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何も見えない空間で、リーダーシップが見つかる?ダイアログ・イン・ザ・ダークで自分を見つめる“暗闇留学”を!

2016.08.11 3,676view 

お化け屋敷じゃない、真っ暗闇のエンターテイメントが渋谷にあることをご存知でしょうか? 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と呼ばれるその会場には、目を開けていても閉じていても変わらない本物の暗闇の中に、芝生の広がる公園や小川、お茶やお菓子を楽しめるカフェがあります。けれど、そんな暗闇の中でアトラクションをどうやって楽しめばいいのでしょうか? その秘密は、暗闇の案内人である視覚障がい者の方たちと、参加者たちとの「対話」にありました。しかもこの会場、平日は企業の研修の場になっているそうで…。世界中で広がる「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を日本で展開する志村真介さん・季世恵さんにお話をうかがいました!

※この記事は、先日放送された渋谷のラジオより作成したものです。

渋谷のラジオ収録時に

渋谷のラジオ収録時にパシャリ! 真ん中が志村真介さん・季世恵さん、右手が編集長・淵上、左が桐田です。

これまで世界39か国で展開するプロジェクトのはじまりは、「部屋の電気を消す」ことから。

桐田:ダイアログ・イン・ザ・ダークとは、いったいどのようなプロジェクトなのでしょうか。

志村真介さん(以下敬称略): 1988年にドイツで始まり、これまで世界39か国で展開をしているプロジェクトなのですが、共通のコンセプトがあります。それは、「真っ暗闇」をつくることで。照度ゼロで、目を開けても、目を閉じても変わらない、見ることを手放すような空間をつくっています。 その暗闇の中に8人くらいのグループで入っていくアトラクションなのですが、普段自分たちは視覚を中心にコミュニケーションをしているので、まったく目を使わないとなると動けなかったり、「通常通り」ができなくなってしまいます。そこで案内人を、視覚障がい者にお願いしています。普段から目を使っていない感性豊かな方々が案内をして下さり、参加者も目を使わない、その中で対等にコミュニケーションをし「対話」していこうというプロジェクトです。

チームになって暗闇に入ります

チームになって暗闇に入ります

桐田:25年ほど前にドイツで始まったのですね。どのような方が始めたのでしょうか?

真介:アンドレアス・ハイネッケという哲学者でして、ユダヤ人の母とドイツ人の父を持つバイカルチャーな方です。人は一方のサイドに立っていくとその一方から見た意見を持つようになると思うのですが、どちらの血も流れていた彼は、「なぜ人は対等なのに人を区別してしまうんだろうか」という疑問を若いときから抱くようになり、人間というものを探求しながら哲学を勉強するようになりました。その中でマルティン・ブーバーの「対話の哲学」という思想に出会い、違った文化を融合するには「ダイアローグ」=「対話」を1つのモチーフとしてやっていくということに可能性を感じたんですね。 そこから彼はラジオ局で働くことになりまして、事故で失明したジャーナリストの研修役として一緒に働いていくことになったのですが、これまで目を使っていない方々は不便で不自由で何もできないと思い込んでいたのに、豊かな感性があり、豊かな生活があるということを知ったんです。そして彼は、この豊かな文化を皆で共有できないかと、とてもシンプルなアイデアを思いつきました。それが、ダイアログ・イン・ザ・ダークのはじまりとなる「部屋の電気を消す」ということだったのですね。

淵上:すごくシンプルなアイデアですが、とても画期的ですよね。

真介:社会を変えていきますよね。

桐田:そのアイディア自体はとてもシンプルなのですが、初対面で年代も性別も社会的立場も違う方と対等にコミュニケーションができる場というのは、日常の中でそんなにないんじゃないかなと思っています。さらにそれを、エンターテイメントで届けていらっしゃる。

暗闇から出てきたら、ご飯に行ったり旅行に行ったり、結婚しちゃったりする?

