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「プロに徹する」「自分の価値観を再認識できる」―副業経験者のリアルな声

2021.02.25 

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今回お届けするのは、2021年1月に開催された「副業・兼業しよう!これからの新しい働き方セミナー」の開催レポートです。

 

副業経験者2名が登壇し、取り組んだこと・感じたことなどを語りました。これから副業・兼業にチャレンジしたい方々はぜひ参考にしてみてください。

 

セミナーを動画でご覧になりたい方は、アーカイブにて。

 

できないことでも積極的に提案。自分で勉強して自分でやる!

 

最初に紹介するのは、山口県周防大島の小さなジャム屋さんで副業された野島さんのお話。WEBマーケティングが専門の野島さんは、ご自身のスキルを活かしながら、時には専門外のことでも独学で学びながら、副業に挑戦されたようです──

 

※当日の内容を一部抜粋、一部加筆修正しております。

 

 

野島さんのプロフィール写真

 

野島 拓也さん / 大手通信会社デジタルマーケティング部マネージャー

 

山口県周防大島に位置する株式会社ジャムズガーデンに参画。企業の理念やコンセプトにあったマーケティングを展開。副業期間中に島の橋に大型貨物船が衝突した事故が起こり島中の事業がなり立たなくなった中、島の物産を集めたパッケージプランを考案し、島の事業社の救世主となった。

 

・参画企業 : 株式会社ジャムズガーデン(山口県周防大島町)

・募集要項 : こだわりのジャムを通じて共感の輪を広げる!WEBマーケティングアドバイザー募集!

 

 

 

1. 副業をはじめるきっかけ

 

野島さんのスライド1枚目

 

野島 : 「副業をやろう」「地方創生を頑張ろう」と元々強く思っていたわけではありませんでした。しかし旅行好きということもあり漠然と地方に対する興味はありました。未知なるものに対する憧れ、ワクワクといった感じでしょうか。

 

東京で仕事されている方でしたらなんとなく共感いただけるかと思うのですが、システマチックに、色々な物事が早いスピードで流れていき、常に数字が求められることへの「疲れ」や「違和感」──もう少し楽な方がいいよねということは感じていました。

 

そんな中、株式会社ジャムズガーデンの副業募集案件を知り、「自分で力になれることであれば、力になりたい」と応募しました。

 

 

2. 周防大島を初めて訪れてみて感じたこと

 

野島さんのスライド2枚目

 

野島 : 参画が決まり、周防大島のジャムズガーデンのお店を初めて訪れて、ジャムを試食させていただいたのですが、みかん・きんかん・マーマレードの味が、最初はどれも同じ味にしか感じられませんでした(笑)

 

また、事前にジャムズガーデンのWEBアクセス数などをリサーチして、課題や今後の方向性などについて自分なりの考えをお話したのですが、私が見ても明らかに響いていないことがわかるレベルで、話が噛み合わなかったというのが正直なところでした。

 

結局ジャムズガーデンが何に困っているのかを掴みきれない状態でのスタートで、不安もありました。

 

 

3. 副業開始1ヶ月で起きた大きな事故

 

野島さんのスライド3枚目

 

野島 : 社長の松嶋さんの考えや大事にされていることを深く知るきっかけになったのが、副業開始1ヶ月で起きた「周防大島にかかる唯一の本土からの橋に貨物船が衝突した事故」です。

 

ポイントだったのは「自分にできないこともガンガン提案していたこと」です。自分がやるかどうか・できるかどうかはわからないけれど、「松嶋さんのこと、ジャムズガーデンのこと、周防大島のことを考えたときに、取り組まなければいけないこと」について積極的に提案していました。後からお伺いしたのですが、その姿勢をとても喜んでくださっていたそうです。

 

 

4. 事故から学んだこと

 

野島さんのスライド4枚目

 

野島 : 自分ができないことをガンガン提案して、最初はとてもドキドキしました。

 

『提案していますが、やったことがないので勉強してやります』『もしかしたらスケジュールが遅れるかもしれません』『クオリティは若干下がるかもしれません』『ただ外部に依頼したら、たとえば50万かかるでの、だったら自分で勉強して自分でやります』ということは提案する際にあわせてお伝えしていました。

