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東京発・400字から世界を変えるスタートアップコンテスト 「TOKYO STARTUP GATEWAY 2017」コンテスト部門FINALレポート!

2018.01.15 

日本最大級の若手起業家の登竜門TOKYO STARTUP GATEWAYのコンテスト部門FINALが、11月18日(土)に東京・芝の東京タワー下にあるスターライズタワーで行われました。

TOKYO STARTUP GATEWAYのスローガンは「BEYOND IMAGINATION」。400文字のアイディアからエントリーした1360人の応募者の中から182人が選抜され、7月から11月までメンター・講師も交えて、ビジネスプランをブラッシュアップしてきました。その中からさらにセミファイナリスト33人、ファイナリスト10人と絞り込まれ、いよいよこの日、ファイナリストの中から最優秀賞が決定します。

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審査員は、Tokyo Otaku Mode共同創業者の小高奈皇光さん、フォーブスジャパン副編集長の谷本有香さん、スマイルズ社長の遠山正道さん、東京大学教授の各務茂夫審査委員長という豪華な4名。照明を落とした会場ではDJブースの音楽とブルーのレーザーを交えたVJがクールな未来的雰囲気を醸し出しています。オーディエンスも開場すぐに満席に。会場いっぱいに期待がふくらむ中、FINALがスタートしました。

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セミファイナリストのピッチリレーも熱い

ファイナリストのプレゼンに先立って、惜しくもファイナルを逃した23人のセミファイナリストの中から13人が登壇してピッチリレーが行われました。1分間の短い持ち時間で自らのビジネスプランをアピールします。この中から、オーディエンスの投票で「もっと聞きたい賞」に選ばれた3名が表彰式直前にもう一度プレゼンを行うことができます。

 

 

ピッチリレーの直後には審査員による公開評論「審査員の控え室」が行われました。この中では、遠く離れた人ともお酒を酌み交わせる松原大悟さんの「遠隔お酌」が注目を集めていました。

 

 

オーディエンスの選ぶ「もっと聞きたい賞」には、介護離職を無くしたいという願いが込められた遠隔介護のプラットフォームを提案した増野佳範さん誰でも地球上から月面探査機を操縦できるサービス「iProbe」の植松風登さんVR技術を使って思い出の風景の中に入り込めるサービス「メモリーウォーク」の松井永さんの3名が選ばれました。

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ファイナリストのプレゼンに先立って審査員の遠山さんは「私たちスマイルズでは自分の体験の中からのアイディアを大切にしています。よくAIの発展で世の中の多くの仕事が無くなるとも言われていますが、自分と技術、環境を考えていけば怖くありません。自分の中に理由があれば、厳しいことも乗り越えられます。」と、ファイナリストへのエールとも審査の基準とも取れるコメントをしていました。

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ファイナリストのプレゼンがスタート

 

いよいよファイナリスト10人のプレゼンが始まります。

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トップバッターで浅葱色の着物を着て登場したのは、長岡彩子さん。ニューヨークに住んでいた幼少期に外国人の友人に着物のすばらしさを教わったといいます。ビジネスプランは、着物シェアリングでこころをつなぐプラットフォーム「Matou。着物はもともと家族や親戚でシェアしてきたもの。核家族化で断絶した着物の文化や知識をシェアリング・エコノミーで回復することを目指します。

 

続いての登壇は、首都大学東京の博士課程で遺伝子の研究をしている井並頌さん。世界の食糧問題を解決するためEdipodと名付けた昆虫食の開発・普及を目指しています。専門の遺伝子操作によって、グルメ化、生産性の向上、さらに野生の生態系に影響を与えない改良を行って、貧困地域へ輸出。将来は火星移住時代の食糧にしたい!という夢も語ります。

 

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梅津円さんは吃音症改善VRデバイス「吃音VR」で吃音者に特化した就労支援を目指します。自らも吃音で悩んだという梅津さん。吃音者は能力があっても吃音のために面接で落とされてしまうことが多いと言います。VRで繰り返し就活面接のシミュレーションを行うことで、吃音症の改善を図ります。

 

 

010_tsg2017-pg-thumb95全日本優勝の実績を持つ世界的曲技飛行パイロットである小幡重人さんの提案は、小型機とパイロットをシェアできるプラットフォームによる自由な空のネットワーク。沖縄や東南アジアのような離島が多く人口密度の低い地域では、航空会社の定期便は便数が少なく価格も高くて不便。そこで小型機を活用して、好きなときに好きなところに行ける自由に空を使える世界を作りたい、と言います。

 

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前半の最後は、チャイムの音ともに登場した日本語の先生・永野将司さんの登場です。多くの外国人に日本語を教えてきた永野さんの願いは、言葉が不自由なために不当な扱いを受ける「言語難民」を日本から無くすこと。自らの経験・ノウハウも詰め込んだビジネスマナーや生活習慣までフォローする教育プログラムを安価に提供したいと考えています。

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ファイナリスト後半の5人も変わらぬ熱量

休憩をはさんで後半の5人のプレゼンがスタートしました。玉城潤一さんは、都市の移動を変えるビルの高低差を利用した移動システムを提案。まず登場したのは、人間が乗る卵型のカプセル。これがビルの間に巡らされたワイヤーに沿って移動します。動力は自分の重さなので、エネルギーを消費しません。利用されていない都市の空中を使って直線的に無駄なく移動するアイディアです。

