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転職の軸はどうつくる?20代後半からの仕事の幅の広げ方【未来をつくる仕事への転職者インタビュー森未来・我妻さん】

2021.06.14 

このまま今の仕事を続けるのか、転職した方がいいのか―。

 

入社して仕事も一通り覚えた20代後半から30代前半。結婚・仕事・転職・起業といろいろな人生の選択肢があらわれ、最もキャリアに悩む時期です。今回は、「自然×デザイン」の軸で仕事を探し、DRIVEキャリアを通じて株式会社森未来(しんみらい)に参画した我妻 美幸さん(31)に、「仕事選びの軸の作り方」や「キャリアの広げ方」について伺いました。

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仕事が自分のコアの部分と離れてきた

 

――前職もデザイナーとして働かれていたんですよね。どうして、転職しようと思われたのですか?

 

前職のデザイン事務所では、本や雑誌をデザインしていました。正社員として入って7年くらい働いていたんですけど、年をとるごとに環境問題が気になって。

なかなか本が売れない時代ですが、不況でも売らなきゃ食べていけない。だから、早いスピードで「新しい本を作る」「売る」を繰り返すんです。

正直、「これ、本にしなくてもいいんじゃないかなぁ」と思うこともありました。本なので、作るたびに紙を使うんですよね。「そういうものを大量に作りたくない」と思ったときに、仕事が自分のコアみたいなところと、ちょっとずつズレてきているのを感じて。他の場所に行こうと思いました。

 

――転職したのは去年の12月ですよね。コロナ禍で経済が不安定なため、「今は転職する時期じゃない」と思う人も多いです。我妻さんは、思い切りましたね。

 

コロナ禍で環境問題への関心が高まったのもあります。観光客が減り、湖や川がきれいになったというニュースを見たとき、「人の行動がストップするとそういう影響があるのか」って思って。緊急事態宣言で家にいる間に、環境系のドキュメンタリーを見るようになり、「何かしたいな」という気持ちが出てきました。

 

――前から環境問題に興味はあったんですか?

 

もともと自然は好きでした。実家が富山なので、自然に囲まれて育ったこともあって。将来は自然が豊かな場所で暮らしたいなっていう気持ちはありましたが、環境を守るために行動を起こすことまでは出来ていなかったですね。

「自然×デザイン」という軸が生まれるまで

 

――社会課題に関心を持っても、その分野ですぐに仕事できる人ばかりじゃありません。我妻さんはデザインのスキルがあったことが武器になっていますね。デザインはずっと好きだったんですか?

 

小さい頃からデザイナーになりたかったわけではなかったです。新しい物好きなので、将来の夢がコロコロ変わる子でした。美容師だったり、漫画家だったり、ファッションデザイナーだったり。ビジュアル面で何かをつくる人になりたくて、ファッションの専門学校に進みました。

 

2 専門学校時代の写真

専門学校時代。制作した服の発表会の時の写真。左上が我妻さん

 

でも、ファッションデザイナーの厳しい世界に飛び込むほど情熱がなくて、その次は編集系の短期の学校に行きました。出版社でアルバイトしていたときに、文章の編集よりもデザイナーさんが上げてくるデザインの方に惹かれて。そこからデザインをやろうって決めた感じでしたね。

 

――ストレートにデザイナーを目指したわけじゃなかったんですね。行く先々で出会う「ときめいたもの」に正直に動いている印象を受けます。

 

はい。計画を立てるのは大好きなんですけど、計画どおりに実行するのはすごく苦手なんです。計画はいろいろ考えるんですけど、ピンときたものに出会うと迷いなく動いてしまう。

 DRIVEキャリアを見たときも、「このサイトなら安心できそう。しっかりしてるんだろうな」って思って。第六感みたいな。そういうものがマッチするとパッと動いちゃうタイプです。森未来もそうでした。

 

――パッと動き続けると、いろいろ散らかることってありません?

 

ありますね。やりたい事がありすぎて、どれが本当にやりたいか分からないってことがあります。

 

――たとえば?

 

翻訳、ヨガの講師、心理カウンセラーとかですかね。どれもふわっと思い描いた程度なんですが。

 

――そういう時って、どうやって優先順位をつけるんですか?

 

そうですね・・・。たまに、今とは全然違う職業についた自分を想像することがあるんです。デザインができない状況を想像したとき、「やっぱりデザインやりたいな」と思って。そのときに、「デザイナーは天職なのかな」と気づきました。

 

――「何が一番やりたいだろう?」と悩むのじゃなくて、「やらない自分」を想像してみるの、新しいですね。

 

そういえば、前職をやめた後も、富山の実家に帰ってじっくり過ごす時間をつくりました。2~3週間くらい。あえて何もしなかったんです。転職のことなどを考えずに、ただ自然と触れ合って過ごしました。ふわっとした環境問題への関心はありましたが、この時間を経て、やっぱり「自然」で何かできることをしたい、と思うようになりました。

 

3.富山の写真

富山の風景写真

 

――なるほど。でも、自然なら富山の方が豊かじゃないですか。どうして東京に戻ろうと思ったんですか?

