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#スタートアップ

「ゲームの力をずっと夢見てきた」400字から世界を変えるスタートアップ ビジネスコンテストTOKYO STARTUP GATEWAY ファイナリスト10名が語った「TSGって何?」(後編)

2025.06.24 

400字から世界を変えるスタートアップ ビジネスコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY (以下、TSG)」。12回目となる今年は、2025年11月下旬に都内で決勝大会を開催予定。400字でのエントリーは7月6日(日)締切りと、すでに走り出しています。

 

今年のスローガンは、

LAST ONE DREAMING - その夢を、信じ抜け。

 

今記事では、前編に続き、過去最高のエントリー数3,317名を記録した昨年のTOKYO STARTUP GATEWAY2024をピックアップ。12月1日に開催された決勝大会に臨んだファイナリスト10名の声を、2本の連載記事としてご紹介します。

 

「自分にとってすごく心強いコミュニティに」外所祐香さん

外所 祐香(とどころ ゆか)さん

「生成AIと人の繋がりで、自己実現を習慣化するパーソナルアシスタント“ikigAI”」

 

<事業内容>

好きなことに、まっすぐ進む。自己実現は、緊急性はなくても人生軸で捉えたら重要なこと。あなたの「生きがい」の発見と習慣化を徹底的にサポート。ASI時代に、一人ひとりが自分らしく生きられる世界を目指す。

 

<プロフィール>

立命館大学卒、未来人材賞。ソフトバンク入社、新卒でSoftbankAcademia選抜。 生成AIマーケティングリーダーで表彰、スタートアップ誘致実績No1。 経済産業省始動、JStarXインド派遣、ikigAI株式会社設立。

 

 

「TSGでは、自分の事業を初めて大勢の人に知ってもらえる場となり、私にとって、これからの起業家人生で一番大きな糧になりました。先輩起業家さんたちから事業のフィードバックをいただけたり、私がこれから経験するであろうことを教えていただけたり。仲間とも支え合えるすごく心強いコミュニティを見つけることができたと思っています」

 

決勝大会の出場後、外所さんは、「優秀賞」を受賞しました。ステージに上がったときは悔しさをにじませた表情でしたが、最後には、はじけるような笑顔を見せてくれました。

 

 

「(最優秀賞を受賞できなくて)悔しさで涙があふれちゃったんですけど……。ただ、選ばれたポイントとして審査員長の方が言ってくださったように、自分の原体験をもとに挑戦して良かったのかなと思っています」

 

「やりたいことをしっかりとやろうと改めて思えた」勝俣敬寛さん

勝俣 敬寛(かつまた たかひろ)さん

「超高齢化社会の医療人材不足をAIを用いた医療教育改革で解決する」

 

<事業内容>

高齢化社会では複数の病気に同時に向き合える人材の育成が必要。最新の知見やエビデンスを直接経験できる形に作り変え、多くの親世代をしっかり診察できる医療者の育成を実現。

 

<プロフィール>

東大医学部卒、東大医学系大学院機能生物学専攻中退、東京医療センター総合内科。高齢化社会における人材育成の必要性を現場で実感し、院内の若手医師教育アプリの開発をきっかけに、新しい臨床医学教育に取り組む。

 

 

「自分より上の世代も下の世代もいて、それぞれ考え方も感性も大きく異なる。そんな発見ができたことは自分にとって大きかったです。また、いろいろな気づきの中で、自分のやりたいことをしっかりとやろうと改めて思えたことが自分にとって一番良かった」

 

「自分の夢を語ることからスタートできた」今井善太郎さん

今井 善太郎(いまい ぜんたろう)さん

『ゲーミフィケーションで偽情報に対抗「Ray’s Blog – レイのブログ」』

 

<事業内容>

「レイのブログ」はメディアリテラシーのプログラム。2023年4月のローンチ以来、世界6カ国で6000名以上の体験を実現。世界中で課題となる誤情報やデマに対する新しいアプローチを提案する。

 

<プロフィール>

慶應義塾大学総合政策学部。中学卒業後カナダにわたり19歳まで過ごす。現地小学校でのインターンを通じ教育に興味を持ち、2023年に大学の研究室の仲間とClassroom Adventureを立ち上げる。

 

 

「TSGは、400字からエントリーできることはもちろん大きな特徴ですが、ここでは、それまでの実績を特に求められず、いま得意なことで進むことができます。まずは自分の夢を語ることからスタートできることがTSGのすごく良いところだと思います。経営や事業作りの経緯など、自分自身、まだ知らないことは多いですが、東京都と組んでいろいろ支援いただけたことで不安が大きく減りました」

 

今井さんは、こんなふうに語り、決勝大会に出場した後、見事に2024年のTSGで最優秀賞を受賞。会社の仲間と一緒に受賞した今井さんは、終始、満面の笑みが絶えませんでした。

 

 

「めちゃくちゃうれしいです。昨日までチームメンバーから超スパルタで指導を受けていたのですが、やっとみんなの笑顔を見ることができてほっとしています(笑)。自分たちの会社を始めたのが2024年10月で、それまではずっと学生の遊びみたいなことをやっていたけれど、こんなふうに認めてくださる方がいることが分かって、いまは『ちゃんと事業を続けたい』と、すごく強く思っています」

 

「ビジョンの解像度を上げる大きなきっかけに」北川あみさん

北川 あみ(きたがわ あみ)さん

「質の高い医療者を育成!AIシミュレーターで自宅で医療現場を体験・学習。」

 

