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まるで映画のような、まちづくりを。地域を創る福祉のシゴト、先進モデル4選!

2016.06.22 

『まちづくり』というと、どんな仕事を思い浮かべますか?商店街の活性化、特産品を活かした商品づくり、古民家再生やリノベーション、地域おこし協力隊などの移住促進、景観を守る活動…。そうしたイメージを持つ人が多い気がします。

でも、福祉も『まちづくり』に繋がっています。それは、『まちのみんなの、ふつうの暮らしを支える』ということ。まちづくりは、若者だけで成り立つものではありません。おじいちゃん、お母さん、子どもも含めて、みんなが住みやすく、自分の地域に愛着を持てること。

そうしたまちづくりの根っこや多様性をどっしりと支えているのは、実は福祉なんです。 「うーん、大事なことはわかるけど…。でも福祉って、地味そうだし関わりづらいイメージ…」なんて思う人も多いかもしれません。けれど最近は、地域住民や行政とコラボレーションした、クリエイティブな取り組みが各地で生まれてきています。なかには、「映画をつくるように感性が問われる」と話すリーダーも。今回は、そんな先進的な地域福祉事例を創り出している、団体をまとめました。

1. 社会課題を解決し、より良い「地域」を創るチャレンジャーを募集! (社会福祉法人ゆうゆう)@北海道・当別町

社会福祉法人ゆうゆう 2003年、まだ大学4年生だった現在の理事長・大原裕介さんが、障がいのある子どもたちの保育サービスを立ち上げたのが、社会福祉法人ゆうゆうの始まり。それから13年、『子どもからお年寄りまで、障がいのあるなしに関わらず、あらゆる人が支えあえる地域づくり』を目指して、活動してきました。

「僕らの仕事は映画づくりに似ています。舞台はこの町で、俳優はここで暮らす人たち。みんながハッピーになれるようにストーリーを描き、舞台を整え、俳優さんに力を発揮してもらう。誰と誰をどんな舞台で結びつけるか。そこでどんな笑顔が生まれるか。映画もこの仕事も、感性が問われるクリエイティブな仕事です」

たとえば、ゆうゆうが取り組む共生型コミュニティ農園「ぺこぺこのはたけ」では、障がい者と高齢者や子どもたちが交流しながら野菜を作り、プロが調理してレストランで提供。働きがいをつくるだけではなく、地産地消で環境にも優しく、食育などにもつながる事業になっています。人と人を結びつけることで、新しい価値が生まれていくのも、地域福祉の面白さ。

全国からの視察も多く、今では町で1番多く新卒採用を行っている団体でもあり、『福祉がまちの産業になる』ということを実感できると思います。職員の平均年齢は20代後半という、フレンドリーな雰囲気の中で、あなたも働いてみませんか?

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2. コミュニティからイノベーションをおこすあたらしい仕事(社会福祉法人 福祉楽団) @千葉県・香取市

社会福祉法人 福祉楽団 福祉やソーシャルビジネスに関心がある人だったら、『恋する豚研究所』という名前を聞いたことがあるかもしれません。それをプロデュースしたのが、社会福祉法人福祉楽団。全国の作業所の全国平均賃金は月給1万円台なのですが、ここではデザイナーなどと商品のブランド力を磨き、障がいを持つスタッフに月10万円の賃金を支払うことができる事業を創り出しています。

「ここがどういう地域かじっくり見て、その地域の問題を解決していく。それが、みんなの不安が無くなり生活が良くなっていくことに繋がる。シャッター街となってしまった商店街や空き家の増加などは福祉と関係ないことではないし、みんなで一緒に考えていくべきことだと思っています」

まちの課題を自分たちだけで解決していくのではなく、建築・デザインなど違う業界とコラボしながら、価値を再発掘しているのも、福祉楽団の特徴の1つ。有名建築家が設計した解放感ある施設は、一見すると福祉施設には見えないデザイン。

地域住民も訪れやすく交流が生まれやすい設計になっており、見学者もたくさん訪れています。農業や経営を勉強してきた人など、福祉系以外の学生も積極的に採用しており、学校で福祉の勉強をしてこなかった人でも、きっと楽しく働けると思います。

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3. 楽しく笑いに満ちた”まち”をつくる挑戦者を募集! (特定非営利活動法人楽笑) @愛知県・三谷町

