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「セクターを超えた“協働”の最前線」横浜での長期インターンシップから形成される、 これからの社会に必要とされるキャリアとは?

2015.06.04 323view 

横浜では、古くから企業・行政・市民などのプレイヤーが地域の中でお互いに協力し合うような風土が育まれてきました。特に近年では、2007年から「横浜型地域貢献企業認定制度」が開始されるとともに、「LOCAL GOOD YOKOHAMA」のような地域課題をさまざまなセクターとの協働により解決するITプラットフォームも活発に開発&活用されており、その取り組みは地域協働の一つの先進事例として高い注目を集めています。

ETIC.では、2009年から横浜での事業活動を開始し、「地域未来創造型インターンシップ」というプログラムを立ち上げるなかで、これまでに150人以上の大学生が横浜の地の利を生かして「地域協働」や「本業を通じた社会貢献事業立ち上げ」などの経験を積んできました。

今回は、2009年8月から2010年3月まで株式会社大川印刷(横浜市西区)でのインターンに参加し(当時慶應義塾大学2年生)、現在はGoogle株式会社で働く大越明日成さんと、2009年6月から2010年9月まで一旦休学を挟んでカーボンフリーコンサルティング株式会社(横浜市中区)でのインターンに参加し(当時横浜国立大学4年生)、現在は一般社団法人RCF復興支援チームで働く千田桂太郎さんに、2人の担当コーディネーターであったETIC.の田中にもファシリテーターとして加わってもらいつつ、横浜での長期インターンシップ時代のエピソードや、インターンの経験が現在のキャリアにどのような影響を与えているのかを中心にETIC.インターン生の阿部が話を伺いました。

インタビュー風景

左から大越明日成さん、千田桂太郎さん

――最初に、お2人の現在のキャリアについて教えてください。

千田:私は現在一般社団法人RCF復興支援チームで、マネージャーとして経営管理と企業/行政連携に基づく新しいプロジェクトの企画・推進を担当しています。

RCFはこれまで復興支援を行ってきた団体で、被災地と東京をつなぎ、企業と行政との間に入るコーディネーターとして、復興事業を推進するためのビジョン作りから企画・実行までを担っています。私は企業/行政連携の中でも、東北で培ってきた知見やノウハウを他の地域や新しい企業との取り組みに生かす企画/推進業務を担当しています。

大越:私は新卒で今の会社に入社してから、2015年3月までGoogle AdWordsで広告を出す側の中小企業に対する営業をしていました。4月からはGoogle AdSense という広告を掲載する媒体側の代理店向けの営業を担当しています。 また「Google Giving」という制度が社内にあり、現在はそのアンバサダーも担っています。この制度は、より社会にいいことをしようという取り組みで、社員がボランティアした時間分を会社がさらに寄付するといった制度になります。

――お2人とも現在それぞれのフィールドでご活躍されているのですね。そうしたこともふまえつつ、横浜での長期インターンシップのご経験についてお聞きしていきたいと思うのですが、そもそもどのような経緯からインターンシップに参加することになったのでしょうか?

千田:自分は大学時代、就職活動の時期に少しずつ社会に関わり始める中で、このままでは自分が想定していたような人生は歩めないと考えたことから、インターンシップという選択肢を取ろうと決めました。そんな中で出会ったのがETIC.のインターンでしたね。

インターン先を選ぶ際は、大学のゼミとの関連とビジネス性と社会性を備えているという観点から、「環境」というテーマを決め、カーボンフリーコンサルティングをインターン先として選択しました。

インターン時の千田さん

インターン当時の千田さん

大越:大学時代に環境問題に関わる中で、大企業の行っているような企業のブランディングのための社会貢献活動に違和感を感じるようになったのですが、ETIC.のインターンシップのマッチングフェア参加後に会社訪問をした際、「本業を通じたCSR」というビジョンに共感したことが大川印刷のインターンシップに参加する決め手になりました。

インターン当時の大越さん

インターン当時の大越さん

――インターン開始後はどのようなお仕事を担っていかれたのでしょうか? またインターン期間中の印象的な出来事などがあれば教えてください。

千田:自分は主に排出権取引に関わる顧客対応など、営業の部分を担当していました。仕事を通じて、中国の内モンゴルの植林地や対馬諸島など、1人でお客さんや関係者の方のところにも行かせていただくような機会もありましたね。

