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#経営・組織論

成長中の今だからこそ決めた、共同代表の募集。病児保育が必要ない街作りを加速させるために。

2018.11.20 

「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」をビジョンに、病児保育サービスを大阪府で展開している認定NPO法人ノーベル。10月12日、代表理事の高(こう)亜希さんが「共同代表募集」の記事をブログに公開し、反響を呼びました。

高さんが産休から仕事復帰したのは昨年10月。それからノーベルとしてだけではなく、自身も子育てと仕事の両立という課題に向き合うことになり、次のステップに進むためにまわりに助けられることを選んだと話します。そんな高さんに、共同代表募集に踏み切った背景について改めてお聞きしました。

※認定NPO法人ノーベル 高亜希さんのブログ:http://nponobel.jp/koaki/20181012/

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高亜希さんのブログより。共同代表を募集する背景について書かれている

 

子どもを育てながら当たり前に仕事をする、をまず自分が実現させる

 

─記事の公開から一週間がたちましたが、周囲の反応はいかがですか。(インタビューは10月18日に行われました)

 

私自身は、まず発信することが第一ステップだと思ってあのブログを書いたのですが、思っていた以上に反応があって驚いています。たくさんシェアをしてくれたり、そんなに関心を持ってくれていたんだなあと思いました。

 

─ブログにも書かれていましたが、共同代表を募集することを決めた背景について改めて教えてください。どんな思い、決断であのブログを書かれたのでしょうか。

 

昨年、私は第一子を出産しました。産後2カ月から週2日くらいのペースで働き始めましたが、出産前と全然違うことに大きくとまどいました。自分の時間が全然ない。とても焦りました。

ノーベルでは2015年夏に、2020年の実現に向けたビジョンブックを作成しています。でも当初はなかなかうまく進めることができませんでした。スタッフから理解されない時期もありました。そのため、一度立ち止まり、組織づくりから根本的に見直して成果も表れていたのですが、ビジョンブックの実現に関しては私の妊娠と出産で延期になってしまった。

私が週5日勤務のフルタイムで本格復帰したのは今年4月です。復帰にあわせて今後のノーベルについて考えた時、やはりビジョンブックで描いていた社会を実現させたいという思いが強かった。次のステージに進みたい。そして4月から具現化が始まりました。

一方で、私自身、子育てで時間がないのに加え、身体が思うように動かないなど現実的な壁がありました。ノーベルが2010年の創立当時から向き合ってきた「子育てと仕事の両立」に私自身が悩まされたことで、逆に視界が広がり、人に頼ることができるようになりました。そしてビジョンブックの実現をスピード感持って達成させるためにもう1人、共同代表をお呼びすることを決めました。マネージャーやスタッフたちとは何度も話し合いました。理想の社会を作るために、たとえば1人だと「無理だよね」とあきらめなければならないことも、2人ならできる。そう確信しての決断です。

「街全体で子育てする社会」を作る

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認定NPO法人ノーベルが2015年に作成したビジョンブックより

─ビジョンブックには、「病児保育の必要ない街を作っていく」とあります。これはどういう意味ですか?また、4月から具現化が進んでいるとのことですが、現状を教えてください。

 

現在、病児保育は共働き家庭にとってなくてはならないサービスになっています。でも、私たちは病児保育を提供する一方で、世の中がお金で困りごとを解決する流れになっていないだろうかと疑問をもち、葛藤してきました。病児保育は必要だけれど、お金で解決する手段だけにしたくない。そこで思い描いたのが、お金で解決するサービスとしての病児保育だけに頼らない街作りでした。求められているノーベルの病児保育はなくさず、同時に、子どもが病気の時も地域の助け合いで何とか乗り切られるつながりを作る。それが私たちノーベルのやるべきことだと。

今、拠点づくりについて具体的に話を進めているところで、来年からアクションが始まる予定です。ノーベルらしく、子ども主体の場ができればと思っています。

 

─個人的な感想ですが、ビジョンブックを拝見してとても素敵だと思いました。困ったときに助け合える、こんな街に出会いたいと思いました。

 

私はもともと「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」を作りたくて病児保育を始めました。でも、事業を展開していくなかで、病児保育だけでは解決できない課題がまだたくさんあることが見えてきてしまった。そして、ノーベルとしてどうすべきか、スタッフたちと再定義をし、事業化していく必要があるという結論に達しました。

生きるために必要な衣食住、そして働くこと、つながることをシェアし、協力しあえる仕組みが確保できる街を作りたいと思っています。各家庭の生活固定費を軽減するコレクティブ型ハウスの建設をはじめ、保育事業やテクノロジーなどを駆使しながら、一人で子育てするのではなく、街で子どもを育てる街を。そうすることで、本当の意味で「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」を作っていきたいと考えています。

 

─実際にその街を作る。小さくてもいいからまずは形にしていくことで社会を変えていく。

 

はい、そうです。

 

病児保育のニーズは右肩上がり、だからこそ今ビジョンの実現を

 

─新しい共同代表の方とは何か役割分担されることをお考えですか。

 

ビジョンブック実現に向けて、私は新規事業をとりまとめていく予定です。新しく入っていただく共同代表の方には、病児保育の事業をおまかせしたいと考えてます。

 

─新しい共同代表の方が病児保育を?それはなぜでしょうか。

 

ノーベルは2010年の設立以来、ずっと右肩上がり成長でここまできました。スタッフ数は今、約70名です。私一人で創業した時のことを考えると随分と増えました。病児保育サービスもニーズがとても高く、今後も右肩上がりが予想されます。そんな今だからこそ、ビジョンブック実現に向けた事業化を加速させる必要性があると考えました。でもそのためには、基盤事業の病児保育をしっかりと守り育てていくことが必要です。その役割を担っていただける方が欲しいと思いました。

 

─共同代表の方を採用するにあたって、最も大切にしたいことは何ですか。

 

価値観です。ノーベルが右肩上がりで成長してきたといっても、何もしなければ結果にはつながりません。会員のご家庭や子どもたち、そして現場のスタッフに寄り添いながら事業を成長させていく必要があります。本当に困った人の立場に立って、考え、行動を起こせるかどうか。私たちが何を大切にしているかを理解したうえで、責任を持って事業を推進していただける方を探しています。

 

─こんな方がいいのでは、という理想像のようなものはありますか。

 

イメージとしては3パターンあって、まずビジネスセクターで働いている30代の男性。スタッフと手を取り合いながら事業の一つひとつに真摯に向き合ってくださる方。次に会社経営のご経験がある方、ヒト・モノ・カネなどのリソースをご自身の手でまわしてこられたような方がいいですね。またはお子さんが小・中学校を卒業するなど子育てがひと段落ついた女性。事業会社で一定数のチームマネジメント経験がある方がいいとおもいます。ただ、どんな方でも一度はお話したいです!

 

─ありがとうございました。私たちDRIVEでも高さん、認定NPO法人ノーベルさんの挑戦を応援しています。

 

認定NPO法人ノーベル共同代表募集の詳細はこちら!

 

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DRIVEメディア編集部です。未来の兆しを示すアイデア・トレンドや起業家のインタビューなど、これからを創る人たちを後押しする記事を発信しています。 運営:NPO法人ETIC. ( https://www.etic.or.jp/ )

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