「自分と一緒にコーディネーターの方が動いてくれる実感のなかで、選択肢が広がったのは心強かったです」
こう話すのは、この春、財団法人に就職し、さらに個人で地域の課題解決の仕組みづくりを始めた北 愛子さんです。将来のキャリアについて悩んでいたという北さんがどんなステップを経て、納得できるキャリアのスタート地点に立ったのか、お聞きしました。
北 愛子さん
やりたいことを理解してくれる相談先を探した
――キャリア相談のサービスを提供する転職系WEBサイトはたくさんあると思います。どんな理由で相談先を決めたのでしょうか。
相談先を探していた時は、今後のキャリアをどうすればいいのかわからなくなって、漠然とした不安の中ですごくモヤモヤしていました。
求めていたのは、自分がやりたいことを的確に理解したうえで現実的なアドバイスをしてもらうことです。あの頃は、中間支援組織への就職を希望していたので一般的なキャリアとは異なるような気もして、誰かに相談したくても自分に合った答えをもらえるところは限られているように思いました。
DRIVEキャリアコーチングへの相談を決めたのは、公的機関でも民間企業でもない立場だからこその視点で、様々な関連情報や意見がもらえるかもしれないと思ったからです。
話すことで「選択肢は一つ」という思い込みを手放した
――DRIVEキャリアコーチングではどんなことが得られましたか?
「選択肢が増えたこと」が一番大きな収穫でした。私は最初、「どこかの中間支援組織に就職したい」と相談していました。当時、新潟県佐渡市で地域づくりの活動をしていたのですが、私が考えていたのは就職の一択で、複数の選択肢をもつ発想はまったくありませんでした。しかも、佐渡には中間支援組織はなく、市外に出て就職するか、それとも市内に残って別の仕事をするかで悩んでいました。
ただ、最初の面談で、「すでに活動している佐渡を完全に離れてしまうのはもったいないように思います」と言ってもらえたことは、自分にとって大きな発見でした。これから先も愛着のある佐渡で暮らしたい、でもやりたいことにも挑戦したい、その気持ちをどっちも受けとめてもらった気がしたんです。
コーディネーターの方は、続けて起業や副業など様々な両立の方法を提案してくれました。私には新鮮な働き方ばかりで、面談後、自分でも、佐渡で暮らしながら中間支援組織で働くためにどんな方法があるか、また中間支援組織についても「中間支援組織とは何か」という基本的な知識から社会的な役割まで調べました。
自分の興味や思いを資料にまとめ、大勢の前で思いを語る
――調べることで、情報が多すぎて動きづらくなることもあると思うのですが、北さんはどんな風に調べて、それがどう役立ちましたか?
コーディネーターの方から「自分がどんな分野に興味があるかを言語化してみてください」と宿題を出されました。「どんな分野で仕事がしたいのか明確にできたほうが、人やプログラムなど望んだものにつながる可能性も高くなる」と。その面談が終わった後、早速、自分はどんな分野の仕事で何をやりたいのか、どんな企業や団体でキャリアを積みたいのかを言語化し、資料を作りました。
資料作りは、自分のやりたいことを整理する意味でもやってよかったです。教育関係の知人に資料を見てもらいながら自分の思いを話したら、「それは実現するべきだ」と言ってくれて、しかも、いろいろな人を呼んで「私の思いを聴く会」を開いてくださったんです。当日は皆さんに資料を配布してお話したのですが、大勢の前で自分のやりたいことや思いを伝えられるようになったと自分の成長を感じました。
二人三脚で「諦めない」方法を探った
――コーディネーターとの面談を通して、ほかにも北さんの中で変化を感じたことはありますか?