 

東京って特殊だなって思うんです。面白い人とか、情報とか、アイデアとかは東京に集まっているなと思います。自分は新しいことに挑戦したいタイプなんで。田舎で暮らすことを想像したときに、あまりしっくりこなかったので東京に戻りました。

 

――そこで「自然」「デザイン」「東京ではたらく」というキーワードがそろうわけですね。

 

はい。「自然」「デザイン」のワードでインターネットで仕事を探す中で、DRIVEキャリアの森未来の求人にたどりつきました。

入社の決め手は、ビジョンに感じたワクワク感

 

――森未来に入って5ヶ月たちますが、入社前後でギャップはありますか?

 

いい意味で、思っていた雰囲気と違いましたね。入社する前に森未来の社長の浅野さんに呼ばれて、スタートアップのピッチイベントに行ったんです。ベンチャーキャピタルのANOBAKAが行った「ANOBAKAカンファレンス」っていうイベントです。浅野さんが登壇するので見に行ったんですけど、飛び交っている言葉の半分くらいは知らない言葉でした。すごい世界に来ちゃったなって。

でも、会社自体はスタートアップ界の中でもほのぼのしているというか。みんな和気あいあいとしていて、家族みたいで暖かい感じです。

 

――「すごい世界に来ちゃったな」と思ったのに、「入社しよう」と思ったのはなぜですか?

 

浅野さんのビジョンを聞いているうちに、私もとてもワクワクして。林業の知識は何もないんですけど、とても分かりやすかったし、深く考えられていることが伝わりました。話を聞いている中で、私もいろいろアイデアが出せそうだな、となんとなく思ったんです。

 

「森の中でワーケーションするのも面白いよね」っていう話をしたりとか。「将来的には森や山を使ったイベント事業もやりたい」っていう話を聞いたときは、すごく魅力的だな、と思いました。

 

――それは楽しそうですね!

勉強しておいてよかった

 

――ここまでの人生を振り返って、「これはやっておいて正解だった!」って思うことありますか?

 

勉強はしておいてよかったなって思います。前の会社は、出版物をデザインするデザイン事務所だったので紙のデザインだったんです。WEBはありませんでした。でも、会社を辞める1年くらい前からWEBデザインを勉強していたんです。その時に学んだことが今の仕事に活きています。独学はやってきてよかったな、と思います。

 

Mockups Design

我妻さんがディレクションしているWEBサイト

 

――この先のキャリアはどんなことを考えていますか?

 

 そうですね。デザイナーとしてデザインの仕事をするだけじゃなくて、もう少し広い目線で、他のことと組み合わせられたら面白いな、と思います。

 

――たとえば?

 

スキルでいうと、マーケティングの分野にも踏み込んで、より上段からデザインを考えるとか。マネージメントポジションに就いて、経験の浅い子たちに教える側になる、とか。あとは自分で事業を起こして、その事業のプロダクトを自分でデザインするのも面白そうだなと思っています。

 

――デザインを軸に、紙からWEBに対象を広げたり、マーケティングやマネージメントにスキルを広げていくのは、自然に仕事の幅が広げられてすごくいいですね。これからのご活躍も楽しみにしています!

 

◇◇◇

 

最後に 「やってみたいなと思うことがあったら、どんどん挑戦してみるといい」というメッセージをくれた我妻さん。好きなことを軸足におきながら、まるでコンパスで円を描くように半歩先に仕事の幅を広げていく姿は、キャリアアップを考えたい人にも参考になるのではないでしょうか。

 


 

我妻さんがデザイナーとしてかかわったサイト、eTREEが2021年5月17日にリニューアルオープンしています。こちらからぜひご覧ください。

採用を担当された株式会社森未来代表取締役の浅野純平さんの取材記事も、ぜひ合わせてご覧ください。>>採用面接はお見合い。大切なのは、ウソをつかないこと【採用活動のポイント:株式会社森未来】

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乗越 貴子

1982年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、塾講師、ネットサービスベンチャー企業を経て、NPO法人ETIC.参画。2児の母。志ある人と組織をつなげる求人サイトDRIVEキャリア(http://drive.media/career)で、事務局業務を担当しています。モットーは、「書くことと人をつなげることで、一歩踏み出す勇気を生み出せる人になる」