TOP > ワークスタイル > 世界中の仲間たちと創る柔軟なコミュニケーションで、社会を動かす。国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの働く現場に密着

#ワークスタイル

世界中の仲間たちと創る柔軟なコミュニケーションで、社会を動かす。国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの働く現場に密着

2019.11.28 

DRIVE職場見学Vol10

猛暑や台風などの異常気象、使い捨てプラスチックのごみ問題など、日本だけでなく世界を取り巻く地球環境について、今、どんな問題があるかご存じでしょうか。それはなぜ起こっているのか、どうすれば解決していけるのか。

 

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの公式webサイトをのぞくと、今、特に注目すべき問題について、その現状や自分にできることなどがわかりやすいかたちで発信されています。

 

グリーンピースは、市民の立場で各国の政府や企業へ働きかけるなどして、地球環境の未来を変えるためのキャンペーン活動を世界規模で展開する団体です。

 

本部は、オランダのアムステルダムにあり、世界55以上の国と地域で活動。これまでに核実験の中止や製紙会社による自然林の伐採停止など数々の成果を上げてきました。

 

グリーンピース・ジャパンは、日本での活動を本格化させるために1989年に設立されました。グローバルに連携しながら、常に世界と日本の環境問題に向き合っているグリーンピース・ジャパン。この度、新宿区にある事務所におじゃまして、実際、どんなふうに働きながら環境をよくしていくための活動をしているのか、取材しました。

IMG_8447

「グリーンピースの活動の意味を、もっと多くの人に知ってもらいたい」と思って転職

お話をうかがったのは、広報チームの城野千里(じょうの・ちさと)さん。主に国内外の新聞社やテレビ局、出版社などのマスコミ対応、プレスリリースの発行などを担当されています。

cjono

城野さんがグリーンピース・ジャパンに入職したのは約4年前。CSRコンサルティング企業からの転職でした。前職では企業に対して環境社会活動の助言をしたり、広報のアドバイスをしたりしていたそうです。

 

「もともと環境問題や社会問題に関心があったのでその仕事に就きました。NGOやNPOと企業とをつなげるような働きも担う仕事だったのですが、その中で、たまたま縁があってグリーンピース・ジャパンの前の事務局長の講演を聞く機会があり、とても良い団体だなと感動したのを覚えています。

というのも、グリーンピースはNGOの中でも、政府や企業からの資金援助を受けず、だからこそ非常にとんがった、本質的な働きかけをしている。その結果、世界でも日本でも今ではそれが当たり前になっているような、いろいろな成果を上げてきているんですね。とてもかっこいいなと思いました。自分も知らなかったこのグリーンピースの良さや活動の意味を、より多くの人に知ってもらいたい、その中心となる広報の仕事に携わりたいと思いました」

 

なんと、グリーンピースの資金源は、100%個人からの寄付で成り立っているとのこと。ドナー(寄付者)の数は、世界で300万人。これにより、グリーンピースは企業や政府に忖度することなく、自らの信念に従って活動することができるのだそうです。

 

また、グリーンピースの事務所が世界55以上の国と地域にあることも、転職を決めた理由の一つ。スタッフ数は国内外で2,500人を超えます。外資系企業で働いた経験がある城野さん、「国際的な環境で働くことが好きだなと思っていたんです」と話します。

国際的な環境での広報の仕事とは? 1日のスケジュール

グリーンピース・ジャパンに入職してから、「とても楽しいです」と話す城野さんに、ある日の仕事のスケジュールを教えていただきました。

 

城野様1日のスケジュール

まず朝は、通勤時間を利用しながら、メールやニュースのチェックを行います。特にニュースのチェックは、「広報担当として最新ニュースを把握しておくことを前提に仕事をしています」とのことで、毎朝決まった時間に関連するすべてのニュースが入るようにして目を通し、その後も随時チェックしています。出社はだいたい10時ごろ。朝のお茶を飲みながら、引き続きメールやニュースのチェックを続けます。

 

「英語のニュースが日本語のニュースにもなっているか、グリーンピース が取り上げられている記事があるかなどもチェック。自分たちの活動に関連あるものや役立つものを、他のメンバーにシェアします。その後、10時半からの広報チームミーティングでもう1人の広報担当者と2人で、多いときは3、4人で、その日一日の仕事や業務の進捗の確認、問い合わせ対応の確認などを行います。場合によってはその日リリースを出すといった緊急対応を話すこともあります」

 

その後、11時からは国内のスタッフとのミーティング、13時からはランチでした。勤務時間はフレックスタイム制なので、昼食時間は固定ではなく、自由に決められるとのことです。

 

午後には海外のスタッフとの意見交換ミーティングがありました。海外のスタッフとやり取りする場合は、TV会議やチャット、メールなどでコミュニケーションを取るそうです。なお、週に一日は在宅勤務も可能です。

 

イベントを主催することも多いグリーンピース・ジャパン。この日は記者会見や、専門家を招いての勉強会の準備が入っていました。イベントの目的によっては、他のNGOなどと共同で企画、運営することも多いとか。

 

グリーンピースの広報自体は24時間体制で対応をしています。本部直轄の広報チームが、アジア太平洋、アメリカ、欧州の3つの地域にそれぞれあり、8時間ごとに3交代制をとって、世界のどこからでもマスコミの問い合わせに答えられるようにしているそうです。日本事務所は、香港にあるアジア太平洋地域を管轄する広報チームと緊密に情報交換、協働しています。国の枠を越えて、マスコミとの関係性を丁寧に築いているそうです。

世界中のスタッフと成長し合い、支え合う体制

各国に同僚がいて、日々、協力し合う。このことは、世界規模の環境問題を解決しているグリーンピースの大きな特徴といえそうですが、城野さんはこう話します。

 

