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見た人皆がアリ地獄〜全く新しい、地域の盛り上げ方!?〜

2016.12.16 

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地域で「個性」を活かす??

 

突然ですが、皆さんは「地域活性化」という言葉を聞いてどんなイメージを持ちますか?

自然を活用した観光ツアー、特産品を用いたブランディング、ゆるキャラによるプロモーション、地域での起業などなど…。

 

「地域活性化」が盛り上がっている今日、全国あちこちの地域で、地域資源を活かした様々な取り組みが行われています。

 

しかし、皆さんはこれまでに出会ったことがあるでしょうか?

地域に暮らす「人」の個性や魅力をそのまま活かした、一見変わった地域の盛り上げ方を。

 

「地域だと個性が埋もれちゃうじゃないですか。これからの地域って、個性を大事にするのが必要だと思うんですよね。それぞれの役割を全うするというか。」

これは、私がある地域で出会った人の言葉です。

 

この言葉通り、そこに生きる人々が、それぞれの個性を開花させながら、全く新しい形で地域を盛り上げている小さな町のあるグループに、私は出会いました。

 

西和賀まるごと食ってみでけろ隊!?

 

岩手県西和賀町。秋田と岩手の県境に縦に伸びるこの町は、面積の80%が森林です。冬はかなりの豪雪地帯で、多いときは3mも積もります。その分、四季の変化がよりビビッドに感じられるところ。

西和賀

 

 

春は雪から解放された生き生きとした新緑。

夏は見渡す限りの緑と爽やかな風。

秋はスケールが段違いな紅葉。

冬は一面の雪、その雪を活用した美しい雪あかり。

 

 

私は、冬の雪あかりのボランティアをきっかけに、西和賀に足を運ぶようになりました。そこで、私はあるグループに出会ったのです。

こんなグループです。

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「西和賀まるごと食ってみでけろ隊」です。

「西和賀まるごと食ってみでけろ隊」は、西和賀をなんとかしたい!と思う地元の方々によって結成されたグループで、地域を盛り上げるべく、合宿型ツアーやイベント開催など様々な取り組みをしています。このグループが大切にしているのは、仲間の個性を活かすこと。メンバーの1人は、食ってみでけろ隊についてこう話しています。

 

「人にはそれぞれ輝ける場所がある、その個人の役割を大切にすることで、その人の存在価値をあげられる。人口減少で人が減っている分、西和賀に暮らす1人ひとりの存在価値をよりあげていきたい。」

 

こんな思いのもと、料理が得意な人は合宿型ツアーで夕食のもてなしを担当したり、人を惹き付ける魅力のある愛されキャラクターには、白い全身タイツを身にまとって、グループが行う「パフォーマンス」(後で詳しく説明します!)の主役になったり。地域を盛り上げたいという熱い想いが特にある人は、隊の中で様々な企画を立ち上げたり。そして仲間たちはそれぞれの背中を押します。

個性を大切にしながら、まずは自分たち自身が楽しむ。だんだん周りを巻き込んでいく。その活動がこれ。

 

 

 

大根

隊の1番の特徴は、この「パフォーマンス」。見た人は皆、西和賀のアリ地獄にはまるという…いったい「パフォーマンス」とはなんなのでしょう?

私は今年の夏、ついにそれを見ることが出来たのです。

 

なんなんだ、このパフォーマンスは!?

