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熊本のリーダーに追い風を!支援ではなく「後押し」で支える、熊本復興

2016.06.18 

熊本地震から2ヶ月以上が過ぎました。徐々にメディアへの露出回数が減り、現地の情報が得難くなってきています。一方で、いまだに多くの方が避難生活を強いられていたり、地震によって職を失う人もいるなど再建に向けての課題は山積みです。

その中で「熊本県人の底力」を信じて、新たなプログラムを立ち上げようとしている熊本のリーダーがいます。一般社団法人フミダス 代表理事の濱本伸司(はまもと しんじ)氏です。 熊本の復興に向けて、これからの熊本にどのような新しい風を吹き込もうとしているのか。

濱本氏が2016年5月20日に都内にて地域づくりの専門家たちに向けて講演を行った講演録と、熊本の復興に資する人材募集のご紹介です。(記事中の数値は全て2016年5月20日現在のもの) IMG_8625

講演される一般社団法人フミダス濱本氏。

地震から刻一刻と変化する熊本の現状

濱本氏) 一般社団法人フミダス 代表理事の濱本です。 まずはこれまでの熊本地震へのご支援、心から感謝申し上げます。

熊本の現状を先にお話すると、実は地震が起こってから1ヶ月目ぐらいのタイミングで救急搬送などが増えてきている現状があります。 地震直後は救急車のサイレンを聞かない時間が無いぐらい多かったものが、2週間、3週間と経つにつれて徐々に減ってきている状況でした。

しかし、避難所でのストレスやプライバシーが守られていない環境、先行きが不透明な状況が続く中で、張り詰めていた気力が途切れ、心身に不調を訴える人が増えてきているのです。 産業への被害も深刻です。熊本は農業と観光業が二大産業でしたが、その二つに大きな被害がでています。農林水産業は現在発表になっているだけで被害総額は1345億円。田んぼに大きなヒビが入るなど長期に渡って使用できなくなる可能性もあり、被害総額は今後増大するのではと見られています。観光業にいたってはいまだに正確な被害総額が発表されていません。

被災直後は、1週間、水が出ない、電気が使えない、食料が手に入らないという状況が続きましたが、1ヶ月経ってインフラは95%くらいは復旧してきています。 しかし、いまだに避難者数は1万人以上と発表されており、一日、一日を生きることが精いっぱいな人が数多くいます。とりあえずの寝る場所の確保・物資支援による食料の確保などは出来るようになってきましたが、「先の目途がたたない」という状況の中で、「心が折れかかっている人」が出てきていることを心配しています。

折れかかった心に希望の光を。「支援」ではなく「後押し」でつくる熊本復興

熊本城

震災で大きな被害を受けた熊本城。文化の復興は、被災地復興の大きな柱の一つでもある。

濱本氏) 今回の地震で、熊本城も崩れ、阿蘇神社にも大きな被害がでました。熊本県人にとっての誇り、熊本のシンボルが壊れてしまったんです。 その様子と自分の今の生活の様子。2つが重なり、また先行きが不透明な状況の中で、当然ながら「心が折れかかって」いる人たちが出てきています。

でも、そこは「さすが、熊本県人!」と思うところでもあるんです。 負けん気が強く、「自分たちの力で何とかしてやろう。」という熊本県人元来の気質。これによって、まだ「心が折れた」訳ではないと感じます。 だからこそ、私たちがやりたいことは、「折れかかった人たちに希望の光を。」ということ。熊本県人本来の気質で今、まさに立ち上がろうとしているリーダーのもとに、そのリーダーを後押しできる人材を送ることで、熊本の復興を推進していく事業を立ち上げたいと考えています。

リーダーを支える「右腕プログラム」を熊本で立ち上げる

若者二人

フミダスが輩出してきた若者たち。フミダスはこれまで地域を支えるチェンジリーダーの輩出に力を注いできた

濱本氏) 立ち上げようとしている事業は、「右腕プログラム」というものです。 今、熊本には課題解決に向けて立ち上がろうとしているリーダーたちがいます。しかし、そのリーダーたち自身が被災していたり、またあまりにも多くの依頼が舞い込んでいることによって、円滑に事業を遂行できていないという現状にあります。

そこで、熊本のために立ち上がったリーダーをもとに、右腕となる人材を送り込むことでリーダーを補佐し、右腕として事業を推進していくというプログラムです。既に3つの団体がこのプログラムに参画してくださることになっています。 実際に「右腕」を募集するのは6月中旬を予定していますが、この事業を私たちと一緒に立ち上げてくれる人材も今、募集しています。「熊本のために何かしたい」や、「人材を通じた地域活性」に関心がある方にぜひエントリーいただければと思っています。

※一般社団法人フミダスにご関心ある方はこちら

「これからの熊本」の担い手を増やす

濱本氏) 今回の地震で改めて分かったことでもありますが、行政頼みでは地域や人は守れません。今回の地震で、行政の方も必死です。彼らも全く寝ずに活動を行っています。しかし、彼らの多くも被災者であり、車中泊をせざるを得ないような状況の中で限界にきているという風にも感じます。

これまで熊本は行政の力が強い地域でした。しっかりとサポートされてきた地域だったと言えますが、一方でこの状況になると、「行政」だけではなく「お互いに支えあう」ということの重要性が見えてきています。 誰かに守ってもらうだけでは立ち行かない課題や状況が山積みになること、当たり前が通じない社会になる可能性があること。 それを一人一人が自覚し、伝えていかない限り、また今回と同じような状況が起こりうると思います。

そうならないために、今回の事業を通して最終的に目指すものは「社会の課題を解決する人材を熊本に増やしていくこと」です。 社会課題解決の担い手を増やしていくことが「これからの熊本」を創る最重要テーマであると考えています。 「熊本で地震なんて起きない。」「大丈夫だ。」そう考えていた所に起きた今回の地震。 色々なものが壊れ、再建しなければなりません。

行政にだけ頼ろうとするのではなく、民間だけでやろうとするのでもなく。 様々な人が関わり、「社会の課題解決の担い手」になっていくことを目指して、「新しい国づくり」のような感覚で復興に取り組んでいきます。 ぜひこの「国づくり」に一緒に取り組んでいただければ幸いです。

※一般社団法人フミダスにご関心ある方はこちら

※熊本右腕プログラムの公式ウェブサイトはこちら

この記事を書いたユーザー
川口 枝里子

川口 枝里子

1988年生まれ。北海道生まれ北海道育ち。大学まで北海道で過ごす。NPO法人ETIC.に新卒で入社し、地域活性・人材育成のプログラム運営など「ヒト・お金・スキル・想い」が東京から地域に送り込まれる事業に従事。「この土地が好きだから」という理由で地域に関わる人を増やすべく活動中。

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