2020年10月27日~31日の5日間、オンラインで実施された「ローカルベンチャーサミット2020〜withコロナ時代のニューノーマルを創る 地域×企業連携のための戦略会議〜」(※)のダイジェストレポートをシリーズでお届けしています。
この記事では、連日行われた基調セッションの中から、ひときわ個性豊かな登壇者3名による中身の濃すぎるトークの要約をお届けします。テーマは「イノベーションと越境人材」。日本企業に「世界標準の経営理論」を実装することがミッションというビジネススクール教授の講義に続き、大手ゼネコンから島根県雲南市へ出向して企業連携を通したまちづくりに挑むビジネスマン、そして雲南市を起点に地域密着の新事業を次々展開する起業家が加わって、果たしてどんな話が展開したのか。ぜひお読みください。(文中敬称略)
基調セッション
「これからのイノベーションとそれを牽引する越境人材」
早稲田大学大学院/早稲田大学ビジネススクール教授 入山章栄(いりやま・あきえ)氏
島根県雲南市政策企画部(竹中工務店まちづくり戦略室より出向) 岡晴信氏
モデレータ:Community Nurse Company株式会社代表取締役 矢田明子氏
入山章栄氏講義:イノベーションは知と知の新しい組み合わせ。もっと「知の探索」を
アフターコロナのビジネスはどう変わるかという質問をよく受けるが、コロナ以前から問題の本質は変わっていない。少子高齢化、デジタル化、AIの進化。先が見えない不確実性の時代には、とにかく変化してイノベーションを起こす、つまり新しい価値を生み出すことが必要で、その重要性がコロナ後はさらに高まる。やるべきは方向転換ではなくイノベーションの加速だ。
■早稲田大学大学院/早稲田大学ビジネススクール教授 入山章栄(いりやま・あきえ)氏
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年から現職。国際的な主要経営学術誌に論文を発表している。近著に「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)。詳細はこちら。
逆に、なぜ今までは変化しなかったのか?そこには、危機感の欠如という明らかな理由の他に、「経路依存性」というものがある。社会も企業もいろいろな要素が合理的に噛み合って回っている。うまく噛み合ってしまっているから、そのうちどこか一つだけ変えようとしても難しい、ということだ。
典型的な例がダイバーシティだろう。「女性の活躍」が叫ばれて久しいが、東京の大企業では全然進んでいない。僕は以前から「ダイバーシティだけを進めようとしても無理ですよ」と言ってきた。人材を多様にしたければ、新卒一括採用を止めて中途採用を増やし、メンバーシップ型の終身雇用を止め、さらには評価制度も変える必要がある。いまだに一律5段階とかで評価していたら、多様性が増えるわけがない。平成の30年間、日本企業、特に大手が変化できなかった理由はここにある。
ところが今、コロナ禍によって全部を変えられるビッグチャンスがやってきた。デジタルのサポートを受けて働き方が大きく変わり、評価制度も年功ではなく成果ベースへと必然的に変化するはずだ。メンバーシップ型雇用も終わってジョブ型になっていく。さらに、コロナ前よりもオンラインでつながりやすくなった結果、副業も激増している。
もちろん「経路依存性」は、東京の大企業だけでなく日本社会全体が持っている課題であり、その中で岡さんや矢田さんのような変革者の人たちは大変な苦労をしてきたと思う。いまは全部を変えられるビッグチャンスであると同時に、最後のチャンスかもしれない。ここでイノベーションが起こせなかったところは本当に廃れてしまうだろう。
イノベーションの根本原理は、「知と知の新しい組み合わせ」だ。人間の認知には限界があり、どうしても目の前のものだけを組み合わせがちだが、ずっと同じ業界で同じ人に囲まれていると、目の前のものの組み合わせはすぐに尽きてしまう。だから、大企業ではほとんどイノベーションが起きない。
それを突破するには、なるべく遠くにある知を幅広く見る必要があって、それが「知の探索」(上のグラフ縦軸)ということだ。例えば北海道と島根などという地理的な距離でもいい、とにかく離れた知と知を組み合わせる。そして、会社は当然利益を出す必要があるので、その組み合わせの中からこれが儲かりそうだと思ったら、次はそれを深掘りして磨き込む。それが「知の深化」(グラフ横軸)だ。この探索と深化のバランス(両利きの経営)が重要なのだが、どうしても深化の方に偏ってしまいがちになる。効率を重視すれば、目の前の儲かっているところを深掘りしたくなるし、しかも探索には大変な労力を要するからだ。
