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子どもYoutuber × アカデミー?〜大学2年生が起ち上げた「やりたい!」をカタチにする習いごと事業

2017.02.28 

2020年に訪れる、"戦後最大の"といっても言い過ぎではない入試改革。藤原和博さんが紹介してくださったように、背景にあるのは、「これまでの教育のありかたでは激変する未来を担い、切り開き、生き抜いていくオトナに育っていけないのではないか」という危機感。こうした社会の危機感と親たちのニーズに呼応するように、たとえば子どものためのイノベーション教育を展開するa.schoolさんをはじめとして、学校の外でさまざまな学びの場が広がってきています。

大学2年生にして、そうした新しい学びの場をつくるために事業を起ち上げた齊藤涼太郎さんにお話を伺いました。

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──学生をしながら起業、というのはハードルはなかった? 経験してからってことは考えなかった?

 

齊藤涼太郎さん(以下敬称略) ハードルはあまり感じませんでした。高校に比べると大学は時間がありますし、ダラダラ時間を過ごしてしまうのはもったいないと思っていました。社会人になって色々経験した後に起業するという選択肢もありましたが、自分の中で満足できる経験値がいつ溜まるかも分からないし、大学時代の方が失うものがないので、思い切ってチャレンジしてみようと思いました。

 

──今取り組んでいる事業について教えてください。

 

齊藤 今は、「YouTuber Academy」という新事業に力を入れています。「YouTuber Academy」とは、子どもたちが「YouTuber になる」という体験を通して、自分の「やりたい!」をカタチにすることを目指した、日本初の習い事です。

この事業の最大の価値は、周囲に与えられたものではなく、子どもたち自身の“内側から溢れる気持ち”を実現させてあげる”場”となることです。そうした経験が、子どもたちの自己肯定感を高め、好奇心と可能性を無限に広げていくと考えています。

 

──Youtuber、子どもたちのなりたい職業の上位に入ったりしているみたいですね。Youtuberになるためのレッスンが、子どもにどんな学びになるんですか?

 

齊藤 YouTuberになるためのレッスンというよりも、子どもたちのやりたいを実現させる場所がYouTuberAcademyだと考えています。 あくまでも一番大切なのは、子どもたち自身のやりたい! という気持ちを実現させてあげること、 そうした経験が子どもたちの自己肯定感を高め、自信につながっていきます。

プログラムでは、探求ワークを通じて、子どもたちのやりたいこと、好きなことを一緒に考えていったり、楽しみながら今後ますます必要とされるリテラシーを学んだり、用意された答えを当てるのではなく、ゼロから撮影する内容を企画したりします。またプレゼンテーションを通じて、自信をもって自分の作品を発表する力を育むなど、子どものときの経験が将来にわたって子どもたちの武器となるような力を身につけていきます。

 

──そもそもどうして、子どもたちへの教育や学びのことで、事業をはじめようと思ったのですか?

 

齊藤 子どもが好き、ということはもちろんですが、自分自身が「未来」に対してすごくワクワクするんです。子どもたちは未来そのものですし、彼らが幸せになるお手伝いができたら自分の人生もハッピーだなと思い、自分で事業として行うことを決めました。

地元が北海道で、大学進学で東京に来たのですが、夜遅くに塾から大量の小学生が出てくる姿を見て、この子たちは本当に幸せなんだろうか、もっと自由に遊ぶことも大切なんじゃないかな〜って田舎者は思ったりしました。

だからこそ事業を通して、子どもたちにたくさん好きなこと、やりたいことをやってほしい、それが大人になってからもその子の人生を豊かにする、そう思っています。    

 

──ご自身は、子どものときはどんなことをして遊んでいましたか?

 

齊藤 地元が北海道だったこともあり、冬はウィンタースポーツにはまってましたね。小学2年生までは冬になると放課後にスキー場に行って狂ったようにスキーをしてました(笑)その当時はスキーインストラクターになるのが夢で、検定もたくさん受けていました。

スキーがひと段落した3年生あたりから授業でスケートが始まり、これもはまってしまいました。サッカーを習っていたのですが、スケートの方が楽しくて、辞めちゃいました。そこから中学を卒業するまでスケートでおにごっこをする生活をしていましたね。

夏は基本グラウンド、勝手に放課後サッカー少年団とか作って遊んでました。キャンプにもたくさん連れて行ってもらい、どんな遊具よりも焚き火が一番楽しかったのを今でも覚えています。

 

──ご両親に感謝してることって、どんなことですか?