桐田:ちょうど先日、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」での「一期一会の回」という、お一人さま限定の回に参加してきたのですが、偶然その日にスマホが動かなくなってしまって、時間を勘違いしたまま会場へ向かったらすでに開始10分後、1人だけ暗闇の中で合流することになったんです。外見が全くわからないまま「はじめまして」の挨拶をして、声でかろうじて性別がわかるような感じで。普段は顔を見て相手のことを覚えているので、最初のうちは名前だけで覚えることがとっても難しくて。そうやって視覚を排除した対話というのが本当に興味深かったんですね。例えばAさんとBさんと自分で会話をしていたとき、自分の発言がどれだけAさんとBさんの表情や仕草に影響されているのか、相手の反応から言葉や話題を選んでいるのかがわかるような場だったんです。特に一度も相手の「表情」を知らないまま出会ったからこそ、はっきり感じました。

東京・外苑前会場の入り口は、とてもあたたかい雰囲気

東京・外苑前会場の入り口は、とてもあたたかい雰囲気

志村季世恵さん(以下敬称略):暗闇の中では、対話の前に「自分がここにいますよ」ということを表現しなくちゃいけないんです。「私はここにいます、あなたはどこにいますか?」って。そうやって、自分の存在を伝え、相手の存在も認めるところが対話の最初なんです。「あなたは今どんなことを思っているの?」とか、「私はこんなこと感じているの」ということを伝え合わなければ存在が消えてしまう、そこが大きな醍醐味なんですよね。相手の顔色を見て話題を選ぶのではなく、「私がいる、あなたがいる、だから話しましょう」。その基本が一番大切なところなのかなあと思います。だから、空気は読まない。空気を読んじゃったらどうもできなくなっちゃうので、もういいんです。そうして本気でコミットし合っていきながら相手を知っていくことが、楽しいんでしょうね。 私はスタッフとして外で待っているのですが、みなさん他人だった方々と10年以上の友だちのようになって出てくるんですよ。そこからご飯を食べに行ったり、旅行に行ったりするみたいで。さらには、結婚する人も出てきちゃったりして。婚活にいいかな、みたいな(笑)。

淵上:それは本当に不思議な効果ですね(笑)。

季世恵:そうですよね。相手を見過ぎちゃったことによって相手を知れなくなっちゃったというところから、子どものように元に戻っていくことができるのかなと思っています。

平日の会場では、上司と部下が向かい合って6時間の研修を。

桐田:「見過ぎちゃった」ということは、恋愛に限らず上司と部下ですとか、社会的な関係性においても存在するのかなと思っています。ダイアログさんは企業の方々向けの研修(詳細はこちら)もされてるようですが、どのように暗闇を使われているのでしょうか?

季世恵:今のダイアログ・イン・ザ・ダークは、週末はエンターテイメントとしてテーマパーク風に一般のお客さまに楽しんでもらう運営をしていて、平日は企業研修を行っています。暗闇であることは変わらないですし、目が見えない人がアシスト役ということも変わらないんですけれど、やることが変わってきます。企業研修の際には、コミュニケーションをどう上手にとるかとか、チームミーティングはどうするのかとか、多様性を認め合おうじゃないかとかいくつもの要素が含まれていて、それを暗闇の中で構築できていくわけなんですね。6時間ぐらいかかる、長い研修になります。

桐田:暗闇の中で6時間ですか?

季世恵:暗闇に入っている時間は、3時間ぐらいですね。その前後は明るい場所でワークショップもするんですけれど、でも大人の方は、一般のバージョンもビジネスワークショップも共通して時間がうんと短く感じるんですよ。だから、1時間以上たっていても「いや、15分ぐらいだ」と言い切る方もいらっしゃるくらい。最後には、暗闇から出たくないってみなさんおっしゃいます。

社長と女子高生が暗闇で出会ったら、リーダーシップが見つかった!