探索を促すには何が必要か?ひとつは「移動すること」だ。自分の知らないところに行き、見たことのないものを見る。そう考えると、都市と地方の間の移動はものすごく重要で、岡さんのように東京から雲南市への越境もしかり。それ自体が「知の探索」になる。
もうひとつ重要なのが組織のダイバーシティだ。知は人が持っているものだから、組織内で「離れた知と知の組み合わせ」を起こそうとすれば、人材は多様な方がいい。さらに言えば、ダイバーシティは一人でも獲得できる。一人で多様な知見や経験を持っていれば、それだけで離れた知と知の組み合わせになる。専門的に言うと、イントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)を持つということだ。
もう一つの理論メカニズムとして、「ストラクチャル・ホール理論」を紹介する。下図の一つ一つの点は人を表わし、それをつなぐ線は人脈だ。この中でいちばん得をする人はだれか?この理論によると、それは明らかに真ん中の人だ。一見つながりが少ないように見えるが、逆に上下に隙間(ストラクチャル・ホール)があり、2つのクラスターのハブ=つなぐ役目を担うことができている。結果的にこの人にいちばん多くの知が入ってきて、知と知の離れた組み合わせが可能になる。このようにクラスター同士をつなぐハブになれる人、つまり越境人材が、これからの時代に必要だと思う。
「戦略的不良社員」が妄想と対話でイノベーションを起こす
矢田:入山さん、ありがとうございました。ここからディスカッションしていきたいと思います。岡さんは、竹中工務店のまちづくり戦略室から雲南市に出向して1年あまり経ちますね。まさに越境して「知の探索」をされているわけですが、その間「むちゃくちゃしんどかったこと」はありますか?
岡:まず、島根に行ってまちづくりをやる、ということの意味を社内で理解してもらうのが難しかったです。本業の建設業の売上に直結する仕事じゃありませんから。
■島根県雲南市政策企画部(竹中工務店まちづくり戦略室) 岡晴信氏
最初の就職先を3年で退職、海外遊学ののち大学に入り直して建築学を学ぶ。設計事務所を経て竹中工務店に入社、ワークプレイスコンサルタントを務める。経営企画室へ異動後、2016年にまちづくり戦略室を立ち上げ。「いるだけで健康になる空間の創造」を掲げた「健築®︎」というコンセプトでまちづくりの事例を探るなか、雲南市のコミュニティナースの取り組みと出会い、雲南市との連携が開始。2019年4月より雲南市へ出向。東京と雲南の二拠点を往来している。
岡:社内には自分たちの市場は大都市だという思いもあって、そのギャップがつらいところでした。が、最後はトップマネジメントの理解を得られたことが大きいですね。2018年から現地視察も含めて雲南市との会話を始めて、やはり誰かが現地に行かなきゃいけない、ということは少しずつインプットしていたんですが、最終的に「僕が行きます」と言ったとき、トップが「じゃ行ってこい」と。ミドルマネジメントは数字のプレッシャーが大きいので、先ほどの入山先生の話でいうと、「知の深化」の方にどうしても偏ってしまって、こういう「探索」の動きが理解されにくいところはあります。
矢田:全社的に理解されているわけではないけれども、戦略的・環境的に合意形成をしていると。
岡:そうですね。僕は今いろんな人に「戦略的不良社員になろう」と呼びかけているんです。ただの「不良社員」ではダメですけど(笑)、戦略的に外へ飛び出すこと。数字のミッションに縛られている中間管理層を飛び越えて、うまくトップマネジメントを巻き込みながらやる。そういうことを仕掛けていくと、イノベーションは起きるんじゃないかな。
入山:すばらしいですね。僕はよく「ゲリラ」という言い方をします。イノベーションは社内のいろんなレイヤーを無視して勝手にやらなきゃいけませんから。ゲリラのテクニックはいろいろですが、直の上司にもっていくとたいがい止められるから、斜めに飛び越えて行って刺すみたいな(笑)。そういう戦略的不良やゲリラのことを、学術的には「バウンダリー・スパナー」と言います。境界(バウンダリー)を越える(スパン)人たちということ。
矢田:そもそも「知の探索」ってすごく時間がかかるもので、たぶん、やりながら効果的な探索方法を見つけていくのだと思うんですよ。「斜めに行って刺す」のもそのひとつでしょうが、周りを見ていると、探索がスムーズにいく人といかない人がいる気がします。岡さんが「斜めに行く」とき、大切にしていること、気をつけていることはありますか?
