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立場を越えて、応援しあう文化をつくる。今夏の世界的スポーツ大会スタッフ募集に込めたETIC.の思い

2021.03.30 

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今夏、世界的スポーツ大会が日本で開催されます。

 

日本中が喜びに湧いた2013年の決定から、7年後。まさかのコロナ禍で延期となり今年を迎えました。いまだコロナ禍が治まらず、その他にも続々と問題が噴出する中で、開催反対の声も根強いです。

 

ただいま、ETIC.(エティック)ではこのスポーツ大会の会場運営スタッフを募集しています。世論が開催の是非に揺れる中、私たちがどのような想いでこの募集に関わっているのか。背景をお伝えしたく、筆をとりました。

挑戦を応援する文化をつくる

 

話は、約4年前にさかのぼります。

 

2016年11月13日、渋谷ヒカリエで「Social Impact for 2020 and beyond」というイベントが開かれました。全国各地から集まった参加者は約700名。「2020年を契機に、社会や人の生き方を進化させるには?」をテーマに、株式会社、NPO、行政職員、と多様なセクターの方々が登壇し、会場全体で議論に花が咲きました。

 

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2016年11月13日に開催された「Social Impact for 2020 and beyond」の様子

 

2020年に設定されている理由はもちろん、世界的スポーツ大会が日本で開かれる年だから。たくさんの人の行動力や想いを集結させ、一気に新しい価値観を普及するチャンスになり得る年です。

 

例えば、2000年にシドニーで開催された際は、HIV予防キャンペーンとして選手村でコンドームが配布されるキャンペーンが行われました。2012年のロンドン開催の際は、選手村の近くに『プライド・ハウス』というLGBTの選手や家族が集まって交流できる場所がつくられました。これらの運動は、歴史や社会を変える世界的なムーブメントになっています。(参照)

 

56年ぶりに日本で開催されるこの大会をきっかけに、私たちはどんな価値観を広めたいのか。たくさんの話し合いを経て出てきたキーワードは、「挑戦」と「応援」でした。

 

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山積する課題や激しいテクノロジーの変化を前に、今、あらゆる現場でイノベーションが求められています。イノベーションとは、新たな考え方や技術を取り入れ、これまでになかった新しい価値を生み出すこと。

 

これまでになかったことを生み出すのですから、失敗を恐れずにチャレンジする人がいなければ、イノベーションは生まれません。担い手を育てる土壌づくりが不可欠です。

 

2018年、挑戦を賞賛する文化や挑戦を応援する仕組みを、組織を越えて作ることを目指し、異業種の企業・団体による社会実験プロジェクト「and Beyond カンパニー」が生まれました。

 

2021年3月現在、挑戦を応援しあうイベント「Beyondミーティング」は毎月1回、計30回開催。社⻑を交換し、「たすき掛け」された環境でアイディアや新規事業を磨いていく「たすき掛けプロジェクト」や、震災から10年を機に、フェリシモ×エティック×東北の事業者が協働して寄付付き商品を販売するなど、組織を越えたさまざまな試みが生まれています。

 

そして、この挑戦を応援するムーブメントに、エティックは次の時代をつくる若者たちにも参画してほしいと思っています。

 

参画の入り口を増やすため、私たちは世界的スポーツ大会の会場スタッフ募集業務に手を挙げることにしました。

 

世界数十カ国のスタッフが集まるチームで、世界大会を運営する大組織を体感することは、若者たちにとっても大きな経験となるはずです。

 

この経験を通じて、参加する一人ひとりが自分の人生の幅を広げてほしい。そして、ここでつながった縁を大切に、エティックは、その先のに生まれる挑戦も応援していきたいと思っています。

 

この私たちの想いに共感し、スタッフ募集の仕事の中心に一人の若者が飛び込んでくれました。

コロナ禍は、あったはずのチャンスをうばった。若者に挑戦する機会をつくりたい

 

エティックの運営している若手起業家・イノベーターのための学校「MAKERS UNIVERSITY」3期生・荒木孝文さん(26)は、このスポーツ大会の会場スタッフ募集に関わっています。

 

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荒木さんは、「そのまんま荘」という地方から上京する就活生のためのゲストハウスを運営しています。

 

「留学に行けなかったり、授業がオンラインになって交流の場が減ってしまったり、コロナ禍で多くの若者があったはずのチャンスを失ったと思うんです。だから、若者に挑戦の機会をつくりたい。こんな逆境だからこそ、エティックがやる意味があると思う」

 

荒木さんは、「やりがいを持ってのぞんでもらいたいから、アルバイトであっても単なる時間の切り売りにはさせない」と、語ります。どういうことでしょうか。

 

「研修を2つ用意してるんです。1つは業務を覚えるための研修。もう1つは、この大会になぜ関わるのか、という『WHY』の部分を、全スタッフに体感してもらうための研修です。具体的には、過去この大会に出場されたアスリートの方の話を聞く機会を準備しています。また、もともとこの大会は、東日本大震災からの復興という意味合いもあったので、復興にたずさわった方にこの10年を語ってもらうことも検討中です」

 

スタッフ募集のためのホームページも、荒木さんやそのご友人たち、20代の若者でつくりました。

 

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「応募してくれた人たちに、どうしたらより良い機会を提供できるか。真剣に向き合っていきたい」(荒木さん)

 

オンライン説明会の計画や、コンセプトを伝えるためのメールマガジンの作成など、“めずらしいアルバイト”で終わらないための工夫が日夜続けられています。

開催される可能性があるのなら、より良いものを目指したい

 

コロナ感染者の数がなかなか落ち着きを見せない中、本当に大会は開催されるのか。開催して大丈夫なのか。たくさんの声があるのを、私たちも理解しています。積極的にスタッフ募集を呼びかけることに、戸惑いが全くない訳ではありません。

 

それでも、開催される可能性が少しでもあるのなら、大会をより良いものにし、関わる多くの人たちにとって、この大会を「挑戦の機会」にしていくことがエティックの立ち位置だと考えました。

 

人生を賭けて準備してきたアスリートの皆さま、状況が二転三転する中でも開催に向けて最善を尽くしている組織委員会の皆さま、コロナの感染拡大を食い止めるために尽力されている医療従事者の皆さま、自粛営業にご協力されている事業者の皆さま、その他あらゆる立場で自分の役割を果たしている人たちのおかげで、今夏、大会は開催にこぎつけられるのだと思います。

 

「2021年の大会をきっかけに、それぞれの立場・役割で、できる挑戦を続ける“みんな”が、お互いに応援しあえる社会・文化になれたね」と、何十年も先の世代から振り返られることを夢みて、私たちは、今夏の世界的スポーツ大会を応援したいし、多くの人に参画してほしいと願っています。

 

▼オンライン説明会も実施予定。説明会のお申込みはこちらから。

①2021 年 4 月 6 日 (火) 12 時 30 分 ~ 13 時 00 分

②2021 年 4 月 7 日 (水) 11 時 30 分 ~ 12 時 00 分

③2021 年 4 月 8 日 (木) 17 時 30 分 ~ 18 時 00 分

④2021 年 4 月 9 日 (金) 16 時 30 分 ~ 17 時 00 分

 

▼スタッフへの応募はこちらからどうぞ

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