季世恵:あとは何だか、知らない人同士も楽しいけれど、知ってる人同士もまた違った面が見えていいみたいですね。こんなところがあったんだとか、すぐわかるみたいですよ。

真介:例えばリーダーシップがあるとかね、そういうことは普段わからないんだけど。

季世恵:以前、本当に誰もが知っているような大企業の社長が1人でいらしたんです。そのとき知らない女子大生も一緒のチームで入られたんですけ ど、その女子大生の人たちが、その方に向かって、暗闇に入るときのニックネームで「⚫︎⚫︎ちゃんって、リーダーシップの力がすごくあるね」って言ったわけですね。

淵上:社長に!(笑)

桐田:わからないからできましたね、それは(笑)。

季世恵:そう。世界でも有名な社長だったんですけれど(笑)。そのあと、そのトップの方は、涙をぽろっとこぼしたんですよ。「嬉しかったんだ」っておっしゃっていて、会社では当たり前かもしれないけれど、若い人がそうやって言ってくれたのは違った意味でとっても勇気につながったって、すごくモチベーションが上がったっておっしゃっていましたね。

淵上:社会で見られている状況でそう言われるんじゃなくて、本当に裸の状態で女子大生がぽろっと言ってくれたっていうことですよね。

真介:レッテルのない自分をね、認めてくれた。

季世恵:そうなんですよね。反対のケースもあって、やっぱりトップの人が入ったときに、暗闇の中で助けてもらったんだそうです。暗闇に入られた一瞬、ちょっと怖かったそうで、そしたら全然知らない人がサッと手を握ってくれて、「一緒に行こう」って言ってくれたそうです。若い男の子だったとおっしゃっていましたけれど、自分の息子と同じぐらいの年なのに助けてくれて、「自分が人に頼るなんて」と、それがすごく鮮明だったと。 部下たちには「ビジネスは孤独なもんだ」、「リーダーは走り続けるんだ」って言っていたけれど、助け合うことを信じることは大事だったんだってことを思ったとおっしゃって、退職されるときにダイアログを使って卒業の挨拶をされていました。

“暗闇留学”で相手と自分を知ることから、対等な関係性が戻ってくる。

淵上:それはトップの方、ちょっと泣いちゃいますね。ほんとうに不思議な力のある装置というか場所だなあってお話を聞くたびに思うんです。著書の『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦 』でも”対等”というキーワードがたくさん出てきたのが印象的でした。立場の違いだったり見ている世界の差異であったり、世代やお金による格差というもの、一言でいうと非対称なものが増えていく中で、それをまた対称に、対等に戻していこうとする起業家や運動が、世界の至る所で起きているのをずっと感じています。同じように、ダイアログ・イン・ザ・ダークで起こっていることも、目の見えない方が目が見える人を暗闇で導いていくことで、ふだんの世界では固定されてしまっている違いが対等に、対称に一度戻る、そういう奇跡のような場所なんだなあと。

真介:一気に大量にはできないと思うんです。けれど、ちょうどオセロをひっくり返すみたいに一つひとつ、一人ひとりが変わっていくことでその体験をした後ご自宅に戻られたり、職場に戻られたりして、半径5メーターの人が影響を受けてちょっと変わっていく。それがどんどん広がっていくことによって、世の中が良くなると。静かな波紋のような感じです。

季世恵:対等というのは、いろんな定義があるかもしれませんけど、相手を知ることだと思うんですね。例えばダイアログ・イン・ザ・ダークで言うと、真っ暗闇に入ったところで自分と違う環境になってしまった。そして目が見えない人が登場して、目が見えない人の文化を知ることができる。そういう経験を一度すると、もっと違う文化の人とも出会ってみたい、知り合ってみたい、対話してみたいと思うようになる。その中から生まれてくるものじゃないかなって思うんです。

真介:これは留学と似ていると思うんですよね。例えば英国に行くと英国の文化が知れるし、でもその中で自らって何なんだろうっていう問いかけをしますので。そして英国の人にはなれないんだけど、それを知ることによって自分がもっと深まっていきますよね。ですから、暗闇の中で目を使わない文化を知って、その人たちを全部理解し、その人たちに成り得ることはないんだけれど、でも知ったことによってその分だけ自分ののりしろが少し広がっていく。そういう“暗闇留学”みたいな感じでしょうかね。

