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10代のイノベーター6名がつくりたい未来とは?─ETIC.30周年ギャザリングレポート(5)

2024.02.22 

当メディアを運営しているNPO法人ETIC.(エティック)は2023年、設立30周年を迎えました。12月には、記念イベントとして、「ETIC.30周年ギャザリング〜つながろう、語ろう〜」を開催しました。

 

本記事では、イベント当日のコンテンツの中から、「U18イノベーターによるショートピッチ」の様子をお届けします。いまの若い世代の方々が、どのようなことを考え、どのようなことに取り組んでいるのか、ぜひご覧いただければ幸いです。

 

※掲載情報はイベント開催当時のものです。プレゼン内容は一部加筆修正しています。

※記事内のスライドは当日使用されたものから抜粋しています。

 

 『次世代の美人の当たり前を創るコスメブランド』(児玉英里さん)

児玉 : コスメブランド「Rulie」(ルリー)代表の児玉英里(こだま・えり)と申します。「次世代の化粧品の当たり前を創っていく」ことをミッションに掲げながら、肌・環境・社会に優しい化粧品をつくっています。

 

わたしは小学生の頃から化粧品が大好きでした。「将来、化粧品で人を幸せにして、それが仕事になったらいいな」と思っていました。しかし、「化粧品がさまざまな社会問題に加担している」ことを高校生のときに知って衝撃を受けました。唯一の趣味だった化粧品が、知らず知らずのうちに何かを犠牲にして成り立っていたということで、わたしは純粋に楽しめなくなってしまいました。

 

そこで、「じぶんが本当に欲しいと思える化粧品を、じぶんでつくろう」と、クリーンとカワイイを両立した化粧品をつくり始めました。高校の同級生を巻き込みながら、クラウドファンディングで資金を集めたり、ポップアップイベントも定期的に行なったりしています。わたしたちは、「これからの時代の美しさの当たり前」「これからの時代の化粧品の当たり前」を創っていこうと懸命に進んでいます。

 

 

 『研究したい大学生』(谷垣聡音さん)

谷垣 : 筑波大学医学群医療科学類1年の谷垣聡音(たにがき・さとね)と申します。 わたしは高校生のときから、「お湯に溶けて食べられるプラスチック」をつくっていました。たとえば、カップ麺に入っている「かやくの袋」に応用することで、お湯をかけるだけで食べられる「超即席カップ麺」が実現できるのではと考え、素材の実験をしていました。

 

今回は、そんなわたしが所属している筑波大学についてお話します。筑波大学は、“研究学園都市”(*)と呼ばれる街にあり、経済産業省の「令和4年度大学発ベンチャー実態等調査」では大学別大学発ベンチャー数が第4位でした。しかし、もっと筑波大学のベンチャーが増えていいのではないかと思っています。

 

つくばの可能性を信じて、わたしはこの研究学園都市でイノベーションを起こしたいです。

 

(*) 筑波大学やJAXAなど29の国等の研究・教育機関をはじめ、民間を合わせておよそ150の研究機関が立地しており、1万人以上の研究者を有する、我が国最大の研究開発拠点です。(つくば市のサイト「筑波研究学園都市とは」より抜粋)

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『人生悩んでます』(川村賢人さん)

川村 : はじめまして、高校3年生の川村賢人(かわむら・けんと)といいます。

 

ぼくは元々、18歳定年の一般社団法人をやっていて、「中高生でプロジェクトやっている子と企業を繋げよう」ということをやっていましたが、なにぶん18歳定年というのと、ぼくが高3になったというのがあり、その団体を辞めました。

 

そこから、「いま、何をしようか」と非常に悩んでいます。

 

最近もう何もすることもなくて、引きこもりです。自由度が高い人間ですので、逆にみなさんから、「お前、これやれ」「お前、ここで働け」「お前、うち来い」ということがありましたらお話してみたいです。あと、おすすめの映画や本を聞いてみたいという方もぜひお声かけいただけたらと思います。

 

 

『社会起業体験プログラムで日本の教育業界に革命を。』(藤田岳さん)