夏、私は「食ってみでけろ隊」主催の夏合宿に参加しました。合宿の夜、参加者と宿の大部屋に集まり、お酒を片手に楽しんでいると…。 突如、隊が部屋に現れました。全身白タイツで大根を表現している人、またぎの格好をした人、蛍光色のジャージの人、普通にスーツの人…。皆がバラバラすぎて、逆に不思議な統一感すら感じます。

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「それぞれみんな、この町をなんとかしたいと思っていた。それを表現するためのものがこれだった。」

 

またぎの人が、その姿とはだいぶギャップのある、まじめな隊の紹介をしてくれました。続いてゴールデンボンバーの「女々しくて」を、西和賀の有名な特産品、大根の一本漬けバージョンに変えて歌いだしました。応援に駆けつけた他地域の地域おこし協力隊の若者が加わり、今度はのりのりで「恋するフォーチュンクッキー」を振り付けながら歌っています。蛍光色のジャージの人は、長渕剛さんの「乾杯」。今時の曲から昔の曲、さらには童謡まで、メンバー全員が振り付けありで踊りながら、全力で楽しそうに歌っているのです。最初は衝撃でしたが、不思議です。気がついたら私まで楽しくなっていました。盛り上がりは最高潮に達し最後にはこんなことに。

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そして「この時間が終わってほしくない」と私は思いました。パワーが凝縮されたこの空間にもっといたいと思いました。

 

「最近、西和賀の“アリ地獄”にはまる人が増えている。」

 

何度か聞いていた言葉でした。私は、“アリ地獄”にはまりました。

 

「西和賀まるごと食ってみでけろ隊」が教えてくれたこと

 

隊の活動は2013年から。飲み会の場で、「こんなこと出来たら面白いよね!」とアイディアが出て結成されることになったそうです。はじめは町のCM作成やPRから。岩手県で行われている「ふるさとCM大賞in IWATE」では、食ってみでけろ隊製作のCMが、2013年に審査員特別賞「熱演賞」、2015年には特別賞「おもしろ賞」を受賞。2014年からは、町外の人に西和賀の魅力を感じてもらう合宿型ツアーを定期的に開催。都市部にもファンが拡大し始め、隊の「パフォーマンス」を下北沢のBarで行ったところ、ファンが集結し満員御礼だったそうです。

 

地域への思いを持った人々が集い、全力を燃やして活動している。ただ、それだけ。誰かに強要されたわけでもなく、行政や企業、NPOが立ち上げたわけでもありません。

 

蛍光色の人はこう言っていました。

 

「まず全力でやってみる、全力でやったら相手に伝わる。自分たちが楽しんでるだけで、その楽しさは相手にも伝わるのよ。」

関わる人皆が全力で楽しみ、その楽しんでいる姿を見てまた周りが惹き付けられ、地域が盛り上がっていく。「人ひとりひとりの個性を大切にし、それを全力で全員で楽しむ」という単純なこと。その“すごさ”を、「西和賀まるごと食ってみでけろ隊」は教えてくれているのかもしれません。

 

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2017年2月11日には、“雪あかり2017inにしわが”が開催されます。あの「パフォーマンス」を目撃することが出来るかもしれません!皆さんが西和賀に足を運ぶきっかけになれば嬉しく思います。

雪あかり2017inにしわが

 

そして、西和賀で働くという選択肢のご紹介。生産者さんの想いがこもった商品を消費者の皆さんに届け、町の皆さん、町に来た皆さんを笑顔に出来る素敵な仕事です。詳しくは以下のリンクから。

【DRIVEキャリア/求人情報】

圧倒的な大自然とどこにも無い四季、豊富な食を売り込む『町の顔』!

株式会社産業公社

 

 

皆さんも西和賀の“アリ地獄”にはまりますように、そして、ひとりひとりが輝ける地域が、日本に広まっていきますように!

ETIC.ローカルイノベーション事業部学生インターン/中谷香央里

大学時代、東北地方を中心としてボランティア活動をしていく中で、地域づくりに関心を持ち始める。地方での魅力的な取り組みを知り、都市部の人々にも発信していきたいと思い、インターンとしてETIC.に参画。

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中谷香央里

ETIC.ローカルイノベーション事業部、学生インターン。大学時代、東北地方を中心としてボランティア活動をしていく中で、地域づくりに関心を持ち始める。地方での魅力的な取り組みを知り、都市部の人々にも発信していきたいと思い、インターンとしてETIC.に参画。