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キャリアの不安に向き合い、自由に生きるには?―起業家を長年支援してきたPLAY!コーチ陣が語る

2020.10.21 

PLAY!イベントのイメージ画像

 

「あなたらしい挑戦を応援してくれる人が、周りにいますか?」

 

今回は、「自分の想いをカタチにして、好きなことで自由に生きる方々」に向けてお届けする記事です。これからそのような生き方をしていきたいと思っている方々にとっても、参考になるかと思います。

 

 

個人のプロジェクト推進を支援する完全オンラインプログラム「PLAY!」(運営:NPO法人ETIC.(エティック))が2020年8月からスタートしました。創業支援・人材育成の実績を持つコーチが、一人ひとりの状態や目標にそって、プロジェクト推進を伴走するものです。

 

そして9月25日(金)に、「自由な生き方とインパクト溢れる仕事とは?」というテーマで、PLAY!コーチ3名がトークセッションするオンラインイベントが開催されました。

 

今回の記事はその開催レポートです。文末には事務局インタビューも掲載。それぞれのコメントを読んでいただきながら、コーチ陣や事務局メンバーの人柄なども感じてもらいつつ、「自由な生き方についてのヒント」もゲットしていただけると嬉しいです!

 

登壇したPLAY!コーチ3名の紹介

 

さてまずは3名の紹介です。歩んできたキャリアも価値観も多様です。

 

それぞれのバックグラウンドやキャリアを事前にインプットしていただけると、本記事をさらにお楽しみいただけるかと思います。

 

PLAY!コーチ登壇者3名の写真

イベント時の様子。登壇したPLAY!コーチ3名(左上:杉浦氏、中央下:川端氏、右上:鈴木氏)

 

杉浦 元 氏

PLAY!コーチ / 株式会社エリオス 代表取締役・ソーシャルベンチャーカタリスト

 

1970年生まれ。創業期のベンチャー企業やNPO等の起業家と組織とともに在りながら、その進化と変容のプロセスをともに歩むソーシャルベンチャーカタリスト。

早稲田大学理工学部在学中に起業後、大和企業投資にてベンチャーキャピタル業務を行った後、ソラシドエアの設立に参画。経営企画担当取締役として事業計画策定や資金調達等の業務を担当。

その後、VCNのパートナーとして複数企業の取締役を兼務し、CFO、経営企画などを歴任。OKWAVEほか6社の創業からIPO、EXITに携わった後、コンコードエグゼクティブグループの設立に参画し、取締役COO就任。750人のビジネスリーダーに対するキャリアコンサルティングを行った後、株式会社エリオスを創業。ソーシャルベンチャーカタリストとして、企業やNPOの成長に携わる。

 

川端 元維 氏

PLAY!コーチ / 人・組織・社会の変容デザイン事務所 innovate with代表

 

「人・組織・社会の持続可能な未来づくり」をテーマに異なる国・文化・組織やセクターをつなぎ、新しい価値や変化を生む協働型の事業やプロジェクトを各地で展開。

ソーシャル・イノベーションを生み出す触媒として、海外の投資家/篤志家と日本の社会起業家をつなぐプロジェクトに尽力しており、ある案件では資金調達額を2年で4倍に成長させた。スタートアップやNPOと大企業のコラボレーション創出事業や起業家支援プログラム等の開発・運営を通して、70社以上の創業支援、20社以上の事業開発支援、4,000名以上の起業を志す個人の支援を実施。大阪に暮らし、世界と働く1児の父。

F.I.A. Adventure School Canada/Toronto修了、Europe Youth Foundation助成の国際市民育成ファシリテーター養成事業Longterm Training Course修了、東京都 次世代アントレプレナー育成事業TOKYO STARTUP GATEWAY企画運営、一般社団法人アショカジャパン ユースベンチャープログラム審査員、北海道札幌市 若者創業支援事業moctecoメンター。NPO法人ETIC. クリエイティブシティ事業部 Global change making catalyst。

 

鈴木 敦子 氏

PLAY!コーチ / NPO法人ETIC. 事務局長・ディレクター

 

1971年生まれ。早稲田大学第2文学部卒業。NPO法人ETIC .理事 兼事務局長。ETIC.は創業期よりともに立ち上げる。年間約2000名の起業家や学生の起業相談、キャリア相談を受け、約100社のベンチャー企業と学生のインターンシップのコーディネートなどの実績がある。現在は、マネジメントサイクル全般、主に人事、組織作りなど担当。