 

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作業着にヘルメット姿で登場したのは島根由佳さん。機能的な作業着とIoTの活用で技術者の働き方を変えたいと考えています。技術者の作業着は汎用的過ぎて現場に必要な機能を満たしていないと言います。そこで、職種と現場の特性に合わせたより機能的な作業着をデザイン。IoTで情報収集することで安全性を改善。さらにファッション性を持たせて業界のイメージアップも目論みます。

 

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橋本雅史さんは、見たい夢を見られる技術の開発を目指しています。それこそ夢のような話ですが、夢の中で夢を見ていると気づく明晰夢を意識的に見られるようにすることで実現可能なのだとか。この技術は心のダメージを癒やす効果が期待できるほか、VRを超えるエンターテイメントへの活用も考えているそうです。

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ファイナリストの中で最年少19歳のmilmeさんは、18・19歳のための自立支援シェアハウスを立ち上げようとしています。親からの虐待を受けて育ったというmilmeさんは、18歳で大学中退と就職、19歳で退職・独立という波瀾万丈の人生を送っています。みずからの経験に基づいて、同じような境遇の10代が経済的自立のためのウェブデザインの技術を習得しながら、精神的自立に向かえるシェアハウスを作りたいと言います。

 

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山口将秀さんは長男の精神運動発達支援をきっかけに独立、障がい者の就労移行支援事業を行う会社Torepal を立ち上げました。得意な分野ならば健常者以上に能力を発揮する障がい者もおり、企業側が環境を整えてくれれば、障がい者がもっと活躍できると言います。障がい者が当たり前に活躍できる社会を目指して、福祉事業所と企業のマッチングを行っています。

 

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いよいよ最優秀賞発表

審査員が審査を行っている間、会場ではプレゼンターとオーディエンスが直接交流するBreak&Meat up! が行われました。ずらりと並んだプレゼンターの周りには黒山の人だかりができていました。

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予定より長引いた審査がようやく終わり、いよいよ表彰式が始まりました。オーディエンス賞は、ビル間移動システムの玉城潤一さん。プレゼンターの遠山さんは「ありえない感じだけどBEYOND IMAGINATIONという意味ではこれ以上のものは無い。必ず実現して欲しい」とエール。

 

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玉城さんは「私のアイディアはすぐに実現できるものではありませんが、評価していただいてうれしい。次回はみなさんがこうしたアイディアを出してほしいです」

 

 

優秀賞は2人です。一人目は、見たい夢を見る技術の橋本雅史さん。プレゼンターの小高さんは、「夢の続きを見るという子どもの頃の夢が実現しそう」とあふれるワクワクを言葉にします。橋本さんは「4ヶ月前の400字からスタートして、漠然としたアイディアがいろんな方のアドバイスでここまで形になりました。みなさんに感謝したいです」

 

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もう一人の優秀賞は、10代の自立支援のmilmeさん。プレゼンターの谷本さんは「この会場の誰もが感動して応援したいプロジェクト。人を巻き込む力、動かす力がある人、もっと大きなインパクトを作ってほしい」とエールを送りました。Milmeさんは、「4ヶ月間大阪から通って、いろんな人にアドバイスをもらうことで、やる気マックスで今日を迎えられました。19歳の力を見せてやるぞ、という思いが強いです。年功序列を壊したい。大人のみなさん、お気をつけください」とメラメラした情熱と野心をにじませます。

 

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最優秀賞は、空の個人利用を革新する小型機を利用したネットワークの小幡重人さんが受賞しました。プレゼンターの各務審査委員長は「空を知り尽くしてる小幡さんならではのプラン。使われていない小型機の潜在能力は大きく、同時にアジアの市場をとらえると想像以上のインパクトがある。このチャンスを生かして、したたかに、事業におけるチャンピオンになって欲しい」と強い期待を込めたエール。

 

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そして最優秀賞の小幡さんの喜びの言葉です。

「このコンテストを教えてくれた友人に焼き肉をおごらなければ(笑)以前から考えていたプランですが、自分の頭の中にあるものを他人に説明して理解してもらうことの大切を実感しました。4ヶ月前のスタート時よりもずっと分かりやすい形で伝えられたと思っています。関わったすべての人にお礼を申し上げます」

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最後に各務委員長からの総評です。「どれも素晴らしいプランで非常に難しい審査だった。賞からもれたファイナリストもセミファイナリストもそれほど差があるわけではない。実現に向けて一歩一歩進んで行ってほしい。みなさんに『おめでとうございます』と言いたい」

 

TOKYO STARTUP GATEWAYは閉幕しましたが、ここはまだスタートライン。プランの実現に向けて本当の勝負はこれからです。みなさんのこれからの活躍を期待して見守りたいと思います。

 

 

 

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DRIVEメディア編集部です。未来の兆しを示すアイデア・トレンドや起業家のインタビューなど、これからを創る人たちを後押しする記事を発信しています。 運営:NPO法人ETIC. ( https://www.etic.or.jp/ )

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