2013年、2014年と紹介してきたアメリカ・イギリスの文系※人気就職先ランキング。2016年のトレンドを調べてみました。元データはUNIVERSUMから。 ※文系=人文・教養・教育系専攻。
例年通りTeach for Americaがランクインするアメリカ
さっそくアメリカのランキングをみてみましょう。広い意味での非営利組織として国連(UN)、FBI、CIA、行政などが並びます。
そのなかにまぎれて国際NGOであるPeace Corp、そしてNPOであるTeach for Americaがランクイン。2015年との変動はほぼありません。
アメリカの文系人気就職先ランキング2016(UNIVERSUM)
2016 | Employer | 2015 |
---|---|---|
1 | Walt Disney Company | 1 |
2 | United Nations | 2 |
3 | National Geographic | 5 |
4 | 3 | |
5 | FBI | 4 |
6 | Peace Corps | 6 |
7 | U.S. Department of State | 7 |
8 | Teach for America | 8 |
9 | Central Intelligence Agency | 9 |
10 | Apple | 10 |
イギリスでもTeach for all ネットワークのTeach Firstがランクイン
一方イギリスでは、トップ4のうち3社がメディアを占める(1,2位は公共放送)なか、Googleが3位に食い込んでいます。
そして6位には国際NGOであるオックスファム、8位にはTeach for Americaの英国版ともいえるTeach Firstがランクイン。アメリカ同様、一年前との変動はほとんどなし。
イギリスの文系人気就職先ランキング2016(UNIVERSUM)
2016 | Employer | 2015 |
---|---|---|
1 | BBC | 1 |
2 | Channel | 2 |
3 | 3 | |
4 | ITV | 4 |
5 | Civil Service | 5 |
6 | Oxfam | 6 |
7 | British Council | 8 |
8 | Teach First | 7 |
9 | NHS | 9 |
10 | Apple | 10 |
日本の「文系就職先ランキング」の結果は?
この人気就職先ランキング、アメリカとイギリスしかご紹介できないのは「文系」カテゴリで集計されているのがこの2つの国しかないからです。
他の国は「理系」と「ビジネス」のみの分類なので、なかなかNGOやNPOはランクインしてきません。 と思って色々調べてみると、日本でもなぜか2013年だけ「文系」のランキングが発表されていました。それが以下のランキングです。
日本の文系人気就職先ランキング2016(UNIVERSUM)
2013 | Employer |
---|---|
1 | ベネッセコーポレーション |
2 | Apple |
3 | 全日本空輸(ANA) |
4 | UNIQLO |
5 | オリエンタルランド |
6 | 三菱商事 |
7 | 国際協力機構(JICA) |
8 | 資生堂 |
9 | 日本航空(JAL) |
10 | サントリー |
ソーシャルなキャリア、という意味では注目すべきはJICA(国際協力機構)でしょうか。「日本ではNGO/NPOがキャリアとして選ばれない・・」と言われるわけですが、国際NGOやNPOではないものの、国際協力を目指す非営利組織はしっかりランクインしていました。
一方通行感を払拭できるかが、ソーシャルな就職先が広まる上での課題
アメリカ・イギリス・日本のランキングからの示唆のひとつは、「ソーシャルな就職先」が一般的になるには、「入ったら出てこれない(=ビジネスセクターに参画しにくい)」という、キャリアの一方通行感をなくすことが必要だということです。
英米で評価が高いTeach for Allネットワークは、期間を区切って教師として学校に赴任することが前提です。かつ「あのTeach for Americaを体験した人材なら優秀に違いない」という評判、つまりキャリア上のプラスになるメリットがあります。だから大学生が選ぶのだ、というつもりは全くありませんが、未知の領域に飛び込む際に、不安を減らす効果はあるのではないでしょうか。
現状日本においては、それに最も近いのは大学生時点でのインターンシップでしょうが、就職先としても多様なキャリアを選べる仕組みが続々と出てくることを期待したいと思います。
あわせて読みたいオススメの記事
#ワールドウォッチ
「SDGs」って何?企業・大学・NPO…様々なプレイヤーが活用していくために知っておきたいこと
#ワールドウォッチ
#ワールドウォッチ
#ワールドウォッチ
世界の先進的な組織は、複雑な社会課題をどう解決してるのか? セクターを越えて、社会課題の本質的な解決への道を探究する2つのイベント
#ワールドウォッチ