また、起業家的キャリアやソーシャルセクターでの就職を支援する求人メディアDRIVEや人材紹介事業を立ち上げ、採用支援も担当。2児の母、趣味は食べ歩き、40代後半で初めてのダンスと、バイオリン、「人間とは何か」を探求すること。

 

アドバイスを受け取る際に、大事なこと

 

イベント冒頭、「今回の話を聞く上で、前提として大事なこと」についてお話がありました。

 

 

杉浦 まず前提として、本日お集まりの皆さんに最初にお伝えしたいのは、「人生やキャリア、転職のアドバイスを第三者にお願いする時の注意点」です。

 

それは、「アドバイスをする側の人が通ってきた道、その価値観を軸にした助言しかできない」ということです。

 

たとえば、同じ会社にずっとお勤めになった方にアドバイスを求めれば、転職やキャリアチェンジすることを踏み止めるような──別にそれが悪いというわけではなく──アドバイスをされがちだったりします。

 

もしくは起業したり、何度もキャリアをチェンジしてるような人にアドバイスを求めると、『全然心配ないから会社辞めて、新しいことを始めなよ』と気軽に言われちゃったりもします。

 

本日僕がお話できるのも、「自分自身が通ってきた道の中で、自分から見えているもの」です。ぜひそういう風に受け止めていただければと思います。

 

人生を歩む中で、大切にしてきたこと

 

はじめに語られたのは、「今まで何を大切に、どのように歩んできたのか?」というテーマ。人生には様々な岐路があり、色々な選択や決断の上に、“現在というもの”があると思います。はたして3名は、どのように進んできたのでしょうか?

 

 

杉浦 僕はキャリアについて設計をしたことがありません。自分の中では結果的に一気通貫はしていますが、「ぼんやりとある、将来こういう方向に進みたいというイメージ」をもとに、「こっちの方が楽しそう!」と思ったものを選択するという連続でした。

 

50歳を迎えて初めて実感しているのが、「自分がやってきたことの、点と点が結ばれて線になる」ということです。しかし、最初からその線をイメージしてキャリアを積んできたというわけではありません。

 

 

川端 大切にしているのは、「違和感と貢献のバランス」です。当時会社勤めだったのですが、「違う世界もちゃんと見てみたい」という違和感を大事にしながらも、育てていただいた分のコスト──僕をマネジメントするためにかかっていた会社側のコスト──はすべて、法人営業だったこともあり「営業で稼いでお返しした上で、次にいこう」と意識して、ファーストキャリアを過ごしていました。

 

キャリアは計画できる部分もあるとは思います。しかし人生、予期しないことばかりが起こる気がします。その予期しないことに対して、“自分なりにそれを「チャンス」として捉えて飛び込むのか、そうとは捉えず飛び込まないのか”──そこに自覚的になることに意味があると思っています。

 

 

鈴木 「エティックを二十数年続けてこられて、辞めたいと思ったことはないんですか?」という質問を今まで何度もいただいたことがあるのですが、正直本気で辞めたいと思ったことは一度もありません。

 

「違和感がない」ということが大きな理由です。自分の直感を大切にしています。

 

しっかりと言語化はできていませんが、「自分が正しい選択をしている」という──正しいっていうのも変な話ですが──言い換えれば、「自分らしい選択」を結局直感でしているんだろうなという気がしています。

 

自由になれる人は、今この瞬間も自由。

 

続いて、自分自身は「自由か?自由ではないのか?」という話題になりました。

 

読者のみなさんは、ご自身のことを自由だと思いますか?それとも自由ではないと思いますか?

