それをブレイクダウンしていく。30年単位だと何をしていくのか、10年単位だと何をしていくのか。3年、1年、半年、3か月での目標、1週間、1日というふうに、逆算して意識していくんです。片山くんの目標はなんですか?

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片山:……。地域において学ぶ・働く・生きるを繋げる、キャリア支援の新たな潮流をつくりたいと思います。キャリア選択における、個人の幸せの追求を支援して、その結果として、会社を強くし、地域の発展につなげたいと思っています。

佐渡島:それが中長期の目標なら、いま何をすべきですか?どうやったらできますか?それをつくれた実感はありますか?

片山:……。

佐渡島:つまり、目標は達成できてないわけですよ。それを自覚してましたか?「支援」とか「拠り所」とか、世間で叩かれない言葉がありますね。意地悪に言うと、本当は叩かれない場所に行きたいのかもしれない。本当に応援したいのなら、「他の人ができなくて自分にしかできないことってなんだろう?」「自分の強みで役立とう」と考えるはずです。

片山:……。

佐渡島:もし実家がお金持ちだったら、寄付するのが一番の強みかもしれない。違うなら他の強みを活かしたらいい。自分の強みを知るところから始まります。

片山:はい……。ありがとうございます。弱みについては、どうお考えですか?

佐渡島:弱みは、すべての人間にあります。それに、弱みと向き合ってるときは楽しくない。たとえば、アレルギー体質の人がアレルギーを治すために、毎日わざとアレルギーがおきるものを食べて、鍛えるなんてできないですよね。弱みは必ずあるので、治すことに注力するのではなく、強みを伸ばして貢献すればいいですよ。

片山:それで自由になる人が結構いるんじゃないかと思います。どの能力も平均的に伸ばそうという教育方針になっていると思っていて、疑問を感じていたんです。

佐渡島:みんな、弱みを指摘されることの方が多いんです。そして、自分の強みを見てないんです。

学生は自分の現状と強みを知れ

片山:本日はありがとうございました。最後に学生へのメッセージを聞かせもらえますか?

佐渡島:自分の実力や地位を正しく把握すると、自分が何者で、何を学ばなくてはいけなくて、何が強みで、どういうふうに社会とか周りに貢献できるのかに気づけると思います。自分の置かれている状況を正しく知るところから、すべてがはじまると思います。

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さいごに

「灘高→東大→講談社、それこそが自分で人生を選んでこなかった証明だ」

この言葉は、佐渡島さんが自分と向き合ってきたことを裏打ちする、実直な言葉でした。自分は何を良いと思うかを、考え抜く。他人の評価というものさしではなく、自分のものさしを持って生きていくことを教えていただきました。

ぼくもこれをきっかけに、しっかりと自分自身と向き合い、自分のものさしをもって、道を選んでいきたいと思います。

そして、起業家の1日に密着する、かばん持ちプログラム【どすこい!起業家ぶつかり稽古】の詳細はこちらから。起業家に弟子入りしたくなった方は、ぜひ参加してみてください!エントリー締切は、1月29日(日)22時まで!

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