DRIVEインターン大学1・2年生からはじめる本気のインターンシップ

「人生を通じて何がしたいのか」否応なしに考えさせられる毎日でした。

梅村尚吾さん

大学・学年(インターン当時):東京大学3年次を休学

インターン先:認定NPO法人フローレンス

インターン期間:2013年2月1日~2014年1月31日

Q.なぜ休学しようと思ったのですか?

まず一つは、学校で得られる刺激が少なくて、楽しくなかったんです。(笑) あとはもちろん、インターンをするのであれば休学をして、一つに絞って全力でコミットをしようという気持ちもありました。

Q.休学をすることに、迷いはありませんでしたか?

まったくありませんでした。「休学がリスクだ」という認識もまったく理解できなかったです。

Q.休学をするにあたり、何がハードルになりましたか?また、それをどう克服しましたか?

強いて言うならば親の説得でした。インターン開始の1週間前まで親に休学することを伝え忘れていて(笑) 自分が将来やりたいこと、そのためにいま休学してでも取り組まなければならないこと、またインターン先の事業内容等を1時間ほど説明したところ、すんなりと納得してもらえました。

Q.休学中のチャレンジとして、数ある選択肢の中からETIC.アントレプレナー・インターンシップ・プログラム(EIP)を選んだのですか?

自分の場合はインターンというものがはじめにあり、せっかくやるなら休学、という感じだったのではじめからインターンという選択肢は決まっていました。インターンという選択肢をはじめに考えたのは、「自分は将来『働く』を通して社会を良くしていきたい」という思いがずっとあり、口だけでなく、実際にその現場へ飛び込んでみたかったからです。また、EIPということに関して言えば、インターン同期との「横の繋がり」が魅力的でした。前述のように学校が楽しくなかったので、「面白い人」との出会いを求めていたのが大きかったです。

Q.インターン先、インターン先の事業内容、そこで取り組んだ仕事を教えて下さい。

フローレンスを選んだ理由は、「世の中に対して不満をたれるだけでなく、自分たちでその変革の一翼を担っていく」という組織理念のもとで実際に小さな成功モデルを法制化している、その社会的インパクトの大きさを体感したかったからです。実際には、代表である駒崎さんが立ち上げた一般財団法人日本病児保育協会という別団体で働いていました。事業内容は「病児保育の資格事業」です。

 フローレンスはサービスインから10年近く立ちますが、サービス提供エリアは首都圏のみに留まっています。そこで、病児保育問題の解決をさらに加速させるために、フローレンスがこれまで積み重ねてきた病児保育のノウハウを民間の「資格」という形でオープンソース化しました。「資格」付与による病児保育の担い手の養成を通じ、「病児保育問題を全国的に解決すること」が団体の目的となっています。立ち上げからまだ半年ほどの団体だったので、インターン開始当初は電話営業からチラシのデザイン、イベント運営、助成金の申請までありとあらゆる仕事をしました。インターン後半になると、団体公式サイトやSNSの運営等web広報全般の戦略作りから実際の運用までを任せてもらっていました。

Q.インターン期間中にやりがいを感じたこと、感動したことを教えて下さい。

やりがいを感じたこととしては、大きく分けて2つあります。

 1つ目は、「社会的意義のあるサービスをゼロから作り上げていく」ことです。スタッフ数が少なかったので個々の仕事に関するマニュアルやノウハウも確立されておらず、電話営業ひとつとってもweb上で営業先をピックアップして、とりあえず掛けてみて改善していくといった感じでした。「ゼロからイチを作り上げる」ということに関しては、そういった個々の仕事に関してももちろんそうだったのですが、そもそもサービスそのものがこれまでこの世に存在してこなかったものなので、チーム全体で試行錯誤しながら作り上げていくという貴重な経験をすることができました。

 二つ目は「裁量権のある仕事」。前述のとおり、インターン後半はweb広報全般を任せていただいていたのですが、上司から「これをやっておいて」と指示されることはほぼありませんでした。つまり、なにをするかは全て自分次第、という環境で仕事をしていました。そういった「裁量権」のある仕事は自分の価値やアイデアを十分に発揮できるやりがいある挑戦の場であるのと同時に、「自由」というものに常につきまとう「責任」も生じます。そういった、やりがいもあり、責任も伴う役割を学生である自分に任せてもらえたことは、非常に大きな経験となりました。

 感動したことは、上司が最後まで自分に仕事を任せてくれたことです。インターン生としては失格だと思いますが、自分には仕事への責任感が足りない部分があり、迷惑をかけることも多々ありました。しかし、そんな自分のことを最後まで信頼してくださり、仕事を任せて下さった上司には本当に感謝しています。

Q.インターンで辛かったことや悔しかったことは何ですか?