面談では、ETIC.のインターン事業、地域に自律的な仕事や人材を生み出すチャレコミなども紹介してもらいました。私が佐渡での地域づくり活動を諦めて、中間支援組織でやりたい仕事をするしかないと思っていたことに対して、コーディネーターの方は「諦めなくてもいい方法があるはず」と助言してくれて、私も「諦めなくてもいいんだ」と前向きになれました。
「北さん自身がワクワクすることって何ですか?」
コーディネータ―の方がこう問いかけをして下さったことも有難かったです。
実は、自分のやりたいことを追求することで、佐渡での地域づくり活動から離れてしまうことに少し後ろめたさを感じていたのですが、コーディネーターの方はやりたいこと2つともを手にすることの可能性、役に立つ情報、またつながりを持てる人や機会があるか探してくれました。
私だけじゃなく、コーディネーターの方も一緒に動いてくれているのが実感でき、それがモチベーションになって、私も自分にできることはないか探り、動くことができました。こういったやりとりを繰り返すなかで、小さな後ろめたさはなくなっていきました。
二足の草鞋をはく決意とエントリー先の決定
結局、もともと考えていた中間支援組織への就職をして、佐渡ではコミュニティスクールの仕組みづくりや、地域づくり活動を行う個人を支援する活動をすることに決めました。個人の方を対象に支援を行うというアイデアは、コーディネーターの方からの提案から生まれたものです。
北さんが行う地域づくりの活動。学校や地域との連携によりまちの課題解決を実現させ、
新たな可能性を生み出すことを目指している
方向性が決まると相談前のモヤモヤした状態はなくなったし、自分で考え抜いて決めた選択に納得できました。いつの間にか、「2通りの働き方でやりたいことを実現する方法は自分に合っているかもしれない」と新しい視点が生まれ、自分自身がすんなりと受けとめているのを感じました。
キャリアコーチングを通して、自分の思いや考えを整理し、いろいろな働き方や活動、収入を得る方法などを知識が増えたことで、一度、選択肢を広げられたのが大きかったです。そのステップがあったからこそ、最終的に様々な選択肢から今の自分に合った選択ができたと思っています。
財団とコミュニティスクールの仕組みづくりの両輪で成果を出したい
――今後、どんなキャリアをつくっていきたいですか?
私はもともと組織基盤づくりに興味があって、組織の課題解決、マネジメント、資金調達など様々な角度からアプローチしたいと思っていました。就職する財団は、マネジメントをはじめ組織基盤づくりの知見や実績が豊富なので、まずは一つひとつ学びながら自分の役割から成果を出していきたいです。
また、佐渡では学校と地域が連携した課題解決の仕組みづくりに取り組みはじめています。今後は、地域づくりに取り組む個人を支援するためにコーチングを学ぶなど、少しずつでも活動の幅を広げていきたいと思っています。
地域活動として議論の場で話す北さん
また、コーディネーターの方との面談ですごく励まされた言葉があります。「今後、北さんみたいな人が地域にはすごく大事なんです。将来、きっと重要な役割を果たすと思います」と言ってもらえてすごくうれしかったし、「頑張らなきゃ」と勇気づけられました。
気持ちを整理することで次に進める
――転職を考えている人たちにアドバイスをお願いします。
転職を考えているけれど、自分が思い描いている答えが本当に自分に合っているのだろうかとモヤモヤする人、できるだけ広い選択肢からよりよい方向を決めたいという人などは、コーディネーターと話をすることで考えが整理されるので、先に進む方法の一つになると思います。
DRIVEキャリアコーチングではアドバイスされるだけではなく、私の話を聴いて、状況や気持ちを把握しながら「こういう提案ができると思うのですが、どうですか?」と、寄り添った意見を出してくれたことがとても印象的でした。お互い話をすりあわせながら同じ方向へ進んでいる感触がありました。知りたいこと、かけてほしい言葉をピンポイントでもらえて、私も「そうか、そういうことだったんだ」と気づきがありました。
「社会に良いことがしたいけれど何をすればいいのかわからない」という段階でも、話すことで整理されてくると思います。そうすると、自分の中で納得感が生まれます。自分が納得できていれば、選んだ選択でほぼOKだと思うんです。
コーディネーターとの対話は、人生相談のような感覚もあると思います。やりたいことや気持ちがまとまらなくてぐちゃぐちゃな状態でも整理してくれて、私はすごく悩んでいた分、救われました。
考えが整理されると、自分が自分の選択に納得しながら、やりたいことに近づいていけるように思います。
ソーシャルセクターへの転職について詳しく情報が知りたい方や、自分のこれからのキャリアについて相談してみたい方は、『DRIVEキャリアコーチング』を活用してみてください。ETIC.のキャリアコーディネーターが、自分の夢・願いを実現するためのキャリアについて個別にご相談を受けています。
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