 

ぜひ一緒に考えながらお読みください。

 

 

杉浦 もちろん色々なしがらみがあったり、時間は24時間しかなくて、収入や資産が限られているなどの制限は誰にでもあったりします。

 

その中で、“自由か、自由じゃないか”でいうと、「少なくとも自分の人生の選択においては、自分で選択している実感がある」ので、自由です。

 

 

川端 自分の仕事は基本的に、個人と法人を繋いで事業をつくるということばかりをやっています。自由に生きているように一見見えるんですけれども、実はしがらみや利害の間(あいだ)にいることが多いです。それをひたすら解きほぐして、誤解を解き、思い込みをほぐすということばかりしています。

 

人間社会に生きている以上、基本的にしがらみや利害は絡むので、どんなしがらみを受け入れるのか選べる自由があるのは幸せなことだと思います。

 

 

鈴木 「基本は、自分も自由である」という風に思っています。しかしふと気づくと、すごく困窮して息が苦しくなったり、『なんかもうだめだ』と思ってしまう場面は、過去に何度もあります。その時に、『自由なんだから、変えていける』『自由なんだから、どうにかできる』と常に立ち返れる、そんな自由が大事だと思っています。

 

自由になれる人は、今この瞬間も自由です。ここにいる皆さん全員、自由だと思います。

 

「不安」や「恐れ」にどう向き合うのか?

 

さて、自由というテーマから、そのウラオモテの関係にある「不安」「恐れ」についても、それぞれの考えが語られました。

 

 

杉浦 僕不安だらけですよ(笑)来年もしくは来月食えていけてないかもしれないし、不安だらけです。不安を感じて当たり前だとも思います。

 

生きていくかどうかっていうことだけを単純に考えた時に、「食っていけなくなったらどうしよう」「生きていけなくなったらどうしよう」というのが最後の最後、一番大きな不安だと思います。

 

そう思った時に、唯一の自分の心のセーフティーネットは「Facebook」です。Facebook上で、『助けてくださいと、食っていけなくなりましたと、誰か僕のことを拾ってください』と投稿した時に、たぶん誰かは拾ってくれるだろうと──『うちにきて仕事しなよ』って。そのほんのちょっとの安心感だけです。

 

しかしそれがあるので、「今、自分は自由である」とも思えています。

 

 

川端 杉浦さんのFacebookのお話は「まさにそうだな」と思いながら聞いていました。何か仕掛けていくためには、安心できる土壌は大事だと思います。

 

お金以外の、「人との関係」「信頼関係」「自分の持っている経験」など、“目に見えない資本みたいなもの”はたくさんあると思います。それらにちゃんと目を向けてあげると、取れる選択の幅はグッと広がるなと考えています。

 

 

鈴木 不安か不安じゃないかでいうと、性格がのんきなこともあり、そんなに不安はありません。よく考えてみると、『食べるものがなくなったらつくればいいんじゃないの』とか、『住むところなくなるとか現実的にあるのかな』とか。そういう風に考えていくと、すごく心配というわけではありません。

 

なるべくご機嫌で、なるべく我慢──積み重なって、恨みになっちゃうような我慢──はしないように日々考えています。

 

「ゆらぎ」こそ、前に進むヒント

 

このイベントで語られた3名のお話について、その受け取り方についても触れられました。

 

 

川端 今回のイベントで3名が話していたことは、すごく分かりやすいトピックではないと思います。“成功する起業家の10の条件”みたいなものではありません。

 

今回の話を踏まえて、ご自身に照らし合わせて考えてみていただけると嬉しいです。

 

「もう少しこういう観点の話を聞いてみたい、話してみたい、深めてみたい」などの“ゆらぎ”が生まれたのだとしたら、それはご自身の人生やチャレンジを前に進めていただくための“ゆらぎ”なのだと思います。

 

【開催レポート番外編】PLAY!事務局インタビュー

 

以上、PLAY!コーチ3名の話をイベントから抜粋してお届けしました。

 

みなさん、どんなことを感じ取りましたか?

 

川端さんがイベント中にも参加者の皆さんにお話されていましたが、ぜひご自身に照らし合わせてみながら、「“ゆらぎ”が生まれるかどうか」意識してみてください。

 

 

さてここからは番外編として、PLAY!を運営する事務局へのインタビューの様子をお届けします。登場いただくのは、竹野さんと横尾さん(以下敬称略)。PLAY!に込める想いなどざっくばらんにお話お伺いしました。

 

 

──PLAY!の概要や込めた想いなど、お聞かせください。

 

竹野 よく説明会でお伝えしているのが、「PLAY!はあくまで補助輪」ということです。つまり、PLAY!に参加されるご自身の“意志”がまず大事で、事務局としても大切にしています。その意志を前提に、PLAY!を活用欲しいと考えています。

 

また、「起業家的ライフスタイルを応援する」という言葉を使っています。好きなことで自由に生きるといった時に、起業だけがその選択肢ではなく、「それぞれのスタイルで、意志を持って、楽しんでチャレンジして欲しい」と想いを込めています。

 

──今回のイベントを終えてみて、参加者の反応はいかがでしたか?

