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旅するように仕事する。軽やかなキャリアチェンジを支える信念とは?【未来を創る仕事への転職インタビュー:ケイスリー(株)・今尾江美子さん】

2021.03.17 

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DRIVEキャリアを通じて、新しい挑戦へ向けて転職された方にお話を聞くシリーズ【未来をつくる仕事への転職インタビュー】。 今回お話をうかがうのは、今尾江美子さん。社会的価値向上を目指す組織・事業に向けたビジネスを展開するケイスリー株式会社に、2017年に社員第1号として転職。旅するように生きる今尾さんの、軽やかな意志決定の裏側に迫ります。

 

採用を担当したケイスリー株式会社代表 幸地(こうち)さんのインタビュー記事はこちら。

ミッションとカルチャーへの共感。見えないけど大事なことを見極めるには?【採用活動のポイント:ケイスリー(株)】

 

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代表取締役/幸地正樹

ソーシャル・インパクト・ボンド等の成果連動型委託契約や社会的インパクト・マネジメントなど、成果向上に向けた手法の研究・導入支援を行うケイスリー株式会社を2016年に設立。ケイスリー創業以前は、PwCコンサルティング合同会社にて主に中央省庁や地方自治体など官公庁に対する戦略策定支援、予算評価や事業者選定支援、PMO支援等の業務に10年従事。琉球大学非常勤講師。沖縄県那覇市出身。

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今尾 江美子

社会的価値の言語化・可視化を通じて、営利・非営利をまたぐ多様な関係者とともに、新たな経営や事業、組織、金融のあり方を考え、創ることに取り組む。大学卒業後、日系・外資系金融機関に勤務。米国留学を経て、独立行政法人国際協力機構(JICA)の官民連携事業に従事し、途上国における課題解決型ビジネス(BOPビジネス、SDGsビジネス)支援を担う。2017年より現職。JETROアジア経済研究所開発スクール、米デューク大学院(国際開発政策)修了。一般社団法人Gemstoneパートナー。

 

※現在DRIVEキャリアで募集中のケイスリーの求人はこちら

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旅するように、仕事をする

 

――働き出した当初は、パートタイムで、他の会社との兼業からスタートしたんですよね。なぜ、兼業しようと思ったのですか?

 

もともと兼業しようって意志があったというよりは、ケイスリーの求人記事を見て思いつきました。

 

ケイスリーや幸地さんのことは以前から知っていて気になっていたこともあり、求人を見た時のことは、すごくよく覚えてます。短い間に求人記事をたまたま2回連続で見たんです。2回目は、出張でインドネシアにいた時でした。

 

1回目に見た時は、「もう少し早めにこの情報を見ていたら、この選択肢もあったなぁ」って思ったんですよね。でも、当時は転職したばかりだったので、その時は検討せずに流したんです。

 

でも、2回目に見た時に、それがDRIVEキャリアだったと思うんですけど、「ああ、複業ってありえるかも!」ってひらめいたんです。

 

ケイスリーのミッションや事業領域は、私自身の関心と大きく重なっていました。ソーシャル・インパクト・ボンド(※)はずっと関心があったことですし、複業を考えれば、この機会を諦める必要はないな、と思いついて応募しました。

※行政や民間事業者及び資金提供者等が連携して、社会問題の解決を目指す取り組みのこと。

 

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JICAで働いていた頃の写真

 

――ケイスリー代表の幸地さんは、面接開始2、3分で「今尾さんしかない!」と思われたそうです。今尾さんはどうでしたか?

 

それは初耳です。そんな風には見えませんでした(笑)。

 

私の方は、DRIVEキャリアの記事を見て、自分の経歴や価値観との親和性を強く感じていたので、面接する前から、強気なスタンスでした(笑)。そこに、複業で関わるっていうこのアイデアを絶対実現させたい!と思ったんですよね。

実際に1時間近く話した後でも、その気持ちは変わりませんでした。

 

――ケイスリーに入社されて3年経ちますが、今はどんなお仕事をされているのですか?

 

コンサルティング事業のプロジェクトマネージャーをやっています。

ケイスリーでは、社会的インパクト(※)を大きくするために、どのように事業を変革していくか、コンサルティングする事業をしているんですね。常に複数のプロジェクトが動いていて、その中のいくつかを担当しています。

※事業や活動を行ったことによって生じる社会的変化

 

例えば、SDGsを推進していくための新しいモデルをつくる自治体の事業とか、社会課題を解決する新規事業を立ち上げる企へのアドバイザリーとか。

 

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ケイスリーでの仕事風景

 

――今の状況は、入社前に思い描いていたイメージどおりですか?ギャップもありますか?

 

ギャップっていう意味でいうと2つありまして。1つは、こんなに大きな組織になると思っていなかった(笑)。当時はですね、3人しかいなくって。いまは20人くらいになっています。

 

――(笑)

 

面接で幸地さんに「今後この組織どうしていこうと思ってるんですか」と聞いたんですね。そうしたら、「あんまり規模を大きくするつもりはありません」と、言っていて。私は小さな組織が好きなので、そこが良いなと思ったんですけど、みるみる大きくなりまして(笑)。

 

――でも、組織は大きくなっても、ルールにとらわれず、皆さん自由に働かれているイメージがあります。幸地さんは沖縄に移住されていますし。

 

そうだと思います。幸地さんの大らかなキャラクターや個を大切にする考え方が、良い意味で影響していると思います。

 

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――もう1つのギャップは何ですか?