インターン開始から半年を過ぎるころまでずっと、「納得感」をもって働くことができなかったことです。僕はインターンをはじめるまで「保育」とうものに関わった経験が全くなかったので、まず自分の団体が提供しているサービスのクオリティに自信を持つことができませんでした。

 「自分は、本当に社会的意義のあるサービスを世の中に提供しているのか」と、ずっと悩みながら仕事をしていました。そんなある日、電話対応をしている中でサービスの意義を自分の言葉でうまく説明することができず、先方に不信感を与え、組織の信頼を低下させてしまうという大きな失敗を犯してしまいました。「自社のサービスのことを、自信を持って説明することができない、そんな状況で仕事をしている自分」に愕然とし、情けない気持ちになり、同時に自分に対してとても腹が立ちました。

 それからは自分なりに病児保育や保育のことを勉強したり、現場の保育スタッフの話を聞いたり、実際に病児保育施設で病気の子どもの保育をさせていただいたり、業務外の時間も使いながら病児保育というもの全体や自社サービスへの理解を深めることに全力を尽くしました。そうするうちに、自分の仕事への「納得感」がだんだんと出てきて、最終的には「このサービスは間違いなく社会のためになる」という確信を抱くことができるようにまでなりました。それができたのがインターン開始から半年を経過したころで、そこから自分のインターンは急激に加速したように思います。

Q.学校との両立ではなく、休学して臨んだからこそ、よかったことはなんですか?

事業に対してコミットできる時間が圧倒的に多かったことです。まず前述の通り、事業の意義についてひたすらに考える時間を持つことができました。また、任せてもらっていたweb広報に関して、はじめは本当に知識ゼロの状態でしたが、業務外の時間も全てインターンに充てることができたので、一から勉強をはじめ、webの素人から最終的には社内の方にアドバイスができる立場になることができました。自分が成果を出すことができたのは、休学することにより、すべての時間をインターンに捧げることができたからだと確信しています。

Q.ETICを通じてインターンをしている他のインターン先の同期の仲間や、挑戦を支えてくれたOBOGのメンターはどういう存在ですか

同期の仲間やインターンOBOGは、自分にとって「ペースメーカー」のようなものです。それぞれがインターンでの仕事はもちろんのこと、インターン外でも常に前に進んでいる姿勢は、ペースダウンしそうになっている自分のことを、インターンが終了した今になっても、いつも引き上げてくれています。

Q.EIPのカリキュラム(研修合宿・メンタリング・講座)はあなたの成長にどんな影響を与えましたか?

研修合宿やメンタリングの場は、上に書いたような同期やOBOGとともに真剣にインターンについて考えることのできる貴重な場でした。インターン開始から半年後の研修合宿でのことです。あるインターン同期の話を聞いていて、「こいつには現時点で完全に負けている」と非常に悔しい思いをしました。その日のことは正直あまり覚えていないほどです。その時の悔しさが、残りの半年のインターン期間の大きな原動力となったことは間違いありません。また、OBOGの方が開催してくださった広報講座がきっかけで、「広報なんて誰がやっても同じじゃん」というそれまでの考え方がガラリと変わり、web広報という仕事にのめりこんでいくきっかけとなりました。

Q.EIPに参加する前と修了後の自分を比較したときに、変わったこと、成長したと思うことは、どんなところですか?またEIPの経験は、あなたの将来ビジョンや仕事観にどんな影響を与えましたか?

腹がくくれたことです。自分は高校生のころから大学1、2年生まで、新聞も読まないし、ニュースも見ない、本も読まない、そんな人間でした。口では「社会的意義のある仕事をしたい」と言っていたものの、内心全くイメージが湧いていなかったうえ、それに対してなんら行動も起こしていませんでした。しかし、実際にソーシャルベンチャーという現場で働いていくなかで、「自分は人生を通じて何がしたいのか」ということを否応なしに毎日考えさせられる経験を通じ、いまでは「自分は『働く』を通して社会に価値を提供していくんだ」ということを確信を持って宣言することができるようになったと思っています。そういった意味で、自分の人生に対してようやく腹をくくることができました。

Q.休学を考えている人にメッセージをお願いします。

僕は、「未来はいまこの瞬間に作られている」と思っています。「いま」やらないことは、1年後も5年後も、10年後も絶対にやりません。その結果、自分が思い描いている未来は絶対に実現されません。だから、本気でやりたいことがあるのであれば、そのための行動を「いま」起こすべきだと思っています。

 最後に。休学インターンという選択肢を選んで、本当に良かった。

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