<事業内容>

ビジョンは、AIシミュレーター開発会社と医療者教育機関を繋ぐネットワークの創出とサービスの提供。AIシミュレーターにより研修生や学生が自宅など院外でリアルに訓練・学習できる環境を実現する。

 

<プロフィール>

医師。日本医学教育学会所属。米国の医学教育プログラムにおけるAIシミュレーションビデオの導入プロジェクトチームを主導中。医学生・若手医師の教育経験も活かしつつ、質の高い医療者育成環境作りを目指す。

 

 

「実を言うと、最初はビジョン自体がとてもぼんやりとした状態だったんです。でも、どんなビジョンを実現したいのか、そのためにどんなビジネスモデルを形にしていくかなど、解像度を具体的に上げていくステップを踏むことができました。すごく勉強になりました」

 

「最も勉強になったのは、モチベーションの作り方です」折井茜さん

折井 茜(おりい あかね)さん

「農産物の廃棄等を利用した香りによる空間演出・ブランディング」

 

<事業内容>

地産地香(ちさんちこう)を掲げ、地域で発生する農作物・果実等の廃棄物より香りを抽出。それらを活用した香りの調香(製作)から販売まで一気通貫で事業を行っている。地域の特色となる果実や植物等の香りを分析し、その背景や生息する地域の歴史を加味し、それを模した香りを調香デザインしている。

 

<プロフィール>

フレグランスプランナー/グリーンフレグランス創香手法認定講師。鉄道会社の事業開発部門で駅ビルの開発・運営を行う。CS・ES事業、営業管理、イベント企画等を担当。香水業界へと転身し、販売マネジメント、ブランドマネジメントを担当。自然香料を用いた調香技法グリーンフレグランスの講師資格を取得し、香りを基軸にした企業のブランディング事業、地域の香りを使用した地産地香のブランディングを手がけている。

 

 

「最も勉強になったのは、モチベーションの作り方です。日々の生活でやろうとしていることをしっかりやろうとすると、大切なことをどんどん忘れていってしまう、不思議なことに。でも、それをちゃんと覚えておこう、思い出していこう、ちゃんと掲げていこうと意識づけることはとても大切だと思いました」

 

 

折井さんは、決戦大会に出場後、「Tokyo innovation賞」を受賞しています。受賞後は、こんなコメントで喜びを語ってくれました。

 

「すごくうれしいです。東京都から賞をいただきましたが、自分のアイデアが社会にこういったかたちで『いいね』って言っていただけることで大きな自信になりました。これからも頑張ろうと思いました」

 


 

<TOKYO STARTUP GATEWAY2024 ファイナリスト10名>

 

今井 善太郎(いまい ぜんたろう)さん『ゲーミフィケーションで偽情報に対抗「Ray’s Blog – レイのブログ」』(最優秀賞)

奥山 星奈(おくやま せいな)さん「託児をスタバ感覚に!地域の繋がり #託児所カフェ」(優秀賞・メンバーシップ賞)

外所 祐香(とどころ ゆか)さん「生成AIと人の繋がりで、自己実現を習慣化するパーソナルアシスタント“ikigAI”」(優秀賞)

折井 茜(おりい あかね)さん「農産物の廃棄等を利用した香りによる空間演出・ブランディング」(Tokyo innovation賞)

西田 翔平(にしだ しょうへい)さん「現代に蔓延している孤独感を解消し、人々の心をつなぐデバイス及びモバイルアプリ」

鴨志田 隼輔(かもしだ しゅんすけ)さん「機械×動物による自立農業EDEN構築の第一歩となる動物行動制御デバイス」

片山 湧斗(かたやま ゆうと)さん「全ての女性が健康的に働ける次世代健康管理ツール」

引野 麻祐(ひきの まゆ)さん「インクルーシブデザインと機能で耳栓の概念を変える」

勝俣 敬寛(かつまた たかひろ)さん「超高齢化社会の医療人材不足をAIを用いた医療教育改革で解決する」

北川 あみ(きたがわ あみ)さん「質の高い医療者を育成!AIシミュレーターで自宅で医療現場を体験・学習。」

 


 

「TSG2024」の決勝大会ステージに上がったファイナリスト10名のうち5名の声をご紹介しました。起業家たちのいまを感じさせる言葉から、今年の「TSG2025」へのチャレンジに興味・関心を持たれた方、公式サイトより詳細を確認・お申込みください。

 

まだ前編をご覧になっていない方は、こちらのリンクからご覧いただけます

 


 

TOKYO STARTUP GATEWAY 2025 公式サイトはこちらから

https://tsg.metro.tokyo.lg.jp/2025/

 

【TSG2024】THE FINAL ダイジェストムービーはこちらから

 

「TOKYO STARTUP GATEWAY」特集記事はこちら

https://drive.media/special/33745

 

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たかなし まき

愛媛県生まれ。松山東雲短期大学英文科を卒業後、企業勤務を経て上京。業界紙記者、海外ガイドブック編集、美容誌編集を経てフリーランスへ。子育て、働く女性をテーマに企画・取材・執筆する中、2011年、東日本大震災後に参画した「東京里帰りプロジェクト」広報チームをきっかけにNPO法人ETIC.の仕事に携わるように。現在はDRIVEキャリア事務局、DRIVE編集部を通して、社会をよりよくするために活動する方々をかげながら応援しつつフリーライターとしても活動中。いろいろな人と関わりながら新しい発見をすること、わくわくすること、伝えることが好き。

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