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台湾で同性婚! 日本はどうなってるの? LGBTやSOGIをめぐる法律のはなしの現在。

2017.06.04 

アジア初!2年以内に台湾で同性婚ができるように

先日、台湾で同性同士の婚姻に関しての憲法解釈の審議結果が発表されました。認めないことが憲法違反であるという判決が最高裁でなされ、2年以内という期限付きで、法整備を関連機関に求められました。

同性カップルに婚姻の権利を認めない、ということが、中華民國憲法に定められている「婚姻の自由」と「平等権」に違反するものであるという審議がなされました。

詳細はこちらを参照【台湾:婚姻平権を追う】「同性婚不可は違憲。」これから台湾はどう変わる? http://life.letibee.com/marriage-equality-judge-in-taiwan/

 

世界で同性婚が初めて法律として確立されたのは、2001年のオランダで発行されました。それから16年。アジアで台湾が初めてのことでした。

 

日本の現状

「渋谷だったら同性婚できるんでしょ?」

自身がゲイであることを相手に伝えるとそう言われることがあります。

 

2015年4月に渋谷区が同性パートナーシップ証明書の発行を発表し、国内外含め多くのメディアに取り上げられました。少しニュースを見たくらいの人の中には「渋谷では同性婚ができる」と映ったのかもしれません。

 

しかし、現時点で渋谷区や、世田谷区などが発行している同性パートナーシップ証明書には法的な効力はありません。とはいえ、渋谷区が情報を解禁したときには、日本では初めて、同性パートナーシップ証明書としてカップルの関係性について言及したことは、非常に社会的なインパクトが大きく、メディアで大きく取り上げられ、各種メディアで「LGBT」という単語が飛び交いました。それまで、日本においてLGBTに関する対応をしてきた企業は決して多くありませんでしたが、それから少しずつその数も増えてきました。

 

LGBT差別禁止法とLGBT理解増進法

現状の日本では、まだ同性婚に関する議論は十分ではないように思います。

 

昨年の5月、民進党、共産党、社民党、生活の党の野党4党が差別を禁止するための法律、「LGBT差別解消法」を衆議院に共同提出しています。また直接政党に働きかけ、提案を行っていた「LGBT法連合会」は、「LGBT差別解消法」とは別の「LGBT差別禁止法」を提案しています。「LGBT法連合会」の事務局長である神谷氏にお話を聞きに行き、この法律について解説してもらいました。

→詳しくはこちらを参照

「無職中年ゲイが聞く、「LGBT差別禁止法」ってなに?本当にいるの?」

 

神谷氏曰く、「LGBT差別禁止法」とは、「LGBTというかSOGI(性的指向と性自認)を理由に」起こってしまった差別的な言動に対し、「行政から企業や学校に対する指導をし」たり、「職場や学校でのいじめは禁止するとともに、研修をしたり、相談窓口を設けたり、実際にいじめや差別が起こった場合の対処やカウンセリングをちゃんと決めておこう」というものだそうです。

 

一方で、自民党も昨年党内に特命委員会を発足させ、「LGBT理解増進法」の検討がなされている。「LGBT理解増進法」は直接差別の解消に向けた「LGBT差別解消法」に比べ、「罰則規定がない」ということや、LGBTや他のマイノリティへの差別的な発言が問題になることもある自民党が、本当に推進しようとしているのか、という批判が当事者から少なからず聞こえてきます。しかし、アドバイザーを務めたBASE KOBE繁内氏は特に「地方の保守基盤の強さ」を認め、「罰則規定を設けずに国民の理解を深めていこうとする理解増進法は、課題の解消に向けた人類史上初めての歴史的なアプローチ」であると主張しています。

 

→詳しくはこちらを参照

「自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会の真実を直撃。 その1『なぜ自民党が特命委員会を立ち上げたのか?』」

 

現在、「LGBT差別解消法」と「LGBT理解増進法」、どちらも未だ法整備には至っていません。

 

2020年には東京オリンピックを控えた日本。2014年12月には、国際オリンピック委員会が五輪憲章に「性的指向による差別」を禁止する、というように改定されました。

 

「このオリンピック憲章の定める権利及び自由は人種、肌の色、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。」

オリンピック憲章より引用

 

法律制定に関しても、世界から日本が注目されるオリンピックを一つの節目として考えられることも多い。今後の動きにも注目していきたいと思います。

 

日本で同性婚はできないの?

