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胸を張って子どもに見せられる仕事を!ママたちに学びと挑戦の場を提供し、持続可能な働き方を一緒に考える。キマルス 川端ふみさん

2024.05.07 

お客様に良い商品やサービスを届けるためには、届けたい人に想いをきちんと伝えることが大切です。作り手の想いをデザインやライティングで形にして必要としている人に届けるのが、株式会社キマルスの得意とすること。「起業したのは自分の子どもたちのため」と話す代表取締役の川端ふみさんに、現在の事業内容や、今後実現したいビジョンなどについてお聞きしました。

 

この記事は、東京都主催・400字からエントリーできるブラッシュアップ型ビジネスプランコンテスト「 TOKYO STARTUP GATEWAY」出身の起業家を紹介するWEBサイト「TSG STORIES」からの転載です。エティックは、TOKYO STARTUP GATEWAY(以下TSG)の運営事務局をしています。

デザイン制作やSNSマーケティング事業を展開しながら、ママたちに学びの場も提供

 

 

川端 ふみさん(2019セミファイナリスト/株式会社キマルス 代表)

株式会社キマルス代表取締役。二児の母。会社員から出産を機に退職し、産後はWeb制作フリーランスをしながらWeb系ママのオンラインコミュニティを立ち上げ、ママのためのオンラインスキルスクールを3年間運営。現在は、デザイン制作・SNSの運用・マーケティング支援などを事業の柱とし、スクール卒業生のママたちとデザイナーやSNSマーケターのパートナーシップを結び、さまざまなサービスを提供しています。

 

聞き手:栗原 吏紗(NPO法人ETIC.)

 

――自己紹介をお願いします。

 

株式会社キマルスの代表取締役をしています。二児の母でもあります。会社員から出産を機に退職し、産後はWeb制作フリーランスをしながらWeb系ママのオンラインコミュニティを立ち上げ、ママのためのオンラインスキルスクールを3年間運営していました。現在は、デザイン制作・SNSの運用・マーケティング支援などを事業の柱とし、スクール卒業生のママたちとデザイナーやSNSマーケターのパートナーシップを結び、さまざまなサービスを提供しています。

 

――現在の事業について教えてください。

 

現在、弊社が主力としている事業は、InstagramやLINEアカウントの構築・運用・ブランディングなど、SNSを活用したマーケティングの支援サービスです。SNSを活用したマーケティングは、子育て中のママたちの働き方にすごくマッチしています。

 

SNSでは子育てをしながら自分の働きやすい時間に、制作から運用までできます。

 

株式会社キマルスが運営する「HAKOOSHI!」のWEBサイトより

 

コロナで急速にオンラインスクールが増え、大手企業などが良質なコンテンツを無料で提供するなど競合が増える中で、弊社のオンラインスクールは役割を終えたと判断しました。一方でSNSマーケティングの社会的な需要は高まっていたため、実際の事業の場で、ママたちに学びの場を提供しています。事業に関わりながらスキルを身に付けていく方が本質的に学べると思いますし、私が1番納得できる教育の形でもあったため、このスタイルに落ち着きました。

 

弊社で働いてくださっているママの中には、Instagramの投稿の仕方やインサイトの見方などから学び、最終的にはディレクターとしてチームをまとめたり複数のアカウントを運営したりしている方もいます。

 

まずはアシスタントとしてスタートし、いずれは1人で運用を回せるようになってもらうのがゴールです。そうすれば、今は弊社の仕事をしてくれている方たちが、起業などを考えたときにも、ご自身のスキルや経験を生かしながら自信を持って仕事ができると思います。

ママ・パパ・子どもたちが楽しめる事業を始めたい

 

――事業を進めていてぶつかった壁、大きな課題はありましたか?それをどのように乗り越えましたか?

 

失敗を挙げたらそれこそたくさんあります。例えば、仕事に没頭しすぎて子どもの塾をすっかり忘れてしまったり、お客様対応に手間取ってしまって夕飯の時間がすごく遅くなってしまったり。起業家あるあるかもしれませんが、帰宅した夫から「どうしてまだご飯食べてないの?」と言われてケンカになってしまったこともあります。

 

挙げ句の果てには、「子どもと仕事とどっちが大事なの?」という話になってしまったことも。ですが、私が起業したきっかけや、仕事へのモチベーションになっているのは、すべて自分の子どもです。子どもが生まれてから初めて、自分の次の世代の社会がどうなるのか、子どもたちがどんな社会で生きていくのかということに本気で向き合うようになりました。仕事に対して家族からの理解を得るには、そこをしっかり伝えるしかありません。

 

――今、事業を通じてどのような挑戦をしていますか?

