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まちへ飛び出したナースたち――“世話焼き”コミュニティナースの普及が日本人の健康意識を変える

2018.06.26 

失礼だが、これを読んでいるあなたはおいくつだろうか。20代30代なら、病気になって健康保険を使うことなど滅多にないという人も多いかもしれない。が、40代を過ぎると、親の高齢化や自身の体調の変化で、病院のお世話になる機会が少しずつ増えてくるものだ。そして、親が日常生活の支援を必要とするようになれば、介護保険のありがたさも身に染みるようになる。

 

陳腐な言い方だが、健康は失って初めて有難さがわかるもの。では、失う前から、あなたの健康を日常的に気遣ってくれる人が、家族以外にあなたの周りにいるだろうか。食べ物に気を使うこと、適度に体を動かすこと、タバコをやめること、定期健診に行くこと……。これらの大切さは誰でも知っている。国民の健康意識を高める「保健教育」は、これまでも保険制度の中で十分に行われてきた。しかし、頭でわかっていることと実行することは別だ。

 

たとえば、健診の受診率を見てみると、2015年度の特定健診*1の実施率は、全保険者平均で約50%だという。つまり2人に1人しか受けていないのだ(厚生労働省 「平成27年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況」)

(*1生活習慣病の予防のために、40~74歳を対象にメタボリックシンドロームに着目して行う健診のこと)

 

一方で、高齢化により医療費も保険料も増加の一途。国の保険制度はいずれ破綻するのではないか?――漠とした不安は募る。

 

ここに、「制度」の枠を越えて生活者一人ひとりに寄り添い、その人本来の力を引き出すことで「人と地域をまるごと元気にする」という目標を掲げ、前人未踏の挑戦をしている看護師がいる。2011年来、島根県雲南市でコミュニティナースという言葉を初めて使い、自らその働き方を実践し、仲間を増やしてきた。この道ではすでに知る人ぞ知る存在となっている、矢田明子さんだ。

 

矢田さん

矢田明子さん

 

「私は町にいる普通のおっちゃんたちの力を信じているの」と屈託なく笑う、近所のお姉さん的親しみやすさが魅力の矢田さんは、しかし、そのイメージを覆すような行動力の持ち主である。自身がコミュニティナースとして試行錯誤を重ねつつ、2016年には育成プログラムを開始。昨年はそのための会社(コミュニティナースカンパニー株式会社)も立ち上げ、全国にこの動きを広げようとしている。このたびは、雲南市と連携してプロジェクトを立ち上げ、全国から資金を調達するクラウドファンディングにも乗り出した。

 

矢田さんの目指す社会が実現すれば、あなたの「健康」に対する考え方は大きく変わるかもしれない。以下、本プロジェクトの目的と背景を紹介しよう。

 

>矢田さんたちのプロジェクト、「コミュニティナースプロジェクトin雲南」(おっちラボ×コミュニティナースカンパニー×雲南市)は、ふるさと納税を通じたガバメント・クラウドファンディングで全国から支援を募っています。詳細はこちらをご覧ください。

 

人とまちとのつながりで、楽しく、元気に、健康に!~暮らしに寄り添うコミュニティナース~(ガバメントクラウドファンディング ふるさとチョイスページより)

https://www.furusato-tax.jp/gcf/282

 

 

予防医療の“最前線”は「日常的におせっかいを焼くこと」

 

コミュニティナースは「地域に寄り添う看護師」と説明されるが、特別な資格を指すわけではない。

 

「看護の専門性を活かしながら、制度にとらわれることなく、まちに出て自由で多様なケアを実践する医療人材です。元気なうちから住民と知り合い、“毎日の楽しい”と“心と身体の健康と安心”を住民と一緒につくります。」(コミュニティナースカンパニー株式会社のホームページより)

02

制度の外で自由に活動するからこそ具体的には定義しづらい。矢田さんは、地域への寄り添い方は「100人いれば100通りある」といい、コミュニティナースとは、職種でなく「在り方」なのだという。一言でいえば、「日常的に人々の健康におせっかいを焼く存在」である。矢田さんの考え方の基本はこうだ。

 