 

結果、その姿勢は自分のスキルを高めるのにとても役に立ちました。

 

 

5. 取り組んだこと

 

野島さんのスライド5枚目

 

野島 : 副業が始まってから、様々なことに取り組みました。

 

「外部の委託業者として扱わないでください」とお願いし、現地を訪問した際には朝礼にも参加させていただきました。現場で働いている社員の方々となるべく同じ空気を吸って、同じ場にいる時間を大事にしました。

 

 

6. 今感じていること

 

野島さんのスライド6枚目

 

野島 : 大企業にいるとなかなか感じられないのですが、副業を通じて「自分が成長できる」「感謝される」ということを実感できてよかったです。

 

一方で、自分の助言やアクションが受入企業にとっては重要な一言になることを実感していますので、どんなに疲れていても手を抜かず「プロに徹する」ことが大事だなとも思います。

 

副業の2年間で、周防大島が「ふるさと」になりました。

 

自分が副業で実感した幸せ・充実した気持ちを、東京のサラリーマンの方々にもっと持っていただけるといいなと思っています。またWEBマーケティングの力で地方を元気にする案件をもっとやりたいとも思っています。これからもチャレンジしていきたいです。

 

自分の価値観を再認識することができた──

 

続いて紹介するのは、社会人歴20年で老舗SIerに在籍している志岐さんの経験談です。茨城にあるITベンチャーに副業として参画し、今までのご自身の経験を思う存分に活かしているようです──

 

※当日の内容を一部抜粋、一部加筆修正しております。

 

 

志岐さんのプロフィール写真

 

志岐 俊郎さん / ITディレクター、ITコンサルタント

 

大手転職サイトにてディレクション部でのITD業務に従事しシステム改修に勤める。2019年から株式会社ユニキャストで⼈財コンサルタントとして活動中。

 

・参画企業 : 株式会社ユニキャスト(茨城県日立市)

・募集要項 : IT企業の成長を支える組織づくりとマネジメントをサポートしていただける方を募集します!

 

 

 

1. 副業をはじめたきっかけと業務選定について

 

志岐さんのスライド1枚目

 

志岐 : 社会人になってから20年間の自分の経験を、漠然とですが、何かに活かしていきたいと思っていました。またいつも通りの毎日に、新しい刺激が欲しかったということもありました。

 

副業で自分は何ができるのかを考える際には、自分の過去の経験を振り返りました。具体的には「仕事でうまくいった時」「うまくいかなかった時」「自分の持っているノウハウ」などを考え直しました。

 

その結果、個人に対して「働く喜び」を、職場に対して「心理的安全性」を、会社に対して「仕事に誇り」を、といったところに寄与できることを副業で実現できたらいいなと思い、『人財育成/定着』をキーワードに副業募集案件を探しました。

 

 

2. 活動内容

 

志岐さんのスライド2枚目

 

志岐 : 「エンジニアリングマネージャのメンタリング(リーダー育成)」「チームビルディングの課題を洗い出し、改善策を立案する」ことが求められている案件を見つけました。自分が副業でやりたいこととも合致しており、応募し、そして採用していただきました。

 

その後、今までの活動内容としては、「① 社員アンケートの実施」「② 各リーダーとの1on1ミーティングの実施」「③ 経営層とのミーティングの実施」などが挙げられます。

 

 

3. 本業とのバランス

 

志岐さんのスライド3枚目

 

志岐 : 現在は「月に20〜30時間」を目安に副業をしています。以前は月1で本社のある茨城に現地訪問し、週2でオンラインミーティングを実施していましたが、現在のコロナ禍ではオンラインミーティングを中心に稼働をしています。

 

 

4. 副業人材に求められていること

 

志岐さんのスライド4枚目

 

志岐 : 「会社がなぜ副業人材を求めているのか?」ということを考えてみました。まずは自社に不足している「ノウハウ」だと思いますので、「求められているノウハウ」を人材側が持っているかどうかというのはもちろん大前提になっていると思います。

 

そこにプラスして、本業で培った経験を活かしたり・伝えたりすることで、人材側の付加価値はさらに上がるのではないかと考えています。

 

