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#ビジネスアイデア

「半商半医」のサービスを。女性が9cm以上のヒールを健康に楽しめるようになる、魔法のフィッティングとは?

2017.07.04 

過去にDRIVEメディアでもご紹介した「世の中から痛い靴を消し去る」ということをミッションにしているサービス、「シンデレラシューズ」。女性にとって重要なハイヒールにまつわる「痛み」を解消するため、オンライン・オフライン両面からあらゆるソリューションを開発しています。

今回、そんな「シンデレラ・シューズ」のフィッティング・サービスを、ハイヒール好きの著者が体験してみました! スタートアップがどのようにユーザーのニーズを汲んだサービスを提供しているのか、仕事をつくりたい若者にとって仕事づくりのヒントになれば幸いです。

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産後から靴の選び方を意識するように。ショッピングアテンドを体験

私は2歳半の娘をもつWorking motherです。仕事柄ハイヒールを履く機会が多く、加えて個人的にも9cm以上のハイヒールがつくる曲線がたまらないく好きです。一方で2年前の出産を機に靴が持つ体幹を中心とした健康面への影響に再度注目し始めました。靴は体を支えるものだし、履き心地もあきらめたくない。「健康にダイレクトにつながるはずの靴にはある程度投資しても良いはず!」という考えを持つようになりました。

 

しかし実際、靴を購入するときの既存の販売スタイルには不満があったことも事実です。というか一方的に苛立ちを覚えていました……。

 

例えば、

「専門家なのに、足に合う靴を探したいという希望に応えられないの?」

「ファッション性が高く、角度がついた靴(ヒールが13cmとか)も、売場数メートル歩かせただけで、消費者に判断を全て任せちゃうの?」

「なんでどの店舗のシューフィッターも毎回同じことしか言わないのか?」

「プロなら、あなたの足で、この靴を履くとこうなりますよと教えてくれてもいいじゃん!!」

「もうちょっとファッションと機能って両立させられないの?」(機能を追求した靴はなぜダサいのか?)などなど。

 

そんな中、「靴を購入する」以外の選択肢があるんだ!と飛びついたのが、フィッティングサービスを体験した流れになります。

 

今回は、クラウドファウンディング(現在、クラウドファウンディングは終了。サービスはこちらから)でのショッピングアテンド購入からの体験になりました。

① 足の測定

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まずは、会話をしながらの90分でみっちり足の測定から。業界構造から製造工程まで聞けて、靴好きとしては長年の疑問だった事が解消されてすっきり(色んな力学ありますよね…)。

 

また「こんなところまで測るんだ」という部分まで測定され、自分の足の特徴(歪みや癖)が理解できて、これから体調管理がぐっとしやすくなりそうだなと感じました。

 

海外では『半商半医』という言葉があるそうで、商いだけど、半分は医療行為という認識があり、日本のファッションや機能だけで語られるものとは違うということを知り、納得感がありました。

 

しかしながら、私の足の形は、縦横だけ見たら市場に出回っている靴で十分可能なはずという残念なお知らせが(笑)。 型からつくっていたのに、しかも、結構、値がはるというのに……過去の私の投資はなんだったのか。

② ショッピングアテンド

足の測定が終わると、次は自分の足にあった靴を買いに一緒にショッピング。事前に好みを伝え、その好みに合いそうな店舗をいくつか見繕っていただき、いざ買い物へ!(しかも、事前にリサーチのために店舗に足を運んでいただいていました!)

 

靴売り場だけを渡り歩く買い物時間ったらもう。楽しすぎました。しかも好みが似ていて、「かわいい!!!」と思う靴が同じ。共感は相乗効果が働くのか、テンションは最高潮へ(笑)。

 

最終的には、自分だけでは選ばない、少し大人なデザインのものを購入しました。試着して、甲の部分に少し違和感はありつつもテンションが上がっていたこともあり、あっさり購入。今までの買い物とは違い、測定結果を踏まえ、さらに自分の好みも反映されていたので、揺るぎないものがありました。帰路につく間も終始楽しく、家に帰るとさっそく家族に自慢。靴箱に入れて眺めるだけでも満足するほど、愛着がわくものが手に入りました。

③ 靴の調整

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しかし、実はその後、購入した靴を3時間ほどかけて調整することに。なんど調整してもかかとのズレが気になり、かかとの皮が破ける始末。

 

理由は、つま先の型にありました。気に入った靴はつま先に向けて幅が狭くなる「ポインテッドトウ」。測定結果はスクエア型、ラウンド型(靴の先端が丸いもの)が合っているという事だったのに、手持ちの靴はフィットしている物も多く、この点においてはそこまで意識せずに意思決定。専門家的には甲の空きが異常に大きく足を支える面積が少ない点が難しさに拍車をかけた様子。

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はじめての体験でテンションが上がりすぎて、判断を間違ってしまったようでした。少しの違和感とは致命的なもので、普通ならしない余計なチャレンジをしてしまったと反省(涙)。

商品との「出会い」ではなく、「一緒に創る」楽しみ

 この一連の経験は、私にとって衝撃的なもので、単に「自分の足を測定してもらって靴を買った」という事実だけではなく、「足/靴を通じて自分の体を知れた」ということでした。

 

今までは、靴を探す際に一瞬の「出会い」を求め、「どんな素敵な靴に出会えるかな!」と半ば偶然性にも期待しつつ、探していた気がしますが、今回の経験を踏まえて、理想通りの靴に出会う事を求めることから、自分を理解し、適切な型を理解し、自分の思う通りの靴になるように工夫していく、という消費行動自体へのかかわり方が変わりそうな気がしています。 何より、一定の費用を出すからには、「期待以上のサービスが得られる」という事に慣れすぎてしまっていました。

 

HPに「足と靴のフィッティングの研究は、まだ世界中のどこの大学も研究所も明確な答えを出せていない、非常に難解な問題です。正直なところ、まだ不確定な要素はたくさん残っています」とあるように、未開拓の分野に対して受け身のスタンスだと、苛立ちを覚えるだけで欲しいサービスは得られない。

 

今回の体験を通じて、自分の足の特徴が理解でき、もともと行っていた体幹を鍛えるトレーニングのほかに、履きたい靴を履くためのトレーニング(足首が柔らかくなると、自前の11cm以上の靴も履きやすい)など、日常生活の中で学べたことがたくさんあり、出会いではなく一緒に創っていくような新しい楽しみ方があるんだなと感じています。

 

そして、また靴を購入したら、シンデレラシューズに調整をお願いしに行くと思います。 体に関することはあくまでも自分が主体であり、補完する役割として商品があると思うし、消費する側としてもっと創造的なかかわり方はないだろうかと考え直すきっかけをもらった気がします。

後日談

仕事上の役割が少し変わったこともあり、また新しい靴を買いに行ったのですが、教えていただいた自分の足の特徴を冷静に鑑みて、靴選び(スクエア型)をしてみました(今回は9.5cm)。これがドンピシャ!!足を入れた瞬間のフィット感とか履き心地とか、靴が足に吸い付くような感覚があり、これが「合う靴」なんだなと実感しました。

 

こんな履き心地で毎日が過ごせたら、力強く地面を蹴って前に進める気がします。

この記事を書いたユーザー
小泉愛子

小泉愛子

1984年生まれ 茅ヶ崎市出身。水泳に明け暮れた小~高校時代から一転、心持ちとエネルギーで周囲を巻き込む人/コトに出会い、新しい仕組みで社会を動かす場へ。大学卒業後、人材系ベンチャーで 新規事業立ち上げ、マーケティング会社へ出向。新卒採用責任者に従事。2015年6月からETIC.に参画。

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