「人の幸せの基は心と身体の健康であり、日本はそれを医療保険制度という公共のインフラで支える仕組みをつくってきたんですね。その結果日本人は、自分の健康や幸せは、医師や看護師など、特別な場所(医療機関)にいる専門家に守ってもらうものだという意識が行きわたっています。でも、それは少し違うのではないかと。病気(非日常)になってから初めて専門家に頼るのではなくて、『健康』はもっと日常的な権利であるはず」

 

誰しも病気にはなりたくない。予防医療の根幹は、保健教育を通じた一人ひとりの健康意識の向上にある。が、上述のとおり、国の制度で「教育」を行うことはできても、その「実行」を担保することはできない。一部には、「日本は国民皆保険で自己負担が少ないから、国民の健康意識が低いのだ」という指摘もあるが、その適否は別として、私たちの意識のどこかに、「病気になったら医者に行けばいい」という受け身の部分は確かにありそうだ。

 

裏を返せば、病気になる前に医者や看護師と気軽に話せるような機会は、ほとんどないことに気づくだろう。矢田さんたちのようなコミュニティナースが「おせっかいを焼く」ことの意義は、そこにある。医療機関という「特別な場所」に閉じず、公民館やガソリンスタンド、駅やスーパーなどにいて、そこに来た人々に気軽に声をかける。そこで健康相談をしたり、一緒に運動をしたり、健康づくりの正しい知識を広めたりするのだ。

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一人で動くのではなく、チームを作る

 

しかし、病院にいるのが看護師なら、地域に入り込んで住民の健康を守る活動は「保健師」の仕事ではないか、と思う方もいるかもしれない。保健師はパブリックヘルス・ナースとも訳され、こちらもナースである。どう違うのだろうか。

 

東京大学で医療コミュニケーションを教え、「対話する医療:人間全体を診て癒すために」などの著書もある孫大輔(そん・だいすけ)医師によれば、コミュニティナースという新しい存在が必要とされている背景には、保健師、家庭医など地域医療をとりまく環境の変化があるという。

profile DS.2

 

孫大輔(そん・だいすけ)氏。家庭医、東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター講師。医学博士、看護学博士、医療者教育学修士。一般社団法人みんくるプロデュース代表理事。2010年より市民と医療者の対話の場「みんくるカフェ」を主宰。

 

 

 

「たしかに保健師はもともと、各家庭に入っていって家族一人ひとりの健康状態を把握し、子どもから高齢者まで対応する地域保健のジェネラリストでした。かかりつけ医も同様です。しかし、医療の高度化に伴い、専門の分化・深化が進んできた。たとえば、子どもに関しては発達障害やアレルギーなど難しい問題も増え、専門によって分業体制をとる方がやりやすくなってきたのです。しかしその反面、住民のニーズからみると痒いところに手が届かなくなっています。これは、特に都市部で顕著ですね。そこをコミュニティナースがカバーする余地があります。

 

また、行政に所属する保健師は、決まった仕組みの中で動くことが求められます。一方、コミュニティナースは行政の枠にとらわれず自由な発想で動けますし、地域に密着して住民ニーズを細やかに把握し、ボトムアップ型でアクションにつなげることができます」

 

つまり、コミュニティナースは、従来の保健師が果たしてきた重要な役割をリプレイスするものではなく補完する、あるいはそれに上乗せするものなのだ。保健師や民生委員などと協働し、必要に応じて医療施設への橋渡しをする、そういう柔軟な立ち位置である。

図1

 

 

矢田さんは言う。 「繰り返しますが、コミュニティナースは職種ではなく『在り方』です。現役の保健師の方がコミュニティナース的な『在り方』で活動することは可能ですし、実際に育成プログラムは行政保健師の方も数多く受講されているんですよ。いずれにしても、コミュニティナースは一人で何かをやるのではなく、周囲の医療関係者とチームをつくって動くことが大切です」

 

 

地元・雲南をコミュニティナース発祥の地にした矢田さん

 

島根県生まれの矢田さんは、まだ50代だった父親を急性ガンで亡くしたことをきっかけに、28歳で看護師を志した。父親は、それまでほとんど病院にかかったことがなく、かかったときには手遅れだった。元気なうちに「健康の専門家」に出会っていたら…。家族以外に健康面でおせっかいを焼いてくれる人がいたら…。矢田さんの原点はそこにある。

