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「400文字のアイデアと意気込みをぶつけてほしい」東京都 x ETIC.のスタートアップコンテスト “TOKYO STARTUP GATEWAY”

2014.06.14 

ウェブ・テック、ソーシャルビジネス、地域課題解決、グローバルなどの分野を超えて、世界を変える起業家を東京から輩出する、ブラッシュアップ*型コンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY」。今回は、担当者の内野博礼(ETIC.スタッフ)に、開催の狙いや特徴などについて、お話を聞きました。

*:ブラッシュアップとは、「みがき上げる」という意味。結果だけを評価するコンテストではなく、プロセスを通して事業プランを改善することを狙いとしています。

実は、東京都の廃業率は開業率を上回っている

石川:今回のスタートアップコンテストでは、どういったことを狙っていますか?

 

内野:実際に、若い起業家を輩出していくことです。ビジネスプランコンテストはいろいろありますし、それをきっかけに創業する人もいると思いますが、ハクをつけるために出場して、それだけで満足してしまうような場合もある。今回のコンテストでは、本物の起業家をうみだしたいという主催の東京都の狙いがあります。

また、産業振興・雇用創出という観点から言うと、実は東京都は、廃業率が開業率を上回っているんですね。若い人たちが創業にチャレンジして、新たな事業の創出を通じて雇用をつくっていく流れが、もっと生まれてこないといけない。2020年の東京オリンピック開催までに東京発の起業家がどんどんでてきてほしいという想いもあります。

 

石川:具体的には、どういったコンテストになっているのでしょう。

 

内野:コンテストには3段階のステージがあります。1stステージには、60名程度を採択し、IT・社会起業・モノづくりなど多様な先輩起業家が講義やワークショップを行います。彼らに事業計画書を提出してもらい、次のステージに進むのが約30名。2ndステージに進むと、起業家メンターと1対1でメンタリングを受けられます。また、資金調達・チーム作り・マーケティング・ビジネスモデルなど先輩起業家が直伝してくれる講座なども用意されています。そのあと、事業計画をプレゼンして、ファイナリスト10名が選ばれます。

ファイナリストは、丸ビルホールで300名以上の聴衆の前でビジネスプランを発表する機会を11月に設けています。優秀者には総額200万の賞金と共に、投資家や提携先、未来の創業メンバーと出会う機会にもなります。そして年末からの3か月間は、短期集中型のアクセラレーションプログラムを受けてもらいます。仮想取締役会・理事会や合宿プログラムに参加したりしながら、ビジネスプランを更にブラッシュアップしていきます。 2

「TOKYO STARTUP GATEWAY」 TOPページ

400文字の意気込みとアイデアで、エントリーできる

石川:コンテストだけではなく、その後の支援プログラムもあるのですね。

 

内野:そうですね。「TOKYO STARTUP GATEWAY」は、単なるビジネスプランコンテストではありません。ブラッシュアップ型のビジコンとアクセラレーションプログラムを併せ持っているのが、このプログラムの特徴だと思います。国内有数のVCやアクセラレーターが応援団として入っていますので、いい起業家の卵は、創業後に投資される可能性もあります。コンテスト部門で事業プランを磨きながら、そちらにもチャレンジしてほしいですね。

 

石川:他に、これは面白いという特徴はありますか?

 

内野:多様な先輩起業家がメンター・講師となっていることだと思います。約30人ほどのメンター・講師がいて、IT・ビジネスの先輩や社会起業家の先輩もいますし、メディア分野やコミュニティビジネス分野、マーケティングのプロフェッショナルもいます。

 

石川:それは面白そうですね。「自分はこれをやりたい」というのが具体的に決まっていた方がいんでしょうか?

