サラリーマン、と一言で言っても、その働き方は職場によって千差万別。よく知る友だち、取引先でも、どんな場所で、どんな風に働いているかは意外と知らないものです。ましてや異業種なんて、ほぼ外国。
「NPOって何やってるの?」「ベンチャー企業ってどんな働き方してるの?」そんな疑問をぶつけるべく、DRIVEキャリアで求人募集中の企業さまに、朝から夕方まで、どのように働いているのか取材してみました。第2回は、株式会社温泉道場です。
>>株式会社温泉道場では、ただいま求人募集中です。詳しくは、こちらをどうぞ。
2年連続「働きがいのある会社」ベストカンパニー選出
「おふろから文化を発信する」という理念のもと、いままでにない温泉の楽しみ方を提案している株式会社温泉道場。地域にある温浴施設をリノベーションし、さまざまな付加価値をつけた日帰り温泉を運営している会社です。
おふろとカフェが融合した新スタイルの温浴施設「おふろcafé」ブランドのほか、昭和レトロがテーマの「玉川温泉」や屋上でBBQができるグランピング温浴施設「おふろcafé bivouac(ビバーク)」など、斬新なアイデアで多くの人を惹きつけています。
また、温泉道場は、温泉の運営だけが目的ではありません。魅力的な温浴施設を核に地域の交流を活性化させること、また同時に、その運営を通して世の中にリーダーシップをとれる人材を輩出することを目指しています。2018年には、この「温泉を核とした地域活性化と人材育成」の取り組みが、グッドデザイン賞を受賞しました。さらに、2017年、2018年と2年連続「働きがいのある会社」ランキングでベストカンパニーにも選ばれています。
今回、取材で伺った埼玉県ときがわ町にある「昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉」は、関越自動車道の東松山インターを下りて約13キロのところにあります。温泉に到着する前から、昭和を彷彿させる、のどかな風景が広がっていました。
「玉川温泉」ののぼりが立ち並ぶ道を抜けると、アンティークなポストや車の置物が置かれた店舗にたどりつきました。店舗の中は、まるでテーマパークのようです。訪れたのは平日の午前中ですが、駐車場は3分の2ほどが埋まっており、店内はご年配の方々を中心に多くのお客様がくつろいでいました。
お話を聞かせて下さったのは、この玉川温泉の副支配人、入社2年目の安江葵さんです。安江さんは、岐阜県白川町出身。大学時代は沖縄で過ごし、2016年、新卒で温泉道場に入社しました。「地元に帰ると、人が少なくなっていてびっくりして。地元は大好きだけど仕事がないから、みんな外に出ていっちゃうんです。みんなが住みたいところに住めるために仕事を作れる人になりたいと思っていた時に、うちの社長の山崎が『地域に仕事をつくる』とか『稼ぐ力をつける』という話をしていて。ここだ!と思ってエントリーしました。受けたのは、温泉道場だけです」
将来は、岐阜に戻って起業したい、と安江さん。そんな安江さんの1日のタイムスケジュールを聞いてみました。
現場スタッフが企画したイベントやフェアが目白押しの玉川温泉
安江さんの行っている仕事は「店舗業務」と「社内プロジェクト」の2種類に分けられます。オレンジ色の帯がついているものが「店舗業務」です。玉川温泉の店舗業務を回しているのは、正社員4人とパートスタッフ。SNS投稿などのパソコン業務であっても、在宅ではなく、出社して行っています。2階に、お客様からは見えない社員専用のオフィスがあり、そこで会議やパソコン業務などを行っているそうです。
さて、気になったのが「イベント」の文字です。上記スケジュール表の中に3か所もあります。それもそのはず、玉川温泉は、ほぼ毎日のようにさまざまなイベントを行っているのです。これが2019年2月のイベントカレンダー。
ビンゴ大会やカラオケ予想大会(カラオケで歌を歌って、何点が出るかを観客が予想する大会)などの定期イベントに加え、2月にちなんで、『バレンタイン風呂』も行われていました。『バレンタイン風呂』とは、ハート型のヒノキ入浴木にスタッフやお客さまからのメッセージを書き添えて男性のお風呂に浮かべる企画です。
「夏には、子ども達を対象に『宿題を終わらせよう』企画をやりました。夏休みは、キャンプ場に泊まりに来たお客様が来られるので繁忙期なんです。お客様がいっぱい来てくださる時に、どうやったら来たお客様を喜ばせられるか、を考えています。」