 

2012年に看護師、2014年に保健師の免許を取得。新人看護師として雲南市に着任し、実際にコミュニティナースを名乗って「おせっかい」を焼き始めたときは、地域の医療関係者の間には戸惑いもあったという。

地域にとけこんで活動する矢田さん

地域にとけこんで活動する矢田さん

 

「(アイデアもやることも)奇抜すぎましたからね。ハレーションもおきました」と笑うが、それを克服してきた道のりはいまナレッジ(経験に基づく知見)という資産となり、100人を数える育成プログラムの修了生が全国で同様の活動を始める際に十分に生かされている。パイオニアである矢田さんの努力――すなわち、コミュニティナースの本質的な目的を明確にし、地道な活動で理解を積み重ねること――の結果、いまでは雲南市はコミュニティナース発祥の地として内外に認知されるようになっている。

 

医師の側から見たコミュニティナースへの期待はどうか。自身も家庭医である前出の孫氏は言う。

 

「家庭医から見ると、コミュニティナースがいて(住民の健康ニーズに)早期に対応してくれるのはありがたいことです。医者は治療するのが仕事ですが、その前に予防したいという観点も当然あるのです。たとえば、インフルエンザが流行ると診療所は大混雑となりますが、それを緩和するためにもセルフケア、ヘルスプロモーション(健康教育)が大切で、前述のとおりそれは元来保健師の仕事です。しかし、従来のような健康教室をいくらやっても限界がある。そういうところへ来るのは、そもそも健康意識の高い人ばかりだからです。

 

この『健康格差』は大きな問題で、意識が高い人はどんどん健康になり、そうでない人はパチンコ屋に入り浸ってジャンクフードを食べてタバコも止めない。医療者はそういう人にこそリーチすべきですが、それにはマーケティング的な視点が必要になります。たとえば、パチンコ屋で簡単な健康チェックサービスをやるというような自由な発想で動けるコミュニティナースの存在価値は、ここにもあるでしょう」

 

 

06

しかし、コミュニティナースがいくら自由な発想で「おせっかい」を焼いても、まずは住民に愛されなければ受け入れてもらえない。コミュニティに飛び込み、会話し、観察し、どうしたら好きになってもらえるかを考える。矢田さんの場合、それには、看護学校の入学資金を稼ぐためヤクルトレディをしたときの経験も大いに役立っているという。ヤクルトレディ時代の武勇伝はここでは割愛するが、矢田さんのマーケティング的発想と相手の懐に飛び込む姿勢、それに医療看護の専門知識と志とが加わって、コミュニティナースという在り方に結実したと言えそうだ。

 

 

そしてコミュニティナースは全国の地域に根づくか?

 

ここまでの話を聞いて、コミュニティナースの存在価値に異を唱える人は少ないだろう。誰しも、自分の近くに、あるいは年老いた両親のそばにコミュニティナースがいてくれたら安心に違いない。だが、個人単位の賛同を越えてコミュニティナースが社会全体から認知されるためには、その社会的インパクトを定性的・定量的に示せる必要がある。矢田さんは当初からそれを意識し、活動地域における効果検証の結果を蓄積し始めている。

 

「すでに、介護保険料の抑制につながるというシミュレーションは出ています。個人単位で見ると疾病の早期発見率が向上しますし、住民の社会参加率が向上することで認知症や糖尿病、うつなどが抑制されることもわかっています。もちろんそれは医療費の抑制につながる。ここまでは、既存の保健師の調査と同様です。

 

でも、私たちはそこにとどまらず、『健康の定義拡大』『健康社会の“感染“』といった観点からの効果も実証しようとしています。例えばガソリンスタンドや喫茶店、郵便局など、『健康』や『保健』とは無関係と思ってきた分野の人たちを巻き込み、共感してもらい、そこにコミュニティナース的な機能を作っていくと、『健康』の定義が個人単位のものから社会全体へと変化していく。人々の意識がオセロゲームのようにひっくり返っていくんですよ。また、そうなった人たちは市民性が高く、当事者意識を持っているので、良いと思ったことは口コミで広げてくれます。つまり、受益者が受益者を生んで勝手にスケールアウトしていく。これを私たちは健康社会が“感染する”と呼んでいます(笑)」

