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ワークとライフとキャリアの関係 〜福井で働く人たち【4】

2016.11.09 164view 

ワークとライフのバランス

続いては大阪出身で静岡→メキシコ→福井と働く場所を変えてきた大城さんにお話を伺いました。マルツ電波という会社で、森の木々を燃料として熱をつくり、その熱を販売するバイオマス熱供給事業を担当している大城さん。

大学では熱エネルギーの研究をしていたエンジニア。「日本の技術の中心はどこにあるのだろう?」という興味から、まずは工作機械メーカーに就職し、そこで「自動車業界の大きさが見えてきた」ため自動車部品メーカーに転職。そこからメキシコの工場に赴任したときに、働き方についての節目があったそうです。

大城さん:「仕事(ワーク)と生活(ライフ)のバランスを、全体をどう考えるか。昔は仕事が100でいいなと考えていた時もありましたが、いまは、生活にも50くらいあっていいのではと考えています。ライフのほうで問題があったら、たとえば家族でケンカをしちゃったりすると、やっぱりワークのほうにも響いてきますよね。バランスというよりは、ワークとライフをあわせた全体をひとつの課題として考えるようになった。

これはメキシコに居た時にヒントをもらったんです。メキシコの人たちは、極端にいえばワークなんてどうでもいいというほど家族を大事にしていました。もちろん全員ではないですが、ライフが90くらいなんですよ(笑)。割合がぜんぜん違ったんです」

—そうした考えの変化もあって、自動車部品の仕事を辞め、帰国して奥様の実家の福井に戻った。そこで自然エネルギーの仕事をしようと考えたのだそうです。

大城さん:「自動車の部品を作っていたときに感じたのは、部品というのは当然、自動車全体における一部じゃないですか。自分としては、0から100までビシっと繋がったものでひとつカタチを作りたいというか、全体をやりたいという思いがありました。抽象的な言い方ですが、自分の責任の範囲が見える、全体が見える仕事をしたいと。

もともと川や海で遊ぶのが好きだったこともあって、自然エネルギーには関心があったんです。原料を自分たちで調達し、自分たちでエネルギーを作って、自分たちで使う、という分散型のエネルギー事業をしようかなと考えたんですね。日本のエネルギー自給率が低いということもやりがいを感じていましたし。

あとはFIT(*)が制度化されたというタイミングでもあったので、独立してバイオマス発電の事業者になるという選択肢も見えていた。いろいろ検討して独立事業者はまだできないなという判断になったんですが、そこで福井のマルツ電波がバイオマス事業をやろうとしているという話に出会って、募集もなかったのに押しかけて入社しました。」

(*)FIT:“Feed-in Tariff”の略で、再生可能エネルギーで作ったエネルギーを、固定した価格で買い取る制度のこと。再生可能エネルギーの爆発的な普及を促す政策としてEUをはじめ各国で取り入れられ、日本では2009年に太陽光発電、2011年にその他の発電に拡大された。

—福井に来て、ライフはよくなりましたか?

大城さん:ケンカはめちゃめちゃ減りましたね。親が近くに居ることなど、様々な地域の繋がりがあるので、ライフ側の課題については解決しやすいんじゃないでしょうか。といいつつまだワークが70くらいなんですけど(笑)。将来的にはワークが30-40くらいが理想。釣りをしながらスマホで発電量なんかを見ながら暮らせたらいいですね(笑)。

それを実現するためには、今やっているエネルギーの事業にいっしょに取り組める同士を集めたいです。都会と比べた時にやっぱり人材は少ないので、なんとか集めたい。エンジニアリング集団を福井でつくりたいですね。

自然エネルギーの発電事業という地域ならではのワーク、そしてライフとのバランスのありかたを、エンジニア的な視点で探求している大城さん。地域でのエンジニアのワークとライフについて共感したヒトが居たら、ぜひ大城さんに会ってみてください! 

oshiro

地場産業の生き残りをかけたチャレンジに関わる喜び

福井経編興行株式会社は、設立70年ほどになる福井市内の繊維メーカーです。経編(タテアミ)とは、生地の織り方のひとつ。福井経編さんはその技術の高さから経編業界ではリーディング企業なのだそうです。

またこの技術を活かした新しい事業、メディカル部門への進出は、直木賞作家の池井戸潤さんが執筆し、阿部寛さん主演でドラマ化もされた『下町ロケット2』のモデルになったことでも知られています。町工場の経営者の主人公と福井の繊維メーカーが、心臓修復パッチや人口血管の開発にチャレンジする物語なのですが、そのメディカル部門を立ち上げ時から担当しているのが小川さんです。

小川さん:茶道をやっていたのでそれからお着物を習ったりして、だんだん面白くなってきたので、それを教える仕事をしていました。就職ではなく自分で仕事を立ち上げて、いろいろな経験もできて楽しかったんですが、性格的にも社長というタイプではなかったんですね。そこで「企業の中で働くありがたさ」というのをあらためて考えるきっかけになりました。

そしてこの会社に秘書として入りました。最初は100%秘書業務でしたが、半年くらいしたら新規事業のメディカル部門の話が出てきました。新規事業、というのが面白かった。新入社員のわたしも、周りの人と同じスタートラインに立てた。今は秘書業務が30%、メディカルが50%くらいで担当しています。繊維業界は生き残るためにチャレンジしなくちゃいけない。そこに携わっていることが喜びですね。

ー起業から就職というキャリアも福井ではなかなか珍しいと思うのですが、”福井で働く”ということはどういう特徴があると思いますか?

小川さん:福井は中小企業が多いので、若者がそこで働くときに、チャレンジする場がたくさんあります。経営者とも関係が近いし、他の企業さんとの距離も近い。福井市の繊維産業や鯖江市の眼鏡産業もそうですが、小さな企業が集まっていて、分業をしているんですね。

たとえば弊社は生地を編む。次の染めの行程は別の企業がやる、といったふうに、近くにある会社と協力して進めていくという発想がベースにあるような気がします。甘え合いではなく、もちろん品質や値段に関して厳しいことも言い合いますが、お互いに頑張って、信頼関係の中で決めていく。お互いの努力を認め合って、苦しいときは気持ちで助けたり。とにかく競争するというありかたではない、地域の仕事のありかたを感じますね。

ogawa

DRIVEではこれまでローカルベンチャーという視点から、地域での起業やベンチャー的なありかたをトピックとして追いかけてくることが多かったのですが、今回の福井特集では、そうした起業家的な働き方とはまた違った、地域のリソースの中で、暮らしと仕事の適度なバランスをどうつくっていくか、というまた別の、地域でのありかたが見えてきました。福井市のような人口30万人クラスの都市は全国にまだまだたくさんあり、そうした地域で持続的かつ挑戦的に、新しい働き方を創造していく余地はまだまだたくさんある、と感じることができました。


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