 

内野:アイデアがあれば、応募できます。最初のエントリー時に聞くのは、400文字の意気込みと、400文字の事業アイデアのみです。なにか種を持っている人は、ぜひ応募してみてほしいなと思っています。あと、会社に在籍しながら、創業の準備をしたい社会人が参加できるように、土日にプログラムを組んでいます。平日は会社で仕事に打ち込み、土日は創業準備をするのも、いいかもしれません。 3

先輩起業家を始め、メンター・講師が30名以上関わる

ビジネス×ソーシャルを融合していく起業家を

石川:応募の敷居が低いので、いろいろな人が応募できますね。分野なども、制限はないんですか?

 

内野:そうですね、「自分は何の分野だ」って定まってなくてもいいと思っています。これまでわりと、ITならIT、社会起業なら社会起業と、起業するにしても分野が分かれていたと思います。ビジネスコンテストも、アクセラレーションプログラムも、分かれてることが多いですよね。

けれど最近、ETIC.のまわりでも「学生時代は、NPOやソーシャルビジネス分野で活動してきたけど、事業をスケールさせる力をつけたくてITベンチャーにいるんです」みたいな若手社会人も増えています。ビジネスとソーシャルのハイブリッドな感じを目指すような起業家を生み出していけたら面白いなあと思っていますね。

 

石川:若手とありますが、どれくらいの年齢の人が対象ですか?

 

内野:15~39歳の若者が対象です。実は、すでに高校生からの応募も来ています。2015年度末までに起業したいという、法人登記前の方であれば、株式会社はもちろん、NPOや一般社団を検討されている方でもOKです。 4

起業のハードルが低いうちに、やっちゃおう

石川:最後に、内野さんがこの事業に込めた想いをうかがってもいいですか。

 

内野:今、起業のハードルが下がって、特に学生にとっての起業環境はだいぶよくなってきていると思います。でも、「いずれ起業は考えているけど、まずは大企業に行こう」というような人も多い。僕は、就活をがんばって大企業に入社するために競うのは、限られた雇用のイスを取り合っているに過ぎないと思うんですね。どうせなら、新事業を生み出すことで、自分で雇用をつくってやろうという気概のある人がもっと出てきてほしい。

社会人でも、いずれ起業したいという人はたくさんいるけど、その、いずれが、なかなかやってこない場合が多い。20代後半を過ぎると、家庭や職場での責任など、起業のハードルが高くなってきちゃう部分もあります。何かやりたいことを温めているなら、守るものが少ないハードルが低いうちにまずはやってみる

やっているうちに面白くて本気になっちゃって、軌道にのってきたら、就職や会社をやめればいいと思います。もし失敗しても、学生でそういった経験を持っていれば、ベンチャーではひっぱりだこの人材になるはず。だから若い人には、「やっちゃおうぜ」って言いたいですね。このプログラムには、そんな人たちを本気で応援するサポーターがたくさんいますから。

NPO法人ETIC. コミュニティプロデューサー/内野博礼

早稲田大学卒業。在学中よりETIC.に参画。アントレプレナー・インターンシップを通じて、起業家精神を持った人材の育成に注力している。

聞き手/石川孔明

1983年生まれ、愛知県吉良町(現西尾市)出身。アラスカにて卓球と狩猟に励み、その後、学業の傍ら海苔網や漁網を販売する事業を立ち上げる。その後、テキサスやスペインでの丁稚奉公期間を経て、2010年よりリサーチ担当としてNPO法人ETIC.に参画。企業や社会起業家が取り組む課題の調査やインパクト評価、政策提言支援等に取り組む。2011年、世界経済フォーラムによりグローバル・シェーパーズ・コミュニティに選出。出汁とオリーブ(樹木)と自然を愛する。

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この記事を書いたユーザー
田村 真菜

田村 真菜

フリーランス/1988年生まれ、国際基督教大学卒。12歳まで義務教育を受けずに育ち、野宿での日本一周等を経験。311後にNPO法人ETIC.に参画し、「みちのく仕事」「DRIVE」の立ち上げや事務局を担当。2015年より独立、現在は狩猟・農山漁村関連のプロマネ兼ボディセラピスト。趣味は、鹿の解体や狩猟と、霊性・シャーマニズムの探究および実践。

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