 

そうはいっても、そうした効果を上げるのは人口38,000人の雲南市だから可能なのではないか、という疑問もわく。雲南市といえば、小規模多機能自治の成功例としても有名で、住民が自主的に組織を作って社会課題の解決に動いている。そんな「つながりの濃い」地方ではうまくいっても、たとえば東京のような大都会でコミュニティナースが機能する余地はあるのだろうか。

 

東京都内で市民と医療関係者が対話する場「みんくるカフェ」を主催している孫氏は言う。

 

「都会人は人間同士のつながりに飢えていると感じます。ネットを介した付き合いがいくら広がっても、やはり人間は顔が見える相手でないとなかなか心を開くことができません。今後、地縁の共同体がますます壊れていくのは止められないとしても、コミュニティナースのような存在が、都市部にも昔ながらの隣近所づきあいを復活させ、安心や信頼を回復する機能を担いうるのではないか」

みんくるカフェ

みんくるカフェ

 

実際、コミュニティナース育成プログラム修了生の活動地域は全国に広がっており、中には神奈川県川崎市や大阪府大阪市など、百万人単位のまちも含まれる。都市部と地方部でコミュニティの性質は異なるかもしれないが、それぞれに適した柔軟なアプローチを考え実践することこそ、コミュニティナースの腕の見せ所であり醍醐味だということだろう。

図2

(活動地域の詳細はこちら>http://community-nurse.jp/category/footprint)

 

 

次の挑戦は「人とお金が循環するモデル」の確立

 

さて、こうして全国で活動を始めているコミュニティナースだが、その所属や身分は様々だ。地元・雲南市でも、矢田さん自身を含めて10人のコミュニティナースがおり、そのうち6名は独立型の訪問看護ステーションの運営会社に所属(この会社も矢田さんが仲間と立ち上げたもの)、1名は市の独自の制度である地域づくり応援隊として着任している。いずれも収入は確保されるものの、前者は訪問看護がメインの仕事であるため、コミュニティナースとしての活動時間は限られるのが実情。また、後者の応援隊は行政からの委嘱という性質上、その活動範囲は完全に自由とは言えず、任期も有限だ。

 

雲南のコミュニティナースたち

雲南のコミュニティナースたち

 

コミュニティナースという在り方を選んだ彼ら自身も生活者である。住民とフラットな関係で活動の自由度を担保しつつ、安定して収入を得られる仕組みがなければ継続は難しい。ある雑誌のインタビューで矢田さんは、「コミュニティナースで食べていけますか?」という率直な質問に対し、「それが課題のひとつです」と率直な回答をしている。

 

「コミュニティナースがいる社会」を持続可能な形で実現するためには、ここにブレイクスルーが必要であり、雲南市からそのモデルをつくろうというのが、今回ガバメント・クラウドファンディング(GCF)で資金調達するプロジェクトの目的だ。

 

GCFとは、自治体がふるさと納税の仕組みを利用して地域の課題解決の資金(寄付金)を募るもので、自治体自身がプロジェクト主体になる場合もあれば、域内のNPOなどの取り組みを間接的に支援する形もある。今回、雲南市が実施するGCFは後者にあたる。*3

(*3寄付金交付先は非営利であることが求められるため、コミュニティナースカンパニー株式会社ではなく、NPO法人おっちラボ(雲南市の課題解決人材をサポートする団体)が資金を受け入れる形となる。)

 

 

図3改良版

集めた寄付金は、上記10名のうち新たに採用された2名のコミュニティナースの当面の活動資金となる。これを基に、彼らは訪看メインでも行政の委嘱でもない活動が展開できる。そうして実績を作りながら、受益者負担を含む他の財源を検討し、自立自走できる収益モデルを作り上げ、コミュニティナース発祥の地・雲南から全国へ展開しようというのだ。

 

