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自己肯定感が低い「ネガティ部長」が変わった2つのきっかけとは?お祝い準備が手軽にできるサービス「Orebi(オレビ)」・山本珠鈴さん

2022.06.29 

7月7日、織姫と彦星が年に一度出会う七夕は、「ギフトの日」でもあります。 1987年のこの日に全日本ギフト用品協会が法人化されたのが由来だそうです。

 

みなさんは、最近誰かのお祝いをしましたか?毎日忙しくて、お祝いの準備ができない方も多いのではないでしょうか。

 

今回は記念日パーティの演出を手軽に準備できるECプラットフォーム「Orebi(オレビ)」をご紹介します。

 

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東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」事務局(NPO法人ETIC.(エティック))が、本コンテスト出身の起業家をご紹介する特集です。

>> 特集「やりたいように、やってみた~世界を変える起業家たちの挑戦~」

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Orebi LP Mockup - 山本珠鈴 (1)

 

サプライズでお祝いしたいけど準備が大変…を解決するECプラットフォーム

 

「Orebi」は、記念日ディナーのコース料理の予約と、当日贈るギフトの購入が同時にできるECプラットフォームです。購入したギフトはレストランに届くので、事前にオーダーすれば、あとは当日お店に行くだけ。まもなくサービス開始予定です。

 

このサービスを開発したOrebi合同会社代表の山本珠鈴(やまもと・じゅりん)さんにお話を伺いました。

 

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山本珠鈴(やまもと・じゅりん)さん

Orebi合同会社 代表

TOKYO STARTUP GATEWAY2021セミファイナリスト

https://www.orebi.net/

ネガティブからポジティブに、山本さんを変えた二つの経験

 

お祝いの機会を増やすことに貢献したいと話す山本さんの原体験は、高校生時代にさかのぼります。誕生日にクラスメイト全員からサプライズでお祝いをされました。誕生日を祝う慣習のない家庭で育った山本さんにとって、自分の存在価値を認めてもらえたと思える大きな出来事でした。

 

大学生時代には、自分で作詞作曲した曲をインターネットで発表していました。作曲を始めた当初の山本さんは、友人に「ネガティ部長」と呼ばれるほど自己肯定感が低く、作詞作曲は自分の思いの吐け口でしたが、音楽活動を続けていると、自分の曲を必要としてくれる人が現れたそうです。「生きてる意味あるかも」と思えた瞬間でした。

 

誕生日にお祝いされたこと、自分の音楽を喜んでもらえたこと、心が動いた二つの経験から、山本さんは、誰かを喜ばせたい、誰かを喜ばせることで、自分はポジティブになれる、と気づきました。

 

こうして、山本さんは自ら、ネガティ部長からポジティ部長へ、人生の舵を切ったのでした。

 

Orebi Instagram

「Orebi」のInstagramより

 

社会人になった山本さんは、仕事に追われ、これまでのように友達の誕生日祝いの準備ができなくなってしまいます。バースデープレートのあるお店選びやプレゼント選びなど、以前は楽しみだったことが「面倒だな…」と感じている自分に驚き、自己嫌悪に陥ってしまいました。

 

「どんなに忙しくても、大事な人のお祝いはちゃんとしたい。もっと簡単にお祝いができたらいいのに」

 

この思いが「Orebi」のサービスに繋がります。

TOKYO STARTUP GATEWAYで「やってみないとわからない精神」を学ぶ

 

山本さんは、2021年のTOKYO STARTUP GATEWAY(以下、TSG)で、セミファイナリストに選ばれました。

 

漠然とした「あったらいいな」のアイデアを、参加者の皆さんと一緒に、ビジネスモデルとしての課題を見つけて深ぼっていきました。

 

「お祝いの準備を面倒だと感じたことがあるか」というアンケート調査も行いました。10代から50代64人にSNSなどを通じて回答を得た結果、「ある」が53% 。半数以上がお祝いしたいのに準備が面倒だと感じていました。その面倒さを解決できたら、「おめでとう」や「いつもありがとう」をもっと伝えることができる、そして人を喜ばせられる。山本さんはそう考え、ビジネスにする確信を持ちました。

 

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TOKYO STARTUP GATEWAY THE FINAL セミファイナリストピッチでの山本さん

 

メンターである株式会社エスティームの和田さんに、今すぐやったほうがいいよと後押しされたことも、山本さんを加速させました。

 

頭で考えるだけじゃなく、行動する。「やってみないとわからない精神」が身に付きました。

 

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宮坂学東京都副知事と山本さん

 

2021年12月、TOKYO STARTUP GATEWAY2021のプログラムが終わった5日後、山本さんは「Orebi合同会社」を設立します。「Orebi」の由来は「お礼」をする「日」。日頃の感謝の気持ちや、生まれてきてくれてありがとうという思いを、誕生日の「おめでとう」と一緒に伝えて、喜んでほしいという願いを込めました。

 

今は、サービス開始を前に、同じ志でお客さんを喜ばせたいと考える連携先の飲食店を増やそうとしています。

 

「人を喜ばせることで、私は生きている価値を感じています。自分のために人を喜ばせたいというのは、利己的なことだと思うのですが、それでもやっぱり、喜んでもらいたい。喜んでもらえるから、私はポジティブでいられます。

お料理やサービスでお客さんを喜ばせたい飲食店の経営者の方と一緒に、お祝いの機会を増やして、たくさんの方に喜んでほしいと思っています」

TOKYO STARTUP GATEWAY事務局編集後記

 

お祝いって何歳になっても嬉しいものですよね。人を喜ばせたいという純粋な気持ちがとてもよく伝わってくるインタビューでした。私もお祝いの準備をするのを面倒だと思ったことがあるので、ぜひ早くOrebiが使えるようになって欲しいです。共感してくださる飲食店さんを絶賛募集中ですよ!

 

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東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」は、7月3日までエントリー受付中です。詳細はこちらをご覧ください。

●TOKYO STARTUP GATEWAY2022 WEBサイト https://tokyo-startup.jp/

●プレスリリース:東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」エントリー受付開始!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000012113.html

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木村静

DRIVEメディア編集長。NPO法人ETIC.広報。 北海道出身。札幌のまちづくりNPOに勤務し、コミュニティラジオ放送、地域情報の取材・執筆等を経て、2008年に上京しフリーランスに。アナウンス・司会、ライター、カメラマン、映像制作、講師、リサーチ、イベントのディレクション業などを事業領域に活動。 2015年〜NPO法人ETIC.に参画。 趣味は、歴史、映画、美術、ガーデニング、読書。