淵上:変わるんですよね。自分が広がって変わる。

真介:通過儀礼みたいな感じですよね、昔でいう。

淵上:イニシエーションっぽいところありますよね。

季世恵:だから、お父さんやお母さんが我が子と一緒に暗闇に入って、子どもは守らなきゃいけない弱い存在だと思っていたけど、子どものほうが早く歩けて親を助けるわけですね。そうすると、あれっ、うちの子どうなっちゃったんだろうって思ったりとか、そういった違いが分かってくる。それを認め合うことによって、また新しい関係性ができあがってくるんだろうなと思うんです。

真介:この発案者のアンドレアス・ハイネッケは「暗闇は人を元に戻すメディアだ」って言ってましてね。決して何かを付け加えたり、変更するのではなくて、それぞれがレッテルのないニュートラルなその人に戻る。そしてお互いが特性を知り、サポーティブな関係で協力し合える、そして信じあえる、そういう社会を作っていきたいんです。

ロゴ

「決してあきらめない」、「論理的なことに頼らない」、「変わる人生に挑戦していく」

桐田:ダイアログ・イン・ザ・ダークを通してたくさんの方が様々な変化をしていかれたと思うのですが、この25年間の活動の中で発案者のアンドレアス・ハイネッケ氏の気づきから生まれた働き方の13の指針があるとうかがいました。

真介:そうなんです。彼は25年間、新しい試みをずーっと続けている人間なんですが、その中でさまざまな経験をし、こういう働き方がやっぱり大切だなという発見が多くあったのだと思います。その13個の中からいくつかをお話すると、プロジェクトというのは先が見えるわけではないですよね。それこそトライ アンド エラーで進めていくわけですが、そのような道のりをどういうスタッフと一緒に挑戦していきたいかというと、「決してあきらめない」ことを共有できる人。あとは、「論理的なことに頼らない」こと。ゴールに向かって効率的に行くという論理的なことなのではなく、“もしも”のことや、人の気持ち、そういうことを考えられる人だということです。 私自身、新聞の小さな記事でこのプロジェクトと出会い、新聞社に連絡をして彼に手紙を書いたときから自分の人生が大きく変化していて、人生というのはレールがあって既に決まっているものではなく、常に変わるものだ、「変わることが当たり前だ」と思うようになりました。

淵上:人生は変わること、ですか。

真介:でも、変わる人生に挑戦していくと、どれだけ才能が必要だとか、どれだけスキルが必要かということにぶつかるんですね。それで、急速にそれを勉強したいんだけれども、そう簡単にできるわけでもない。一つの唯一の方法は続けること、継続することです。あとは人を信じることだったり、信頼されること。実は、社会課題を解決していこうとすると、課題にまつわるネガティブな情報がどんどん集まってくるんです。

淵上:それは、やっかみとかそういうことでしょうか。

真介:例えば、目を使っている人と使っていない人の間で偏見があったり、さまざまな勘違いがあったり。そういうことに出会うと、人間は対等であるはずなのに、お互いにわかり合えないんじゃないかって一瞬思ってしまうんだけれども、それでもその中に常にわかり合える可能性があるはずと追求していくんです。ネガティブの中から、ポジティブを拾うというか。それこそすべてが闇の中にあるように感じられて、光は一切ないように思えるんだけれども、それでも人の心が輝いていることを感じる、人に出会うところに光を見つけるというような。要は100%に近い不可能が目の前にあるんだけれども、そこから可能性を開いていく力みたいなことです。そういった状況で、「資本さえあればいいや」というこれまでの方法ではなく、お金に完全に頼り切らない、お金以外のものを当てにしていくことを大切にすることが必要とされているのだと思っています。

桐田:私は今30歳なんですが、私ぐらいの年代の方が大人になって社会に出るまでに、学校や周囲の大人たちから言われることと、ある意味真逆なことが述べられているなあと感じます。論理的であれとか、人生はそう大きく変わらないであるとか、才能の欠如はもう欠如したままであるとか、そういったメッセージを受け取りやすい社会なのかなあと感じていまして。でも、私たちは若者の「働く」を応援するメディアで、皆が自分の可能性を自分たち自身で信じて、発揮していって欲しいなと、それを応援していきたいなと思っているんですね。そういった意味でも、この13の指針が若者にとって何かブレイクスルーをする気づきになるんじゃないかと思い、ぜひご紹介したかったんです。