「受益者負担については、個別相談料を受け取るとか、あるいは町内会費に上乗せといった考え方もあるでしょう。しかし、効果が実感できないうちから負担は求められないので、今回のGCFを原資に事例づくりをしながら検討を重ね、2~3年でモデルを作り上げたい。いずれにしても寄付だけ、あるいは受益者負担だけですべて賄うのではなく、自治体や企業などいろいろな資金の出し手を組み合わせるモデルを想定しています」(矢田さん)

 

孫氏も、「自分たちで活動資金を生み出せるのが健全。ただ、完全に受益者負担にすると高額になり過ぎるので、そこをどう回避するか。他のサービスと組み合わせるなど自由な発想が求められる」と語る。ハードルは高いように思われるが、「机の上だけで話し合っていても実現しないので、まずやって事例をつくる」というのが矢田さん流だ。

 

さらに、コミュニティナースがいるうちはいいが去ってしまえば終わり、では意味がない。たとえ人が変わってもサービス自体が残っていく、地域の人たちが引き継ぐなどして、人とお金が循環し続ける仕組みを構築したいと矢田さんは考えている。まさに起業家的なその発想の正しさは、上述の「健康社会の“感染”」という形ですでに実証されつつある。今回のクラウドファンディングは、それを大きく一歩前に進めてくれるものになるはずだ。

 

09

 

全国で就業している看護職員(看護師、准看護師、保健師を含む)は約160万人。その他に資格を持っていても就業していない潜在看護師が71万人もいると推計されている。*2 離職の理由は、医療機関などの厳しい勤務環境と子育てや生活の両立が難しいからだという。こうした有資格者の「呼び戻し」は治療や介護の現場でも喫緊の課題だというが、もしもその71万人の一部でも、矢田さんたちのようにコミュニティに入り、住民の意識を変え、予防医療の前線に立って健康社会の”感染“を引き起こしていけたら――? 矢田さんは、それが自分の父親のような人を救うことができると信じている。

(*2 厚生労働省 広報誌「厚生労働」(2017年2月)より)

 

 

おわりに

 

日本のコミュニティナース先駆者の矢田明子さんを慕う人は多い。その人懐こい笑顔、キャラクター、そして行動力は多くの人を惹きつける。応援者、サポーターもたくさんいる。しかし、今回のクラウドファンディングについて矢田さんは、「矢田明子を応援してほしいのではない」と明言する。

 

「私は、町にいる普通のおっちゃんたちの力を信じているんです。誰だって、自分のことを気にかけてくれる(コミュニティナースのような)存在が近くにいたら意識が変わってきますよ。今日は2000歩も歩いたよとか、健診に行ったよと報告して、それを良かったねーって喜んでくれる人がいる。そしたら、今までスルーしていた健康情報も目に留まるようになるでしょう。そういう人間関係さえ作れれば、人は変われるし行動できる。だから、注目してほしいのは、コミュニティナース自身ではなく、それによって町のおっちゃんたちがどう変わったかということ。そうして地域全体が元気になっていくのです」。

 

その「おっちゃん」「おばちゃん」は、あなたの両親かもしれないし、30年後のあなた自身かもしれない。今回のプロジェクトを通じて、まず医療者が「コミュニティナースという新しい在り方」を確立することは、日本人が自らの健康と幸せを「日常の権利」としてとらえなおし、その決定権を自らの手に取り戻す「意識改革」をも意味するのではなかろうか。

 

>矢田さんたちのプロジェクト、「コミュニティナースプロジェクトin雲南」(おっちラボ×コミュニティナースカンパニー×雲南市)は、ガバメント・クラウドファンディングで全国から支援を募っています。詳細はこちらをご覧ください。

https://www.furusato-tax.jp/gcf/282

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この記事を書いたユーザー
中川 雅美(良文工房)

中川 雅美(良文工房)

福島市を拠点とするフリーのライター/コピーライター/広報アドバイザー/翻訳者。神奈川県出身。外資系企業で20年以上、翻訳・編集・広報・コーポレートブランディングの仕事に携わった後、2014~2017年、復興庁派遣職員として福島県浪江町役場にて広報支援。2017年4月よりフリーランス。企業などのオウンドメディア向けテキストコミュニケーションを中心に、「伝わる文章づくり」を追求。 ▷サイト「良文工房」https://ryobunkobo.com

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