インターン期間中は、営業先で納品物の質の悪さを指摘されることや、レポートに事実と異なる記載をしてしまい、関係者の方にお詫びをするような手痛い失敗もあったのですが、そうした経験から、相手の期待値を超えた成果を目指すことや、自分が出したものに責任を持つことの重要性を学ぶことができ、またミスをおかしたときにそのミスを責めることなく代表自身がいかにカバーをするのかという姿勢を目の当たりにすることができました。

田中:仕事や人生の難しさとか、面白さとか、ありがたさとかを学べるという点で、インターン中に起こることはほんとにすべてドラマチックなことばかりだよね。

千田さん

――大越さんはインターン期間中、どのようなお仕事に携わっていらっしゃったのでしょうか?

大越:私は主に「CSRの和」という社内報の作成と、CSRコンサルティングの立ち上げに関わりました。

まず、社内報については、社員の方たちに社長の考え方や業務の様子を伝えたいという意図で作成を開始しました。 またCSRコンサルティングについては、当時社員の方たちに理解の薄かったCSRの意義を中小企業に広められたら面白いなと考えたことから、プロジェクトを立ち上げるに至りました。

田中:このCSRコンサルティングの立ち上げは、社長同行が終わった後の「ソーシャルビジネスの種」となるモデルを10個考えるという課題がきっかけになったんだよね。

大越:当時のことを振り返ってみると、「よく周りがあんなにサポートしてくれたな」ということを感じます。社内外の人に自分の話を聞いていただく機会に本当に恵まれていて、インターン終盤でCSRコンサルティングについて事業としての可能性や課題について発表する場を与えられ、さまざまな方から真剣にアドバイスをもらうことができました。

田中:インターン生が取り組むプロジェクトに対して有識者の方たちに愛あるダメ出しをしてもらうというのは、ある意味すごい経験だね。

――インターンを終え、お2人ともいよいよ社会人としてのキャリアを歩まれていくことになるわけですが、現在のお仕事はどのような観点から選択されたのでしょうか?

千田:インターンの経験を通じて尊敬できる人たちにたくさん出会い、彼らが実際に社会を変えていくような仕事に人生を賭けて取り組んでいるという現状を知ることができたので、そうしたことを念頭に置いてキャリアを選択しました。

RCFは2社目になるのですが、東北の震災復興というものに事業的に取り組むことができること、前々から持っていた“地方”という存在に対する漠然とした課題感を解消するためのアプローチができそうだなと感じられたことが、RCFを選択した理由になるかと思います。

現在の千田さん

RCFでの千田さん

大越:私は就職活動中、やりがいや働きがいを感じられる企業を探していました。Googleに入社したのは東日本大震災時の対応の素晴らしさがきっかけだったのですが、入社後も、中小企業に対する興味・関心は軸としてずっと持っていて、会社の中で中小企業に関わり続けていきたいと思っています。

Googleでの大越さん

Googleでの大越さん

――インターン時代の経験の中で、社会人になってから活かすことができている部分などはありますでしょうか?

千田:学生のころは周囲のことを考えられなかった部分がありましたが、今は周りの人の気持ちを考えたうえで仕事ができるようになっているのかなと思うので、そういったところはインターンの経験が活きている部分だと思います。

また、お金を支払ってくれるクライアントの期待に応えることがいかに難しいのかが、肌感覚として今現在も残っていることも役立っていることだと感じますね。

大越:基本的にはビジネスマナーですが、何よりも大川印刷の社是である「現状維持は退歩なり。創意工夫に努めること」という言葉は、一生忘れない言葉だと思います。

仕事をするうえでは、自分自身で仕事に面白さを見い出したり、業務を自分の興味・関心に結びつけていく努力をすることで、成長度合いが変わってくると考えているのですが、そういう意味でこの言葉は今でも自分に大きな影響を与えています。 あとは、インターン時代の同期とは今でも連絡して会ったりして、お互いに刺激を与え合う関係性を築けているのも大きいと思います。

――今後のキャリアにおける目標として何か考えていらっしゃることはありますか?