岡:妄想と対話ですね。いま僕がいるのは最近オープンしたシェアオフィスなんですけど、1年前に雲南に来たとき、こんなシェアオフィスをつくりたいという妄想をいろんな人にぶつけていって、結果実現しました。最初から「〇〇を提案します」じゃなくて「妄想です」と断っておけば、相手も気軽に「よく分からん」「こんなの無理だよ」とかいろいろ対話が生まれて、そうこうするうちにみんなが応援してくれるようなことが起きたりします。
入山:その妄想と対話もすごく大事です。「知の探索」は大変な作業なので、継続するにはセンスメイキング=腹落ちが必要なんです。なにが正解か分からない時代には、自分で自分の未来に納得して進むしかない。僕の周りでもイノベーティブな人はみんなそうです。では、腹落ちのために何が必要かというと、まさに「妄想」だと僕は考えてます。最近よく、課題解決型より課題発見型の人材が重要というじゃないですか。でも、どうやって課題発見するかといえば、まさに自分の願望と現状のギャップこそが課題。逆に言えば願望や妄想がないと課題も分からない。
「腹落ち」するには対話による暗黙知の言語化を
入山:それから、(ナレッジ・マネジメントの権威である経営学者)野中郁次郎先生の「知識創造理論」(SECIモデル)では、暗黙知と形式知の往復する人や組織が新しい知識やイノベーションを生み出せると言っています。
入山:自分が腹落ちしていることを相手にも腹落ちさせようとしたら、その暗黙知を形式化して言葉にする必要があります。でも実際には、個人でも組織でも暗黙知や「想い」の方がはるかに豊かで、そのほとんどが形式化されていない。これをするには、野中先生のいう「知的コンバット」、つまり熱い対話が必要なんです。それを繰り返すことで、自分の妄想がやがて説明できるように形式化されて、相手も腹落ちさせられる。そうすれば「知の探索」が続けられる。矢田さんもそういうことはやっていますか?
矢田:私自身は基本「暗黙知」だらけだと思いますけど(笑)。雲南市の政策企画部に、私が「静かなるイノベーター」と呼ぶ佐藤満さんという人がいるんですよ。「雲南ソーシャルチャレンジバレー」を構想した方です。彼がいつも言うのは、「熱くぶつけ合って握手を交わすと、我々が思っていたことは一緒だなという大いなる勘違いが起きる。そこまで行け」と。私はこの10年間、佐藤さんから対話の仕方・相手との向き合い方を徹底的にOJTしてもらったんです。
■Community Nurse Company株式会社代表取締役 矢田明子氏(写真中央)
島根県出雲市出身。2014年島根大学医学部看護学科を卒業、人材育成を中心に事業を運営する『NPO法人おっちラボ』を立ち上げ。雲南市が主催する課題解決人材育成事業「幸雲南塾」で、地域に飛び出す医療人材によるコミュニティづくりを提案。2016年5月より「コミュニティナースプロジェクト」でその育成やコミュニティナース経験のシェアをスタート。2017年にCommunity Nurse Company株式会社を設立。健康で豊かな暮らしができるまちを日本中に作るべく活動している。詳細はこちら。
矢田:それを佐藤さんは、「お互いが思っていることは一緒だと勘違いする作法」と言うんですが、それを個人でやろうとすると、やっぱり恐れとか遠慮とかが邪魔をするときもあると思うんです。岡さんはどうでしたか?
