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「NPOで働きながらプロボノ?」若手NPOスタッフが語る、自分をドライブするスキルの育て方

2013.09.13 196view 

NPOで働くまでの経緯ソーシャルメディアの活用、今担当している「NPOキャリアカレッジ」のプログラムについて話してくださったNPOサポートセンターの笠原孝弘さん(28)。インタビュー終了後にインタビュイーのETIC.スタッフの石川孔明(29)と話した裏話をちょこっと紹介します。NPOの外に出て、セルフトレーニングし、自分で自分をドライブしていくことについての話は、とても勉強になりました!

笠原さんと石川、対談の風景

NPOで働く人は、もっと他団体でプロボノするといい

石川:笠原さんって、本業のNPOサポートセンター以外にも、ソーシャルメディア活用なんかで、プロボノでいろんな活動に関わっていますよね。

笠原:NPO/NGOスタッフ全体なのか、中間支援スタッフなのかはわかんないんですけど、NPOで働く人はもっとみんなプロボノしたほうがいいと、個人的に思っていますね。仕事の地続きでボランティアできるから、素直に入りやすいし役割もちゃんともらえるし、成果も出せる。あとやっぱり大きいのが、メンターが見つかることです。僕は「小さい組織で上司がいないから、上司が欲しい」と悩みをちらちら聴くんですけど。それは他の組織やコミュニティで得るのもひとつなんじゃないのかなと思っていて。それこそETIC.のプロボノ・プロジェクトはすごくよかったです。

石川:横の出会いがありましたよね。

笠原:メンターもいましたしね。僕はたしか働いて1年目に参加したんですよ。一緒にプロボノしている30代後半から40代のビジネスパーソンの傍らで、「ああ、仕事ってこういうアウトプットの出し方をするんだな」と間近に見ることができて、そういう環境が出来たのはよかったです。そのあとETIC.のイベントをお手伝いして起業家がビジネスモデルの相談をする場で、ファシリテーターを任せていただいたり。社内に上司がいなく、本当にメンターを見つけたいなら、そういったところに積極的に行くって重要ですよね。ボランティアやプロボノをするんだったら、ちゃんとそこで自分の役割をもらってフィードバックをされるような環境に行ったほうがいいと思います。

対談中の石川

自分でセルフトレーニングして、スキルを育てないといけない

石川:確かにそうですね。僕も時々他からの頼まれごとに応えて仕事を受けることがあります。その裏にあるのは、ホームポジションとは異なる文化で足を踏み入れていないと、NPOセクターで、組織やその先の顧客に貢献し続けられなくなってしまうのではないか、という危機感です。目の前の事をやっていれば、スキルが勝手に伸びるというほど甘い環境ではない。あくまで、自分のケースでは、という話しですが。笠原さんがソーシャルメディアを見つけたみたいに、自己鍛錬を欠かさずに、スキルを育てないといけないですよね。

笠原:NPOのキャリアが不安だとか言っているのは、ちょっと甘えかもしれないですね。笑 さっき、NPOに入ったことに不安はないと答えましたけど、自分はこういう考え方で、今の環境にいるから不安がないのかもしれません。周りは自分を磨き続けたくなるロールモデルだらけです。

石川:入って最初はしょうがないとしても、目の前の業務だけでいっぱいになっていたら、未来はより苦しくなっていくのかもしれませんね。

笠原:忙しい業界ではあると思うし、わからなくはないんです。でも、そこで得られるネットワークを考えたら、プロボノとかに参加しやすい環境にはあるわけで。特に中間支援NPOのスタッフは他のNPO/NGOとのつながりだとかあるんだから、やったらいいと思いますけどね。

石川:そうですね。かものはしの山元さんの話も聞いて本当にそう思っています。山元さんが強調してるのが、「自分が組織外でやってることが、メインで携わっているNPOにもすごくいいフィードバックになってる」ってことで。それはひとつのキーワードだと思います。もちろん、職務内容にはよるけれど、自分の組織における貢献領域と、やや違う領域を持っているっていうのがないと。笠原さんにとって、深夜2時まで頑張ってソーシャルメディア活用という輪を持てたのと、それなしでもしカリキュラムの企画と運用の達人というだけのポジションだったとしたら、仕事の中身が結構ちがいますよね。

笠原:ああ、全然違ってたと思いますよ。何やってたんでしょうね。

石川:ちゃんとプログラムをまわしていると思いますけどね。でも、わざわざ孫泰蔵さんのセッションに行って、感じて、翌日にiPhone買って学びはじめるという、自助努力的な行為がなかったとしたら。

笠原:自分のキャリアが不安だったかもしれないですね(笑)

石川:もしかすると、他の多くの人たちはそれが出来ないがゆえに、どんどんループが閉じてっちゃって不安になってるかもね。田村さんも、わけのわかんないことを外でやって、勝手に開拓してる人だけど。

笠原:鹿の解体をやってますよね。新聞に出ているのを見ました(笑)

田村:見られていたとは…。 まだお二人みたいに、業務との相乗効果がまわりにわかる形では見えていないですけどね。

対談中の笠原さん

自分をドライブさせる場所や機会を、見つけておくこと

笠原:この半年くらいは、ちょっと疲れてた部分もあったんです、正直なところ。

石川:どうして?

