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NPOで働く人は「社交的で、人の役に立ちたい、目立ちたがり屋」? NPOソーシャルビジネス就業意識調査・最終回

2014.09.18 

NPO・ソーシャルビジネスで働きたいと思っている若者の意識や実態に迫った「NPOソーシャルビジネス就業意識調査」の結果を解説してきた本シリーズ。最終回となる本稿では、"NPO・ソーシャルビジネスで働きたい人"が持つ特徴的なキャラクター(意識や性格)をあぶりだします。

謎の人物

働きたい層に顕著な3つの傾向

このグラフは、各設問に対して「当てはまる」「やや当てはまる」を合算し、“働きたい層”と“働きたくない層”で比較したものです。“働きたい層”で高い順に並べています。

意識行動特性として当てはまるもの(n=1,024)

意識行動特性として当てはまるもの(n=1,024) "働きたい層"と"働きたくない層"で大きく差がついたのは、「人や社会の役に立ちたい」「身の回りや社会で起きている問題が気にかかる」といった社会貢献意識、「人より好奇心が強い」「他人と違う考え方や生き方が好き」という積極性(前のめりな感じ)、そして「社会的に認められる仕事や地位に就きたい」「人から注目されるのが好き」という自己承認欲求です。

 

一方で、「変化を求めるより安定した生活を送りたい」は”働きたくない”層のほうが高く、「もっと経済的に豊かな生活を送りたい」「仕事はお金を得るための手段に過ぎない」「楽天的」「自分に自信がある」といった項目は両層でほぼ差がありませんでした。 ちなみに、同時期に「既ににNPO・ソーシャルビジネスで働いている人」を対象とした参考調査を行いました。緑色が"すでに働いている人"の回答、赤色が"働きたい層"の回答です。

意識行動特性として当てはまるもの "既にNPO・ソーシャルビジネスで働いている人 n=112"と"働きたい層 n=45"の比較

既に働いている人 調査方法や抽出パネルが異なるため、正確に比較することはできませんが、社会貢献意識や成長意欲などは、大方同じ傾向にあります。

 

一方、“実際に働いている層“は経済的豊さや安定を求める志向や「社会的に認められる仕事に就きたい」という承認欲求が低く、仕事に対する意義も「お金を得るための手段」という点以外に見出している傾向がみられました。

 

また、「長いものに巻かれる」という「ことなかれ主義」も、"実際に働いている層"では極端に低いことも特徴的です。 未来のNPO・ソーシャルビジネスの担い手を生み出すためには、社会貢献・自己承認・自己成長というキーワードをうまく活用して、魅力的なキャリアとして認識されるような工夫が必要かもしれません。

 

同時に、経済面での不安が解消されるよう、働く人が安定した収入を得られるようNPO・ソーシャルビジネス全体が成長し、社会的認知・理解を高めていくことや、そもそも「お金以外の価値感」「お金にとらわれずに豊かな生活を送る術」を、NPO・ソーシャルビジネスの"中の人"たちが、積極的に情報や意見を発信していくことが大切なのではないでしょうか。

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宮本 裕子

1984年生まれ、神奈川県藤沢市出身・在住。大学卒業後、都内のマーケティングリサーチ会社に約5年間勤務。2011年に退職し、1年間仙台の中間支援NPOで活動後、地元藤沢にUターン。地域の中間支援NPOでボランティアコーディネートやボランティア情報誌の企画・編集、NPOスタッフや市民向けの講座・研修企画等に従事。その傍ら、個人では企業やNPOのリサーチ業務、復興支援に関する活動などにも従事し、月に1-3回ほど東北に通う。趣味興味は、柴犬、地図、一人旅、ライブを観にいくことなど。