「社会課題に興味はあるけどなかなか一歩を踏み出せない」 「何か社会の役に立ちたいと思っているけれど、その実感を今の仕事で得られない」
こう思ったことはありませんか?
その思いを昇華させる一つの場がand Beyond カンパニー(アンドビヨンドカンパニー、以下aBC)です。aBCは、複数社で構成されるバーチャルカンパニー。参画企業はロート製薬、ヤマハ発動機、セイノーホールディングス、 マネックスグループ、アビームコンサルティング、江崎グリコ、竹中工務店、住友生命、フェリシモ、YUIDEA、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)、ETIC. (順不同)です。
特徴は「1つの社会課題テーマではなく、複数のテーマに対して賛同した個人・企業が協働できるプラットフォーム」であることです。そのプラットフォームが起点になって活動している取り組みが数多くあります。
その中でも今回は意志ある挑戦を応援する場「Beyondミーティング」と、各社が組織を越えて共同して社会課題を解決するフラッグシッププロジェクトの一つ「働き方発明会議」にフォーカスしました。
個人で見つけられる新しい繋がり~BEYOND ミーティングについて~
「Beyondミーティング」(ビヨンドミーティング)では、社会課題や新しい価値創造に挑む人のプレゼンを聞き、ブレインストーミング(=ブレスト)でアイデアを出し合うことで、その挑戦を応援することができます。プレゼンする方は「アジェンダオーナー」と呼ばれています。
ビヨンドミーティングは、組織や立場の垣根を超えた化学反応を楽しみながら、予期せぬ出会いとアイデアで新しい未来を創っていこうと、毎月実施されています。現在までに24回開催され、1000名以上が参加。aBC参画企業の社員以外でも参加できる、オープンなイベントです。
●応援コーディネーターの声
今回はアジェンダオーナーではなく、アジェンダオーナーのサポートやイベントのファシリテーションを担当する「応援コーディネーター」にフォーカスしてビヨンドミーティングの魅力をお届けします。
内資Sier勤務/村中裕子
内資Sierに勤務。証券、保険を中心とした金融系システム導入において、上流から下流まで経験し、現在は主にプロジェクトマネージャを担当。育児休暇中に、以前から興味のあったボランティア、プロボノ活動にチャレンジ。
<気持ちの変化ロードマップ>
――ビヨンドミーティングに参加されたきっかけは何でしょうか。
現在の仕事では社外の方と関わる機会が少なく、もっと社会貢献に関わる仕事をしたいという思いを持っていました。そんな折、昨年育休を取得している期間にママボラン(*)を通して、育休中に他社の業務を経験できる「育休インターン」に申込みました。
(*)育休を活用したボランティアのマッチングを支援するサービスです。2019年6月末をもってサービスを終了しています。
もとから持っていた前述の思いに加えて、10年くらい変化の少ない仕事を続けてきて、「何のために働いているのか」という疑問を持ち始めた時期と、育休が重なったのが申し込みに踏み切った要因だったと思います。
その際のインターン先の担当者の方がBMに携わっている方で、応援コーディネーターとして参加してみないかと声を掛けていただきました。
――ビヨンドミーティング参加で得られたものはありましたか。
参加前はプレゼン&質疑という内容にお堅い印象がありました。また、自分の知らない分野で応援コーディネーターとして参加してもアジェンダオーナーの助けにはならないのではないかという不安がありました。
参加後はアジェンダオーナーの方から声を掛けていただき、知識はなくても「応援したいという気持ち」を持っていることが役に立つと実感できたのは大きな気づきでした。
――ビヨンドミーティングに参加して今に活かされていることはありますか。
仕事柄、「守り」の姿勢が強かったのですが、ビヨンドミーティングへの参加を通して自分が手を挙げれば周りの人が助けてくれるということを実感でき、気軽に挑戦していいと思えるようになりました。町内会や子供の保育園のイベントなど、身近な挑戦の機会にも積極的に手を挙げるようになりました。
もっと社会課題に直接的に関わる挑戦としてはSTO(*)への参加です。
(*)ソーシャルセクターに対する適切なIT投資を可能とし、協働のためのインパクトを生み出すことができる新たな職業「ソーシャル・テクノロジー・オフィサー(Social Technology Officer)」と定義しています。
ビヨンドミーティングは今までの仕事と全く違うスキルが必要でしたが、STOは自分の仕事のスキルを活かせる活動だと思いました。STOを知ったきっかけもビヨンドミーティングで、過去のアジェンダオーナーの一覧をみて活動内容にとても興味があり、ウェブサイトを探して連絡をとりました。
――最後に、どんな人にビヨンドミーティングがおすすめですか。
具体的には決まっていなくても、何かをやりたいとぼんやり考えている人にはおすすめです。参加して色々なアジェンダオーナーのお話を聞く中で、自分の興味を持ったものからやりたいことが形作られていくと感じています。
<ビヨンドミーティングのレポートはこちらから>
【特別版】feat. Vision Hackers:http://xs737720.xsrv.jp/posts/27876
開催レポート#23:http://xs737720.xsrv.jp/posts/27336
個人だけじゃない!企業も繋がるプラットフォーム
~働き方発明会議について~
働き方発明会議はaBCで実施されているフラッグシッププロジェクト(*)の1つです。
(*)フラッグシッププロジェクトは各社が組織を超えて共同して社会課題を解決するand Beyond カンパニーが提案するプロジェクト推進の形です。
