※『地域づくり 2016.8月号』に寄稿した記事を編集して掲載しています。
地方創生と言われ日本各地の地方が注目を浴び始めて1年あまり。昨今「地域」をめぐる動きが活発です。各地にいる“ゆるキャラ”、B級グルメ、はたまたふるさと納税、地域でのビジネスプランコンテスト、地域おこし協力隊制度など、様々な角度から取り組みが行われています。
今回はETIC.の歴史をなぞりながら、都市部から地域への移住の流れをつくり、地域でのプレーヤー増加に貢献するために日々東京で奮闘している現場の様子をお話しできればと思います。

地域への移住の流れをつくるために日々奮闘している、ETIC.のスタッフたち。
ETIC.がインターンシップ事業をはじめた理由
ETIC.は1993年にスタートした団体で、当初は起業家を大学構内に招いて、起業したい学生向けの勉強会を開催していました。就職活動し大企業に入社するも、学生のころのように自由で活発な様子ではなくなる先輩を目にしながら、「もっと働くということはイキイキとできるのではないか。自分でオーナーシップ(主体性)をもって働くことの面白さを広めたい」という思いからです。
そこに講演に来た起業家と講演を聞いていた学生が意気投合し、学生が起業家のもとに丁稚奉公に行くようになったのが、ETIC.でずっと手掛けてきたインターンシップの原型です。その後1997年に事業化して以来、累計2,800人のインターン生を生み出し、当時のベンチャー企業・NPOにつないできました。はじまりが「起業家のもとで起業や事業の立ち上げ、リーダーとしてのふるまいを学ぶ」ものだったため、インターンシップの期間も半年から1年と一般のインターンシップより長いことも特徴です。
ETIC.は、企業と学生、双方にとって成長できるプロジェクトをつくり、そこに学生をマッチングさせていくことを丁寧に行ってきました。そのためには、企業、学生それぞれの目的をすり合わせ、プロジェクト達成まで走り切れるように伴走する「コーディネーター」が不可欠でした。また、2001年には「社会起業家」の育成・支援もスタート。社会起業家のビジネスプランコンテストや大企業と連携した社会起業塾というプログラムも実施し、これまでに400名近くの起業家の支援に携わりました。
志が全国に広まっていった
わたしたちは2004年に、このインターンシップ事業と、社会起業家支援事業のノウハウを日本各地のETIC.と志を同じくする団体にシェアしていくことをはじめました。「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(通称チャレコミ)」と題して、地域でのインターンシップ事業や起業支援事業を展開する団体のサポートをしています。最初は地域でのモデル団体となる5団体のサポートからスタートしましたが、現在は40団体まで広がっています。
インターンシップの受入企業が日本各地となるため、ベンチャー企業だけではなく、伝統産業、農業、ホテルなどのサービス業でのインターンも多いのも特徴です。そうした企業に、社長の右腕としてインターン生がマッチングされ、既存の事業のオペレーションの改善や、新規事業の実験を行っていくのです。賛同し受け入れてくださっていた企業は、全国各地どこをみても魅力的な社長が経営しており、自社の発展はもちろん、「どうしたら自分たちの会社のある地域(もしくは産業)がもっと盛り上がるか、発展するか」を一緒に考えているような、地域貢献意識が高い方々でした。
このような事業を通して、徐々にわたしたちは、「ビジネス経験のある社会人がマッチングされると、もっと事業が加速し、地域貢献につながるのではないか」と考えはじめるようになりました。
(つづく)
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