「グリーンピース・ジャパンには現在、37名の職員がいますが、国内だけではなく、海外のスタッフとの交流が多くて、距離感がとても近いんです。海外出張に行くこともあるし、海外から同僚が来ていることもあります。また世界中の同僚とオンラインでつながり、気軽にやり取りできる環境があります。いろいろな国際NGOの方とやりとりさせていただいていますが、ここまで国内外関係なくスタッフとコミュニケ―ションが取れる団体も珍しいのではないでしょうか」

 

スタッフのことを、「みんな、とてもサポーティブなんです」と表現する城野さん。グリーンピース本部や各国事務所のエキスパートが、それぞれのプロジェクトについて国際的な知見を生かしながら細やかにアドバイスをするなど、連携体制がとてもしっかりとしているのだそうです。

 

「私が入職して一番驚いたことかもしれません」と城野さんは話します。

 

そうした深いつながりを感じさせる連携体制は、事務所同士だけではなく、スタッフの間でも見られるのだそう。業務をサポートし合うのはもちろん、お互いがやりたいと思ったことはどんどんチャレンジできるよう支え合う、そういった雰囲気がグリーンピース・ジャパンの中で広がっているようです。

IMG_8450

「スタッフ同士の交流の機会が多いことも含めて、人材育成にとてもお金と時間とリソースをかけている団体だと思います」と話す城野さん。

 

続いて、研修制度のことをお聞きしました。

 

「グリーンピースでは、『スキルシェア』と呼ばれる研修が年に1回程度行われます。世界各国の広報担当者が集まって、スキルや知識をシェアし合うものです。また、グリーンピース・ジャパンの中での研修としては、『インダクション』といって、新しい方が入られると、石炭問題や原発問題、プラスチック問題など各プロジェクトの担当者やファンドレイジング部、IT部、組織部などの担当者がそれぞれ個別にオリエンテーションをしてくれます」

 

そのほかにも、ストーリーテリング研修やマインドセット研修などのコミュニケーション研修、アンチハランスメント研修、さらに外部研修も積極的に行っているそうです。

 

「業務時間内に受けられる無料の英語レッスンも週に1回あります。入職時に、『英語が苦手』と言っていたスタッフも随分と上達したんですよ」

スタッフのMYアクション 自分が出来る一歩を書いて張り出している

スタッフのMYアクション。自分ができる一歩を書いて張り出している

 

より良い社会への思いにあふれた職場で働けることがうれしい

最後に、城野さんが感じるグリーンピース・ジャパンでの仕事のやりがいについて、また入職を考えている方に向けて言葉をいただきました。

 

「グリーンピースは、地球環境問題や平和な社会のために何かをしたいと願い、行動する本当にピュアな団体だと思います。財源は個人の方からの寄付のみというスタイルを貫いていることも、大きなNGO団体では珍しいのではないでしょうか。まずそのことを誇りに思いますし、豊かな自然環境やよりハッピーな社会のために、真摯に行動している仲間に囲まれて仕事ができることがすごくうれしいです。

また、グリーンピースには、一つひとつの環境問題に対して、エキスパートとして長く深く追い続けている『キャンペーナー』という役職の人たちがいます。その人たちを中心にキャンペーンと呼ばれるプロジェクトが企画・運営されていくのですが、広報担当者は、キャンペーナーと非常に近い関係性で、各部署と協力しながら動く立場にあります。環境保護活動のコアで仕事ができますし、とてもやりがいを感じています。

多様な仲間たちと大きな活動を形にしているグリーンピース・ジャパンではいつもいろいろなことが起こります。だからその分、すごく刺激的です。国際的な環境でお仕事をしたい、経験を活かしたいという方にはぜひ挑戦していただきたいです」

城野様1

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンで働きたい人、募集中!

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンでは、今、広報チームで働く仲間を募集しています。城野さんと一緒に、グローバルな関係性のなかで、世界を取り巻く環境問題を一つひとつ解決へと導く仕事をしていきませんか。

 


 

<国際環境NGOグリーンピース・ジャパン求人概要>

 

募集ポジション

広報担当

雇用形態

正職員

※2年間は契約職員です。3年目から業績をみて無期正職員へ移行します。

給与

月給240,000~340,000円(固定残業代含む)

勤務地

東京都新宿区西新宿8-13-11 NFビル2F

※転勤はありません。

求められる資質・スキル等

・日英両言語での読み書き・会話が堪能な方(日本語ネイティブスピーカー、英語ビジネスレベル)

・人と話すことが好きで、フットワークが軽く、多様性や変化に柔軟に対応できる方

・NGOで働くことへの関心、熱意がある方

 

「国際環境NGOグリーンピース・ジャパン」の募集要項の詳細はこちら!

この記事を書いたユーザー
DRIVE by ETIC.

DRIVE by ETIC.

DRIVEメディア編集部です。未来の兆しを示すアイデア・トレンドや起業家のインタビューなど、これからを創る人たちを後押しする記事を発信しています。 運営:NPO法人ETIC. ( https://www.etic.or.jp/ )

Events!DRIVEオススメのイベント情報

イベント

福島県/双葉町産業交流センター(F-BICC)

2024/03/23(土)

イベント

長野県/テラスグランツ 2階JUJU(長野市妻科88番地)

2024/03/16(土)

セミナー・講演会

東京都/東京国際フォーラム (東京都千代田区丸の内3丁目5-1)

2024/02/21(水)?2024/02/22(木)

セミナー・講演会

東京都/国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟

2024/03/20(水)

HOT POSTS!
アクセスが多い人気記事をピックアップ!