 

子育て中のママやパパだけでなく、やる気はあるのに何らかの事情によってフルタイムで働けない方々を幅広く受け入れられる事業を展開していくことです。そういう方々が自分に合った働き方を見つけて幸せになることで、お子さんも幸せになれると思いますし、社会への貢献や還元にもつながると考えています。これは、以前オンラインスクールを運営していたときから考えていたことです。事業の形は変わりましたが、将来のビジョンとして目指していることに変わりはありません。

 

また、将来的にママ・パパ・子どもたちみんなに喜んでもらえるような新規事業を立ち上げるために、今の事業でしっかり利益を出すことも大切だと考えています。例えば、ママたちがママのために作った商品を販売したり、キャンプ場やコワーキングスペースなど、家族みんなで楽しめるような場所を提供できたりするような事業を始められたらいいなと思っています。

 

個人的には、本を書きたいと思っています。1つはマーケティングの本です。マーケティングというと専門的で難しい内容になりがちですが、小さなお店をやっている人が自分で実践できるような、分かりやすい本を出したいと考えています。ビジネス書というよりコミックエッセイみたいなスタイルで、読んでくれたママやパパが、自分でお店をやってみようかなと思うきっかけにしてもらえるような。もうひとつは、私が学んできたことや起業の経験を、ドタバタ起業録のようにまとめてみたいです。

子育てしながらの「ビジネスコンテスト」はハードルが高かった!?

 

――TSGに参加したきっかけを教えてください。

 

「自分で事業を作りたい。起業したい!」と思った時の自分には、起業に必要なお金も、人脈も、知識も何もない状態でした。もちろん、事業計画なんて作ったこともなければ見たこともない……。そこで、起業するための方法を調べた結果、「ビジネスコンテスト」というものがあることを知り、自分でも参加できそうなビジコンを探しました。でも出てくるのは、しっかりした事業計画が必要だったり、説明会が夜だったり、乳幼児を抱えて参加するのにはハードルが高すぎるものばかり……。

 

その時ちょうどTSG2019の「パパママ向けプレイベント」開催を知り、これなら子どもがいても参加していいんだ!と、片道2時間かけて、二人の子どもを連れて渋谷の会場に伺いました。

 

川端さんが参加された2019年度のプレイベント

 

その日はなんと大雨。びしょびしょの私たち親子を優しく迎えてくださったスタッフの皆さんの笑顔にほっとしたのを今でも覚えています。イベントではパパママ起業家の先輩のお話を聞き、TSGについての説明を受けて、やっぱり応募してみようと決意しました。

 

――TSGでは、どんな出会いがありましたか?

 

起業家として泥臭く、でも熱い心で活躍する先輩方、どんな夢物語にも前向きなフィードバックをくれるパパママ起業家仲間、ひとまわり以上も年下のエネルギーに満ちた若い参加者の皆さん、そして自分の話を真剣に聞いてくれて、さりげなくアドバイスをくれるスタッフの皆さん、普通に生活したら絶対に出会えないような方ばかりでした!

 

――川端さんにとって、TSGはどんな価値がありましたか?起こった変化や気づきなどがあれば教えてください。

 

まずは、自分のやりたい事業を人に話すことで、「いける」という手応えを感じられたこと。回を追うごとにいろいろな人からのフィードバックをもらい、事業計画をどんどん良いものにできたこと。やりたいことがあっても形が何もない状態で「いかに人に伝え、魅力を感じてもらえるか」を意識したプレゼンテーションができるようになってきたことは大きかったです。

 

そして共に励まし合い、情報交換や気軽に壁打ちができる仲間もできました。TSGが終わった今でも、複数のメンバーと一緒にお仕事をしたり、近況を報告しあったりしては刺激をもらっています。

 

そして、TSGでファイナルに向けて駒を進めることで、家族にも「本気度」と「第三者からも評価されている」ことを認めてもらうことができました。これは起業時の創業融資でも非常に有効で、私の場合はTSGのセミファイナリストになれたことが、のちに融資を受ける際に大きくプラスに働きました。

「○○ちゃんのママ」ではなく「川端ふみ」という一人の人間になれた

 

――育児に取り組みながらTSGに参加する上で、工夫したポイントを教えてください。

 