「これらのイベントは誰が考えるんですか?」と私が質問すると、「全部、玉川温泉の社員やスタッフが考えています」と安江さんから回答が返ってきました。
たとえば、受付横に展開されていた、この『青森フェア』。これは青森出身スタッフが中心となって、商品の仕入れやPOPなどを企画したそうです。「自分の出身地だと、案内をするのも力が入るんですよ。スタッフに3人青森出身者がいまして、一生懸命すすめてくれるので、売上がいいんです(笑)」と、安江さん。簡単なPOPは自分たちで作り、凝ったものは社内のデザイナーに頼むそうです。
入り口には『青森フェア』にちなんで、りんごの木もありました。「これは社内のデザイナーさんが作ったんですよね?」と、私が尋ねると、「いや、これも青森出身の現場スタッフが作りました。市販でこういうリンゴのモチーフがあるんです。冬なので雪ものっているんですよ」と、笑いながら教えてくれました。細部へのこだわりに、スタッフの方々のモチベーションの高さが垣間見えます。
このように、温泉道場では、良いアイデアは、年齢に関係なく、どんどん採用・実行されていきます。入社1年目の社員が企画した「ヨガ教室」は、お客様から好評で定期プログラムになったと聞きました。イベント一つを見ても、温泉の運営を通し、リーダーシップのとれる人材を育成していく、という温泉道場のビジョンを感じることが出来ます。
イベント以外の現場の仕事は、受付対応、館内の見回りや接客業務、脱衣所などの清掃業務などです。この日は、探し物をされている様子のお客様に「何かお困りですか?」とお声がけしていました。
店舗を訪れた時から気になっていたことも質問。店舗の周りはのどかな田舎。飲食店は見当たりません。昼食はどうしているのか?の問いには、こう答えてくれました。「玉川温泉は、店舗内の食堂で賄いを出してくれるんです。社員とパートスタッフは割引価格で食べられます。玉川のご飯は美味しいんですよ。お昼ごはんに、いっぱい食べてます」。「仕事終わりにひとっ風呂浴びて帰ることも?」と私が質問すると、「18時で仕事が終わる日は、温泉に入りますね。遅番のシフトは、13時~お店を閉めるまでなので、その時は入れないんですけど」と安江さん。
美味しいご飯と、温泉!うらやましい限りです。
社員の夢を形にできる環境と、働きやすさの両立
店舗の運営業務とは別に、会社全体のプロジェクトの仕事もあります。下記タイムスケジュールの緑色の帯の業務です。
安江さんは、採用イベントのプロジェクトリーダー的な役割を担っています。イベント全体の取りまとめ、SNSなどを活用した集客、当日の司会から運営まで幅広く担当しています。
上記タイムスケジュールの中にある「夢会議」とは、夢を議論する場。社長に自分のやりたいことをプレゼンし、フィードバックをもらえる場です。1年に1回開催され、去年は、堂平山天文台で1泊2日で行いました。安江さんは幹事を務めています。夢会議でビジネスとして評価されると、投資を受けることもできます。やりたい事がある社員にとっては、まさに夢のような機会です。(夢会議の様子は、こちらのブログでご参照ください。)
このように「やりたい」と手を挙げれば、ビジョンをどんどん形にしていける環境が温泉道場にはたくさんあります。勉強、成長する機会も多く用意されています。将来、地元の岐阜県で起業したい安江さんは、積極的にこの機会を活用していました。昨年は、社長の行う愛媛県の温浴施設のコンサルティングに同行。また、10年後の温泉道場を考え、ミッションやクレド(会社の信条)を設定するカンパニーミーティングにも、ベテラン社員に混ざって出席しています。
1日のタイムスケジュールとは別に、店舗業務と社内プロジェクトを合わせた、安江さんの2018年年間スケジュールも教えて頂きました。オレンジ色が店舗業務で、緑色が社内プロジェクトです。忙しいと、目の前の仕事をこなすことで手一杯になりがちですが、「やりたい!」と自ら手をあげ、将来の夢のために投資できる環境は、とても素晴らしいと思いました。この表を見ると年間を通して多忙そうに見えますが、1ヶ月の残業時間は40時間以内に抑えられ、働きやすい環境が守られているそうです。
どんな時に、成長を感じますか?という質問には、安江さんはこう答えてくれました。