特定非営利活動法人楽笑 水産加工で有名な、愛知県蒲郡市・三谷町。300年以上続く三谷祭という伝統文化が残る、昔ながらの漁師町です。特定非営利活動法人楽笑(らくしょう)は、2007年からここで、まちづくり×福祉を実践してきています。理事長の小田泰久さんは、「障害を持った姪が地域でずっと暮らせるように」という想いから、施設の立ち上げを決めました。

「でも、地域の人たちの話をよくよく聞いてみたら、障がいをもつ人たちの働く場所だけでなく、地域のお母さんたちが働くような場所も、まちにはなかったんです。『障がい者のために』ではなくて、地域の課題全体を捉えないといけなかったんですね。なので、地域の人たちと障がいをもつ人が一緒に働けるような場所をつくろうと、8年前にオープンしたのが、パン工房の”八兵衛”です」

今は、パン工房だけでなく、地場産業を活かした干物屋や、子どもたちの居場所、創作芸術活動拠点などを展開中。従業員も40名ほどと大きい団体ではありませんが、密接に利用者さんや住民と関わっていける、小さな町だからこその楽しみがあります。地域にどっぷりと関わってみたい人に、おすすめの団体です。

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4. 地域をつくり、これからの社会をつくる「福祉」のクリエイターを募集! (社会福祉法人南高愛隣会) @長崎県・雲仙

社会福祉法人南高愛隣会 暮らしや働くことに限らず、障がいのある方の恋愛・結婚支援まで行っている福祉法人が、長崎。雲仙にあります。それが、「ふつうの場所でふつうの暮らしを」をテーマに掲げている、社会福祉法人南高愛隣会

「私たちは法律や制度を超えた新しい取り組みを実践することで、仕組みやシステムを整備し、制度へと繋げてきました。その一つが障がいや高齢によって社会の中で生き辛さを抱えている人たちが地域の中で生きていける仕組みです。現在は、罪を犯した方が社会の中で安心して暮らせる仕組みづくりや、精神障がいのある方が病院ではなく社会で生きていけるように医療と連携した体制整備などにも取り組んでいます。このような先進的な取り組みを行っているのは、全国的にみても珍しいのではないでしょうか」

行政や政治と密接にタッグを組んだ事業が、ここの特徴。特に、犯罪をおかした障がい者の更生や地域社会内訓練は全国でもトップランナーであり、厚生労働科学研究のモデル事業にもなっています。

今は『地域精神医療・福祉を担う21世紀を代表する法人になる』というビジョンを掲げて、500名超のスタッフで頑張っています。行政や他職種と連携しながら、新しい社会の仕組みや制度をつくることに関心がある人には、面白い職場だと思います。

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地域×福祉のプレーヤーが東京に集まる『FUKUSHI就職フェア』開催!

いかがでしたか? もちろんラクな仕事ではないですが、超高齢化社会を迎える中で、これからますます発展していく分野である福祉。生き方、亡くなり方、どう人生を楽しむか…福祉の仕事には、人間の本質に触れられる瞬間がきっとあるし、それってすごくクリエイティブ。

7月3日(日)には、今回の4団体をはじめ、地域×福祉のプレーヤーが東京に集まる、『FUKUSHI就職フェア』(詳細はこちら)が、六本木で行われます。2017新卒向けですが、福祉に興味がある学生の見学も可能とのこと。 就職フェアのプログラムの中にはスペシャルトークショーもあり、人口約2400人の離島である島根県の海士町(あまちょう)で、地域福祉をどうつくっているかや、新しい福祉の働き方についての話を聞くこともできます。

「まちづくりに関心があって、将来は地域で働いてみたい」「人が好き、人間の面白さに触れられる仕事がしたい」「おばあちゃんを手伝ったり、困っている人を支えるのが好き」…そんな人は、地域×福祉という働き方も、楽しいかもしれません。興味がある方は、ぜひ足を運んでみてください。 13467893_1015113105263291_1587835605_o

 

>>FUKUSHI就職フェア:http://fukushigoto.f2f.or.jp/fair201607/

>>スペシャルトークショー「地域で働き、地域で暮らす。新しい福祉の働き方」:https://www.facebook.com/events/267323163657485/

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田村 真菜

フリーランス/1988年生まれ、国際基督教大学卒。12歳まで義務教育を受けずに育ち、野宿での日本一周等を経験。311後にNPO法人ETIC.に参画し、「みちのく仕事」「DRIVE」の立ち上げや事務局を担当。2015年より独立、現在は狩猟・農山漁村関連のプロマネ兼ボディセラピスト。趣味は、鹿の解体や狩猟と、霊性・シャーマニズムの探究および実践。