サラリーマン、と一言で言っても、その働き方は職場によって千差万別。よく知る友だち、取引先でも、どんな場所で、どんな風に働いているかは意外と知らないものです。ましてや異業種なんて、ほぼ外国。そこで、DRIVEキャリアで求人募集中の企業さまに、朝から夕方まで、どのように働いているのか取材してみました。第4回は、東朋テクノロジー株式会社です。
お客様の困りごとに寄り添いながら、ぴったり合う新技術を提供する
1829年に創業してから200年以上という長い間、社会から求められることを事業として展開してきた東朋テクノロジー株式会社。時代のトレンドにあわせて挑戦し、成長を続けてきました。
現在は、通信技術や計測技術など、最先端な技術をさまざまな業界に向けて提供しています。特徴的なのは、自社開発したシステムや製品の多さ。スマートフォンやタブレットなどに使用するガラス基板の「洗浄装置」や「検査装置」をはじめ、グローバルマーケットでトップシェアを誇る製品もたくさんあり、その技術力には定評があります。
「でも、技術力だけでは本当の意味でお客様に信頼されているとは言えないんです」と語るのは、エレクトロニクス事業本部IoTソリューション事業の富田剛史さん。「どんな技術を、どんな環境で、どんなふうに提供すればいいのか、それをお客様の困りごとにあわせて提案し、一緒につくっていく。そのことを一番大事にしています」
富田さんが勤務するのは、東朋テクノロジーの開発の本拠地ともいえる、愛知県稲沢市の稲沢ものづくり開発本部。最寄り駅の東海道本線稲沢駅から歩いて約20分という、おだやかな田園風景が広がる環境のもと、普段は車で企業へと向かう毎日を送っています。1階、2階が工場で、3階がオフィスになっています。
「あなたの会社のこのシステムが欲しい」と企業からオーダーされるのではなく、「こういうことで困っているのだけど何とかならないだろうか」という相談から企業との関係が始まることが多い、という東朋テクノロジー。クライアントは、農業から製造業まで多業種にわたり、寄せられる悩みもさまざまです。
「具体的に解決策がイメージしづらい、ふわっとした悩みも多々あります。例えば、イノシシが罠にかかった時に知らせて欲しい、とか。クレーンがいつ壊れるのか知りたい、自動車教習所で、場内の車の位置を分かるようにしたい、などもあります。それらを聞いて、『お客様が本当に困っている事はなんだろうね』と考え、話し合い、私たちの持っている技術とアイデアを使って解決策を提案します」と、富田さん。
まるで魔法使いにお願いをするかのような相談内容です。「クレーンがいつ壊れるか知りたい、という悩みには、どのように応えていくのですか?」と尋ねると、富田さんが次のように教えてくれました。
「クレーンにセンサーを取り付け、弊社の無線の技術を使って、どれくらいの頻度で、どのように動かしているか記録をとり、時期を予測します。クレーンって、どれくらいの頻度でどのように動かすかは、操作する人次第なので、製造したメーカーも故障時期は把握できないんですね。実際に、開発担当者と企業に出向き、センサーを取り付けて実証実験を繰り返します」
実証実験の結果を基に、企業と打ち合わせを重ね、1つの案件が完了するまでには、半年~1年ほどかかるそうです。売上が立つまでの期間が長いこともあり、営業担当者は、常に10~15件の案件を抱えています。
「私たちの言うゴールは、お客様の要望以上のものをつくり上げること。ご要望をいただいてから困りごとを解決するまでのプロセスは壁が多いときもありますが、とても大切にしています。それによって、さすがですね、などと喜んでいただけることがこの仕事の醍醐味だと思うんです」
営業職と開発職の距離が近い理由
営業先の開拓は、展示会で興味を持っていただいた企業への商談や、紹介・問い合わせがメインとなります。最初の訪問は、営業担当者一人で向かい、具体的に開発業務が発生する段階で、開発担当者と共に訪問するようになるそうです。
ここでは、富田さんのある日のスケジュールをご紹介します。
「仕事内容は曜日によって違っていて、営業職はほとんど外に出ていますが、月曜日は基本的に会議があります。1時間から1時間半の間に、技術の進捗やお客様のニーズにどうすれば応えられるかなどについて話し合っています」
食事は外出先で取ることがほとんどだけれど、社員食堂があるため、社内で仕事をする日にはそこでほかの社員と雑談をしながら食べることもあるそうです。
仕事終わりには日報を書いて、その日の営業活動を振り返ります。「私は定時後に書いていますが、都合にあわせて翌日書いてもかまいません。日報の大きな目的は、商談内容を書くことを通してお客様のニーズをみんなでシェアすること。日報にコメントを書くなど、社員一人ひとりの得意分野にあわせた新しい提案や、社員同士の交流にもつながっています」。
