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世界のNGO TOP500! 果たして日本は?

2015.07.18 

2012年、スイスとアメリカ合衆国に拠点を置くGlobal Journal誌によって、世界初となるNGOの世界ランキングTOP100(The TOP 100 NGOs 2012)が発表されました。そして今年2015年には、世界中の約2000の団体を対象として行われた調査にもとづき「TOP500 NGOs 2015」が発表されています。

 

イメージ画像 このランキングの「NGO」の定義は「非営利で公共の利益を目的にしており、地域、国内、あるいは国際レベルで事業を運営、あるいは提言活動を行っている団体」で、日本で使われているような、いわゆるNGO(非政府組織)のみを対象としているわけではなく、NPO(非営利組織)や財団法人など、まさに「公共の利益に貢献している」団体を広くまとめてランキングの対象としています。 ランキングづけの手法としては、各団体のwebサイトと採点用のアンケートの回答から、下記<主要3項目>で採点し、<その他の項目>で加点・減点をするという方式を取っています。 <主要3項目>

  1. innovation(革新性)
  2. impact(社会的インパクト)
  3. sustainability(持続可能性)

(それぞれが、財務、マーケティングコミュニケーション、内部統制、人材、また組織の歴史 ミッション、戦略など細かい点から採点される) <その他の項目>

  • independence(事業の独立性)
  • transparency(事業の透明性)
  • accountability(説明責任)
  • quality of the returned questionnaire(回答の質)
  • dependence on corporations, governments, single funders, or other specified sources (企業、政府、特定の個人の融資者などに依存していないか)

このランキング、実は閲覧は有料なのですが、今回はそのランキングを発表したTOP 500 NGOs platformから特別に許可をいただきましたので、NGOと国それぞれのトップ10を皆さんにご紹介いたします。

NGO世界ランキングTOP10:第1位は国境なき医師団

第1位は1999年にノーベル平和賞を受賞したことでも知られる、国境なき医師団(Médecins Sans Frontières)。紛争や天災・貧困などで苦しんでいる、主にアフリカ・アジア・南米などの途上国で、医療・人道援助活動を展開している国際NGOです。 第2位はバングラデシュのBRAC。10万人以上のスタッフを擁する世界最大のNGOです。現在はアジア・アフリカの11カ国で活動する国際NGOで、人びとの健康や衛生の向上、学校の建設、マイクロファイナンスなど、幅広い活動を行っています。 そしてデンマークのDanish Refugee Councilが第3位。世界30か国以上で難民を対象とした人道支援を展開しています。

NGO世界ランキングTOP10

順位団体名セクター
1MSF (国境なき医師団)フランス医療・人道援助
2BRACバングラデシュ開発援助
3DANISH REFUGEE COUNCILデンマーク難民支援
4GRAMEEN BANK(グラミン銀行)バングラデシュマイクロファイナンス
5ACUMEN FUND米国貧困対策の社会起業家支援
6OXFAMイギリス貧困対策
7PARTNERS IN HEALTH米国貧困地域の健康支援
8ISLAMIC RELIEF INTERNATIONALイギリス人道支援・開発援助
9SAVE THE CHILDRENイギリス開発援助
10WORLD VISION米国開発援助

調査:TOP 500 NGOs platform

このTOP10の中で聞きなれた名前もいくつかあるかと思います。そう、実は日本にも活動拠点を置いている団体が4つもあるのです。「国際NGO」と聞くと自分の住む世界とはかけ離れたところで活動しているような印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、この4団体は東北の復興支援など、日本国内でも地域に根ざした活動を精力的に行っています。

国ランキングTOP10:日本は5位にランクイン

次に、TOP500にランキングした団体を国別に分けてその数でランク付けしたものを見てみます。 TOP500の前にTOP100を見てみると、米国が群を抜いて1位。その他ヨーロッパの国も目立ちますが、日本はランクインしていません。

国ランキングTOP10(TOP100内)

順位TOP100団体数
1米国37
2イギリス7
3スイス7
4オランダ7
5インド6
6ブラジル4
7フランス3
8ケニア2
9南アフリカ2
10バングラデシュ2

調査:TOP 500 NGOs platform

 

しかし、TOP500まで広げてみると日本はなんと5位にランクインしています。

国ランキングTOP10(TOP500内)

順位TOP500団体数
1米国130
2イギリス46
3スイス33
4インド31
5日本18
5オランダ18
6ドイツ15
7フランス13
8ロシア11
9南アフリカ8
10アルゼンチン7

調査:TOP 500 NGOs platform

 

日本のNPO/NGO業界は欧米に比べると遅れていると言われています。TOP100にランクインしていないことからもその実情が垣間みえますが、18もの団体がTOP500に入っていることから「活動範囲が日本国内のみなど、世界レベルでみた社会的インパクトは小さいが、良質な団体が数多く存在する」という結論を導き出すことができます。 もちろん、このランキングのみで判断することはできませんが、これからそういった団体がひとつでも増えていくことは、日本国内におけるNPO/NGOの地位向上、ひいては世界における日本のNPO/NGO市場の評価向上にもつながるはずです。 次回のTOP500ランキングの発表は来年2016年の1月を予定しているとのこと。日本のNPO/NGOがどれだけ増えているのか、またTOP100に入っていけるのか、楽しみですね。

本記事で紹介したランキングはTOP 500 NGOs platformより特別にご了承をいただいております。無断転載等は一切禁じられておりますので、ご理解のほどお願い申し上げます。

 

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五十嵐 順一

1985年東京都生まれ。小学校時代をオーストラリアで過ごす。中央大学法学部卒業後、NEC入社。欧州・中近東アフリカ向けの営業支援に従事し、1年間のフランス赴任を経て2013年よりオランダ赴任中。本業の傍らセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン等NGOのボランティア活動も行う。趣味は旅行、サッカー観戦、音楽。最近食べたいものは日本の焼肉。