DRIVEを通じて、新しい挑戦へ向けて転職された方にお話を聞くシリーズ【未来をつくる仕事への転職インタビュー】。 今回は、LGBTを含めた全ての子どもがありのままの自分で大人になれる社会を目指す認定NPO法人ReBit(リビット)に転職した井澤明穂さんにお話を伺います。
井澤さんは、2019年8月に転職され、現在入社から1年近くが経っています。入社までの経緯だけでなく、入社後に感じていることやご自身の変化についても伺いました。
【特定非営利活動法人ReBit(リビット)】
教育事業、リーダー応援、キャリア事業の3つを中心に、LGBTを含めた全ての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会を目指す。これまで13万人以上の方々に性の多様性について考えることをきかっけに「互いのちがいが受け入れあえる社会」を目指して授業・研修を行ってきた。現在、求人掲載中!
やっと出会えた。心からビジョンに共感し、参画したい!と思える組織
――転職しようと考えたきっかけを教えてください。
以前は、教師などを経てIT系の企業で働いていました。転職を意識しはじめたきっかけは、社内での人間関係でした。ただそれはきっかけに過ぎず、そこから「自分は、本当はなにがしたいんだろう」と考えるようになり、忙しい業務をしながら、職探しを通して、自分のやりたいことを探っていました。年に数件、企業にエントリーしてみるも、上手くいかない日々が続いていました。
働くかたわらで、LGBTにまつわるイベントのボランティアスタッフをしていたのですが、その中で自分よりも若いLGBT当事者の子たちと出会いました。
私も当事者なのですが、自分が若い頃と比べて、今の子たちはLGBT当事者であっても理解者も多く、暮らしやすい環境になってきているのではないかと思っていました。しかし、若い子たちと話してみると、同じように悩んでいることが分かり、自分にも若い世代に向けて伝えられることがあるのではないかと思うようになりました。
そう考えていた時に、ちょうどReBitの求人に出会い、そのビジョンに共感し、募集している人材要件に自分のキャリアでは至らない点はあると自覚しながらも、飛び込んでみることにしたんです。
株式会社もNPOもリスクは変わらない。どうにかなる!
――一般企業からNPOの転職について、不安を感じることはありませんでしたか?
これまで数社を経験してきた中で、待遇や環境が変わるようなことも経験してきました。株式会社であっても、NPOであっても、倒産したり、組織の形が変わったりするかもしれないリスクはそんなに違いはないのではないかと思っています。
転職する時には、不安よりも「どうにかなる!」という楽観的な気持ちの方が強かったです。(笑)
――いまの仕事について聞かせてください。
キャリア事業部で、企業研修や、「diversity works」という働きやすい職場に出会えるWEBサイトの企画・制作、ダイバーシティに関するキャリアフォーラム「RAINBOW CROSSING TOKYO」のプロジェクトマネージャーなどを主に担っています。また最近は、これらに加えて事務局業務もさせていただくなど、部署を横断して様々な仕事に携わっています。
これまでのキャリアで経験したことのないことばかりなので、学ぶこともとても多いです。
――講師から事業企画、イベント運営、事務局業務と幅広いお仕事ですね。どんなところにやりがいを感じていますか?
社内でも社外でも、自分がやったことに関して「ありがとう」と言葉をかけてもらえるのが、とてもうれしいです。
入社3か月で、一人で大阪の企業研修として、LGBTについてや、当事者は何に困り、周りはどう接していくのがよいのかなど、職場での対応について講演しました。すごく緊張して臨んだのですが、その帰りの新幹線で参加者の方から「自分は当事者ではないけれど、話を聞けて勇気をもらった。ありがとう」とメールをいただいたんです。うれしくて、車内なのに泣いてしまいました。自分が話すことで、これだけ人に影響を与えられるんだなと感じて、やりがいを感じた瞬間でした。
今までは、裏方で支えるような仕事が多かったのですが、ReBitに入って表に出ることが増えたと思います。それもやりがいを感じているので、苦にならないです。
求められるスキルは高い。でも何でも言い合える仲間とだから、成長したいと思える
――転職してみて、なにか期待とのギャップはありましたか?
あまりないと思います。ただ、分かっていたことですが、求められるスキルやコンピテンシーがとても高い仕事です。自分にはそこまでのスキルがなかったので、力不足を感じながらも学んでいる最中です。
――一般的には自分ができないことが多いと「苦しい」と捉えられることが多いですが、井澤さんはお話していてむしろ楽しそうに見えます。なぜ「学びたい」と前向きな姿勢でいられるのでしょうか?
なんでも言いやすい環境があるからだと思います。だから、厳しく言われるけど、結果が出たらメンバーから感謝されるし、みなさん声をかけてくれます。そのような環境の中にいると、がんばろうと自然と思える気がします。
四半期ごとの面談や、日常的なミーティングの中で、常にフィードバックをもらえて、手をかけてもらっているなど感謝の気持ちもあります。
――お話をお伺いしてきて、これまでと、転職した今の井澤さんでは、もしかしてご自身に大きな変化が生まれているのではないかなと感じたのですが、いかがですか?
そうですね。積極性は出てきたと思います。これまでは、どこか引いた姿勢だったのが、変わってきているような気はします。
――(事業本部長兼人事の中島さんが飛び入り参加!)
- 中島さん
本当にそうなんです!入職当初と今を比べると、昔から井澤さんを知っていた訳ではないですが、とても変わったと思うことがあります。ミーティングでの発言もより積極的になってきていますし、表情が柔和になり笑顔が増えた印象です。
先ほどの大阪での講演からはスピーカーとしても独り立ちしつつあり、今ではすごく頼らせてもらっています。チームとしても、井澤さんにとっても居心地のよい場でありたい、という意識がある気がしますし、参画してくれたことで、チーム自体の魅力が増したと思います。
事務所にてReBitメンバーと
それは、プレッシャーですね。(笑)でも、至らない自分だけど、期待をかけてくれているなと感じています。うれしいです。
――最後に、これから転職しようと考えている方へメッセージをお願いします。
やっぱり、やりたいと思うことをやっている方が楽しいと思います。自分の中で大切にしたいものは人それぞれ。その一つがもし仕事だと思うなら、つらかったり、やりたくないことに時間を費やすよりも、やりがいを感じることに時間を使った方がよいのではないかなと思います。
井澤さん、そして飛び入り参加の中島さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。井澤さんのいきいきとした表情がとても印象的でした。
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