季世恵:ハイネッケは今、哲学者でありつつも社会起業家として本当に世界中で求められていて、あちこちの講演に呼ばれたり、若い人と出会って話をするんだけれども、この13の指針を彼自身がとても大事にして生きてきたんだろうなってわかるんです。やっぱり世の中を変えていきたいんだというときに、周囲から聞こえるニュースがいつでもネガティブでも、そのネガティブなことだけじゃないことが世の中で起こっているんだって信じ続ける、そういうことを探す力も大切なんだろうなって思いますね。

桐田:探す。そうですよね、無意識に自分の中でストッパーがかかっていて、諦めちゃっている方は多いかもしれません。

季世恵:うん、きっとね。本当はそこら中にあるんですよ、いい話だって。けれどニュースはネガティブなことの方が受けがいいとか、ありますからね。子どもの頃って、お母さんにはだいたい良い話しかしないんですよ。「こんなことがあったよ」って、ちょっとは違うこともあるかもしれないけれど、大体はバランスがいいんですよね。でも大人になるにつれて、できないことを探すことが増えてきてしまうから。目でも耳でも、ネガティブなものを拾い上げちゃう力が出てくるんですよね。

淵上:それをリセットして、戻れる場所があの暗闇の中ということなのかもしれないですよね。

季世恵:そうみたいですね。発案者もそういうふうに感じていて。暗闇の中で、子どもの頃の感覚をもう一回思い出そうとか、取り戻そうというふうに考えているんですね。

季世恵さんのバース・セラピストとしてのご著書、『さよならの先』講談社文庫

季世恵さんのバース・セラピストとしてのご著書、『さよならの先』講談社文庫

次なる挑戦は、沈黙の中での対話、時間を超えた対話。

真介:実は今度は、見えるんだけれど聞こえない空間を作ったりするんです。まったく音がない。ですから今度は静けさの対話。音ではない対話。

季世恵:声じゃない対話ですね。身振り手振りであったりとか。

淵上:ダイアログ・イン・ザ・サイレンスでしたね。

真介:そうです、今度はサイレンス。

季世恵:サイレンスにすると、相手をちゃんと見た上でこう表現しようとか、対話には笑顔が大事なんだとか、気づかれていくんですね。もしかすると日本人が最も得意じゃないところかもしれないですけれど、沈黙の中だとできるんですよね。他にも、たとえば外国からいらした方と言葉が通じない、つまり言語を超えた状態でコミュニケーションできると、「あ、コミュニケーションって言葉だけじゃないんだな。言葉ができなくてももっと対話に関わっていいんだ、どんどんつながることができるんだ」って思えるみたいなんです。この方向性は挑戦したいですね、日本でも。

真介:実は2つだけじゃなくて、もう1つあるんです。今度は後期高齢者。70歳以上の方々が時間や命といったことについてファシリテーションして下さる、ダイアログ・ウィズ・タイムという構想がありまして、これが3つ一緒になったダイアログ・ミュージアムを作りたいなって夢見てるんです。

季世恵:そうするとみんなに仕事があって、人生の中でずっと自分を活かすことができる、発想できる場があるわけですよね。それってすごくいいなって思うでしょう。

淵上:すばらしいです。それがほんとに各地域にあるといいですよね。僕にとってお風呂屋さんがそういう場だったりするんですけど、温泉で裸にな るとリセット、リフレッシュしますよね。それぐらいの気軽な感じであるといいですよね。

季世恵:そう、のれんくぐってね。気持ちが裸になって。

真介:たとえるなら「混浴」ですよね、互いに違う民族でも、裸になって一緒の湯に浸かるというか。世界では国と行政が一緒になって、社会をより良くするような「ソーシャルインパクト」のある社会的プロジェクトをやっているんですけど、日本のプロジェクトはまだまだ「よちよち歩き」のレベルなんですね。そんな状況の中で、自分たちの大きな夢を実現させるためにも、ちょっと困ってることがありまして。

桐田:何でしょうか?

