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現地の外からできる「避難所カスタマーサポート」しませんか? 熊本地震ボランティア募集中!

2016.07.07 

東日本大震災での学びから生まれた、災害時に必要な支援を必要な場所へ届ける仕組み「新スマートサプライ」。現地で詳細に聞き取った必要物資などがインターネットに掲載されることで、遠方からでも細かなニーズに対応した支援が可能になる仕組みです。

このシステムは、防災・減災に関する優れた製品・サービス・システム・プログラムに贈られる「第2回グッド減災賞」の優秀賞を受賞しました。 現在、このシステムを運営する一般社団法人 Smart Survival Projectでは、熊本地震での支援のために全国各地でITボランティアを募集中です。この仕組みの生みの親、「一般社団法人ふんばろう支援基金」代表理事・西條剛央さんにお話をうかがいました。

「一般社団法人ふんばろう支援基金」代表理事・西條剛央さん

「一般社団法人ふんばろう支援基金」代表理事・西條剛央さん

— 新スマートサプライシステムはどういった仕組みなのでしょうか?

 

もともとは東日本大震災で、3,000か所以上の避難所、仮設住宅、自主避難宅エリアでのニーズをサポートするために作った「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の物資支援の仕組みだったんです。それを発展させて、災害時に必要なところに必要な支援を提供できるシステムを作りました。

いまの熊本では物資支援のニーズは収束してきているので、学校が休みで教育を受けられない子どもたちに対する支援だったり、ボランティアの増員だったりが求められています。この新スマートサプライシステムは、物資支援にとどまらずこういった細かなニーズに対応できるのが特徴です。言ってみれば、「避難所支援の管理ツール」のようなものですね。 現地にいくだけが支援じゃないですし、このシステムでは、協力企業さんのおかげで、振り込まれたお金は全額支援対象に使われるため、遠方からも効果的に支援することが可能です。 物資支援に関して言えば、

  1. 直送する 「ダイレクトサプライ」
  2. Amazonの欲しいものリストを効果的に活用する 「Amazonサプライ」
  3. 現地購入する「ローカルサプライ」
  4. クレジットカードで現地で活動する団体やプロジェクトの活動実費を支援する「スマートファンド」

の4種類があり、ご自分の興味や関心、可能な支援方法を選んで支援ができます。 西條さん ただ、どんな仕組みでも被災して大変な人たちに新しく覚えてもらうのは負担になるので、前線で活動するチームと後方支援のITボランティアが連携し、サポートするというのが重要です。現地の人と電話やFAXでコミュニケーションをとって、詳細なニーズを汲み取り、必要とされている支援情報を細かく登録していくのです。

今回、そういった相手の潜在的なニーズまでも汲み取っていけるような、コミュニケーションを丁寧に重ねていけるボランティアの方を募集したいと思っています。現在お住いの地域で、基本的にはパソコンと電話があればできる仕事です。

 

— ボランティアとして仲間になったら、まずどんな仕事にとりかかるのでしょうか?

 

現在はマニュアルも完備されており、ブログを作れるぐらいのITスキルさえあれば、いじっているうちに作れるようになります。分からない部分は直接担当者に確認してもらって、一通り操作ができるようになったらいずれかのスマートサプライを活用している団体のサポートに入り、現地の方とのコミュニケーションをはじめてもらうイメージですね。

一つの避難所に何人か関わって、チームで動いていく感じです。担当時間帯はチーム内で調整するようになります。 たとえば熊本出身で、何か力になりたいけれど故郷から離れた場所で働いているという人たちも、力を発揮してもらえる一つの方法なのではと思っています。 SmartSupply-logo — 参加する条件などはありますか?

 

先ほども言いましたが、基本的にはパソコン操作が中心なので、ブログを更新できる程度のIT能力や、領収書の明細をしっかり管理できる事務処理能力が必要とされます。稼働可能な時間帯は、日中であれば助かりますが夜間の場合でもまずは相談していただければと。 あと最も重要なこととして、心身ともに健康であることでしょうか。

現地の方とは直接会わずに文章や電話でのコミュニケーションが中心になってくるので、直接会って信頼関係を築くのとはまた違った細かい配慮が必要とされてきます。そのためには、まず自分自身が健康で他者に配慮できることが大前提なのかなと。また経済的にも最低限の余裕はないとボランティアを続けるのは難しくなる、ということもあるかもしれません。

 

— 東日本大震災での学びから引き継いでいきたいことはありますか?

 

この仕組み自体がそうですよね。各避難所が何をどれだけ必要としているのかの情報が出ていないため、効率的に支援が行き渡っていない現状がある。新スマートサプライはそういった現場の情報を整理するシステムなので、被災した方に支援を届けやすくする役割を担っていけます。

各避難所が必要な支援を現地にいない人でも確認できるインターネット上に掲載して、それを見た支援者が直接その場所に必要なものを届けられることが一番の対応策です。たとえば一度倉庫に物資を送ってしまうと、交通が滞って必要な場所に届かなくなる場合がありますから。あとはノウハウを引き継いで、システム運用の質を担保していくことでしょうか。 支援状況はこのように表示される(スマートサバイバープロジェクトHPより)

支援状況はこのように表示される(スマートサバイバープロジェクトHPより)

支援状況はこのように表示される(スマートサバイバープロジェクトHPより)

— 今回ボランティアをした場合、その経験は今後の災害時にどう役立てていけそうでしょうか?

 

こういったものは仕組みだけあってもしょうがなくて、経験が必要です。今回に限りませんが、実際に支援活動をした経験は、もし今後自分の地元で何かあった場合にも活かされるものだと思います。

いま、東日本大震災のときと同じことが繰り返されているんですよね。この熊本地震で向き合っているのは、一地域の震災支援を超えたところにあるものだと思っています。日本は、災害への対処としてハード面は強化してきたけれど、ソフト面はまだ弱い。近代化してからの日本、それこそ僕らが小さいころには震度6なんて滅多なことでは起こらなかったけれど、現在では時代が変わってしまって、巨大地震が常態化しています。

これまでの状況だったら上から物資を配給していく仕組みで対応できたけれど、変わった状況に合わせて新しいモデルを作らないといけない。 スマートサプライシステムを運営しているスマートサバイバープロジェクトでは、熊本地震が起こる前からこのシステムを全国の自治体に平時実装してもらうことを目指して活動していて、いざとなったらこのシステムを日本のすべての自治体が立ち上げる仕組みになれば、混乱が起きずにスムーズに支援できるのではと思っています。

 

--------- 現在、スマートサバイバープロジェクトではボランティアを募集しています!詳細はこちらから。

スマートサバイバープロジェクト・ ボランティア募集

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桐田理恵

1986年生まれ。学術書出版社にて企画・編集職の経験を経てから、2015年よりDRIVE編集部の担当としてNPO法人ETIC.に参画。2018年よりフリーランス、また「ローカルベンチャーラボ」プログラム広報。

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