笠原:地道で泥臭いけれども、仕事として貢献できるから面白いっていうのがあったんですけども。なんかどうも、腑に落ちなくなってきていました。いろんなところに行って、「ビジョナリーな仕事されてるんですね」とか、「NPOとソーシャルメディアだったら笠原くんだよね」とか言われて、外部の評価は上がっていくんですけど、内発的なものがなんか落ちてきていたんです。

石川:そういう波って、誰にでもやってくると思うんですが、笠原さんはどう持ち直したんですか?

笠原:調子がよくなってきたのは、ハッカソンイベントの運営をお手伝いしていた時。「あ、こういう風におもしろいものだとか社会課題解決するものを、みんなでワクワクしながら作っているんだなあ」って。パソコンのぞきながら真剣に、ときには悪だくみのような顔をしながら作業しているみなさんを見ていて、「ああそうだよな。こういうのだよな」っていうのが腑に落ちたっていうか。

田村:疲れる感覚とか、腑に落ちなさとかも含めて、共感できます。私は、今の業界に来て大事だなって思ったのは、メンタルのマネジメントと、外との接続を担保しておくこと。スピード感や強いビジョンを持って動いてる起業家の友人らに会ったり、むかし一緒に団体をやってた仲間に会ってお互いに伸び具合を見たり、定期的に組織の外をうろうろして、自分のやっていることや位置づけを見直したりはしています。あと私は、中間支援NPOの中でも、ステークホルダーとのやりとりのフロントに立つコーディネーターではなく、より後方支援的な事務局というポジションなので。組織の中にずっといると、サービスの受け手との接触がなくなってしまう。だから、自分が本当にサービスを届けたい当事者と直接会う機会はすごく大事にしています。

石川:そうやって自分をドライブさせる機会や場所を、見つけておくってことですね。

■ NPOサポートセンター・笠原孝弘さんインタビュー一覧 (1)新卒としてNPOではたらく (2)孫泰蔵さんがきっかけ!ソーシャルメディア×NPOに着目 (3)「NPOキャリアカレッジ」をつくり卒業生の4割をNPO業界に送り込む (本稿)「NPOで働きながらプロボノ」自分をドライブするスキルの育て方

特定非営利活動法人 NPOサポートセンター/笠原孝弘

1985年生まれ。大学で法律を学ぶ傍ら、アントレプレナーシップに触発される。事業型NPOのWE21ジャパンでインターンしながら、NPOマーケティングを学ぶ。大学卒業後、起業家支援NPOのETIC.で有給インターンを経験し、次世代の社会起業家と、先輩ベンチャー起業家の連携を生み出すプラットフォーム「イノベーション・グラント」事業を担当。2009年よりNPOサポートセンターに入職。主にNPOを対象としたインターネットツールの活用、ソーシャルメディアの講演や導入支援を務める。「NPO」×「IT」をキーワードにした海外トレンドをNPO/NGOスタッフや日本のビジネスパーソン、社会イノベーターに紹介することに取組む。

聞き手/石川孔明

1983年生まれ、愛知県吉良町(現西尾市)出身。アラスカにて卓球と狩猟に励み、その後、学業の傍ら海苔網や漁網を販売する事業を立ち上げる。その後、テキサスやスペインでの丁稚奉公期間を経て、2010年よりリサーチ担当としてNPO法人ETIC.に参画。企業や社会起業家が取り組む課題の調査やインパクト評価、政策提言支援等に取り組む。2011年、世界経済フォーラムによりグローバル・シェーパーズ・コミュニティに選出。出汁とオリーブ(樹木)と自然を愛する。

この記事を書いたユーザー

田村 真菜

田村 真菜

フリーランス/1988年生まれ、国際基督教大学卒。12歳まで義務教育を受けずに育ち、野宿での日本一周等を経験。311後にNPO法人ETIC.に参画し、「みちのく仕事」「DRIVE」の立ち上げや事務局を担当。2015年より独立、現在は狩猟・農山漁村関連のプロマネ兼ボディセラピスト。趣味は、鹿の解体や狩猟と、霊性・シャーマニズムの探究および実践。

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