真介:実は、人が足りないんです。

桐田:おお、それは一大事です。

真介:それも目を使ってない人ではなくて、目を使って社会を変えて行く人たちが少ないんです。特にいま、ありがたいことに企業の方たちから研修依頼をいただくことが増えていまして。そういった状況なので、企業の言葉もわかるし、社会イノベーションのこともわかるしという、いくつかのスキルがある方を求めています。ただ、先ほど言ったように壁っていうのは毎日のように出てくるので、そんなことへっちゃらよ、壁は高いほうがいいんだみたいな、そういうノリノリの方を求めています。

淵上:決してあきらめない人ですね。

季世恵:いわゆる法人の営業であったりとか、ダイアログを説明する電話の応対ができるとか、いろいろあるんですけれど。でもこういうのが好きだなっていう仲間が出てきてくれるといいなって思うんですよね。

淵上:その他に、こんな人がいいなというイメージはありますか?

真介:人の好きな人がいいですね。人と関わることと、人の変化をつくったり人の変化していることにワクワクする人がいいです。

季世恵:あと、世の中もうダメだっていう感じではなくて、世の中良くなったらいいねって思っているポジティブな方がいいですね。

淵上:年齢は問いませんか?

季世恵:社会経験があると嬉しいなとは思っています。

淵上:そうですよね。企業さんとの対話でいうと、ちょっと経験はあったほうがいいかもしれないですね。

真介:詳しくは求人を掲載しておりますので、ぜひご覧になってみてください。

桐田:本日は、ありがとうございました。素敵な方が仲間となってくださることを、応援しております!

一般社団法人 ダイアローグ・ジャパン・ソサエティでは、ダイアログ・イン・ザ・ダークのマネージャー候補を募集中です(2017年1月現在募集は終了しています)。詳しくはこちらから。 暗闇から生み出す変革 ダイアログ・イン・ザ・ダークのマネージャー候補募集!(募集終了)

ダイアログ・イン・ザ・ダーク 代表/志村 真介

コンサルティングファームフェロー等を経て1999年からダイアログ・イン・ザ-ダークの日本開催を主宰。1993年4月27日、日本経済新聞の小さな記事にてウィーンで開催されていた視覚障碍者によりアテンドのもと暗闇の中で対話をする「ダイアログ・イン・ザ-ダーク」と出会う。感銘を受けてドイツ人の発案者・アンドレアス・ハイネッケ氏に手紙を書き日本開催の承諾を得る。1999年はじめて日本で開催して以来、視覚障碍者の新しい雇用創出を実現すると共に人が対等に楽しくコミュニケーションできるソーシャルプラットフォームとして世の中に提供し続けている。2009年3月から東京外苑前で常設。既に体験者は14万人を超える。昨春からは積水ハウスとの共創プロジェクト「対話のある家」も大阪で展開中。 著書は『暗闇から社会が変わる』講談社現代新書 https://goo.gl/5Xcrwj

ダイアログ・イン・ザ・ダーク 理事/バースセラピスト/一般社団法人 ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ代表理事/こども環境会議 代表/志村季世恵

妊婦や子育てに悩む母、心にトラブルを抱える人をメインにカウンセリング。その活動を通し『こども環境会議』を設立。1999年からはダイアログ・イン・ザ・ダーク理事となり、多様性への理解と世の中に対話の必要性を伝えている。また末期がんを患う方へのターミナルケアは独自の手法を以て本人や家族と関わり、その方法は多くの医療者から注目を浴びている。ワークショップ、ファシリテーションの日本での第一人者であると共に人を幸せにする商品企画開発を通販会社とタイアップし展開。ロングラン商品開発に定評がある。講演、ワークショップなど多数。4児の母。著書は『さよならの先』講談社文庫http://goo.gl/fkMDxR

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DRIVE編集部・桐田理恵

DRIVE編集部・桐田理恵

NPO法人ETIC. DRIVE編集部。1986年生まれ、茨城県育ち。大学時代は文芸の研究をしつつルワンダ人とのコミュニケーションを楽しみ、2011年より医学書専門出版社にて企画・編集職に就く。精神医学や在宅医療、緩和医療の書籍づくりを経て、2015年よりDRIVE編集部の担当としてNPO法人ETIC.に参画。

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