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「社会を変えるプロジェクトを、コレクティブに仕掛ける」。Social Impact for 2020 and Beyond マンスリーギャザリングレポート(前編)

2018.10.06 171view 

2020東京オリンピック・パラリンピックやSDGsを、個人と組織のアントレプレナーシップを解放する契機にしようと始まった「Social Impact for 2020 and Beyond」。若い意欲的な次世代リーダーや社会起業家、そして大企業や行政などがポジティブに次の社会を創ろうとする「未来意志」でつながる、創発型のマッチングプラットフォームを目指しています。 今回は、月に1度行われている「未来意志」を共有する仲間が集うギャザリングのレポートをお届けします。

>>後編はこちらから。

組織を越えたコレクティブな挑戦を加速させる、マンスリーギャザリング

2018年9月下旬、3回目のギャザリングがパートナー企業であるロート製薬株式会社の1室で開催されました。 「平日の夜から雨の中わざわざお越しいただいた“渋い”皆さん、こんばんは!」 そんな司会の言葉からスタートしたように、金曜の18:30〜21:30という時間にも関わらず、会場には首都圏だけではなく島根や徳島から(!)約70名もの方々が集いました。

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「このギャザリングには、色んな背景の方々がいらっしゃいます。でも、同じ場にいるということ、ポジティブに次の社会を創っていきたいという想いは一緒です。多様な面々ですが、ぜひ仲間として取り組んでいきたいと思っています」実際、今回のギャザリングに集まった人々の半数は初参加だとのこと。このギャザリングという場について、主催のNPO法人ETIC.理事の山内幸治はこう語ります。

「『Social Impact for 2020 and Beyond』の取り組みは2016年からスタートしました。社会課題をチャンスと捉え、社会を創る者同士が化学反応を起こす場だと考えていただけたらと思います。 そしてこのギャザリングという場は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックという機会をどう活かしていけるかを共に考え、協働を進めるための場になります。団体として他団体の扉を叩くと協働が難しいこともありますが、こういった場で組織を越えてつながりを深めることが協働を後押しすると信じています」

キーワードは、「意志ある個人を全力応援!」、「コレクティブにやろう」。自分一人ではなく、どうやって皆と一緒に社会に“うねり”を生み出していけるのか――そうした在り方でこの場と関わってほしいと会場に語りかけました。

「新卒一括採用に変わるオルタナティヴな働き方を」、「高卒採用」、「ダチョウの抗体活用」・・・8名の社会を変えるプロジェクト

今回のマンスリーギャザリングは、8名のアジェンダオーナーによる社会にしかけたいプロジェクトのプレゼンと、その後アジェンダオーナーとゲストでのアイデアブレストの2部制です。 8名によるプロジェクトの概要を、以下にご紹介。

1.「新卒一括採用に変わるオルタナティヴな働き方をつくる!」NPO法人アスヘノキボウ(Venture for Japan)代表理事・小松洋介さん

まちづくり・産業活性を活動の中心としているNPO法人アスヘノキボウは、宮城県女川町を活動拠点にしています。インターン生たちの受け入れを続けるうち、インターン直後には「起業をしたい、仕事を創りたい」と語っていた学生たちが、就活が始まった途端「周りが就職しているからとりあえず修行しに企業で働きます」と、そのまま挑戦をやめていく姿に違和感を募らせていったそうです。

「今の高校生や大学生は、様々な経験ができる機会が昔と比べ増えてきているように感じます。でもいざ就活になると、一括採用という波に乗らなくてはと、せっかくの経験もリセットされてしまうんです。多様な時代、多様な選択肢をつくらなければ」 そこで小松さんが新たに創り出したのは、「VENTURE FOR JAPAN」という若者の「ステップアップ起業」を応援する事業。

IMG_9449主に新卒学生・第二新卒の若者を対象とし、2年間という期限付きで成長や拡大を目指す地方の中小企業やスタートアップの経営者の右腕的なポジションに送り込み、経営力やアントレプレナーシップを身に着け起業を目指せる機会を創出しようと企んでいます。 今回のギャザリングでは、20代の若者がチャレンジできるようにするために、 企業ができることは何かというテーマで考えたいと語りました。

2.「高校生の新しい人生の選択肢 もっと高卒採用に門戸を開け!」ロート製薬株式会社 広報・CSV 推進部長 河崎保徳さん

「高校生の新しい人生の選択肢を創りたい」と語る河崎さん。現在の、社長の顔も従業員の顔も見ずに就職を決めざるを得ないような高卒就職の状況を変えたいと語ります。 現在、全国の農業高校を視察しているという同社。就農平均は72歳、本来技術を必要とする農業で、農業高校卒の専門的な就農者は約2%にとどまっていることに課題感を抱いています。 「では残りの98%はどうしているのかと言うと、だいたいが都会に出て農業とは関係ない仕事に就いていたりします。せっかくの専門性を活かせない状況なのですね。

