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都市と地域の垣根をなくしていくことが、オーナーシップを持った人生を増やす。一般社団法人 地域・人材共創機構のコーディネーターという生きかた

2018.05.08 397view 

都市と地域。同じ国の中でそれぞれ役割が違うだけなのに、そこには不思議と境界線が引かれているような感覚がある――この国で、潜在的にでもそう感じている人は、少なくないのではないかと思います。

そんな私たちの中に存在する“都市と地域の垣根をなくす”というビジョンを描いて、働き生きる人々を都市と地域で循環させていく新たなモデルをつくろうとしているのが、「Career For」プロジェクトを運営する一般社団法人 地域・人材共創機構です。

logo_L >>現在、一般社団法人 地域・人材共創機構では、新しい「地域で働く」価値を提案するコーディネーターを募集しています。

東日本大震災からの、都市→地域への人材マッチング事業を背景に

ことの始まりは、被災地の行政の人手不足を解決するプラットフォームとして復興庁が立ち上げた、「日本財団『WORK FOR 東北』」(2016年3月終了)、そして全国へ範囲を拡大して生まれた「日本財団『WORK FOR にっぽん』」(2017年3月終了)から。

4年続いた地域と都市との人材マッチング事業を通して浮き彫りになったのは、東北に限らず全国に押し寄せている人口減少の波、地域が抱える課題とその背景・アプローチの多様さ、そして何よりも大切なのは、都市と地域の人材を繋げるために受け入れ地域側の主体性が大切であること。 こうした課題を解決しようと参画自治体・団体の有志によって生まれたのが、地域・人材共創機構でした。

「都市と地域の垣根をなくす」
Career Forのイベントで行った、「ローカル大喜利」のようす

地域仕掛け人市のセッションで実施した、「ローカルキャリア大喜利」のようす

地域・人材共創機構に集うのは、岩手県釜石市、石川県七尾市、長野県塩尻市、岐阜県関市、島根県雲南市という、文化も風土も多様な5地域です。違いがあるからこそ、学び合いを通じて地域自らが内外の人々と価値を作っていけるような新しいモデルづくりを目指しています。

経営コンサルティング会社を経て東日本大震災を機に岩手県釜石市へ移住し、現在では釜石の地域創生戦略や事業立案のディレクターを務めている、地域・人材共創機構 代表理事である石井重成さんは団体についてこう語ります。

「ビジョンは、“都市と地域の垣根をなくす”ということ。多様なローカルキャリアを体現するメンバーたち自らが主体となってアライアンスをつくり、『ローカルキャリアはキャリアたるか』という問いに対し、その可能性を実践し探求し、証明していく団体です。

これは地域のためでもありますが、都市の人たち、あるいは大企業の人材育成への課題解決の視点にもなり得るのではないかと思っています」

同じく代表理事であり、石川県七尾市の民間まちづくり会社・株式会社御祓川で地元企業へのUIターン人材の採用支援や実践型インターンシップなどのサービスを提供している「能登の人事部」でシニアコーディネーターを務めている森山明能さんはこう続けます。

都市→地域の一方向ではなく、両者の間で垣根がなくなり、人々が自由に行き来して循環が生まれるイメージを描いています。

地域創生の時代、さまざまな企業が地域とのプロジェクトを進めていると思いますが、地域発のプロジェクトで地域側の課題感に寄り添って働けることがこのプロジェクトの特徴だと思っていて。押して地域に行くというよりは、引っ張られて地域に行く。その取りまとめをする立ち位置になります」

求めるのは、地域発信で地域と都市の企業をつなげ、地域で働く価値をともに生み出していく新しい仲間
地域のステークホルダーたち

釜石で協働している地域コーディネーター機関の活動の一場面

地域・人材共創機構が生まれてから、この春で約1年。初年度のチャレンジを経て、改めて5地域がともに動く価値が見えてきたと森山さんは語ります。

「5地域だからこその集客力や参加者の多様性はもちろんなのですが、協業企業に対して、関わる地域の多様性を選択肢として提供できることが、実は我々のビジョンである“都市と地域の垣根をなくす”ことへの第一歩なのではないかと気づき始めたんです」