「店舗の成長規模によって、起きてくる課題も変わってきます。日々、色んなことが起きるんですが、『こういう時は、こう対応するんだな』という経験からの学びを得られる時ですかね。新しく入ったスタッフやインターン生の研修もやっているんですが、どういう声かけや対応をしたらやる気を出してくれるのか、などの経験値は、将来役に立つだろうな、と思っています」
多種多様な人が集まる場。大切なのは「自分はどうしたいか」
温泉道場が採用の際に重視するのが「個性がかぶらないこと」。そのため、多種多様な人が集まっていると言います。
「採用イベントで社員が話すとなれば、普通、こういう事を言ったらダメ、というルールがあったりするじゃないですか。でも、うちは、ないんです。『自分はどうしたいか』というのは聞かれるんですけど、個性を押し殺して、周りに合わせることはありません」
働きながら個性を発揮させていく中で、採用面接の時と入社後で、キャラクターが大きく変わる社員もいると言います。実は、安江さんもその一人。
「昔は、人前で歌うなんてはずかしい、と思ってたんですよ。でも、今は、毎週開催される『カラオケ予想大会』で歌っています。何回も人前に立つうちに、司会などもやるようになって。あ、意外に私、人前で何かやるの好きかもって思いました」
聞いてみると、安江さん、結構体を張って、広告塔を買って出ています。ある時は、バスタオル一枚姿で、採用イベントのチラシに。(カーリングとかけて、デッキブラシと風呂桶を用いた風呂ーリング。安江さんの考えた広告案だそうです。)
ある時は、昭和レトロな洋服を着て、ホームページトップを飾ります。
クリスマス会では、こんな衣装を着て司会をしました。(一番左)
実は、社員の誰より、社長の山﨑さんが、オモシロイことが大好き、とのこと。社員も自身のクリエィティブな発想を活かして自由に伸び伸びと働いている様子が伝わってきます。
温泉道場で働きたい新卒の方を募集中
温泉道場では、ただいま新卒の新入社員を募集中です。「将来起業したい」「自分の地元を元気にしたい」「夢中になっていることがある(趣味が仕事になることもあります)」そんなあなたにぴったりの仕事が、ここにあります。
<株式会社温泉道場求人募集概要>
- 募集ポジション
運営プロフェッショナル(安江さんと同様のポジションです)
- 雇用形態
正社員
- 給与
月給 192,693円(基本給156,000円 固定残業手当36,693円)+住宅手当あり
※1 半年毎に評価面談があります。
※2 業績により賞与年1回支給(昨年度支給実績があります)、店舗ごとの四半期報奨金支給があります。
※3 固定残業手当40時間相当分含みます。残業手当は残業の有無にかかわらず40時間相当分を支給します。40時間を超える時間外労働は追加で支給します。モデル給与副支配人クラス・28歳▶ 年収360万円+賞与40万円+諸手当
支配人クラス・33歳 ▶ 年収420万円+賞与60万円+諸手当
統括支配人クラス・40歳▶ 年収600万円+賞与100万円+諸手当
- 勤務地
埼玉県内の温泉道場運営の各種温浴施設(詳細は、末尾のリンク「募集要項詳細」からご確認ください)
- 応募資格
・2020年3月に卒業見込みの学生(専門学校生〜大学院生まで)
・飲食・農業・林業・不動産・観光関連の資格やインターンシップ経験がある、日本語以外の言語に精通している、学園祭実行委員経験がある、など
一風変わった学生時代の実績をお持ちの方は面接の時間が盛り上がります。
・フィールドワーク重視の学習姿勢がある方は書類選考が通りやすいです。
・一般的なPCスキルのある方(エクセル、ワード、パワーポイント)
・e-mailをビジネスで使用できる方
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昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉 副支配人/安江 葵
岐阜県白川町の山の中で育ち、学生時代は沖縄県名護市の海沿いで過ごす。 フィリピンで、国内出稼ぎをしている少女たちと出会い、大好きな地元と家族から離れて仕事をしなければいけない現状を知る。一方地元でも、仕事がなく、泣く泣く地元を離れる若者が多い。人が住みたいところに住める世界を作りたいと思い、温泉道場に入社。自然と鳥と空がスキ。
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