千田:まずは今いる組織を成長させたいと思っています。実際、それを後押しするような社会的流れもきているような気がしていて。

東日本大震災以降は社会的な活動に目を向ける企業もかなり多くなっていますし、最近はRCFのインターン説明会にも優秀な学生が多くきているので、ソーシャルな領域に興味を持つ若い人も徐々に増えきていると感じますね。

また、将来的にはさまざまな地域での知見をためたうえで、特定の地域に根差して働きたいと思っています。どのような関わり方でというのはまだ明確ではないですが。

田中:素敵なビジョンだね、まさに「地域未来創造型インターンシップ」が輩出したい人材像のイメージぴったり(笑)

千田:RCFの取り組みと地域未来創造型インターンシップの思想は、本当に共通しているなあと感じます。自分たちは行政と企業など異なる組織をつなぐ役割を果たしていく人材=コーディネーターを増やし、コーディネーターがもっと職業として成立していく社会を創っていく必要があると思っています。

田中:我々もこのインターンシップを通してまさにそうした人材を輩出していきたいと思っているんだよね。コーディネーターとして食べていく人が増えることはもちろんのこと、企業・行政などの所属している組織に関わらず、プロデューサーシップや協働意識を持った人が増えていけば、きっともっと良い循環が生まれて課題解決が進む社会になっていくはず。横浜にはそのダイナミズムに触れるチャンスがたくさんあると思っています。

大越:私は、中小企業に関係する仕事にずっと携わっていきたいと考えています。しばらく現在の部署で仕事をしたら、再び広告主側への営業の仕事をしたいと思っていますね。自分が可能性を感じているWEBやITを活用していける中小企業を増やしていきたいと考えています。

また将来的には、どこかのタイミングで中小企業のCSRに今より近い距離で関わることのできる仕事をしたいと思っています。それがコンサルタントになることなのか、起業をすることなのか、どのような形で取り組むことになるのかについては手探りなのですが…。

田中:大越さんのお話を聞いていて嬉しかったのは、インターン期間中に核となっていた部分は何も変わってないということ。5年前の、学生時代の大越さんと話してるかのような不思議な感覚になるくらい、まったくブレてない!それって本当にすごいことだと思う。

大越さん

――最後にこの記事を読んでいる学生に対して何かメッセージをお願いできますでしょうか。

千田:今の学生の方たちには、ぜひ社会的な領域にもっと入っていって欲しいと思います。ETIC.のインターンシップでは、インターン生の研修会が開催されたり、一人ひとりにコーディネーターがついたりすることで客観的なアドバイスをもらえ、インターン生に自由度高く仕事を任せてくれるので、学生が力をつけていく上で非常に良い環境があると感じます。

大越:一般的なインターンシップはやることが決まっていたり、単にリソースが足りない部分を補うためにインターン生を活用したりしますが、ETIC.のインターンは本当に色々なことをインターン生に任せてくれますしね。

また、「得られた経験をいかに自分独自のものにしていくか」が大事だということを伝えたいです。例えば学生が取り組む「冒険」として、世界1周であったり、日本を自転車で1周したり、その時々の「流行」みたいなものがあって、きっかけとしてそういった流行のものに挑戦するのは良いと思うのですが、多くの学生はただそれをやっただけで終えてしまうことが多いので、その経験を“自分だけのストーリー”にしてほしいと思います。どんなことに挑戦しようとも、自分自身が変わるという意識を持っていなければどんな経験をしても意味がないと思うので、今の大学生には「経験を通じて自分を変えていくんだ」という意識を大切にしてほしいですね。

千田さん・大越さんお二人が挑戦した「地域未来創造型インターンシップ」は、横浜を舞台に、熱い思いを持ち革新的なことに挑戦している企業経営者・起業家のもとで半年間挑む長期インターンシップ。 来る6月13日(土)神奈川県民ホールにて、経営者に直接会って挑戦するプロジェクトを決めることのできる半年に一度のイベント「インターンシップcafe in YOKOHAMA」が開催されます。たくさんの方々の奮ってのご参加をお待ちしています!

インターンシップcafe in YOKOHAMA

この記事を書いたユーザー

阿部 仁彦

阿部 仁彦

長野県松本市出身、横浜国立大学大学院在学中。様々なセクターの協働による社会課題解決アプローチへの関心から、2014年11月にETIC.にインターン生として参画。ETIC.が横浜市で実施する「Yokohama Changemaker’s CAMP」のプロジェクトサポート等に従事。

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