 

5. 副業をやっている中での感想

 

志岐さんのスライド5枚目

 

志岐 : 副業の感想は色々ありますが、「過去の自分の経験を振り返ること」はとても新鮮で、自分の中でとても大きなインパクトがありました。自分の価値観やアイデンティティ、持っているノウハウを再認識・再構築することができました。

 

働き方が多様化する中、組織や領域を越えて、新しいイノベーションが生まれる──

 

以上、開催レポートでした。

 

 

【開催概要(参考)】

 

▼日時 :

2021年1月22日(金)18:30-20:00

 

▼場所 :

オンライン(Zoom)

 

▼テーマ :

「副業・兼業しよう!これからの新しい働き方セミナー」

 

自身の持つスキルを活かして新しい仕事に挑戦したいという方向けに、副業・兼業の制度、仕組みに関する説明はもちろん、実際に副業・兼業人材として企業へマッチングした方を登壇者にお招きし、リアルな声をお届けしました。

 

▼タイムライン :

18:30-18:35 オープニング

18:35-18:45 副業・兼業の説明、制度紹介

18:45-19:55 ゲストからの事例紹介&質疑応答

19:55-20:00 クロージング

 

▼登壇者 :

・野島 拓也さん(大手通信会社デジタルマーケティング部マネージャー)

・志岐 俊郎さん(ITディレクター、ITコンサルタント)

 

 

 

働き方が多様化する中、組織や領域を越えて、新しいイノベーションが生まれる──

 

その兆しが横浜市にあります。

 

同市は、2019年1月に「イノベーション都市・横浜」を宣言。その理念の下、副業・兼業を活用した人材交流によりスキルを持った人材が関わりあうことで、自社の経営課題の解決や組織の垣根を超えた人材の交流・成長機会の獲得を支援するための事業──「横浜市イノベーション人材交流促進事業」を、昨年度に続き、2020年度もスタート。

 

 

今年度は、NPO法人ETIC.(エティック)が委託を受け、実施します。副業・兼業に関する相談窓口(企業・人材向け)がWEBに設置されています。また以下からセミナーのアーカイブもご覧いただけます。

 

 

【セミナーアーカイブ】

 

・企業向け(第1回)

大手企業の人材とベンチャー・スタートアップとの協働事例紹介!

 

・企業向け(第2回)

ベンチャー企業のスタートアップ期にも副業人材を!社長の右腕としてイノベーションを加速する

 

・企業向け(第3回)

地域経済を支える中小企業の経営革新に社長×副業人材で挑戦! (※近日公開)

 

・人材向け

副業・兼業しよう!これからの新しい働き方セミナー

 

 

ウェブサイトのトップ画面

 

 

※本記事の掲載情報は、2021年1月現在のものです。

 


 

【連載・第1回】

160年前の開港から、物語はずっと続いている―横浜から新たなイノベーションを

 

【連載・第2回】

副業・兼業人材を受け入れ「今までにない発想」が社内に【株式会社テレビ神奈川の事例紹介】

 

【連載・第3回】

新規事業の立ち上げは副業人材と。中小企業にとって副業の受け入れはチャンス。【株式会社太陽住建の事例紹介】

 

【連載・第4回】

副業・兼業、「レンタル移籍」―多様化する働き方の最新動向

 

【連載・第5回】

誕生したのはオンラインコミュニティ!採用・不採用ではない副業人材との関わり方とは?【株式会社plan-Aの事例紹介】

 

【連載・第6回】

本記事

 

【連載・第7回(最終回)】

副業人材の受け入れにより、見えてきた可能性とは?【太陽住建・ユニキャスト2社の事例紹介】

 

この記事に付けられたタグ

横浜市イノベーション人材交流促進事業
この記事を書いたユーザー
Ryota Yasuda

Ryota Yasuda

1989年生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業。執筆・編集する、アート作品をつくる、ハンドドリップでコーヒーを淹れる、DJする、など。「多趣味多才」をモットーに生きている。2015年よりETIC.参画(〜2023年5月末まで)。DRIVEでの執筆記事一覧 : https://drive.media/search-result?sw=Ryota+Yasuda

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