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そしてこの状況には、大企業が高卒就職にあまりにも門戸を開いていないことに責任の一端があると感じています。キラッとした人材は必ずいます。高卒就職には、家庭の事情だって関係しています。 ただ、たとえばロート製薬一社だけが動いたとしても、ただの“青田買い”になってしまいます。そこで、彼らを生かせる仕組みを社会に創り出せないかと思っているんです」 今回のギャザリングでは、改めて企業が高卒採用へ門戸を開くことについて考えたいと語りました。

3.「高卒革命」一般社団法人アスバシ代表理事・毛受芳高さん

冒頭から、「18歳のときのご自身の選択を思い出してみてください。なんとなく、とりあえず、で進路をきめていませんでしたか?」と語りかけた毛受さん。

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大学4年間に必要とされる学費は年々上昇しているのにも関わらず、大学進学率は年々上昇し約6割に達しています。その結果、大学進学するのに約4割が奨学金を借り、返納滞納者は2017年度調査で約16万人、4.2%に上ります。 「なんとなく、とりあえず」で多額の借金です。2022年4月に、18歳は成人となることにあわせて、進路選択の質を高める「高卒革命」を起こしたいと語る毛受さん。メリットは企業・地方・家庭・学校とあらゆる分野に及び、革命的変化が起こる!と続けました。

4.「未病分野に挑むダチョウ抗体のフードコスメ応用」Vita Longa株式会社 代表(早稲田大学 先進理工学研究科電気・情報生命専攻 2年) 井上雄介さん

「ダチョウを人類最強のパートナーに」と語る井上さんは、簡単に様々な抗原に対して抗体を作ることができ、食品や化粧品として販売可能で、食べる・塗ることによって日常的に予防を行えるダチョウ抗体という可能性に魅せられ今年起業しました。

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「これから到来する未病時代において病院の原因を排除することが必要だ」と語る井上さんは、ダチョウ抗体によって花粉症や性感染症に対応できるのではないかとその可能性を示唆し、今回のギャザリングではざっくばらんに参加者とダチョウ抗体で何ができるのか考えたいと語りました。

5.「『トップアスリート』という資産を活かせる社会作り」ヤマハ発動機株式会社 先進技術本部 星野亮介さん、小倉幸太郎さん

アスリートのセカンドキャリアの可能性をひらいていきたいと語る、星野さんと小倉さん。2017年に戦力外になったプロ野球選手の進路における未定・不明者が10%以上だという現状に対し、「日本でたった900人しかなれない職業の人たちが、戦力外になっただけでこういう状況に陥ってしまうんです。この現状、もったいないと思いませんか?」と会場に語りかけました。

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また、ヤマハ発動機が支援してきた全日本チャンピオンレーサーの31歳の引退後に訪れた試練について共有し、幼少期からずっと競技一筋の人間にとってどれほど引退後のセカンドキャリア形成が大変なことなのか、一方で彼らがアスリートとして培ってきた能力にどれほどの可能性があるのかを語り、「トップアスリートの能力をもっと見える化して、世の中とのマッチングを皆さんとディスカッションしながら繋げていきたい」と語りました。

6.「企業とテック系人材が互恵的な関係を築き、企業課題を解決する!」文部科学省 グローバル人材育成部 グローバル人材育成企画課 課長補佐(官民協働 海外留学創出プロジェクト トビタテ!留学JAPAN) 荒畦(あらうね)悟さん

官民協働で海外に留学する学生を送り出していくプロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」に関わる荒畦さん。現在、未来テクノロジー領域を海外で学び、日本をリードしていく意志を持つ学生を育成し、彼らの進路選択の幅を広げて帰国後それぞれが各分野で活躍していく環境を整えたいと語ります。

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「やはりこの分野は外資系の採用力が強く、日本はまだまだ。どう採用し、日本の未来の課題解決に活かしていくのかに課題があります」と続けた荒畦さんは、今回のギャザリングではテック人材の活用の方向についてこの場の皆さんと考えていきたいと語りました。

*

後編では、残り2名のプロジェクト概要、そして「高卒就職」「高卒革命」共同のゲストとの意見交換の場で起こった議論をお伝えします!

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NPO法人ETIC.のDRIVE事務局です。ワクワクドキドキする記事を皆さんにお届け出来るよう、日々駆けずり回っています。

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