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#スタートアップ

テイクアウト容器をシェアしてゴミを減らす。循環型社会をつくるMegloo(メグルー)の取り組み

2022.05.30 

food5月30日は「ごみゼロの日」。環境問題への関心が高まっていますが、皆さんはゴミを減らすためにどのようなことに取り組んでいますか?

今回は、食品をテイクアウトする時にリユース食器を使い、それをシェアすることでごみを減らせるサービス「Megloo(メグルー)」について、運営元である株式会社カマンの善積 真吾(よしづみ・しんご)さんからお話を伺いました。

 

東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」事務局(NPO法人ETIC.(エティック))が、本コンテスト出身の起業家をご紹介する特集です。

 

プロフィールトリミング後3

善積 真吾(よしづみ・しんご)さんプロフィール

株式会社カマン代表取締役 / TOKYO STARTUP GATEWAY 2019セミファイナリスト

慶應義塾大学理工学研究科(修士)卒業後、2005年ソニー株式会社へ入社。全自動カメラロボットを発案・商品化。特許出願約30件。スペインのIE Business SchoolにてMBA取得。新規事業創出プログラムのオーディション立ち上げに参画。Sony Startup Acceleration Programプロデューサーとして100チーム以上の大企業・ベンチャー・大学・NPOの新規事業立ち上げ支援後、独立。2020年「ローカルの魅力を創り、広める」をコンセプトに鎌倉で株式会社カマンを創業。

スマホで簡単にテイクアウト容器をシェアできる仕組み

meglootop

「Megloo(メグルー)」は、飲食店でのテイクアウト時に使える地域共通の容器シェアリングサービスです。2021年10月から鎌倉市内で実証実験を実施中。ユーザーは、加盟店の店頭にてスマートフォンでQRコードを読み込むと、リユース容器でテイクアウトができます。ユーザーの容器代は無料で、3日以内にユーザー自身が加盟店のいずれかに返却します。

 

環境省の「容器包装廃棄物の使用・排出実態調査の概要(令和3年度)」によると、家庭ごみの容積の約50%がプラスチック容器包装で、その約3分の1がトレー・カップ・弁当容器とのこと。

 

コロナ禍で需要を増したテイクアウト容器は、短い時間持ち運ぶためだけに使われ、捨てられます。鎌倉市での実証実験では、2021年10月20日から2022年3月末までの約5ヶ月間で、16店舗の協力により、285名の利用者で、約1000個の容器を削減。137kgのCO2の削減に貢献しました。(2022年5月24日現在も実証実験継続中)

 

この実験を通して一定のサービス需要が確認できた一方で、洗いやすさ・耐久性・密閉性のあるシェアリングに適した容器開発の必要性も見えました。

 

現在も実証実験を継続しながら本サービス開始に向けオリジナル容器とシステムを開発中ですが、すでに国内の複数地域で導入希望の声が上がっています。

 

地域共通の容器シェアリングサービス「Megloo(メグルー)」公式WEBサイト

サービス誕生の背景:コロナ禍のおうち時間、息子の言動から着想を得てビジネスに

 

株式会社カマン代表で、鎌倉市在住の善積真吾(よしづみ・しんご)さんは、会社員として勤務しながら旅行アプリビジネスで独立起業を考えていましたが、新型コロナウィルスの流行で移動ができなくなり、構想を練り直していました。

 

そんな時、3歳の息子さんと散歩していると、「パパー、ハイッ、ごみー」と、道端のごみを拾って持ってきたそうです。保育園で教わったと聞き感心する一方、大人が捨てたごみを子どもが拾うことに申し訳なさを感じ、ごみ問題を考え始めました。

 

また、善積さんは、長引くおうち時間で、近所の飲食店情報を集め、テイクアウトマップをつくりWEB公開したところ、「マイ容器を持参できる店を知りたい」という問合せが複数寄せられました。

 

善積さん自身も、仕事仲間と食事をテイクアウトして、食後に残ったごみの量に驚いたそうです。身の回りにアンケートを取ってみると、テイクアウトで出るごみに罪悪感を感じる人が81%もいました。

 

どんなに美味しいご飯を食べても、ごみが残ると後味が良くない。そこで生まれたのがリユース食器シェアリングサービス「Megloo」です。

 

 

TOKYO STARTUP GATEWAYに参加して、変わったこと

 

善積さんは、旅行アプリビジネスで2019年のTOKYO STARTUP GATEWAYに応募。その後、セミファイナリストに選ばれています。

 

「同期の仲間には勇気とアイデアの幅を、先輩起業家のメンターには起業後のイメージをもらいました」

 

TOKYO STARTUP GATEWAY2019の1stステージでは300人が一堂に会し、6人グループで自分のプランを話しました。それがまさに六人六様で、常識が覆されることに。

 

「私自身、仕事で社内外の新規事業創出に関わり、年間数百件のアイデアを聞いてきましたが、それでもこれまで見ていた領域の狭さに気付かされました」

 

先輩起業家によるメンタリングでは、ライフスタイルアクセント株式会社の山田さんに、やりたいことを実現していく楽しさを教わりました。同期からは幅広い事業アイデアを聞いて、起業のスタンスも、自由度高く事業を考えるように。当時のセミファイナリストやファイナリストとは、今も連絡を取り合って良い関係が続いています。

 

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■TOKYO STARTUP GATEWAY事務局編集後記

 

善積さんは、2019年のコンテスト参加からコロナ禍で試行錯誤され、お子さんとのコミュニケーションから新たな着想を経て、事業をスタートされていました。事業名「Megloo」の由来「めぐり、めぐる」も、容器をシェアする意味と、もう一つ、環境に良い行いをすれば私たちに還ってくるんだよと優しく投げかけているように感じます。これからさまざまな地域で展開をお考えということで、全国で使えるようになるのを事務局一同心待ちにしています!

 

東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」は、7月3日までエントリー受付中です。詳細はこちらをご覧ください。

 

●TOKYO STARTUP GATEWAY2022 WEBサイト https://tokyo-startup.jp/

●プレスリリース:東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」エントリー受付開始!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000012113.html

 

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SDGsTOKYO STARTUP GATEWAYエコビジコン環境起業
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木村静

木村静

DRIVEメディア編集長。NPO法人ETIC.事業本部 広報 兼 ローカルイノベーション事業部 シニアコーディネーター。 北海道出身。札幌のまちづくりNPOに勤務し、コミュニティラジオ放送、地域情報の取材・執筆等を経て、2008年に上京しフリーランスに。アナウンス・司会、ライター、カメラマン、映像制作、講師、リサーチ、イベントのディレクション業などを事業領域に活動。 2015年〜NPO法人ETIC.に参画。 趣味は、歴史、映画、美術、ガーデニング、読書。

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