キャリアの多様化が進む中で、具体的な選択肢の可能性についてはまだ広く認知されていない状況を変えていき、「一人ひとりが自分らしい働き方を創っていくこと」を広く世の中と共有し「意志を持って働き方を選択する」社会になることを目指して活動しています。
●関係者の声
今回はaBCのフェローという立場で働き方発明会議をリードしている寺田さんにどのように活動を推進しているかお話を伺いました。
NPO法人ETIC.(and Beyondカンパニー フェロー)/寺田 雅美
「進化生物学者」を志すも、科学の「まなざし」の多様さに魅せられ「価値観の交差する対話の場づくり」に関心を移す。八ヶ岳や伊豆にて「インタープリテーション(自然案内)」、日本科学未来館にて「科学コミュニケーション」に従事。企業案件を重ねる中、企業文化の多様さとダイナミズムに魅せられ、人間(ヒト)の働き方・生き方や社会通念の進化に関心を拡大。’18年度、「Startup Hub Tokyo」にて起業支援、’19年度からはプライベートなご縁(結婚)をきっかけに、「ないものはない」離島 海士町(島根県)⇔東京の二拠点で暮らし・しごとをアップデート中。現在、aBC活動と併行して、ジオパークホテルの設立、文化・歴史事業の企画運営、起業支援などに携わる。
<働き方発明会議の直近の動き>
――働き方発明会議はどのようにして始まった活動でしょうか。
遡ること2016年秋に開催された「Social Impact for 2020 and beyond」の場に端を発します。多様な領域で挑戦を続ける起業家、行政の方々、大学生のリーダーなど約700名によって様々な議論が展開されました。「新卒一括採用の未来」「首都圏から地方への若者人材還流による未来」「ライフステージに応じた雇用とキャリア」「ワークとライフが融合するキャリア戦略」などが熱く議論され、それらを背景として、その後and Beyond カンパニー発足の際には「新卒一括採用のオルタナティブ」が根幹ビジョンの一つに掲げられたのです。
昨今、人生100年時代における「働く」価値が見直されていますが、パートナー企業各位においても働き方のアップデートにコミットしたいという思いを持たれている方は本当に多く、aBCの事務局がイニシアティブを持って2020年に発足したのが「働き方発明会議」です。
――aBCのプラットフォームで提供しているものは何ですか。
「一人ひとりが自分らしい働き方を創っていくこと」「働きやすい社風、価値が耕され、社会のニーズに応える事業をさらに展開できるようになること」は、取り組む必要のあるテーマだという思いを持っている企業は多いものの、各社それぞれではリソースなど様々な問題もあり取り扱うのが難しいテーマでした。そこで、aBCという会社を超えた繋がりを提供できるプラットフォームが存在することで、企業・個人という様々な形で関われる余白が生まれ、活動が推進できていると感じています。
――得たものをどのように活用して活動を推進していますか。
直近では、aBCの中で生まれた繋がりを活かして、「早活人材研究会」を企画しています。「10代などのいち早い時期に社会で活躍を始める人材(=早活人材)」の実態にフォーカスし、とりまく現状、これまでの認識・課題、これからの可能性などについて広め、対話をし、新たなアクションが生まれる場としたいです。まずは2021年1月より、オンライン講演会開催を予定しています。ぜひご参加をお待ちしています!
ちなみに、「早活人材研究会」は、2019年より始動していた「高卒2.0プロジェクト」(「高卒就職」「18歳のキャリア選択の自由化、多様化」を目的に活動されている関連各社×aBCの協働プロジェクト)と、2020年に発足したaBC「働き方発明会議」が合同で何か進められないかということで動き出しました。
「働き方発明会議」は、「早活人材」テーマに限らず、より広い多様なテーマを扱う場ですが、今回のように具体的なテーマを真ん中に置くことで、「すでに実践している人や企業」の知見にとどまらず、理解と活動の輪を拡げるきっかけ、仲間づくりの場にすることができます。他にも、aBC「働き方発明会議」各社の中では、例えば「働く時期×学ぶ時期は、人それぞれの人生で自由にカスタムできたらいい。そんなしくみを自社に作りたいし、社会にそんな当たり前を拡げていきたい」という企業や、「理系学生のキャリアの蛸壺化をどうにかアップデートできないか。ひいては、社会における進路や選択の民主化をハックできないか?」と取り組まれている企業もいらっしゃりワクワクします。ぜひ、今回の記事を読んでいただいている皆さんお一人お一人、各社から、「働き方の未来図」についていつでもaBCへご意見をいただけると嬉しいです。働き方の多様性の実現に向けた活動をご一緒に推進できればと愉しみにしています。
*「働き方発明会議」参画企業:電通(ワカモン研究部)、ロート製薬はじめ、多様なパートナー企業各位に幅広く参画頂いています。
*早活人材プロジェクト参画企業: 株式会社 Atteme、 一般社団法人 SCHOOL to WORK、 リクルートワークス研究所、一般社団法人アスバシ、 株式会社ジンジブ、 株式会社ハッシャダイ/一般社団法人HASSHADAI social.
色々な社会課題に向き合っているからこそ創発されるアクション
様々な社会課題をテーマに取り組む個人・企業が繋がれるプラットフォームであるaBCでは、同じ社会課題に興味を持っている仲間を見つけるのはもちろんのこと、違う課題に目を向けていた人たちが繋がることにより新しいアクションが創発されています!
1月にもイベントが開催予定です。今まで社会課題に携わっていなかった人もまずは「参加」というアクションをしてみませんか?
「Beyondミーティング」
次回は1月29日(金)に開催!
https://beyondmeeting-28.peatix.com/view
「働き方発明会議」
「第1回 早活人材勉強会」お申込フォーム
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