岡:島根に来ること自体が、もう恐れの始まりでしたよ(笑)。まだうちの子どもも小さいし、どうなっちゃうんだろうと。でも、雲南市にある木次(きすき)乳業創業者の方の、「失敗のない人生は失敗だ」という言葉を聞いたとき、心が震えたんです。なんだか自分は守りに入っているな、と。いま、矢田さんを含めて雲南市の人々はこの「失敗」を合言葉にしていますよね。雲南市は「チャレンジ」をとても大事にしていて、行政職員が「小さな失敗はしてもいい」と言える環境に、僕はすごく感化されました。
入山:僕も失敗はすごく重要だと思っています。評価制度が一律で、成功・失敗の二択しかないと失敗できない。だけど、「知の探索」は知と知の新しい組み合わせなので、絶対に失敗が多いんです。例えば(アマゾン創業者の)ジェフ・ベゾスなんて1年に70も新規事業をやってほとんど失敗。その中から当たるものが出てくる。だから、失敗を受け入れるのはものすごく重要なんだけど、とはいえ東京の大企業ではなかなか難しい。むしろ雲南のような地方のほうが失敗の範囲も小さいから失敗しやすい。それがむしろ、地方が人を惹きつけるポイントになるかもしれませんね。
「越境人材」は地方だけでなく都市部も変える
矢田:私が思うのは、(市場規模が大きい)東京では圧倒的に「知の深化」側のコミュニケーションが多いけれども、そもそも地方にはビジネス的にそれほど深化する余地がない。だから基本は「探索」、というか(生き抜くための)「動物的な営み」がすごく多いと思っています。岡さんは、東京の中で越境・探索を試みるよりも、雲南に来てからの方が探索しやすくなったと感じていますか?
岡:圧倒的にしやすいですね。比べること自体がもうおかしいくらい。東京だと効率的にPDCAを回して利益を出すというロジックががっちり組み上がっていて、一社員がそこからはみ出そうとしてもできない。最初に入山先生がおっしゃった「経路依存性」です。それが地方に行くと一人で全部やらなきゃいけない。つまり、全部自由にできる。そうやって小さなことから探索が始められます。
入山:なるほど。僕はずっと都心にいるせいか、逆に地方には閉鎖的なイメージを持っていました。古い慣習も残っているから「知の深化」の方に偏っていて、変化は難しいのではないかと思っていたけれども、全然そうじゃないんですね。
矢田:地方は、経済やビジネスの文脈ではなくて「人間の営み」という意味の深化が強くて、そこに固執があるんですよ。だから異質なものは排除したくなる。事業としては成り立っていなくても、生きていく術とか知恵みたいなものはあふれていて、逆にそちら側が閉鎖的なんです。だからそこが開かれて混ざっていくと、ものすごい可能性があると思ってます。私は逆に、岡さんが地方でそういう体験をして東京に帰ったとき、そこで何が起きるのかに関心があります。個人が変化することで都市部の企業はどう変化するのか。
岡:大企業も変わっていくと思います。昨年(2019年)、有名な大手IT企業の幹部候補生40人ぐらいが雲南市に研修にいらしたことがあったのですが、その企業さんも、もう社内だけでは社員育成できないと言っていました。例えば、SDGs(持続可能な開発目標)の推進にしても、パーティションに囲まれた部屋の中でSDGsバッジを着けて、「さあ、やろう」と言っても絶対に何も生まれない。現地でおばあちゃんや子どもたちと対話してみよう、ということは地方の方が非常にやりやすいわけです。
入山:僕は「SENDAI SOCIAL INNOVATION SUMMIT」という、東北最大級の社会起業家のピッチコンテストの審査員をやっています。登壇者はみんな普通の人たちです。強い想いをもって素晴らしいアイデアを披露して、本当に感動するんだけれども、ビジネスモデルとかマネタイズとかの感覚が全然ない。この構想、東京のあの会社のあの技術があったら一発でできるよね?みたいなのが多いんです。だから、地方と東京のアイデア・知見・技術がもっとうまく組み合わさるといいと思っています。