 

こんなに関わりが大きくなると思ってなかったことですね。最初は週1日で、お試しくらいの感覚でした。それが、いまではフルタイム相当に。でも、最初のイメージと違うところにたどり着いている、というのは、決して悪いことではなくて。

 

私、大学の頃にバックパッカーだったんですね。その感覚が自分の原点にあって、「いろんなところに、心のままに旅に行く」みたいな感覚がどこかにあります。

 

――旅するように仕事する。具体的にはどういうことでしょう?

 

今後、自分がどこに行きたくなるか分からないので、その時に自由に自分で決められるっていうのを大切にしています。

 

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バックパッカーだった大学生時代の写真

 

「何をやるか」と同じくらい「誰とやるか」も大事

 

――今までどんな旅路だったのか聞いてもいいですか?

 

大学生の時に、NGOでベトナムの子どもたちを支援するボランティアをやっていたんですね。その時に、現場での支援も大事だけれど、全体の仕組みを変えないと世の中変わらないのでは?とモヤモヤしたんです。

 

帰国後にその悩みを話したら、NPOマネージメントの団体でのインターンを紹介されて。そこに関わる中で、エコファンド(※)の存在を知ったんです。

※環境に配慮した経営を行っている企業を中心に投資する投資信託のこと

 

金融で社会を良くしていくっていうのが、仕組み全体に働きかける感じがしていいなと思って、新卒で金融機関に入りました。

 

でも、ビジネスの現場にいると社会課題からは遠くなってしまうのと、なかなか自分の理想を実行するのも難しかったので、会社をやめて大学院で開発学を学ぶことにしたんです。

 

一回ビジネスから離れて、そこからもう一回金融と社会課題をつなげるようなポジションに行こう、と思い描いて。大学院卒業後は、JICA(独立行政法人国際協力機構)の官民連携のポジションに就きました。

 

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JICA時代の写真

 

でも、組織の中にいると、自由度ってどうしても低くなってしまうんですよね。例えば、自分がやるべきと思うことが組織のルールにそぐわないことだってあるわけです。

 

自分が何をするか、という選択を、誰かの許可を得なければ出来ない、というのではなく、自分で決められる環境をつくりたかった。それで、JICAを離れた後は、ベンチャー組織に属したり、個人で仕事をしたりしています。

 

――それで冒頭の話につながるんですね。金融、大学院、国際機関、ベンチャー企業と転身が軽やかですが、キャリアの選択に悩んだことはなかったのですか?

 

新卒から10年くらい金融機関に勤めたんですけど、辞める時は、ものすごく悩みました。もともと「金融を通じて社会をよくする」というところに関心があって入社したんですけど、私と同じようなこと考えている人にはほとんど会わないんですよね。社内では「それって儲かるの?」って言われたりして、全然実現できなくって。

 

この場所にいる限り、自分のやりたいことは出来ないかもしれないなぁと思って。結果的に会社を辞めて大学院に行くんですけど、辞めるまでに、何年もかかりました。

待遇も良かったですし、「それを自ら捨てるなんて愚かなんじゃないのか」とも考えました。

でも、お金や社会的地位よりも、私は、「自分がやっていることに、自分で誇りを持っている」というのを大事にしていきたいと、最後は思ったんです。

 

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米・デューク大学院時代の写真

 

――よく決断できましたね。ここを経験したら、その後の転職の決断は楽になったのでは?

 

自分の判断軸ができたという意味ではそうですね。でも、求めていた環境をつくるには試行錯誤がありましたし、いまだ続いています。

 

――仕事を選ぶときは、何を軸にして選んでいますか?

 

最初は「テーマ」を追っかけていたんです。「金融を通じて社会をよくしていく」とか、「ビジネスと社会課題を掛け合わせていく」とか。

その「何をするか」というテーマはもちろん大事なんですけど、最近は「誰と働くか」もすごく大事だな、ということに気づきました。

一緒に働く人に、自分がとても影響受けるんですよね。だから、自分がやりたいことを選ぶということもそうですけど、「誰と働くか」ということも含めて、自分で選んでいける環境に身を置けるようにしています。

大事なことは、自分の心と直感に従う勇気をもつこと

 

――今尾さんが、人生の意志決定をする上で一番大切にしていることって何ですか?

 

自分の人生に、オーナーシップをちゃんと持つ、ということでしょうか。

自分が自分のやっている事に納得していないのは、せっかく与えられた人生に対して誠実ではないな、と思って。

 

結局、人生って時間だから。残された時間を考えると、どう生きるかって、時間をどう使うかってことに置き換えられますよね。仕事って人生の時間の大部分を占めるわけです。そこで自分が信じられることと繋がっていたい。それが何だろうっていうのを、日々自分に問いながら仕事をしているって感じです。

 

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――最後に転職に悩んでいる方へメッセージをお願いします。

 

決めるときは、「自分の心に聞く」というところが大きいと思っています。あとは、やってから考えよう、やりながら考えよう、と。それなりに悩みはするものの、最後は目をつぶって飛び降りるという感じです(笑)。

 

あと、大きな決断のときには、Steve Jobsの伝説のスピーチを読み直すこともあります。

「And most important, have the courage to follow your heart and intuition」

    (一番大事なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだよ)

「If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle. As with all matters of the heart, you’ll know when you find it.」

(もしまだ自分が愛すべき仕事に出会っていないのなら、動き続けなさい。それを見つけたときに心が教えてくれるから)

 

この辺りの考え方が決断の支えになっています。私自身も、今もまだゴールではなく、旅の途中です。

 

――ありがとうございました。

 

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乗越 貴子

1982年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、塾講師、ネットサービスベンチャー企業を経て、NPO法人ETIC.参画。2児の母。志ある人と組織をつなげる求人サイトDRIVEキャリア(http://drive.media/career)で、事務局業務を担当しています。モットーは、「書くことと人をつなげることで、一歩踏み出す勇気を生み出せる人になる」

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