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バングラデシュで未来の夢を追う!課題解決に取り組む社会起業家たち(前編)

2015.03.12 450view 

はじめまして!Cocoro Limited(ココロ・リミテッド)は、日本とバングラデシュを橋渡しし、社会課題をビジネスを通じて解決しようとする日本の企業や社会起業家を支援することを目的に、2013年にバングラデシュに設立したソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)です。

私たちは、国境を超えた新しい時代のコラボレーションが必要であると感じています。グローバル化と情報通信が発達した現代において、日本人がバングラデシュのような発展途上国とどのように向き合えば良いか、日々現場で考え、活動しています。

私たちが今とても大切に思っていることは、現場のさまざまな情報を伝えることです。単に事実を伝えることではなく、新しい角度から社会課題やその解決に取り組む人々に光をあて、日本の方々に関心を持っていただく「視点」を提供したいと考えています。

今回は、そのような「視点」を提供すべく、バングラデシュの社会課題やその解決に取り組む人々の姿を、この国が未来へ向けて変化していく様子を描きながらお伝えしたいと思います。

バングラデシュ

社会課題と生きるバングラデシュ

バングラデシュのような国にいると「社会」を無視できなくなる。社会の成り立ちや抱えている課題といったものを考えざるを得ない。それは、車で走るとき、舗装されたところではほとんど感じること無い「道」を、舗装されない凸凹道では全身の揺れで否応無く感じてしまうことにも似ている。バングラデシュにいると「社会」に全身を揺さぶられ、頭をぶつけ、骨折や捻挫だってしないとも限らない。人々は、そういった環境に生きているのだ。

「社会課題」は生活のあらゆるところにある。たとえば、今なら首都ダッカの空港を降り立てば、すぐにわかる。今年の1月から野党の実力行使により、無期限の全国道路封鎖が続き、交通網が2か月以上麻痺している。空港から市内へ向かう道でも事件が頻発し、物々しい警護体制が敷かれているのだ。そのうえ、ハルタルというゼネストが連日続き、死傷者も毎日増え続けている状況で、経済も社会も機能停止状態に陥っている。

普段であっても、農村では安全な飲み水が不足し、電気の通じていないところも多い。医療や教育といった社会インフラも不足しており、農村から都市へ人口流入が続くなか、都市の稠密化が一層進み、交通渋滞やスラムを生み出しているのだ。

バングラデシュの風景バングラデシュの風景

夢を描く人々によって改善されてきた社会

ここで少しバングラデシュという国について説明する。バングラデシュは、インドとミャンマーに挟まれ、ガンジス川の河口がベンガル湾に流れ込むところに国がある。北海道の2倍弱の国土に、世界で8番目に人口の多い1億6千万人が住む、世界で最も人口密度が高い国である。

1971年にパキスタンから独立し、サイクロンや大飢饉といった多くの自然被害、度重なる軍事クーデターと戒厳令の日々を経て、1991年から民主化し、世界の最貧国から抜け出すべく工業化と農業の近代化が進められている。

バングラデシュという名前を一躍有名にしたのは、2008年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行創設者のモハメド・ユヌス博士だろう。貧しい女性に低額の融資を行うことで、高利貸しの隷従から解き放ち、女性の自立を促すマイクファイアンスの仕組みをつくり、大きく広めた。彼は言う「貧困は数十年後には博物館でしか見られないものになるであろう」。ユヌス博士の夢は、ソーシャル・ビジネスの普及活動を通じて、今も追い続けられている。

バングラデシュ

バングラデシュにはもう一人、自らの夢を大きく実現している巨人がいる。世界最大のNGOであるBRACの創設者であるファイサル・アベッド氏である。従来のNGOという枠を超えたダイナミックかつ緻密な貧困削減のための活動は、世界中から注目されている。「私の目の黒いうちに、バングラデシュのすべての子どもたちが正規の教育を受けられるようにしたい、これが私最後の目標だ」――筆者が直接アベット氏からうかがったこの言葉は忘れられない。このような目標のために、NGOの傘下に商業銀行、百貨店、乳製品製造など多くの企業群を持ち、その利益を貧困削減に使うという前代未聞のモデルを成功させている。

ユヌス博士やアベッド氏のような巨人だけでなく、バングラデシュでは無数の人々が、さまざまな分野で社会を変える「夢」を描いて挑戦している。

バングラデシュ人であるイクバル・カディール氏は、「つながるということは、生産性そのものである(Connectivity is Productivity)」という発想を得て、固定電話が100人に一人しかなかった時代に、すべての人々に携帯電話による通信を可能にしようと夢を見た。これこそ貧困削減への強い武器になるであろうと。今や5千万人の加入者を誇るグラミンフォンは、こうして生まれた。

バングラデシュの学校

タヌーザ・ラーマン・マヤさんは、20歳のときに農村の貧しい女性たちに職を与えて自立できるようにしたいという夢を描いた。親も親戚も反対するなか、最初は隠れて農村の女性に刺繍や縫製の技術を教えていたが、持ち前のデザイン力と人を説得する力で、次第に実績が積み上がって評価も高まり、今や3,000名の農村女性を雇用するまでに成長した。

タヌーザ・ラーマン・マヤさん

バングラデシュ人だけではない。日本を含む、世界中からバングラデシュへ人々がやってきて、社会課題の解決に夢を描き、挑戦している。ある人は教育の改善に、ある人は保健衛生の普及のために。さまざまな分野で大小無数の夢が描かれ、実現にむけて人々が働いているのだ。

>後編に続きます

関連リンク

Cocoro Limited/鈴木ゆかり

2013年1月に、日本人によりバングラデシュで設立したソーシャル・エンタープライズ。バングラデシュの社会課題にビジネスを通じて解決しようとする日本の企業や社会起業家を支援する活動を行う。主な事業は調査、コンサルティングと現地進出支援で、さまざまな情報発信も積極的に行っている。現在、JICAバングラデシュ事務所の進める「企業家のための社会開発プラットフォーム」の運営委託を受け活動中。 ホームページ:www.cocorobd.com

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