また、月に一度は、社員が社内システムをはじめ、どんなことでも「改善提案」したものも会社全体でシェアしているとか。そういえば、富田さんは、「東朋テクノロジーでは、営業職と開発職の距離がとても近い」と話していました。お客様のニーズを聞き取る営業担当者と、実際に開発を行う担当者の蜜な協働関係が、東朋テクノロジーのサービスを生み出しています。その距離の近さは、日報をはじめ普段から自分の考えや言葉のやりとりができる職場内の工夫によって作られているのだと感じました。
2日間で約2,000人が来場する展示会も開催
続いて、1年間のスケジュールも教えていただきました。
このなかで特に気になったのは、6月に開催するという「展示会」のこと。社内では、「大きな展示会」と呼んでいるそうです。富田さんに内容について聞いてみました。
「東朋テクノロジーが企画運営する展示会のことです。ここでは新技術を中心にご紹介していて、大企業の方を中心に2日間で約2,000人の方にご来場いただいています。毎回各事業部から担当者を決めて、チームを組んで開催しています」
ここで紹介する技術は、「5年後、時代と技術はどうなっているだろう」という視点で事業部を超えて対話し、探究してつくり出したものが大半なのだそうです。来場者は、まさに時代の一歩先を走る世界に出会えるというわけです。
「展示会は、そのほかにも東京ビッグサイト(東京国際展示場)で3日間かけてブースを置くもの、また企業先での展示会を含めると月に1回はおこなっています。東京ビッグサイトの展示会は多くのお客様に技術を知っていただけますし、企業先での展示会は課題をいち早くキャッチできるとても大事な場になります。お客様の会社で、お昼休みに机を置いて小さな展示会を開くこともあるんですよ。いずれも、お客様のニーズを知ることができるありがたい時間なので、営業職としては腕が鳴ります(笑)」
展示会は、開催するだけではなく、情報収集の場所としても活用しているそうです。「私たちのお客様は、製造業、農業など業界が多岐に渡ります。そのため、お客様の業界を中心にいろいろな展示会へ足を運ぶようにしています。そのほか、名古屋の大学の先生方と定期的にお会いして今取り組んでいる技術の研究内容をシェアするなどしています」
こんなふうに専門的な知識やスキルを磨くための環境も整えられている東朋テクノロジー、社員が安心して自分を高められる環境だとも感じました。
ちなみに、4年に1度の海外研修では、2018年度、シンガポールとベトナムに行ったそうです。「いろいろな事業部の社員が行くからみんな仲良くなるんですよ」と富田さん。海外で学びながら一人ひとりが羽を伸ばせる機会もある、メリハリの効いた職場環境のお話をさらに伺って、これから先またどんな技術がここから生まれていくのか、ますます楽しみになりました。
東朋テクノロジーでは、今、企画・提案営業(幹部候補)を募集中!
創業200年以上続く東朋テクノロジーでは、富田さんとともに働く企画・提案営業の方を募集しています。主な仕事は、自ら「こういうことができるのでは?」と新しい技術を探求すること、そして、お客様からの相談に応えるためにお客様や開発担当者と一緒に新しい技術を深めていくこと。
「通常ではどちらかを担当することが多いかもしれませんが、東朋テクノロジーは両方できる点に面白みを感じてもらえると思っています。自分の視野や可能性が広がっていくことにもつながる。アイデアを形にできるチャンスも多いですし、そういったことに魅力を感じてもらえる人にはとてもやりがいのある職場ではないでしょうか」
ご関心をもたれた方はぜひ詳細をご覧ください!
<東朋テクノロジー株式会社求人概要>
- 募集ポジション
企画・提案営業(幹部候補)
- 雇用形態
正社員
- 給与
年収550万円~(経験・能力を考慮し、社内規定に基づく) ※30歳以上~の場合 ※20代の応募も受け付けております。
- 勤務地
稲沢ものづくり開発本部
〒492-8074 愛知県稲沢市下津下町東5丁目1
本社
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄三丁目10番22号
- 応募資格
- 特になし
この特集の他の記事はこちら
あわせて読みたいオススメの記事
#ワークスタイル
地産地消のものづくりで新しい"下駄"ブランドを創出する。東海若手起業塾出身、郡上市起業家インタビュー後編
#ワークスタイル
「お酒が好きすぎて、仕事にせざるを得なかった」─やりたいことを仕事に。酒屋「酒うらら」店主・道前さん
#ワークスタイル
#ワークスタイル
ソーシャルセクター入門【第3話】 “団地”発・イノベーション
#ワークスタイル
あたりまえは、変えられる―オールユアーズの木村さんが大切にしていること