矢田:私が代表を務めるCommunity Nurse Companyのメンバー15人も全員が越境組です。その中に(コンサルティング会社の)PwCさんからフルタイム出向してくださっている方がいますが、私たちのやっていることを私たちが気づかないところで、ちゃんとキャッシュに変えていく技術を持っていて、凄まじい影響を与えてもらっているんですよ。いま岡さんは、企業と雲南市の連携をコーディネートする部署におられますが、その連携も、最初は行政予算でやるとしても、その後いかにサステナブルな事業にしていくかを最初から議論されていますよね。
岡:それはなかなか難しい課題です。地域の人の思いがどれだけ強くても、事業として回らないとサステナブルではありません。規模を追求せずとも10年20年と続けていくには、企業が培ってきた「知の深化」のノウハウが確実に生きる。そこをちゃんと組み合わせればうまくいくと思うし、その部分こそ頑張らないといけない。雲南市ではそれができると思ってチャレンジしています。
「失敗しやすい」地方だからこその可能性
矢田:最後に視聴者からの質問を紹介します。「失敗を許容する文化はどうすれば育っていくと思いますか?」 かなり本質的な質問ですね。
入山:精神論だけじゃなくてちゃんと仕組みをつくることですね。企業の場合、いちばん重要なのはやはり評価制度。成功・失敗だけの紋切り型ではだれもチャレンジしません。既にグローバル企業は定性的な評価(ノーレイティング)に移行しています。あとは、失敗の経験だけをプレゼンして褒めたたえるピッチなんかもいいかもしれない。それも毎回必ず社長から始めるという(笑)。今日お話を伺って学びになりましたが、たぶん東京より地方のほうが失敗はできますよね。
岡:東京だと見る目も多いので、「ほら見たことか」と言われやすい環境かもしれませんね。個人でちゃちゃっとチャレンジして小さくPDCAを回してみたくても、東京では大ごとになっちゃう。いろんな人を集めて勉強会とかしてたら、もう絶対に失敗できない(笑)。
入山:自分たちの未来に腹落ちしていると、遠い未来の種に投資しますよね。でも未来のことは1件当たりの単価が安い。だからいっぱい失敗ができるんです。その中で、これは当たりそうだと思ったとき一気にスケーリングすればいい。でも、未来の腹落ちが弱いと目の前の儲かりそうなところだけにしか投資しないので、すぐにピークアウトしてしまう。そういう意味では、地方はそもそも額が小さいし、未来の種まきにチャレンジしたり、たくさん失敗できたりするのはすごくいいですよね。
矢田:先ほどから聞いていて、挑戦する個人が自分の未来に腹落ちするのは、事業以前に自分自身にイノベーションが起きていくプロセスなんだなと思いました。地方の場合、ビジネスの数字上の失敗よりも、自分の居場所を失くすという失敗への恐怖がすごく大きいと思うんですよ。どこへいっても顔が割れているし、失敗も含めてやったこと全部が噂として語り継がれていくみたいな怖さもある。そこへ外から越境してきた人たちが入ってくることで、そんな「失敗」は大したことじゃない、逆に賞賛に値する、みたいな雰囲気に変えていけるんじゃないかなと。地方における越境人材の挑戦が起こす価値をあらためて感じました。今日はありがとうございました。
※ローカルベンチャーサミットは、地方発ベンチャーの輩出・育成を目指す自治体コンソーシアム、ローカルベンチャー協議会が主催するイベント。参画自治体および各地のベンチャーたちに、メーカー、物流、ゼネコンなどの大手企業も加わり、プレイヤー連携の最新事例を共有し、協働を生み出す場として毎年開催されています。4年目となる今年は、初の全面オンラインで実施。各日の基調セッションのほか30の分科会が設定され、5日間で延べ1,700名に参加いただきました。本サイトでも各セッションの内容をダイジェストでレポートしていきます。
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