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Z世代の拓く未来 ~迷っている場合じゃない!好きなことで事業を興す~

2019.10.25 

ミレニアル世代に続き台頭してきているのが、1990年代後半から2000年生まれの「Z世代」。Z世代である大学生と大学院生を対象としたETICのプログラムMAKERS UNIVERSITYには、毎年50人程が参加し、今年4期目を迎えます。10か月のプログラムで今までの参加者のうち5割以上が起業。Forbes社「世界を変えるUnder30」に毎年MAKERS生が選出され、億単位で資金調達する学生起業家が複数生まれたりと、社会を変え得る若き変革者(=MAKERS)が、この場から生まれ始めています。今回は、Z世代であるMAKERS UNIVERSITYのメンバーが「どのように未来を拓いているか」をテーマに、MAKERS UNIVERSITYを企画・運営するETIC.コミュニティプロデューサー内野博礼を取材しました。

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自分らしさを事業に活かす -好きを突き詰める強さー

MAKERS UNIVERSITYを実施して、Z世代のいくつかのタイプが見えてきました。あえてカテゴリー化すると、一つは好きを追求するタイプ。例えば、アイドル好きの岩上開人さん(株式会社reinno)の場合は、地下アイドルにはまっていました。地下アイドルの業界構造について詳しくなり、、アイドルが不当に搾取されていることに気づいたんです。今はその解決を目指してアイドルプロデュース事業を興しています。

 

アクアリウム王子と私たちが呼んでいる、高倉葉太さん(株式会社イノカ)も、好きを追求した事業創造です。「iPhoneのようなイノベーティブなプロダクトが作りたい」とMAKERS UNIVERSITYに参画した彼は、メンターであるリバネス社長・丸さんの「好きで情熱を注げることやりなよ」というアドバイスがきっかけで事業の方向性が見えてきました。幼少期から熱帯魚を飼育し、アルバイト代の大半をアクアリウムに投じる学生時代を過ごしてきたという高倉さん。好きなアクアリウムを事業にしようと目覚め、今はAppleに並ぶイノベーションをアクアリウムで目指しています。

 

さらには、「ハエ」好きが高じて事業をしているメンバーもいます。アメリカミズアブというハエの幼虫に生ごみを食べさせることによって、食料廃棄の問題に取り組む川本亮さん(グルビン)です。生ごみを食べて大きくなったハエを飼料にすることで、家畜が食べて循環するというモデルを目指しています。これで食糧問題を解決すると、もちろん信じていますが、その根底にある想いは、とにかくハエが大好きということ。医学部生である川本さんは、企業と組んで実践を進めながらも、将来は医師になる予定だそうです。この軽やかさもZ世代らしさです。

 

昆虫ですと、葦苅晟矢(あしかりせいや)さん(株式会社ECOLOGGIE)は、コオロギが大好きで、それと食糧危機を解決するというのをかけて、昆虫食の事業をしています。コオロギが食用されるカンボジアに移住し、コオロギを飼料にして輸出しています。

葦苅晟矢(あしかりせいや)さん

葦苅晟矢(あしかりせいや)さん

 

MAKERS UNIVERSITYには、本当に多様なメンバーが集まっています。好きを追求するメンバーが沢山いて語り足りませんが、そろそろ次のカテゴリーに移ります。2つ目は、文化になるようなサービスを創ることを目指す人たちです。

 

「この時間だけ働きたい」働き手と「この時間だけ働いてほしい」雇用主を結ぶマッチングアプリを提供する、小川 嶺さん(株式会社タイミー)がいい例です。「面接は面倒・・・」「明日3時間空いてるから働きたい」という若者のニーズと飲食店等の致命的な人手不足をマッチングさせています。アパレルビジネスの立ち上げでうまくいかない時期にMAKERS UNIVERSITYに来て、その時に作ったビジネスモデルです。現在は大型の資金調達も経て、働き方の概念を変え得るサービスとして注目を集めています。

 

現4期生では、小島貴之さん(株式会社ピカブル)の手掛けるPicable(ピカブル)というサービスがとても「今どき」です。離れたところにいる恋人や友達と、YouTube番組などのコンテンツを画面共有しながら、リアルタイムでコミュニケーションをとれるPicableというサービスは、離れていてもスマホで動画や雑誌を一緒に楽しみたいというZ世代ならではの感覚あってのサービス。新しい若い世代ならではの文化を彼らが作っていくと感じています。

