福井の魅力を外に伝える”アンバサダー”に任命された、福井で働いている10人が集い行われたワークショップ。
”アンバサダー”の皆さんがこの福井で働くことになった経緯はさまざま。福井で生まれて学んでそこで働いているヒト、いつか戻ろうと思っていたUターンのヒト、家を継ぐという使命があり戻ってきたヒト、一度東京に出たけれど、「あ、福井面白そうじゃん」と感じて戻ってきたヒト、いろいろな縁でたどり着いたヒト…。”それぞれが「福井らしい働き方」を自由に話し、共有して深めていくプロセスを通して、”らしさ”のベースが見えてきました。
おおきな家
多くの人があげていたのが親との同居率の高さ。三世代で同居している割合が全国2位であるという数字を紹介しましたが、福井人の実感としてもやはりこれはあるとのこと。両親の手を借りたり協力することが容易なので、共働き率も全国2位(*)。その結果、「家に財布がたくさんある」と表現する方もいましたが、家全体での所得が大きくなります。家への意識はとくに長男だと強い。家が「安全基地」だという方も。もちろん全員が家にびったりということではなく、しがらみから離れていく人もいる。けれど特徴ある傾向としては、家の存在が大きいということがいえそうです。
(*)2010年のデータでは共働き率の全国平均は53.92%。
福井県は2位。全国1位は山形県、3位に島根県、富山県、鳥取県、新潟県と続き、日本海側の県が並びます。
ちょうどいいサイズ
人口27万人という福井市のサイズ。10万人(例:石川県小松市の10万人)でも4-50万(例:富山市の41万人)でもないこのサイズ。後のインタビューでも紹介しますが、「ちょっとした産業が域内だけをエリアとして成立する」。自立経済圏というと大げさですが、イメージとしては近いかもしれません。
職と住の距離の”ちょうどよさ”を実現する町のサイズ。通勤はみなさん車、だいたい平均30分くらい。満員電車の通勤ラッシュはもちろんありません(ただし車の渋滞はある)。都会で働いていた人たちはとくにこの点をポジティブに評価していました。そしてコミュニティもちょうどよいサイズであること。はじめて会った人同士でも、働いている会社、出身校や居住地域などを話せば、「ああ、あの●●先輩のとこですね」といった会話が成り立ってしまう近さが福井市の中では成り立っているようです。
たくさんの中小企業群
戦前戦後の中心産業だった製造業の名残りで、中小企業数が多いこと。近隣の鯖江は眼鏡産業が有名ですが、人口あたりの社長輩出数は福井県は日本一です。また中小企業での仕事は「自分でコントロールできる領域が大きい」というのは多くの人が共有していたポイント。「組織の歯車という感覚はぜんぜんない」ために、主体的に働けること、それは大きくない企業のメリットの一つでしょう。
結婚後のライフステージに
若者にとって遊ぶ場所や刺激が無い、というのは地域ではよく聞く話ですが、少し年齢を重ね、結婚し、子育てをはじめるといったライフステージに入ると、とてもいい環境だという意見。山も海も近く公園も多い、子どもの遊び場所にはまったく不足は無い、というのは親世代でも多くの人がもっている感覚のようです。ちなみに人口1人当たり教育費は福井県は全国第4位(*)。
*手厚い教育(県と市町の人口1人当たり教育費/平成21年度)
4位 福井 16.7万円(1位 島根 19.0万円、2位 高知 18.0万円)
このワークショップを通して浮かび上がってきた”らしさ”。次は働く人たちのインタビューを通して、福井での仕事ぶり、暮らしぶりを可視化してみましょう。
・幸福度ランキング1位! 福井には何がある? 〜福井で働く人たち【1】
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