ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ・インターナショナル(Social Venture Partners International, 以下SVPI)代表理事のランス・フォース氏(Lance Fors)によるプレゼンテーションの抄訳です。
本プレゼンテーションの対象は、ビジネススキルと資金によって社会起業家を支援するSVPのパートナー(支援者)です。そのため内容がやや専門的ですが、今後NPO/ソーシャルセクターがどう社会的価値を増していくかを考える上で、現在働いている人・転職を考える人の双方にとって、示唆深いものとなっています。
元の文章は、こちら(SVPIサイトへのリンク)から。また、スピーチの音声(61分)も公開されているので、深く研究したいという方はリンク先の最下部をご参照ください。 また、文中でふれられているコレクティブ・アクションについては、こちらの記事(Collective Impact | Stanford Social Innovation Review)において詳しく紹介されています。
SVPIの代表理事であるランス・フォース氏(Lance Fors)は、「オーディシャス・フィランソロピー」の基調講演において、ソーシャル・セクターを変えつつある、3つのメガトレンドについて語りました。
15年前、社会課題を解決する「ベンチャー・フィランソロピー(金融資本に時間と人材を組合せた支援)」というモデルが生まれました。以降、2つのベンチャー・フィランソロピーモデルが出現しました。 ひとつは、投資家から資本を集め、国際的・国家的・地域視点を持ち、高いエンゲージメントを持ったスタッフを抱えるモデルです。
この例としては、ニュー・プロフィット(New Profit)、ベンチャー・フィランソロピー・パートナーズ(Venture Philanthropy Partners)、ニュースクールズ・ベンチャーファンド(New Schools Venture Fund)等が挙げられます。 もうひとつは、問題意識をもち、成功をおさめた市民が、それぞれの地域社会をよりよくしていくために、資金や時間、スキルを持ち寄って支援するという、SVPの草の根モデルです。
結果として私たちは、市民社会のインフラとして欠かすことのできない、地域コミュニティをよくしていくためのハブとなる場を創造しています。 そして、次の15年を見据えた時、ソーシャル・セクターを変えていく3つのメガトレンドがあると思います。
まず、NPOは個人プレーからチーム・スポーツへと進化していくでしょう。ロックスターのようなCEOが個人的なリーダーシップを発揮するモデルがこれからも残っていく一方で、理事会やスタッフ、ボランティアによるチームという視点を持って組織を開発・発展させていくことが、より注目されるようになります。こういった変化は、SVPパートナーの新しい活躍の機会を広げます。パートナーには、コーチや理事、そして仮想的なチームメンバーとしての役割が求められるようになるでしょう。
次に、組織レベルからより高いシステムレベルへと、視点が進化します。このことは、SVPのパートナーにとっては、より深く、広く、持続的なインパクトを達成するためのコラボレーションやコレクティブ・アクションを推進する機会となるでしょう。
最後に、慈善活動から、インパクトをベースとした視点への進化が挙げられます。このことは、私たちが関わる投資家から、より深く、そして持続的なコミットメントを引き出す上で大切です。こういったトレンドを把握した上で、SVPのネットワークが保有する人・資金・知恵といった資本の配分方法を見直すことが必要となるでしょう。
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