子どもがいる状態でTSGに参加するのは、正直に言ってかなりのエネルギーが必要です。ですが、TSGはパパママの参加をとても歓迎してくれるので、正直に相談してみるのもおすすめですし、思い切って家族の協力、子どもたち自身にも協力をお願いしてみてもいいと思います。

 

ポイントは、「期間限定で全力コミットさせて欲しい」ということを遠慮しないでちゃんと伝えることだと思います。そして、参加するための時間を捻出するために作戦を練ること。私はエントリーのための文章を考えたり、プレゼン資料を作る時間を取るために、子連れ可能のコワーキングスペースに行ったり、子どもの習い事の待ち時間にスマホを使ってプレゼンの練習(録音して後で聞いて、を繰り返す)をしたりしていました。

 

あとは、家事の時間を少しでも圧縮できるように家族と交渉しました。パートナーが仕事が忙しくて物理的な協力が得られないこともあると思いますが、その時は思い切ってアウトソースしたり、時短家電を導入したり、そもそも「やらない」などの選択肢を取ることもありだと思います!

 

――記憶に残っている参加中のエピソードはありますか?

 

たくさんありますが、いろんな方の「社会をこういう風に変えたい」という熱い想いが聞けたこと、また自分の事業計画についてお子さんがいる方だけでなく、独身の方や学生の方にも「すごくいい!」と言って頂けたことが自信になり、絶対成し遂げようと思えるようになりました。

 

あとは、子どもと離れて「自分だけの、自分のための時間」が持てたことや、「○○ちゃんのママ」ではなく「川端ふみ」という一人の人間として評価してもらえることが単純に嬉しかったです。

 

SNSマーケティング支援サービス「HAKOOSHI!」のWEBサイトより

「オタク気質のプロ集団」で、良い商品やサービスを必要な人に届けたい

 

――今後、実現したい世界やビジョンについて教えてください。

 

良い商品やサービスを本当に必要とする人々に提供し、購入してくれた人だけでなく、その家族やそれを作った企業、そこで働く人なども含めたすべての人が幸せになるような仕事をしていきたいです。ですから、仕事をお引き受けする際も、「子どもたちにも胸を張って見せられるような仕事か」ということを、常に意識しています。

 

弊社が事業を展開するに当たってキーワードにしているのが、「想いは伝わることで価値になる」です。起業家の方々が持っている強い想いを伝えるために、美しいデザインや数字だけを追求するのではなく、愛のあるサービスを必要とする人に届けることをミッションとしています。

 

弊社の社名になっている「キマルス」とは、フィンランド語で「キラキラ」という意味がある言葉です。お客様の事業を原石に見立て、その原石を「どのように削り」「どの角度から光を当て」「どこに配置し」「どの角度から見せる」のが最もターゲットに響くのか、魅力を伝えることができるのかを考え抜く。これが、私たちの仕事の本質です。

 

私たちは、自分たちのことを「オタク気質のプロ集団」と称しています。実際、メンバーは自分の好きなものを推したいという気持ちがすごく強い人たちばかりです。このオタク気質を最大限の強みとしてお客様にとっての頼れる存在となり、愛のあるサービスを本当に必要な人に届けていきたいと考えています。

 

――これから起業を考えている方や、エントリーを検討している方に向けてメッセージをお願いします!

 

TSGは事業計画不要、400文字の文章でエントリーができるのに、日本最大級のビジネスコトンテストということで注目度も高いです。ちょっと大変そう、子どもがいて大丈夫かな?と思うかもしれませんが、その壁を越えて一歩踏み出せば、今までの自分を丸ごとひっくり返すような出会いや新しい世界が広がっています!

 

何よりも、自分がやりたいことがどんどん明確になり、「いつかやりたい」が「今やろう!」に変えられるきっかけにもなるので、ぜひまずは軽い気持ちで飛び込んでみてください。あなたの夢を、関わる人みんなが、全力で応援してくれますよ!

 


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>> 特集「夢みるために、生まれてきた。~世界を変える起業家たちの挑戦~」

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この記事を書いたユーザー
白根理恵

白根理恵

一般企業で営業事務職として20年勤務後、フリーライターへ転向。企業のコーポレートサイトや教育関連サイトでのインタビュー記事・転職者向けのコラムなどを中心に執筆。世の中には、知らないことがまだまだある!いくつになっても好奇心やワクワクを忘れずに生きています。

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