日本一面積が小さい自治体から世界一のものづくりを
ーーまず創業の地であり、現在も本社所在地である、富山県の舟橋村のことを教えていただけますか。
松田竜彦代表取締役(以下敬称略):富山県の中新川郡舟橋村というところです。舟橋村は富山県の海と山の間の平地にある、日本一面積が小さい自治体です。ほんとうに小さいので(笑)、逆に大きなところには負けたくない! という風土があるかもしれませんね。
風土ということでいうと、富山はファスナーとサッシのYKKさんとか、ロボットメーカーの不二越さんなど、もともとものづくりが盛んな地域で、弊社はそういう場所でずっとものづくりをやってきた会社です。わたしは創業者の三代目で、実家がすぐ横にあったので、小さい頃からよく工場に遊びにいっていました。大学は工学部の機械工学で学びながら、バイクに乗って日本一周をしたりして。乗りもの好きですね(笑)。
——ファインネクスさんは、さまざまなエレクトロニクス部品、車載部品をつくってらっしゃいますが、強みはどんなところにあるのでしょう?
松田:1つは「圧造加工を極める」です。圧造加工は、金属材料に叩いたり伸ばしたり曲げたり、力を加えて目的の形に変形させる加工技術です。多くの民生部品、車載部品、医療部品を手掛けていますが、特にパソコンのCPU用PGA端子という部品のシェアでは、世界一を達成しました。
当社では、さまざまな圧造加工の中でも、特に金属線材からの圧造加工を得意としています。粘土のように金属を自由自在に加工する、というイメージですね。もともとは47年前に、藁で縄を結う自動機械を作っていたんです。藁という線を加工する技術から、金属の線を加工する技術に進化したんですね。
2つめは「複合加工を極める」です。圧造加工でつくったものを、メッキ処理したり、プレス加工、インサート成形、そして組み立てまで、加工のラインの一気通貫で加工することができます。
3つめは「自働化を極める」。自働で動く製造機械と金型を内製化、つまり自社で設計製造ことができます。自働化によって、安定した品質と人手を極力省くことができ、低コスト化を実現できます。
こうした強みによって、たとえばCPUのPGA端子の製造においては、不良品が許されないという品質を求められる中で、自社内で製造機械のバージョンアップを続けることで、不良を出さないラインを提供することができ、業界シェアトップになることができました。
新しいものづくりへの挑戦
——今回の求人は自動車部品製造のイノベーションを担う人材、ということですが自動車業界も大きな転換点を迎えていますね。
松田:EV(電気自動車)、ADAS(自動運転)などがこれから伸びていきますから、そこで新しい技術、製品が必要とされています。AppleやGoogle、テスラモータースなど既存の自動車産業の外のプレイヤーが進出してきていることも、大きな変化ですね。
——なるほど。ファインネクスさんがこれから取り組んでいこうとしている新しいものづくりとはどんなものでしょうか?
松田:多くのものづくりの会社と同様、弊社もこれまでは基本的にはお客さまからのオーダーで部品をつくるという請負でしたが、今後は新しい価値を創造して、お客さまにこちらから提案できるようなエンジニアリングをやっていこうと。
”攻め”のバリュー・エンジニアリング
——ものづくりの現場も変換点を迎えているんでしょうか?
松田:そうですね。”未来のものづくり”、 価値を創造できるエンジニアリング、ということを考えています。ものづくりの現場では、「どうやって製造するか? いかにしてコストを下げるか?」という”HOW”に目が行きがちなのですが、それだけではなく、お客さまにとって「何ができるか? どんな機能があるか?」を中心にすることで価値を高めるという考えかた、バリュー・エンジニアリングという考え方があります。請負ではなく、”攻め”のエンジニアリングと言ってもいいかもしれません。
また、現在は富山とベトナムの2拠点で生産していますが、国内だけでなく世界を視野に入れて事業展開していく必要もあるでしょう。日本の自動車メーカーだけでなく世界のメーカーに対しても提案していくような、そういうことができる人材を求めています。
スペシャルなポジション
——今回のyosomon求人は、1000万円+歩合、というファインネクスさんとしても大きな期待をこめた求人になっています。
松田:うちとしてもスペシャルなポジションですから、成果もスペシャルを求めます。どんな人に来てほしいか…ものづくりが好きな人、アントレプレナーシップのある人。エンジニア思考がわかっていて、営業やマーケティング、企画提案ができる人。既存の枠やあたりまえじゃないところから提案してもらえる人。自動車業界の経験は必須ですが、そこだけにこだわらない、業界の外へ提案していくような人。発想の幅があってもいいと思っています。
——この仕事に関心を持たれた方へのメッセージをお願いします。
松田:大企業よりも動きが早い、ベンチャー的な新規事業の立ち上げの面白さがあります。ファインネクスの強みである、「圧造加工」「複合加工」「自働化」の先端技術を存分に使って、世の中にまだ無い製品、製造工程をつくる、それで世界一を目指していくような、”ぶっ飛んだ”仕事ができると思います。
ファインネクスは富山県の小さな町で、誠実にものづくりをやってきました。そういう組織を理解していただきつつ、新しい領域へ引っ張っていくような人に来てもらえたら。新しいものづくりができる、新しい価値を創造できる会社を引っ張っていってもらいたいと思っています。
——ありがとうございました!
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