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震災から5年。新しくつくる、ふくしまの未来

2016.03.19 

2011年3月11日の東日本大震災から5年。ふくしまの現在とこれからを、そこに集う人たちの姿からお届けします! 福島の桜

全国から若者が集う場に。ふくしまのいま

まず福島県の現状の説明を少し。福島県(以下、県)の人口は、県公表、約192万4千人(2015年12月)で、2011年東日本大震災に伴う津波・原発事故の避難者は、県外に4万3497人(2015年12月)、県内に5万6449人(2016年1月)。県内・県外合計で避難者数は9万9946人、県人口の約5%が避難者となります。原発事故に伴う避難指示区域は、9市町村にまたがっています。

避難指示区域の概念図_2015年9月5日時点(県公表)

避難指示区域の概念図_2015年9月5日時点(県公表)

東日本大震災以降、たくさんの地域からふくしまに人が移り住み、それぞれの役目を持って活躍しています。コミュニティの再構築のために力を尽くしている「復興支援員」は、2014年度、福島県内外で110名の方が活動しました(総務省公表)。

かくいう筆者元岡は、2013年4月にNPO法人ETIC.による被災地支援のための「右腕プロジェクト」でふくしま連携復興センターの「右腕」として福島県にIターンし、任期終了後もふくしま連携復興センターへ居残り、NPO法人3.11被災者を支援するいわき連絡協議会(愛称:みんぷく)という団体に2014年9月から半年間出向し、福島県より受託した「復興公営住宅」のコミュニティ形成を支援する「コミュニティ交流員」として立ち上げを行い、出向復帰後2015年6月より復興支援専門員として、福島県の復興支援員・地域おこし協力隊のバックサポートを担当しています。

文が長くて読みにくいですね…。皆さんお気づきのように、私は「員」マニアです(笑)。

福島県の復興NPOの仲間たちと開催した「福島オールスター百貨店」関係者集合写真

福島県の復興NPOの仲間たちと開催した「福島オールスター百貨店」関係者集合写真

求められているのは、ともに「これからを創り出す」若者

前振りが長くなりましたが、ここからが本題です!

私が員マニアとして、ふくしまをうろうろして見えてきた、ふくしまがこれから求める若者のあり方について、みなさんにこっそりお伝えしたいと思います。

県内の避難区域の解除が進むなか、いまだ復旧・復興フェーズにある地域があり、これまで活躍してきた、復興の仕組みづくり・合意形成・見守り・避難者のコミュニティの再構築のニーズは、まだまだあると感じています。

特に、復興の仕組みづくり・合意形成を行う復興支援員や、避難者の方々と寄り添い続ける生活支援相談員、復興公営住宅でコミュニティ形成支援を行うコミュニティ交流員の方たちは、ふくしまの復興を考えるうえで重要な存在です。しかし同時に、復旧・復興フェーズから一歩進み、新しい地域を育む創生(地域づくり)フェーズに入っている地域も出てきました。 そこで新たに求められているのが、ふくしまの未来を考え、これからの地域のあり方を創り出す人たちです。

県市町村単位、もしくはもっと細かいレベルで地域に根づき、地域のプレイヤーでありアントレプレナー(起業家)となって、仕事をつくり地域の内と外をつなげて、ボトムアップ型に新たなふくしまを描いていくのです。

「地域に住む人々と一緒に汗をかき、ときには泥をかぶったりして苦しみや楽しみを共有しながら、"地域をよくする何か"を創り出していく」ことで、「復興支援」から次のステップへの変換が行われるのではないでしょうか。 しかしながら、ここで忘れてはいけないのが、ふくしまは復旧・復興の過程にあるということ。

ふくしまでは、県内だけでもいまだ5万6千人の避難者の方々がいて、復旧・復興を願う方々がまだまだたくさんいらっしゃいます。コミュニティ交流員時代に避難者の方々とじっくりお話していて感じたことは、各個人の復興への感覚はそれぞれ違い、個人・地域から求められることは多様で、どなたの言うことも頷ける内容でした。

仮設住宅・借上げ住宅にお住まいの方々、復興公営住宅にお住まいの方々、避難元の地域に戻った方々、避難を選択せずずっと地域に住み続ける方々…本当に今ふくしまにいる方々は様々です。だから、(県外でも言えることかもしれませんが)ただ自分がやりたいことをやるのではなく、地域に寄り添ってチャレンジするプレイヤー・アントレプレナーでなければならないと思います。

田村市復興応援隊の活動写真_住民・応援隊協働農園での作業中の様子

田村市復興応援隊の活動写真_住民・応援隊協働農園での作業中の様子

例としては、県・市内外部の若者が地域に根づいて活動している田村市復興応援隊が挙げられます。結成当初の避難住民宅の戸別訪問からはじまり、避難指示が解除された都路地区がある田村市で、住民に寄り添いながら地域づくりを実践されています。

最近の活動として、住民と応援隊が一緒に地域づくりの先進地域へ視察し、住民さんと応援隊が同じ目線で「地域」を考えられるように寄り添う一方、田村的グリーンツーリズム 田舎生活のおすそわけ「グリーンSUGOS」という新しいチャレンジに取り組み、県内外の方々の受入を行っています。

また、一過性の活動でなく、継続的な活動にするため、中間支援組織のようなかたちでの応援隊法人化を検討されています(田村市復興応援隊は、現在郡山市のNPO法人コースターが田村市より事業委託を受け、活動中)。

皆さま、ふくしまでお待ちしてまーす!

最後に、これからふくしまで活躍する皆さまに向けて、当団体(ふくしま連携復興センター)の事務局長 山﨑よりメッセージです!

復旧・復興・創生のフェーズが混在し、課題が複雑化・多様化するこれからの福島に求められているのは、福島でチャレンジしたい、福島で成長したい、というあなたの志です。10年後、『あの福島で活躍した人財が日本社会を担うトップリーダーとして活躍している』なんて素敵じゃありませんか?たくさんのチャレンジと可能性、そして共に未来を創る多くの仲間たちが、あなたを待っています!

長文お付き合いいただき、ありがとうございました。では、ふくしまでお待ちしてまーす!  

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3.11地域おこし協力隊東日本大震災
この記事を書いたユーザー
元岡 悠太

元岡 悠太

1988年9月30日東京都練馬区生まれ。大学で観光まちづくりを学び、卒業後Webマーケティング企業でメディアコンサルティング業務に従事。2013年4月よりNPO法人ETIC.の右腕派遣プログラムを活用し福島県にIターン。2015年6月より福島県復興支援専門員(ふくしま復興応援隊)として活動中。 ふくしま復興応援隊Webサイト http://fukushimafukkououentai.jp/ ふくしま連携復興センターWebサイト http://f-renpuku.org/

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