現在、地域・人材共創機構では、理事・監査・事務局ら8名のメンバーを中心にしつつも、意思決定に積極的に関わってくれている各地域のメンバー、そして提携企業の人々、出会っていく個人と、とても広い関係性の中で仕事が生まれています。

「僕らと一緒にやっていきたいと思ってくれる地域や企業があれば、急な拡大というイメージはありませんが、積極的に範囲を広げていきたい」。森山さんはそう続けながら、団体の2年目のチャレンジについてこう語ります。

「これから、参画地域と都市の企業の間に入ってコーディネートをしていくハブ機能を強化していきたいと考えています。具体的には、地域のプログラムを企業側に提示して、それが企業にとって人材開発の悩みを解決する手助けになるのであれば購入していただくという、マッチング形式でのサービス提供を考えています。現在、この地域と都市の企業をつなげていくコーディネーターとして、地域で働く価値をともに生み出していく新しい仲間を募集しています」

都市と地域で働き手の循環が生まれたとき、“どこかだけが強い”とか、そういった世界じゃなくなるんじゃないか

景観4_畑

各地域にコーディネートを担う仲間がいることが強みの地域・人材共創機構にとって、現在求められているのは都市側での効果的なコーディネートです。案件の営業をしてマッチングさせるだけではなく、企業側が求めている成果を出すために、地域と企業両方の立場になってプロジェクトを伴走遂行していくメンバーが新たに求められています。

「この仕事は確かに、地域で起きている働き手不足を解決に導く仕事と捉えられるかもしれません。けれど、都市から地域の一方通行だけでない働き手の循環が実現したとき、“どこかだけが強い”とか、そういった世界じゃなくなるんじゃないかと思っているんです。そうして、それぞれの地域が自らの文化を大事にして活発に動いていく世界が実現されていく。そんな仕事なのだと、僕は思っています」

地域・人材共創機構のコーディネーターという仕事についてそう語る森山さんに対して、石井さんも続けます。

「都市部が持つオーナーシップを持って働くということへの課題、そして地域が抱える町の存続への課題。この双方の課題に貢献していく仕事であるからこそ、ハードルはあれど、“肌感のある仕事”であると思っています」

どこで何をして生きるかの選択肢が広がり、自らの人生のオーナーシップが高まっていく
石川県七尾のお祭りの風景。

石川県七尾のお祭りの風景。それぞれの地域が自らの文化を大事にして活発に動いていく世界を目指して

移住前は、都市の大企業で働いていたという石井さん。そんな石井さんから見て、今回募集している仕事は “肌感のある仕事” であると感じられるそうです。

「その理由は2つあります。まず、新しい仲間に担ってもらいたいのは、企業側の視点を地域側に適切に伝えることだけでなく、企業との密な対話が難しい地域側の想いを企業側に翻訳して伝えてもらうことです。だから、このポジションで働くと、都市の大企業の言葉・地域の言葉をはじめとして5か国語くらいは喋れるようになると思っているんですよ(笑)。

例えば同じ“地域の人々”でも、中間支援の人が喋っている言葉、漁師が喋っている言葉って、まったく違いますから。それくらい、幅広い世代、さまざまな分野の人と関われる可能性に開かれている仕事だと思っています。だから、人が好きで、その変化や成長に関心があって、こういう機会を提供したらどこにどんなインパクトを提供できるのかを想像して、プログラムづくりを楽しめる人と一緒に働けたら嬉しいですね。

そして2つ目は、業務プロセスの上流から下流まですべての工程を経験できることです。これは、この仕事の大きな魅力でもあります。この経験を得ること、そして地域でも都市でも働けるようになることは、その後の人生どこで何をして生きるかの選択肢をかなり広げてくれるはずですよ」

実は、地域・人材共創機構が運営するプログラム「Career For」の名前の由来は、「都市と地域の垣根をなくしていくことは、人々のオーナーシップを高めることにつながる」という想いにあるのだと教えてくれた森山さん。