 

憲法24条には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と書かれています。

 

憲法学者の木村草太氏は日本の憲法で同性婚は禁止されていないと言及する。

 

→詳しくはこちらを参照

「憲法が同性婚を禁止? 憲法学者・木村草太さん『そんな説はお笑い。今日でおしまい』」

 

しかし、2014年、青森県の女性同士のカップルが婚姻届を届けたところ、憲法を根拠に不受理という結果になり、話題になりました。

 

そんな日本で今、僕が魂を燃やす企画「harMony SUPER LGBT WEDDING」

 

僕らは今、harmony SUPER LGBT WEDDINGという企画でフォトグラファーのレスリーキーさんと一緒にLGBTカップルのフォトブライダルプロジェクトを行っています。

 

僕は、高校生の頃に先輩の男性に恋をし、お付き合いを始めました。でも先輩が「お互いにどんなに好きでも、男性同士ではこの先、公にすることなど到底できない」と言われてしまった経験がありました。また、両親へカミングアウトしたときにも、向き合って、今では受け入れてくれているものの、「お前が相手をつれてきて、結婚式でスピーチをしてくれと言われても、今はそれができる自信がない」といわれてしまったという経験があります。

 

同じように、今の日本や世界には、カミングアウトしたくても、周りにロールモデルがいないことで、将来を憂いたり、好きな人への告白が思うようにいかなかったり、パートナーとの幸せな門出を大切な人に祝ってもらえなかったり、カミングアウトされて受け入れたいのに、どうしてもまだ時間がかかるという人がいるのではないかと思っています。

 

そんな人たちが、大好きな人と一緒に笑顔で写るカップルたちの写真を見たら、良い方向へ向かうちいさなきっかけにつながると信じています。僕らは、この企画で「すべての愛は、美しい」という言葉を掲げて、好きな人のことを好きだと声を大にして言える社会を目指したいと考えています。

 

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いかがでしょう? 法律がないことでこんなに幸せそうな二人が婚姻関係になれないということに違和感すら感じます。

 

もちろん結婚やパートナーを持つことだけが幸せの形だとも思っていませんし、社会に対して公表できることが偉いことだとは思いません。しかし、写真に写っている方々にはそれぞれの事情や、いろいろな境遇があると思います。それを乗り越えて、こうして幸せな笑顔を見せられる。それがどんなに尊いことか。

 

いろんな人がいて、いろんな幸せの形がある。"当たり前"のことを再認識するのが難しい世の中で、日本に住む1人のゲイとして、それを伝えることに挑戦したいと思っています。

 

法律を変える、というアプローチとは別のアプローチになりますが、僕はこのプロジェクトで人の意識を変えることで、日本のセクシュアルマイノリティの生きる上での環境を改善することに貢献したい、そう思います。

100組のLGBTカップルのウェディングフォトを撮影し、大展示会を開きたい!

▼人が行き交う街の中に、LGBTカップルの幸せな姿。つい足を止めて「このカップルの幸せそうな姿、めっちゃ素敵じゃん」なんて気持ちになってしまう。そんな光景を僕は見たい。

 

僕はこの企画で、性のあり方やいろいろな愛の形があることを知らなかったり、もともと関心のなかった人に見てもらうことにこだわりたいと思っています。そのためには100組のLGBTカップルのウェディングフォトを百貨店や駅のようなパブリックスペースに展示したいのです。

 

そのためのクラウドファンディングを現在刊行中です。(6/6まで)よければ、ご覧になっていただければ幸いに思います。

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100組のLGBTカップルのウェディングフォトを撮影し、大展示会を開きたい!

 

執筆:株式会社Letibee取締役/外山 雄太

北海道出身。セクシュアリティはゲイ。2014年慶應義塾大学卒業。高校時代の失恋やカミングアウトを原体験として、在学中にLetibeeを創業。現在は取締役として、LGBTの権利向上やエンパワメントのための活動をしている。

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