藤田 : 株式会社MoonJapanを経営している藤田岳(ふじた・がく)です。

 

わたしたちは、全国の中高生を対象に3ヶ月〜6ヶ月の学校訪問型「社会起業体験プログラム」を提供しています。ミッションは、「これからの日本の未来を担う社会起業家の育成に貢献する」ことです。

 

あくまで起業は手段であり、“みんな起業しろ”という感じではなく、「起業というプロセスを通じて、色々なことを学んでほしい」ということを大切にしています。ビジネス知識、コミュニケーション力、リサーチ力、マネジメント力など、起業のゼロイチのプロセスで学べることはたくさん存在すると思っています。

 

ここにいらっしゃるみなさんと、ぜひ一緒に、日本に教育革命を起こせたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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『かるたで知るミャンマー 世界の問題を「自分ごと」に』(野中優那さん)

野中 : Yangonかるた代表、高校3年生の野中優那(のなか・ゆうな)と申します。

 

2021年2月1日に、ミャンマーでクーデターが起きたことをみなさんはご存知でしょうか。わたしは当時15歳で、ミャンマーのヤンゴンに家族と暮らしていました。避難のため日本に帰国し、最初に感じたのは違和感でした。わたしたちは紛争や貧困について学んでいるはずなのに、「自分ごと」として捉えていないことに気がつきました。

 

だから、世界に生きる人々の生命のストーリーを伝える必要があると思いました。「Yangonかるた」は、クラウドファンディングで約300万円のご支援をいただき、スタートしました。世代と人種を超えながら活動を広げています。これまで40回以上の講演活動もしてきました。

 

当事者が語ることは何より大事だと思っています。けれど、当事者でない多くの人が理解したときに、初めて社会は動きます。ぜひ活動に関心をお寄せくださると嬉しいです。

 

 

『女性の自立を促す冷蔵庫プロジェクト』(本嶋向日葵さん)

本嶋 : 大学1年生の本嶋向日葵(もとじま・ひまわり)です。

 

わたしが進めている「冷蔵庫プロジェクト」は、貧困地域に暮らす子育て中のお母さんに“冷蔵庫”と“仕入れ資金”を貸与し、世帯収入の倍増と生活の安定のために、自宅玄関先で個人商店を営んでもらう取り組みです。これからより多くの貧困女性を支援し、起業家として育てていきたいと思っています。

 

また、ビジコンで賞をいただいてから(*)、高校生の方から、「何かやりたいけど、何をしていいかわからない」という質問をいただくようになりました。日本の学生の多くは、大学に入ってから将来を真剣に考え始めるようになると思いますが、わたしの中で、「日本はこのままでいいのか」という問いが生まれました。わたしは、起業家精神と哲学を学ぶために起業先進国であるフランスに行こうと思っています。

 

(*) 本嶋さんは、2022年度 第10回「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」(主催 : 日本政策金融公庫)でグランプリを受賞されています。

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“君の狂気に、惚れている。”

以上、U-18世代のイノベーター6名によるショートピッチはいかがでしたでしょうか。

 

今回ご紹介した登壇者6名は、NPO法人エティックが運営する「MAKERS UNIVERSITY U-18」というプログラムの参加者のみなさんです。このプログラムは「自分が思い描く世界を求めて、信じた道を突き進むU-18革命児のための私塾」です。ぜひサイトもご覧いただければ幸いです。

 

MAKERS UNIVERSITY U-18 : https://u-18.makers-u.jp

 

このほかの記事はこちらでお読みいただけます。

>>【特集】ETIC.30周年ギャザリングレポート

この記事を書いたユーザー
Ryota Yasuda

Ryota Yasuda

1989年生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業。執筆・編集する、アート作品をつくる、ハンドドリップでコーヒーを淹れる、DJする、など。「多趣味多才」をモットーに生きている。2015年よりETIC.参画(〜2023年5月末まで)。DRIVEでの執筆記事一覧 : https://drive.media/search-result?sw=Ryota+Yasuda

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