『Career For』に続く言葉を自分で決められるような、オーナーシップを持った人生を送る人が地域にも都市にも増えていったら、この国は元気になるんじゃないかなと思っているんです。だから、この仕事が働く人自身にとっても自分の人生のオーナーシップを得ていく経験になることは、団体にとっても望むところなんです」

「異なる生き方を選ぶ勇気」を提供したい

異なる生き方を

「異なる生き方を選ぶ勇気を、提供したいなって思ってるんですよね」

最後にお二人からメッセージをという問いに、こんな言葉をぽろりとこぼした石井さん。「かっこいいこと言うね〜!」と嬉しそうに返す森山さんに、照れ笑いで答えながらこう続けてくれました。

「自分自身、釜石に来て6年目で、震災復興の文脈でなかなか震災を思い出す機会も少なくなってきたとき、“なぜ自分がここにいるのか”という意味を更新し続ける作業が大事だなと感じるようになって。それができないと、自分がここにいる意味を見失ってしまうんです。

たとえば、大きい会社に入ってプロモーションで競争しているときって、自分がなぜこの選択をしているのか問い続けなくてもやっていけますよね。だからこれは、人と異なる生き方を選べば選ぶほど、より続けていかないといけない作業なんだと思います。そして、この問いに対して向き合うことが、自分の確立にむけた歩みになるのではないかなとも。

これから一緒に働く方とは、都市から地域、あるいはその逆に行く際に、そんな異なる生き方を選ぶ勇気を提供できるような取り組みを一緒にやっていきたいと思っています」

石井さんの想いに重ね合わせるように、森山さんはこう語ります。

「異なる生き方を選ぶ勇気を支える周りというのが、存在として大事なんだよね。自分が選んでいくだけじゃないんだよね。関係性の中でしかアイデンティティは確立しないとすれば、そこには周囲があってこそ。

僕は、関わる人全員にとって、自分がどうなりたい・どうありたい・どうなっていきたいという人生の軸上に、この仕事があってほしいと思っています。そしてその軸にちゃんと乗っかるように仕事を整えていくことが、経営者としての僕の仕事だなと思っています。

だから、もし自分の人生の軸上にこの仕事がパチっと合っているんだったら、ぜひ一緒にやりたいし、逆を返せば、モヤモヤしていてもいいし何だかはっきりとはわからなくてもいいんですけど、『こうありたいな』という自分の願いを持ちながら、生きて働いていってほしいなと思っています」

現在、一般社団法人 地域・人材共創機構では、新しい「地域で働く」価値を提案するコーディネーターを募集しています。関心を持たれた方は、ぜひこちらからご連絡ください。

代表理事/森山明能

1983年七尾市生まれ。07年慶應義塾大学総合政策学部卒。家業である七尾自動車学校、民間まちづくり会社・株式会社御祓川などでのポートフォリオワーカー。前者では社長として働きつつ、後者では地域コーディネーターとして能登島の観光プロジェクト「うれし!たのし!島流し!」や農家漁師による「能登F-Fネットワーク」の設立・企画・運営に携わる。また、都会と地方の人材還流を促進する「CAREER FOR」の運営団体(一社)地域・人材共創機構の代表理事でもある。内閣府・地域活性化伝道師。趣味は歌うことでご当地系アカペラグループ「カガノトーンズ」の一員として活動している。

代表理事/石井重成

経営コンサルティング会社勤務を経て、震災を機に岩手県釜石市へ移住。地方創生の戦略立案や官民パートナシップのディレクターを務める。半官半民の地域コーディネーター機関・釜援隊の創設、オンデマンドバスの実証導入、グローバル金融機関と連携した高校生キャリア教育、移住・起業支援プログラムの展開などを通じて、人口減少時代の持続可能な復興まちづくりを推進。内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、TOMODACHIイニシアティブ東北地域メンター。国際基督教大学卒、1986年愛知県西尾市生まれ。

この記事を書いたユーザー

ライター・桐田理恵

ライター・桐田理恵

1986年生まれ、茨城県育ち。医学書専門出版社にて企画・編集職の経験を経てから、2015年よりDRIVE編集部の担当としてNPO法人ETIC.に参画。2017年からはフリーランスのライターとして活動している。

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