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参加者の70%がプログラム期間中にアイデア段階から事業開始へ 孫泰蔵氏×ETIC.による社会起業家支援プログラム・SUSANOO第1期

2015.02.24 155view 

数々のスタートアップを支援し、かつ自身も起業家であるMOVIDA JAPAN代表取締役CEO孫泰蔵さんと、NPO法人ETIC.が取り組む"ソーシャル・スタートアップ"支援プログラム、SUSANOO(スサノヲ)。昨年開始した本プログラムは、3/9を締め切りに第2期メンバーを募集しています。今回は、第1期の成果を振り返りながら、SUSANOOの仕組みを解体してみたいと思います。

ソーシャル・スタートアップとは? 例えばホームレスの支援や環境保護のように、サービスの対価が貰えない為にビジネスになりづらい分野のことを「市場の失敗」と呼びます。

これまで行政やNGOがこの領域を担ってきましたが、公平性が重要な行政では効率が悪かったり、伝統的な手法では解決できなかったりすることがあります。

そのような領域において、イノベーションを通じて人々の生活と世の中を変えていく起業家が”ソーシャル・スタートアップ”です。 孫 泰蔵氏(Co-Founder / MOVIDA JAPAN株式会社 代表取締役CEO)

SUSANOOデモデイの様子

プログラム参加当初アイデア段階だった12チームのうち、8つが事業化へ

SUSANOOによる支援のベースは、「リーン・スタートアップ(lean startup)」。これは、米国の起業家、エリック・リース氏が2008年に提唱した、創業・新規事業開発の手法です。"リーン"とは日本語で「無駄がない」という意味で、最低限のコストで仮説検証を繰り返し、市場のニーズを探りだすことを特徴としています。

半年間の中で、参加メンバーは、毎週火曜日の夜に渋谷のコワーキングスペースに集い(通称:ブートキャンプ)、そこで孫泰蔵さんや起業家の先達とともに、商品・サービスの検討と改善を繰り返します。

SUSANOOブートキャンプ

互いのリーンキャンバスにフィードバックを行うメンバー

仮説検証の一例として 、新しい外国人向けWEBサービスの開発に取り組んでいたLostin・中村俊之さんのケースを紹介します。中村さんは、自分の思い描くWEBサービスの構築に全力を注いでいましたが、ある日のメンターからのフィードバックにより、自分が「外国人旅行者が、日本の地方独自コンテンツの何を魅力と思っているのか?そこにたどり着くうえで、障害となっているのは何か?」を熟知していない、ということに気づきます。さっそく翌週には外国人旅行者を連れて実験を開始。一緒に漆器職人の現場を巡るなかで、サービスの提供価値と突破すべきポイントを確認するに至ります。

仮説を練って、プロトタイプ(製品・サービスの試作)を作って、試して改善。すばやく繰り返される仮説検証の結果、第1期に参加した全14事業者がプロトタイピングを実施し、うち12チームが複数回のピボット(サービスやビジネスモデルの方向転換)を経験**しています。なお、プログラム参加時点では、12事業者がサービス開始以前のアイデア段階でした。

**プログラム終了後、すでに事業化に至っているのが5チーム、事業化に向けて法人化・顧客開拓など準備中が5チーム。さらにピボットし新しい事業を模索しているチームが3つ、1チームは解散。

SUSANOO担当のETIC.渡邉は、高速仮説検証が効果的なのは3つの理由があると言います。

「創業期の目標は、資金が尽きてしまう前にビジネスモデルを確立すること。だから、小さく速くサービスの仮説検証を繰り返す必要があります。もうひとつ大切なことは、事業が深まるということ。ソーシャル・スタートアップは、起業家の問題意識がベースにある事業であるからこそ、本人の「想い」が先行しがち。そこに顧客や他者の視点を入れながら、その事業の顧客は誰で、どんなインパクトを生み出すのか?を問い続けることが大切です。

同時に、自社の利益よりも社会的な変化を追求する"ソーシャル・スタートアップ"だからこそ得られる意外な効果もあります。それは、仮説検証プロセスを通じて協力者が雪だるま式に増えるということ。はじめは顧客としての立場でフィードバックをしていた方が、次第に共感し、やがて、さらなる協力者を紹介してくれる。結果、協力者のネットワークが急速に広がっていくのです。」

デモデイの様子

期間中に発生したビジネスマッチングは60以上、なかには投資家や大手企業との連携に至ったケースも

SUSANOOのもうひとつの特徴として、ビジネスマッチングの支援があります。サービスを開始した起業家が最初にぶつかる壁は、最初の顧客を獲得すること。そのため、支援期間中に仮説検証と同時に、徹底して人々の共感を得るプレゼンテーションを実践により磨きます。

中間時点におけるプレ・デモデイでは、孫泰蔵さんとメンバーのみでプレゼンテーションを実施。とても緊張感のある場となり、残り半期で何をすべきかがクリアになったようでした。こうしたプレゼンテーションを何度も繰り返し、最後に「デモデイ(デモデイのレポート記事はこちらから)」にて、100名を超える大手企業、行政、学校法人、投資家、メディア関係者へ成果を報告します。

もちろん、ただの報告会ではありません。起業家にとって、デモデイは共感を武器に多くの人たちを社会変革に巻き込むチャンス。後ほど確認できたものだけでも、大小あわせて60以上の新しいコミュニケーションや連携が発生しています。その中には、投資家からの資金提供や、大手企業との連携プロジェクトの検討に至ったケースもあったそうです。

さらに、第一期メンバー・マドレボニータCode for Japanは、プログラム終了後に連携してGoogleインパクトチャレンジ***にチームとして申込むなど、メンバー間でのコラボレーションも次々と生まれています。

***Googleが実施している、テクノロジーの活用を通じて社会問題の解決にチャレンジする非営利団体を支援するプログラム。

防災ガール 田中美咲さん

事業を他者のフィードバックにさらし、ともに創りあげることは勇気がいることでしょう。でも、覚悟をもって飛び込めば仮説検証・事業開始までをぐっと加速してくれそうなSUSANOO。第2期メンバー選考への申込みは来月9日まで。関心のある方は、下記リンク先や関連記事をご参考ください。

SUSANOO第2期メンバー選考、申込受付中! 2015年3月9日(月)正午12時00分 応募締切

SUSANOO関連リンク

Social Startup Accelerator Program SUSANOO SUSANOO第2期メンバー募集ページ

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この記事を書いたユーザー

石川 孔明

石川 孔明

1983年生まれ、愛知県吉良町(現西尾市)出身。アラスカにて卓球と狩猟に励み、その後、学業の傍ら海苔網や漁網を販売する事業を立ち上げる。その後、テキサスやスペインでの丁稚奉公期間を経て、2010年よりリサーチ担当としてNPO法人ETIC.に参画。企業や社会起業家が取り組む課題の調査やインパクト評価、政策提言支援等に取り組む。2011年、世界経済フォーラムによりグローバル・シェーパーズ・コミュニティに選出。出汁とオリーブ(樹木)とお茶と自然を愛する。

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