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#経営・組織論

コロナ禍でNPOは事業のオンライン化をどう進める?緊急「IT活用相談会」開催レポート

2020.06.05 

「フィリピンで海外ボランティアのコーディネートをしていたが、マニラの都市封鎖で事業がストップしている」「支援窓口が混み合って三密になってしまう」「聴覚障がい者の学習支援で書き起こしニーズが急増中」……etc.

 

5月15日に開催された「NPOのための事業変革とIT活用相談会」での一幕。さまざまな社会課題に取り組む非営利団体が、互いの現場の困りごとや解決策をオンラインで話します。

 

主催したのは、ITスキルで社会を変えることを目指す、「STO(ソーシャル・テクノロジー・オフィサー)創出プロジェクト」。朝7時スタートにも関わらず、全国各地から39名が集まりました。

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このコロナ禍で、多くのサービスがオンライン化を余儀なくされていますが、社会課題に取り組む非営利団体も同じです。

 

一般のビジネスと異なるのは、非営利団体の先には、高齢者・障がい者・貧困層など社会的に不利な立場に置かれている人たちがたくさんいること。ネットの接続環境が不十分なケースも多く、サービスのオンライン化は一筋縄ではいきません。しかし、変革の波は“待ったなし”です。

 

支援の手を止めないために、また、誰一人として社会から取り残さないために、非営利団体はどのようにITを活用しているのでしょうか。必要な支援や、各団体の取り組みを聞きました。

「事業の根本的な見直し」が約3割。今、NPOに必要なIT支援とは?

相談会の参加者にアンケートをとったところ、全39名のうち、約半数が「事業のオンライン化」を検討していました。

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「知りたい・相談したいことは何か?」の問いには、「今まで実施していた事業のオンライン化」の回答者が23名(63.9%)、「今まで実施していた事業を根本的に見直す」の回答者が12名(33.3%)でした。

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「事業の根本的な見直し」を支援する場合、団体との深い関わりが必要となります。これまでの提供価値の洗い出しや深堀り、経営戦略からのIT利活用のアドバイスなど、中長期的な視点が求められます。

また、「組織内のIT担当者の有無」をたずねた項目では、「他の業務と兼任でIT担当者がいる」と答えた人が23名(59%)でトップ。「IT担当者や相談できる人がいない」と答えた人は、8名(20.5%)でした。このIT関連で誰かに相談できる環境が整っているとはいえない状況も見過ごせない課題で、「NPOのためのICT支援者ネットワーク」のこちらの調査でも指摘されています。

 

NPOに必要なIT支援について、NPO法人ふくおかNPOセンター 理事長 古賀 桃子さんがこう話してくれました。

「ツールの導入支援にとどまらず、『こういう事をやりたんだけど、どうすればいいか?』というような、団体のニーズを聞くこと。その上で、世にあるITツールを組み合わせて提案するコンサルティングの支援が必要です」

こんな時どうする?参加者からの知見あれこれ

「IT活用相談会」では、冒頭にITを使って課題解決した事例がシェアされ、その後5つのグループに分かれて分科会が開かれました。そこで出てきた、いくつかの解決策をご紹介させていただきます。

  • パソコンやスマートフォンがない人への支援は、どうしたらいい?

・企業と提携したSIMありパソコンの提供。

・固定電話でもzoom会議に参加出来る。

・若い人と高齢者がペアを組んで、オンライン会議に参加する。

 

  • 「困っている人」にどうすれば支援の情報が届けられる?

・「家がなくて困っている」というようなつぶやきを見つけたら、Twitterでリプライをかけて情報を届ける。

・漫画でサービスを説明し、Twitterなどでシェア。日本語が得意でない人にも伝わるように工夫する。

・LINEボットを活用して適切な問い合わせ窓口に案内する。

 

  • 遠隔でもスタッフが迅速にコミュニケーションをとるには?

・人数が少ないうちは、Facebookメッセンジャーを活用。30~40人くらいに増えてきたタイミングでLINE WORKSを導入。

 

「同じ課題に取り組む全国の団体と連携してノウハウを共有していきたい」という意 見もあり、地理的制約を超えていくオンラインの良さを感じた時間でした。

「STO 創出プロジェクト」の支援について

STO(ソーシャル・テクノロジー・オフィサー)は、社会課題解決に取り組む NPO の技術顧問(CTO)のような立ち位置で、働く存在です。NPO の組織戦略から IT 利活用までを構想して、NPOの目指す社会課題の改善に向けた変革をともに目指し動いていきます。

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この度、「STO創出プロジェクト」事務局では、コロナ対応を契機としたソーシャルセクターのIT化サポートを目的に支援メニューをご用意。「教育相談のオンライン化」「相談対応のオンライン化」「オンライン会議の相談」「テレワークの情報セキュリティ」「ウェブサイトの常時SSL化」などがあります。

Facebookには、「STOよろず相談」のコミュニティもありますので、社会課題解決に向けたITの利活用にお悩みの方は、一度相談してみてはいかがでしょうか? オープンなコミュニティですので、ご気軽にご参加ください。

「STOよろず相談 - 社会課題にtechを活かす!」Facebook Groupはこちらです。

 

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新型コロナ

この記事を書いたユーザー

乗越 貴子

乗越 貴子

1982年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、塾講師、ネットサービスベンチャー企業を経て、NPO法人ETIC.参画。2児の母。志ある人と組織をつなげる求人サイトDRIVEキャリア(http://drive.media/career)で、事務局業務を担当しています。モットーは、「書くことと人をつなげることで、一歩踏み出す勇気を生み出せる人になる」

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