 

他のタイプとしては、社会課題の解決を事業にしている人もやはり多いですが、課題解決ありきというよりは、やりたいこと、好きなことを追求した結果、自然と課題の解決にも結び付いている傾向は感じます。カテゴリー分けしてみようと思いましたが、もうこれ以上はできないような多様なメンバーです(笑)。MAKERS UNIVERSITYでは、テクノロジー、教育、ファイナンス、地域ビジネスなどとゼミを分けているのですが、そこに行きつくまでのストーリーは様々で、出てくるアイディアも多様性に富んでいます。よく個性豊かなメンバーの集まる場を動物園と言いますが、MAKERS UNIVERSITYは、珍獣動物園とでもいいましょうか(笑)。大好きな場で、愛するメンバーと未来を作ることができて幸せです。

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経営者から見たMAKERS UNIVERSITY -明日を創る空気がここにある-

9月に、MAKERSメンバーと先輩経営者をメンターとしてマッチングすることを目的に、第1期~第4期のメンバーが35人程の先輩経営者の前でピッチするイベント『MAKERS応援団との出会いの会』を開催しました。

 

いろんなベンチャー・スタートアップを見てきたメンターの皆さまの感想として印象的だったのは、株式会社クラウドワークス吉田浩一郎社長の「本当に起業って自由なんだな、なんでもあり」という言葉。Twitterでも、「MAKERS UNIVERSITYは通常のスタートアップよりも対象分野がかなり幅広いので、私自身、今後の社会の可能性を探る上では非常に良い機会という気がしました。MAKERSの自由な感じが明日を創るイメージ。独自性が高く意義がある取り組みだなと改めて感じました!応援! 」とコメントしてくれていて、とても嬉しかったです。

 

以前イベントに来てくれた株式会社メルカリの投資部門の原田和英さんが、「メルカリに来る事業相談は、『マーケットサイズがどうだから、トレンドがこうだから、こういうビジネスやります』とくるけど、MAKERS生はマーケットとかトレンドとか全く語らない。『自分が好きだから、これが課題だから』しかない。じゃあ、メルカリとして出資する可能性がないかというと、可能性ある起業家が何人かいた」ということをおっしゃっていたのも印象的でした。

 

MAKERSのイベントには、社員を連れて来たいと言ってくださる経営者もいます。株式会社サイバード代表取締役社長 兼 CEOの本島 匡さんは、「MAKERS生に触れ合って、社会の変化の兆しを垣間見たり、協働することで、自社だけでは生み出せない新規事業を生み出せる可能性を感じる」と言ってご協賛くださっています。MAKERS生を応援し、共に場を盛り上げてくれるメンターであり、MAKERS応援団の存在が、MAKERS生を支えています。

MAKERS UNIVERSITY THE DEMODAY~若き挑戦者たちのSTYLE~11月10日開催!

MAKERS UNIVERSITY 年に1度のオープンイベントTHE DEMODAYに向けて今、準備をしています。DEMODAYでは、4期生に加えて、1~3期生の総勢65人がピッチリレーをします。近い未来、こういう時代になっていくんだろうなという社会の進化が体感できる場がDEMODAYだと思います。

MAKERS生を見ていると、「本当は今すぐにでも実現したい想いはあっても、それを仕事にする、という選択が難しかった」時代から、「好きなこと、実現したいことがあるのであれば、就職なんていいじゃん、やっちゃおう」と思える時代になってきたということを感じます。

DEMODAYで、Z世代の拓く未来を見に、そして彼らの奮闘っぷりを見に来てください。

お待ちしております!

 

-THE DEMODAYについて詳細はこちら https://makers-u.jp/demoday2019

-MAKERS UNIVERSITY第5期生応募についてはこちら https://makers-u.jp/

-MAKERS UNIVERSITYでは、その趣旨に賛同し、若い才能が、その可能性を存分に発揮できる社会作りを共に目指して頂ける協賛企業、個人寄付・団体寄付を募集しています。ご協賛についてご関心のある方は、(shijuku@etic.or.jp)までお問い合わせ下さい。

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本木裕子

1984年生まれ。大学卒業後、外資系消費財メーカーや国際協力NGO、日系企業での海外勤務等を経てNPO法人ETIC.に参画。ソーシャルビジネスの創業や成長支援に携わり、人を応援することへの興味を深めているところ。