TOP > スタートアップ > 「スタートアップの面白さは、すぐ決断できて、好きな人と仕事できること」防災ガール代表・田中美咲さんインタビュー

#スタートアップ

「スタートアップの面白さは、すぐ決断できて、好きな人と仕事できること」防災ガール代表・田中美咲さんインタビュー

2014.10.20 

30年以内に70%の確率で2人に1人が被災すると言われている中、4人に1人しか防災対策をしていない日本。

そんな防災意識の低い日本を若い女の子達から変えていこうと立ち上がった、起業家支援プログラム「SUSANOO」の1期生である「防災ガール」代表・田中美咲さんにお話を伺いました。 防災ガール代表、田中さん 光野:先日、「防災ガール」の立ち上げから1周年を迎えられたと聞きましたが、この1年間どんな活動をしてきましたか?

 

田中:防災ガールは、「もっと防災をオシャレで分かりやすくしよう」をコンセプトとした、20~30代の防災意識の高い女の子達のコミュニティです。厚生労働省の調査でも20~30代の防災意識の低さは明らかになっていて、若い人たちの意識を上げるために、同世代の若い人たちでチームを組んで情報を発信しています。

防災って、ダサいしオシャレじゃないし面倒くさい...と、すごくネガティブなイメージがあるんですよね。そこをもっとオシャレにして取り組みやすくしたらみんなやるんじゃないかと思って活動してきました。 防災ガールロゴ 光野:具体的にはどんなことを?

 

田中:防災に関する情報を、インフォグラフィックや分かりやすい写真を使って、発信してきました。

行政から発表されている被害想定って文字ばかりですごく枚数が多いんです。それをイラスト化したりして、クリエイティブに分かりやすく伝えるという事をやってきました。

あと、商品開発にも取り組んできました。今までの防災グッズって機能性重視でとてもすばらしいと思うのですが、正直なところ銀色に非常用持ち出し袋って書いてあると、ダサくて普段からは使いたくないじゃないですか(笑)。だから、私達が持ちたくなるグッズにしようと思って、「SABOI」というブランドを作って販売しています。

今年からは防災ガールの数と質を高めるための基盤創りをしています。具体的には、本部を少なくして、地域毎に「防災ガール熊本」「防災ガール大阪」とかコミュニティをつくることで、各地域ごとで防災のアクションを起こしてもらったり、よりいっそう防災をまなびたいって子達のためのプログラムも創っています。 SABOI 光野:そもそもなぜ防災ガールを立ち上げようと思ったのですか?

 

田中:根本的には、世の中の人がもっと幸せになって欲しいと思っているんですけど、東日本大震災が起きた時、人を幸せにする以前にまずは命の問題があるなと思いました。

日本には自殺者数が年々増加しているなどいろんな問題があるけど、今の日本にとって注力すべきなのが復興と防災だと思っていて。

前職のサイバーエージェントを辞めて、福島に引っ越して、福島の復興支援をはじめました。 でも、復興支援をすればするほど、「自分の防災対策をやってないのに、東北の人の支援をするのって本末転倒だな」と感じ始めました。防災対策が十分でなかったために、被災された方々の支援をさせてもらっているけれど、自分のことは何もやってなくて、後回しにしている。そうして支援活動をしていくのはなんか違うのではないかと。

親戚や友達が関西にいるのですが、南海トラフや東海地震が来たら、地域が壊滅してしまう可能性がある。大切な人たちが死んで会えなくなるかもしれないと想像した時に、大切な人を守るためには防災をしなければいけないと思ったのが、はじめたきっかけです。

 

光野:働きながら復興に携わるという選択もあると思うんですけど、思い切って仕事を辞めて現地に移られましたね。

 

田中:私は不器用なので、中途半端に二股ができなくて。ベクトルが同じプロジェクトだったら両方上手くやれるんですけど、前職のサイバーエージェントではゲームを作っていたので、それが本当に自分のビジョンにあっているかって言ったら違って。 ビジョンに向かって走れているかどうかが自分の中での基準だったので、続ける事ができなかったんです。

 

光野:なるほど。それで辞められて今の仕事に。最初は50人しかいなかったFacebookのファンが1年間で3,000人になったとお聞きしましたが。

 

田中:「色んな種類の防災ができるよね」というアイデアがいっぱいあって。初めはそれを楽しくやればいいという感じでコツコツやっていたんですけど、いつの間にかメディアに出るようになってきました。

そしたら地方行政とか他のメディアから依頼がきたり、グッズを開発するようになったり、メンバーに入りたいという声が聞こえてきたりで、どんどん広がっていきました。 依頼があったら全て受けていたんですけど、毎日お問い合わせ対応をして、依頼された企画を考えて、提案して、実施してと猛スピードで回転していました。

 

光野:その時は一人で?

 

田中:メンバーは何人かいたけど、フルコミットは私だけ。だからリーンスタートアップとか言ってられないくらい、超高速です。常時プロジェクトを60個は抱えてましたね。笑

 

光野:そうした中での、おもしろさって何ですか?

 

田中:やりたいと思った瞬間に決断できて、一緒に仕事したい人を選択し集められることですね。自分が活動すればするほど、新しい出逢いと成果がでるし、事業が大きくなるというのが繋がるのが楽しいです。

 

光野:ありがとうございました。

 

防災ガール:http://bosai-girl.com/

この記事に付けられたタグ

東日本大震災3.11
この記事を書いたユーザー
アバター画像

光野 聡

1993年生まれ。佐賀県出身。学校で教えられる知識だけで将来やりたいことを決めることに違和感を感じ、高校卒業後、半年間のフリーター生活を経て約1年間の世界一周の旅へ。主に南米、アフリカを放浪。帰国後、旅先で知り合った知人の紹介でETIC.に参画。2014年5月より開始された"Social Startup Accelerator Program" SUSANOOに従事。

Events!DRIVEオススメのイベント情報

イベント

東京都/新青山ビル東館6階(通称:青山ツイン AOYAMA TWIN)

2024/11/15(金)