 

齊藤 やりたいことをやらせてくれたこと、そして話を聞いてたくさん褒めてくれたことでしょうか。

これやりたい!って伝えたときは基本やらせてくれました。小さいときは科学実験や電子工作が好きで、近くの科学館の教室に通わせてくれました。小学生のとき、冒険してくるとか言って勝手に自転車で遠くまで言ったとき、怒られはしましたが、話をちゃんと聞いてくれました。こんな感じになっていた!と伝えると楽しかったんだね、と言ってくれました。

親にもらった「あんたは本番に強いから大丈夫」という言葉は今でも不安になったら頭によぎりますね、なんの根拠があるのか分かりませんが、自分自身に自信が持てるので、今のようにやりたいことに挑戦できるのはそんな環境で育てられたからかなと思っています。

 

──いい環境で、いい見守りの中で育ったんですね。最近の子どもたちと接していて、気づくことはありますか?

 

齊藤 地域にもよるのかもしれませんが、子どもたちが忙しそうだなとは思います。習い事もたくさんやってたり、夜遅くまで予定が入っていたり、自分がグランドで走り回ってたのが申し訳なくなるぐらい忙しそうだなと感じます。個人的にはもっと小学生のときは遊んだらいいのに、そんなことを考えたりしています。

 

──たしかに最近の子どもたち、忙しいですよね...。では子どもたちを相手にしていて嬉しい瞬間、喜びってどんなところでしょうか?

 

齊藤 一つは満面の笑みで走ってくる瞬間ですかね、あっ、絶対いいことあったんだなって一目で分かる、そしてそれを嬉しそうに教えてくれる、事業をしているときも「できた!」とか大人からみると小さいことかもしれないけど、それを全力で喜んでいる姿を見ると、こっちも幸せな気持ちになりますね。

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もう一つは講座が終わった後に、お父さんやお母さんに今日あったことを一生懸命伝えているときでしょうか。誰かに話したくてしょうがない、そんな光景を見ると、自分たちもやって良かったって思います。

また、それを全力で聞いてあげる親御さんを見て、また幸せな気持ちになります(笑)。自分が親になったらあんな風に子どもの話を聞いてあげたいなと、そんな親子の姿を見られるのは事業を通して得られる大きな喜びかもしれません。

 

──逆に事業をしていて大変だったこと、またはいま大変なことは?

 

齊藤 自分たちが良いと思うものと、社会が良いと思うものの差を埋めていくのが事業を始めた当初から難しさを感じています。

最初は「自然体験」が子どもたちに必要だ!と思って事業をスタートしましたが、そういった体験よりも学習塾の方が親はお金を払う傾向にあります。社会のニーズを確認しつつ、でも自分たちの良いと思うものや価値を提供してかなければならない、このあたりがとても難しいですね……。

 

──10年後、どんな状態になっていたいですか?     

 

齊藤 今日も楽しい♪ って言える状態でいたいです。事業も続けて、子どももいて、家族でいっぱいキャンプとか行けていれば僕は幸せですね。子どもたちのやりたいことを応援しているからこそ、自分の子どもがいたら誰よりも応援しちゃうと思います。あっ、今彼女もいないのですが(笑)。

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──座右の銘とか、好きな言葉があったら教えてください。

 

齊藤 「実るほど首を垂れる稲穂かな」。自分はどんなにうまくいったときも決して傲慢にならないよう、謙虚な自信を持つことを大切にしています。

大抵うまくいったとき、ぼくは調子に乗ってしまうので、自分への戒めという意味でも心がけています。また自分の尊敬する人、かっこいいと思う人は、どんなに地位が高くても、実力があっても横柄な態度や偉そうな態度を取らない、フレンドリーで親しみやすい、だからこそ、自分もそんな存在になれればと思い、この言葉を選びました。

 

──唐突だけど、最近おもしろかったことは?

 

齊藤 面白かったのは、母親とラインをしてたときに、「おぇぇぇ」と送られてきて、何かあったかと思いましたが、どうやら「了解」の代わりに「おぇぇぇ」を使ったみたいです。なぞです、でも面白かったです(笑)。

 

──それはたぶん...オーケーと打とうとしたのではないでしょうかね...。でもなにか伝わるものがありますね(笑)。でも考えてみるとお母さま、子どものときからずっと、齊藤さんに「OK!」というメッセージを送り続けているのかもしれませんね。ありがとうございました!

FULMA代表取締役/齊藤涼太郎

北海道出身、慶應義塾大学在学中。 高校時代に中高生のみで活動するボランティア団体を立ち上げ、地元商店街のお祭りの手伝いや小・中学生向けに夏と冬のキャンプの企画、運営に携わり、団体として第18回ボランティアスピリットアワードにて最高の賞である文部科学大臣賞を受賞。活動を通して、子供たちの立場から純粋な「やりたい!」という想いを応援することの大切さを実感し、現在の事業に至る。

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