 

横尾 実際の声をいただいてまして、紹介します。

 

「違和感と貢献のバランス」「直感を信じてキャリアを考える」「目に見えない資本に気づけることの重要性」などにはすごく納得させられ、今後の自分が色々をactionを進めていく中で、常に忘れずに何度も言い聞かせていきたい言葉たちです。

あとは、最後の最後にやばいってなった時に助けてくれる人がいるかという点で、そもそも私自身は自分が今辛いとか大変とかいうことを素直に発信して人に助けてもらうということがとても下手で、変に取り繕ってしまう(ある意味でプライドが高い‥)なあ、と感じました。

「すごい人!」と思われるより、もっと周りから応援してもらえる人になりたいです。

 

──最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

 

竹野 世の中には、『具体的に何をやるのか決まっている人』向けのプログラムはすでにたくさんあるように思いますが、『アイデアはあるんだけど、何をしていいかわからない人』向けのプログラムは今まであまりなかったように感じています。

 

PLAY!は後者です。「モヤモヤを抱えていてどうにかしたい」「動き出すきっかけが欲しい」という方々がいらっしゃいましたら、まずはWEBをご覧いただけると嬉しいです。

 

横尾 「やりたいことはあるけれど、それを相談する相手がいない」という人には、オススメです。もし悩んで立ち止まっている方がいらっしゃったら、その一歩目として、気軽に無料説明会にご参加ください。お待ちしております。

 

──ありがとうございました!

 

PLAY!のイメージ画像

PLAY!とは?

 

◎概要:

「PLAY!」は2020年の8月にサービスをスタートした、個人のプロジェクト推進を支援する完全オンラインプログラム。

参加者ひとりひとりにパーソナルコーチがつき、コーチングを通してアクションをサポートします。会社勤めだけじゃない、起業だけじゃない、様々な挑戦のスタイルを選び取れる今、未来に向けて新しいことをはじめたい方にぴったり。

最初は立派で実現可能なビジネスアイデアなどは必要ありません。

「実は前から頭にある『妄想』を現実にしてみたい」

「本業とは別に自分の好きなことでプロジェクトを立ち上げたい」

など、『アイデアを何かカタチにしたい。』という想いを持つ方が、「プロダクトができる、イベントを開催する、ECで販売する」など、その人にあったカタチを実現していくことを、約6ヶ月間で応援します。

 

◎特徴:

1.創業支援・人材育成実績のあるコーチが一人ひとりをサポート。

2.プロジェクトの推進を促すサポート教材のミッションでレベルアップ。

3.参加者同士で交流できるオンラインコミュニティで繋がれる。

4.一歩先ゆく起業家の話が聞けるオンラインイベントやピッチイベントを開催。

5.多くの起業家やリーダー人材育成を行ってきたETIC.のネットワークを活用できる。

 

◎主催:

NPO法人 ETIC. クリエイティブシティ事業部

 

◎WEB:

https://play-etic.com/

 

※本記事の掲載情報は、2020年09月現在のものです。

 

NPO法人ETIC.クリエイティブシティ事業部/竹野 理香子さん(バブリー)

2018年8月よりNPO法人ETIC.に参画し、創業支援事業の企画・運営や新事業立上げに従事。2019年度よりオンラインコーチングプログラム「PLAY!」の立ち上げに携わる。人生で3回学校を中退しており、個人ではギャル式ブレストを開発中。現在立教大学に在学中(卒業見込みなし)。

NPO法人ETIC.クリエイティブシティ事業部/横尾 有紀さん

NPO法人ETIC.へは、2018年11月より参画。プロジェクト広報やマーケに携わるかたわら、フリーライターとしても活動。主に、お酒やグルメ、ライフスタイルのジャンルにて執筆。12月に出産を控え、ドキドキワクワク。

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Ryota Yasuda

1989年生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業。執筆・編集する、アート作品をつくる、ハンドドリップでコーヒーを淹れる、DJする、など。「多趣味多才」をモットーに生きている。2015年よりETIC.参画(〜2023年5月末まで)。DRIVEでの執筆記事一覧 : https://drive.media/search-result?sw=Ryota+Yasuda